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〔声明・見解〕 公衆衛生の危機!このままでは府民のいのちと健康は守れない!今こそ、公衆衛生の充実、保健所の機能強化と拡充、地方衛生研 究所の府立直営化を!
https://www.fusyokuro.gr.jp/2020/03/post_opinion_12921.html
2020年3月25日 大阪府職労

公衆衛生の危機!このままでは府民のいのちと健康は守れない!
▶全国ワースト2の府職員と保健師数
▶ 全国で唯一、地方衛生研究所を地方独立行政法人化
今こそ、公衆衛生の充実、保健所の機能強化と拡充、地方衛生研 究所の府立直営化を!

【PDFファイルのダウンロード】
https://www.fusyokuro.gr.jp/wp-content/uploads/2020/03/20200325appeal-1.pdf

世界各国で「新型コロナウイルス感染症」が流行し、日本でも連日感染が確認され、先が見通せない中、国民の不安も広がっています。

こうした不安を少しでも取り除き、府民のいのちと健康を守るため、大阪府では健康医療部をはじめ、保健所、大阪健康安全基盤研究所の職員が対策や感染拡大防止のため、昼夜分かたず、寝食を忘れ、懸命に取り組んでいます。
コロナウイルス感染の疑いのある方の検体の採取、陽性と診断された方の搬送の付き添いや行動や接触した人の名前や連絡先の聞き取り、濃厚接触の疑いのある方への連絡、連日連夜のウイルス検査などの緊急対応に追われています。
保健所の業務は、感染症対策以外にも、母子保健、難病、精神保健など多岐にわたり、多様化する健康課題のニーズを受け、年々より高い専門性が求められています。指定難病の対象拡大(110疾病→330疾病)、増加傾向にある虐待ケースへの対応、自殺予防対策、依存症対策など、新たな課題へも対応し、個別支援や地域の体制づくりに取り組むとともに、災害時の健康危機管理のための管内医師会等との調整、管内医療機能の役割分担をすすめ、住民が困らない医療提供のための医療懇話会の整備など、医療体制の地域整備も進めています。

大阪健康安全基盤研究所では、ウイルス課全員で新型コロナウイルスの検査に当たっていますが、それ以外の検査(ノロウイルス、麻疹・風疹疑い、HIV確認検査等)も同時に行っています。

こうした状況のもと、連日連夜の長時間勤務が続き「いつも23時近くまで残っている」「深夜3時に電話対応することも」「土日のどちらかは当番があたるけど代休も取れない」「先週の土曜日は終電に間に合わなかった」「ひどいときは平均12分に1回仕事のLINEが入ってくる」「子育て中の職員がすごく申し訳なさそうにしているのを見るのがつらい」という状態が続いています。

「都道府県にそんなに保健師はいらない」「広域・調整業務だけすればいい」などのかけ声のもと、「保健所法」が廃止され「地域保健法」の施行によって保健所は全国的に減らされ、2004年には大阪府でも14の支所が廃止され、政令市、中核市含めて18ヶ所にまで減らされました。大阪府も「組織のスリム化」を掲げ、「行財政改革」「組織戦略」「職員数管理目標」などによって職員数を減らし続け、2017年には全国で唯一、府立公衆衛生研究所を府直営から切り離し、地方独立行政法人化しました。その結果、大阪府の職員数と保健師数は全国でも最低水準となっています。

くらしや環境の変化や住民のニーズに応える業務が増えても決して人員は増えず、職員は多忙化の中、住民サービスの低下に不安を抱えながら、必死で現場の努力で最悪の事態を食い止めるために奮闘しています。
しかし、今回のような感染症の蔓延や災害発生時などには、こうした職員の必死の努力もやがて限界を超え、公衆衛生機能が破綻することが危惧されています。
府民の安全・安心、いのち・健康を守る行政を進めるには、幅広い専門性を有する職員のマンパワーが絶対に必要です。

私たちは、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、府民の安全・安心、いのちと健康を守るために、あらためて保健所の機能と職員体制の強化、公衆衛生研究所(現:(地独)大阪健康安全基盤研究所)を府立直営に戻すことを求め、全力で取り組みを進めます。

2020年3月25日
大阪府関係職員労働組合
執行委員長 小松 康則
保健所支部長 野寄 法彦
大阪健康安全基盤研究所職員労働組合
執行委員長 川畑 拓也 


【関係情報】

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森崎巌「感染症拡大防止のために呼び掛けられるテレワーク ガイドラインを理解し不適切な運用の排除を」


感染症拡大防止のために呼び掛けられるテレワーク
ガイドラインを理解し不適切な運用の排除を

政府はテレワークを普及・促進

 厚労省は、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みのーっとして「感染リスクを減らす観点からテレワークや時差通勤の積極的な活用の促進」を呼びかけています。また、政府はそれ以前から、東京五輪開催時の交通混雑の緩和に向けてテレワークの実施を呼びかけ、「レガシーのーつとして定着させる」などとしています。さらに、テレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成する「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」を設けています(2019年度)。

雇用型と自営型のガイドライン

 テレワークには、雇用型と自営型の二つのタイプがあります。前者には「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(雇用型ガイドライン)、後者には「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」(自営型ガイドライン)が定められており(いずれも2018年2月)厚労省はその遵守を呼びかけています。

 今回、感染症の拡大防止策として活用が想定されているのは、労働者の就労場所を自宅に変更する形態であり、多くは雇用型テレワークです。従って、雇用型ガイドラインを十分に理解し、不適切な運用を排除する姿勢が重要です。

長時間労働の助長するおそれ

 テレワークの特徴ですが、一般に…牟仍間の短縮、育児・介護と仕事の両立、ワーク・ライフ・バランスの実現等のメリットが指摘されていますが、これに感染症リスクの軽減も加えてよいかもしれません。他方、…校間労働になりやすい、∋纏と仕事以外の切り分けが難しいなどの問題点が指摘されています。とくに、成果主義の賃金制度のもとで働く場合などは、通常の勤務と比べて長時間労働の抑制が難しく、十分に注意する必要があります。

雇用型ガイドラインのポイント

 このような視点から、雇用型ガイドラインの要点を見ていきましょう。

 もっとも重要なことは、労基法、労安法、労災保険法等の「労働基準関係法令が適用されるjとしている点です。また、労働時間管理にあたっては、「労働時間適正把握ガイドライン」(2017年1月)が適用されます。

 いわゆる「中抜け時間」の扱いが問題となりますが、待機などの指示がなく「自由に利用することが保障されている時間」であるに限り、休憩時間や時間単位の有給休暇として扱うことができるとしています。

 また、テレワークが前述のとおり、長時間労働(さらに深夜労働)になりやすいことから、「時間外・休日・深夜労働を原則禁止とすることも有効」としています。

 テレワーク導入の手続きも重要です。ガイドラインは、「目的、対象となる業務、労働者の範囲、テレワークの方法等について、労使間で十分に協議することが望ましい」、「実際にテレワークを行うか否かは本人の意志によるべき」としています。

雇用型ガイドラインの問題点

 ガイドラインには問題点もあります。ガイドラインは、次の2要件を満たす場合、事業場外みなし労働制を適用し得るとの法解釈を示しています。

‐霾鹹命機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと。
⊃鏤使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと。この場合、具体的な指示には、例えば、当該業務の目的、目標、期限等の基本的事項を指示することや、これら基本的事項について所要の変更を指示することは含まれません。

 しかし、事業場外みなし労働制の適用が許されるのは、法文上「労働時間を算定し難いとき」(労基法38条の2)です。これを「使用者の具体的な指揮監督が常時及ばないとき」と置き換え、,鉢△気満たせばよいとする解釈は無理があります。むしろ、今日の情報通信機器を使った作業では、技術的に「労働時間を算定し難いとき」は想定し難く、事業場外みなし労働制の適用の余地はほとんどないと言うべきでしょう。     (全労働省労働組合 森崎巌)

全国センター通信(働くもののいのちと健康全国センター)No.250 (通巻260号) 2020年4月1日8面

厚生労働省
テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/content/000553510.pdf

 


【関連記事】
第9回 欧州司法裁判所が画期的判決。企業には全労働時間を客観的に把握・記録する義務あり!

http://hatarakikata.net/modules/wakita/details.php?bid=11

(S.Wakita)テレワークをめぐる便宜的な厚労省の解釈への疑問を的確に指摘。昨年5月、ECの欧州司法裁判所が労働時間算定についての厳格な基準を定めるように各国に求める。テレワークについては、こうした厳格な基準に基づいて、長時間労働、不払い労働が出ないようにすることが重要だと思う。

 

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生活福祉資金の特例貸付が本日から開始ー状況次第で10〜80万円がもらえる償還免除もありー
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200325-00169705/
藤田孝典 | NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授
2020/03/25(水) 18:43

〔写真〕生活福祉資金貸付の特例が開始ー10万円〜80万円を返還しなくてもよい場合ありー(写真:アフロ)

生活福祉資金の特例貸付制度が開始
本日(3月25日)から以下の通り、厚生労働省が発表した生活福祉資金・緊急小口資金の特例貸付制度が始まった。

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付の拡大について

本年3月10日付のプレスリリース「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付の実施について」により、新型コロナウイルス感染症の影響により、収入減少があった世帯の資金需要に対応するため、生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金及び総合支援資金(生活支援費)について特例措置を設ける旨をご案内しました。

今般、「生活不安に対応するための緊急措置」(本年3月18 日新型コロナウイルス感 染症対策本部)を踏まえ、本特例貸付を拡大することとしたので、その概要を別紙の通りお知らせいたします。

詳細については、厚生労働省のプレスリリースを読んでいただきたい。

要するに、国の「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策ー第2弾ー」において、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、貸付の対象世帯を低所得世帯以外に拡大している。

休業や失業等により生活資金で悩んでいる方たち、収入の減少で苦しんでいる方たちに向けた、生活福祉資金の特例貸付である。

新型コロナウイルスによって、経済的な損失や収入減少があった場合で、生活に困っていれば概ね対象となる。

2種類の生活福祉資金の特例貸付とは
この特例貸付制度は2種類ある。休業された方向けと失業された方など向けである。

以下の表にわかりやすく貸付対象者や貸付条件が記載されている。

内容を確認いただきたいし、不明な点は遠慮なく、お住まいの市区町村社会福祉協議会に聞いていただきたい。

休業された方向け(緊急小口資金)
失業された方等向け(総合支援資金)
この特例貸付制度の開始によって、早速、今日から各市区町村の社会福祉協議会に相談が相次いだ。

都内のある社会福祉協議会では、開庁前に行列ができるところも出ている。

一部で混乱も見られるが、明日以降も順次、貸付対象者から受付を続けていく予定である。

繰り返すが、窓口は市役所ではなく、お住まいの市区町村社会福祉協議会であり、生活福祉資金貸付制度の申込受付が開始されている。

上記のとおり、休業向けの「緊急小口資金」、失業向けの「総合支援資金」の2種類の制度があるが、併用することも可能となっており、最大80万円が無利子・保証人無しで貸してもらえる。

例えば、緊急小口資金20万円と総合支援資金20万円を3ヶ月で、世帯や状況によっては、合わせて最大80万円の貸付が受けられる。

このような破格な待遇での貸付は従来にはないものだ。

利子や保証人が必要な銀行や消費者金融、クレジットで借りなければならないと思っている方は、絶対に社会福祉協議会にすぐ相談するべきである。

そして、最大の魅力は貸付であるのだが、償還時になお所得の減少が続く場合(住民税非課税世帯など)は、償還を免除(返還不要)することができる。

つまり、生活困窮世帯にとっては、10万円〜80万円の実質的な給付措置なのである。

このような機会はなかなかないものである。

仕事が減ったり、収入が減った事実があり、生活に困っている場合はぜひお気軽に相談してみてほしい。

困った時はお互いさまであり、できた制度は使わないともったいない。恥ずかしがる必要もない。

場合によっては周囲の友人や知人にも紹介して一緒に貸付を受けてもらいたい。

明日も朝から各市区町村社会福祉協議会は開いており、皆さんの相談を待っているはずである。


藤田孝典
NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授

社会福祉士。生活困窮者支援ソーシャルワーカー。専門は現代日本の貧困問題と生活支援。聖学院大学客員准教授。北海道医療大学臨床教授。四国学院大学客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。元・厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(生活困窮者自立支援法)。著書に『棄民世代』(SB新書2020)『中高年ひきこもり』(扶桑社 2019)『貧困クライシス』(毎日新聞出版2017)『貧困世代』(講談社 2016)『下流老人』(朝日新聞出版 2015)。共著に『闘わなければ社会は壊れる』(岩波書店2019)『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』(岩波書店 2015)など多数。 

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コロナで突然の解雇予告、非正規はどうすれば? 「安心して休んで」から一転、「2週間後に辞めて」
https://www.bengo4.com/c_5/n_10966/
弁護士ドットコム 2020年03月26日 10時16分

写真はイメージです(【IWJ】Image Works Japan / PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、自主退職や解雇など雇用への影響が出始めている。ネット上には、アルバイト先から解雇を言い渡され、「奨学金が返済できない」「シングルマザーで子どもたちがいるのに…」などという声が上がっている。

弁護士ドットコムにも「新型コロナの影響という理由で突然解雇予告された」というパート従業員が悩みを寄せている。

●「自宅待機」から「解雇」へ…

相談者は当初、会社側に「安心して休んでいいからね」と言われ、自宅待機をしていたという。子どもの学校が休校になったことから、当初は休むことができ、安心していたようだ。

ところが、約1週間後に会社から「もう会社のことは気にしなくていい。仕事も他に依頼した」という連絡があった。相談者が「解雇ということですか? 自己都合退社にすれば良いのですか?」と聞いても、明確な返答は得られなかった。

後日、相談者が「せめて退職日を決めてほしい」とメールすると、2週間後の日付が送られてきた。相談者は会社側に「解雇」とハッキリ言われておらず、退職日が2週間後であることに納得できないという。

このように、突然の解雇に納得できず、不安を抱えている人たちは少なくない。パートやアルバイトなどの非正規労働者が解雇、雇い止めを言い渡された場合、どのように対応すべきなのだろうか。労働問題に詳しい波多野進弁護士に聞いた。

●「原則として自主退職に応じるべきではない」

ときどき「非正規労働者は解雇されても仕方ない」と諦めてしまう人もいるが、解雇の有効性について争うことはできるのだろうか。

「はい、非正規の方でももちろん、解雇の有効性をめぐって争うことはできます。非正規労働者と一言で言っても、短時間のパート、アルバイトもいればフルタイムで働く人もおり、働き方はさまざまですが、正社員と同様に労働者であることに変わりはありません。雇用形態にかかわらず、不当に解雇することは認められていません」

「自主退職」と「整理解雇(会社の経営上の理由による人員削減として行われる解雇)」にはどのような違いがあるのだろうか。

「非正規労働者でも一定の条件を満たしていれば、失業手当を受給することができます。自主退職となると、失業手当の支給期間や待機期間で不利になります。一方、整理解雇は会社都合による退職ですから、失業手当の受給の点でも自己都合退職より有利です。

また、自主退職ならば、従業員の地位を求めたり、賃金請求したりすることは原則としてできません。しかし、整理解雇であるならば、解雇が無効であるとして地位の確認を求め、解雇後の賃金を請求する法的手続きも取ることができます。

そのため、原則として自主退職に応じるべきではないと思います。

なお、整理解雇の有効性は、(1)人員削減の必要性、(2)解雇回避努力義務の履行、(3)人選の合理性、(4)手続きの妥当性から判断されることとなっています」

●自主退職を促されたら…「まずは明確に就労を求める」

自主退職を促された場合、断ることはできるのだろうか。

「できます。辞めるかどうかは労働者が決めるべき事です。正社員であっても、パートやアルバイトであっても『労働者』であるという点では同じです。

解雇かどうか曖昧のままにすると、使用者側が『一方的に自主退職した』という扱いを強行することもありえます。

そこで、まずは明確に就労を求めることです。それでも使用者側が拒否するようであれば、就労拒否後の賃金を請求する方法が考えられます。解雇ということであれば、解雇無効として解雇後の賃金を請求するという対処が考えられます」

●解雇は「無効」であるとして解雇後の賃金請求を

解雇をするには、原則として使用者は少なくとも30日前に解雇予告をするか、解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払うことが必要となる(労働基準法20条)。

しかし、相談者のように退職日が2週間後とされたり、突然電話で「明日から来なくて良い」などと言われたりする人もいるようだ。このような場合、解雇予告手当を請求することはできるのだろうか。

「解雇予告手当を請求することはできると考えます。実際に労基署に相談すると、解雇予告手当の請求を勧められることが少なくありません。

しかし、解雇予告手当を請求するのではなく、それよりも解雇は無効で従業員の地位があることを前提に解雇後の賃金を請求する方が、このような立場の労働者の方々にとって有効な対応方法だと思います。

解雇されそうになっていたり、退職を迫られたりして解雇された場合には、使用者側から求められる書面(退職届など)に署名や提出をすることなく、まずは早期に労働問題をよく担当している弁護士に相談して有効な手段を講じるべきです」

取材協力弁護士
波多野 進弁護士
波多野 進(はたの・すすむ)弁護士
弁護士登録以来、10年以上の間、過労死・過労自殺(自死)・労災事故事件(労災・労災民事賠償)や解雇、残業代にまつわる労働事件に数多く取り組んでいる。
事務所名:同心法律事務所
事務所URL:http://doshin-law.com 

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同一労働・賃金スタート 実効性確保は企業の責任
https://mainichi.jp/articles/20200325/ddm/005/070/067000c
毎日新聞2020年3月25日 東京朝刊

 非正規労働者の待遇改善を企業に求める「同一労働同一賃金」の制度が、4月1日からスタートする。まずは大企業の非正規労働者とすべての派遣労働者が対象で、2年目から全面実施となる。

 2018年に成立した働き方改革関連法に基づく対策だ。非正規労働者の賃金は正規労働者の6割程度にとどまってきたことが背景にある。

 改正法は同じ企業に勤める正規・非正規の労働者の間で、不合理な待遇差や差別的取り扱いを禁じた。パートや有期契約の労働者だけではなく、派遣労働者も含めた点に意義がある。

 厚生労働省の指針では、基本給や賞与は勤続年数や能力・成果が同じ場合は、原則同額を払うこととしている。差を認めるのは、転勤や異動が正社員に限られる場合などだ。

 通勤手当や出張旅費、休憩室や社宅の利用など福利厚生については、正規・非正規で区別しないよう求めている。

 合理的に説明できない待遇差は認められない。

 実効性を確保するのは各企業の責任だ。企業の現金などの内部留保は18年度で463兆円に上る。格差を放置せずに、積極的に待遇改善に取り組むべきだ。

 制度開始でコストが増えることに伴い、非正規労働者の雇い止めが起きることが懸念される。こうしたことがあってはならない。

 新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、景気の先行き不安を待遇改善回避の言い訳にする企業も出ているようだ。しかし、それは通用しない。

 手当や福利厚生と異なり、基本給の引き上げを進めるには昇給・評価の仕組みが必要だ。しかし、整備されていないことが多い。この点から改善していくべきではないか。

 派遣労働者の待遇改善は、派遣料金の引き上げにつながる。派遣サービスを利用している企業は、応分の負担を引き受けるべきだ。

 非正規労働者は既存の労働組合に加入していないことが多いが、労組が企業に適切な対応を要求していくことが大切だ。

 同一労働同一賃金は欧州で主流だが、日本の法整備は立ち遅れている。着実な実施が求められる。
 

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【社説】一斉休校 学童保育拡充の契機に
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020032502000126.html
東京新聞 2020年3月25日

新型コロナウイルスの感染症対策で休校が続く間、放課後児童クラブ(学童保育)に大きな負担がかかっている。子育て支援に必要な施設だ。厳しい運営実態に目を向け拡充策を考える機会にしたい。

 一万八千二百六十一人。二〇一九年五月時点で学童保育を利用したいのにできない待機児童数だ。

 感染症が発生する前で、都市部を中心にこれだけの子どもたちが利用できないほど施設はぎりぎりの運営を強いられている。

 そこへ一斉休校の実施だ。学校に行けない子どもたちの受け皿となったことで負担が増した。

 政府は、学校再開に向けた指針を二十四日に公表したが、感染の拡大状況によっては新学期も休校が続く地域は出るだろう。支え手の手薄な弱い部分へのしわ寄せが続きそうだ。

 学童保育は共働きやひとり親家庭の小学生が放課後や夏休みなどに、宿題をしたり友達と遊んだりする居場所で、公営や民間など全国に約二万六千カ所ある。学童保育は、こうした家庭にとっては仕事を続けるための命綱と言える。

 政府は一斉休校を要請する際、学童保育は原則開所するよう要請した。だが、唐突な休校要請で人繰りに苦心している。人手不足など現場の実態を政府は十分に認識しての開所要請だったようには思えない。

 厚生労働省によると、十六日時点で学童保育を設置している自治体の約七割が午前中から開所する対応をとっている。それ以外でも低学年は学校が、高学年を学童保育が受け入れるなどしてやっと対応している自治体もある。

 負担増に日本学童保育学会は子どもの居場所としての役割を学童保育に「丸投げ」されたとの緊急声明を出した。現場の混乱と困難を考えれば当然の危機感だろう。

 職員である指導員は発達段階や家庭環境の違う子どもたちに向き合う専門性が求められる。だが、全国学童保育連絡協議会によると非正規職員が公営施設でも半数近い。全体の半数以上が年収百五十万円未満だ。

 不安定な雇用、不十分な待遇でも子どもに寄り添う担い手に頼っているのが実情である。

 政府は三十万人分の定員拡充を進めているが、需要に追いついていない。施設の充実や職員の待遇改善に政府や自治体のさらなる財政支援は欠かせない。政府は学童保育は重要な子育て支援策と認識し態勢強化を図るべきだ。 

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【社説】内定取り消し 拙速な経営判断は慎め
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020032302000143.html
東京新聞 2020年3月23日

新型コロナウイルスによる経済危機が広がる中、新卒者の内定を取り消す動きが出ている。政府などはけん制に乗り出しているが当然だ。若者の未来を損なう拙速な判断は厳に慎むべきだ。

 政府によると、中小企業を中心に十三社で内定取り消しが報告されている。いずれのケースも感染拡大による不安から経営者が極端な判断に踏み切ったのだろう。

 採用内定期間中、雇用者には採用を止める解約権が留保されている。ただこれを行使できるのは、その期間中に罪を犯したり、大学や高校などを卒業できないといった場合に限定される。

 今回のような経営不安を理由にした取り消しは、労働契約法で定める解雇権の乱用にあたる可能性がある。経営者が法を熟知した上で雇用をめぐる判断をすべきなのは言うまでもない。

 こうした中、取り消された学生に手を差し伸べる企業も出始めている。経営者の心意気も含め称賛したい。

 内定取り消しとともに懸念されるのが今後の採用計画だ。ここ数年、少子化などに伴う人手不足を背景に、大小を問わず企業の採用意欲は旺盛だった。学生にとって売り手市場とも指摘されてきた。

 しかし、経済の混乱は世界レベルで急速に広がっている。このため来年春以降、各企業が採用を大幅に抑制する可能性は否定できない。今の状況が長引けば、打撃が大きい観光や運輸、外食産業などは雇用面も含めた経営体制の見直しを迫られるだろう。

 忘れてはならないのは一九九〇年代半ば以降に起きた極端な就職難だ。就職氷河期とも呼ばれ、非正規労働者激増の温床にもなった。この時代に就職活動をした世代の多くは、今もなお困難な人生を強いられている。

 政府はこの世代を救う政策を実施しているが、効果を上げているとは言い難い。人生のスタートで大きく躓(つまず)いた人々が現在も不遇をかこち、その不満は社会全体に影を落としたままだ。

 当時、特に大企業の経営者が足元の景気動向にとらわれ、次元の低い採用策を取ったのが就職難の主因だ。

 企業を統治する上で採用は、若者に自らの未来を託す最も重要な行為だ。そこには中長期を見据えた高い視点からの判断が求められるはずだ。

 就職氷河期を再び起こすことがないよう、経営者は肝に銘じてほしい。 

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迫る年度末 コロナで広がる非正規「雇止め」 法規制のポイントと対処法を解説する
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20200322-00169072/
今野晴貴 | NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。 2020/03/22(日) 12:00

 年度末が迫るなか、非正規労働者の間に雇止めへの不安が広がっている。

 毎年この時期には、私たちの労働相談窓口に雇止めに関する相談が多く寄せられるが、今年はそれに加えて特別な事情がある。言うまでもなく、新型コロナの感染拡大による経済的影響が広がるなかで、例年以上に多くの方が解雇や雇止めによって仕事を失うことが懸念されているのだ。

 経済への影響は業種を越えて広がっており、観光や交通のような直接的影響を受ける業種だけでなく、製造業や飲食業、サービス業など様々な業界に影響が出ている。契約社員、パート社員、派遣社員など、いわゆる非正規雇用の形態で働いている方のなかには、すでに雇止めを通告されたという方も多いのではないだろうか。

 約10年前のリーマン・ショックの時にも大規模な「派遣切り」が問題になったが、経済活動が停滞する時期に真っ先にクビを切られるのはいつも非正規雇用の人々だ。経営者からみれば、非正規労働者は「雇用の調整弁」であり、不況期には当たり前のように切り捨てられてしまう。

 しかし、労働者個人の視点に立って考えると、非正規雇用だからといって簡単にクビを切られてしまえば、収入源を失い、生活に行き詰まってしまう。

 そこで、雇止めには一定の法的な規制がかけられている。雇用期間が定められているからといって、どのような場合にも雇止めができるわけではないのだ。

 雇用者全体の約4割を非正規労働者が占める現状を踏まえれば、コロナショックに伴う雇止めの横行によって、全国に多くの失業者が生じてしまうことにもなりかねない。こうした事態を防ぎ、非正規労働者の生活を守るためには、雇止めをめぐる法的なルールに対する理解が広がる必要がある。

 この記事では、できるだけ簡潔に法規制のポイントを整理していきたい。その上で、非正規労働者が身を守るための対処法についても述べていきたい。

なぜ雇止めの規制が必要なのか

 雇止めとは、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)の契約期間が終了するタイミングで、使用者が契約の更新を拒絶することをいう。

 あらかじめ契約期間を定めているのだから、その期間が経過すれば労働契約が終了するのは当然のことだ。契約を更新するか否かは当事者に委ねられる(契約自由の原則)。このため、合理的な理由が必要とされる「解雇」とは異なり、使用者が雇止め(更新拒絶)をするときに理由は必要とされない。

 だが、現実には、何度も契約更新を繰り返し、長期間同じ職場で働き続けている有期雇用労働者がたくさん存在する。何年も雇い続けていたにもかかわらず、不況になった途端、期間満了を理由に契約を打ち切るということが容認されてしまうと、世の中に不安定な雇用が広がってしまう。

 そこで、判例は、一定の条件を満たす雇止めには「解雇権濫用法理」を類推適用し、労働者を保護してきた。

 解雇権濫用法理とは、使用者の解雇権の行使は、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になるという考え方だ。

 何度も更新を繰り返しているなど、一定の場合には、雇止めにもこれと同じ考え方を適用し、「合理的な理由」がない場合には雇止めは無効となり、従前の労働契約が更新されると裁判所は判断してきた。このような判例上のルールを「雇止め法理」という。

雇止めに関する法規制

 この判例法理を明確化し、法律として定めたのが労働契約法19条だ。リーマン・ショック後の「派遣切り」の経験を踏まえ、2012年の法改正によって条文化されたものである。

労契法19条は、次の2つのいずれかに該当する場合であって、使用者が雇止めをすることが「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」には、使用者は、従前の有期労働契約と同一の労働条件で、労働者による更新の申込みを承諾したものとみなす旨を規定している。

(1)有期労働契約が反復して更新されたことにより、期間の定めのない労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められる場合
(2)労働者が契約の更新を期待することについて合理的な理由があると認められる場合

 少し分かりにくい規定だが、要するに、ある一定の条件を満たす場合には労契法19条が適用され、雇止めが無効となり、以前と同一の労働条件で有期労働契約が更新されるということだ。

 このようにして、法律は、いわゆる非正規雇用の労働者が「雇用の調整弁」として利用されることがないように規制をかけている。

 なお、この法律は、有期労働契約であれば、パート、アルバイト、契約社員、嘱託など職場での呼称にかかわらず対象となる。

雇止めに関する判断基準

 では、どのような場合に労契法19条が適用され、雇止めが無効になるのだろうか。

 (1)に該当するケースはあまり多くなく、問題になることが多いのは(2)に該当するか否かであるため、ここからは「(2)労働者が契約の更新を期待することについて合理的な理由があると認められる場合」に絞って説明する。

 労契法19条が適用されるための第一段階として、まず、労働者が更新を期待することについて合理的な理由が認められるかが問われる。この点について、過去の裁判例では、下の図に掲げられている判断要素を総合的に考慮して判断している。

〔出所〕厚生労働省リーフレット「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について」https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/dl/h1209-1f.pdf
〔出所〕厚生労働省リーフレット「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について」https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/dl/h1209-1f.pdf
例えば、正社員と同じ仕事をしている場合や契約更新手続が形骸化している場合、上司から更新を期待させるような発言があった場合などは、更新を「期待」することに合理的な理由があると判断されやすいということだ。

 合理的期待が認められる場合には、解雇権濫用法理が類推適用され、基本的には解雇の場合と同様に雇止めの有効性が判断される。これが第二段階であり、雇止め自体に「合理的な理由」があるかが問われる。

 新型コロナの影響による経営状況の悪化を理由とする雇止めの場合、整理解雇の四要件に準じた基準によって「合理的な理由」の有無が判断されることになるだろう。つまり、雇用調整助成金を活用するなどして、雇止めを回避するための努力を十分に尽くしたと認められるような状況でなければ、雇止めが有効とは認められないものと考えられる。

 雇止めが無効だと判断されれば、雇用は継続し、雇止めによって働けなくなった期間がある場合には、使用者に対してその分の賃金の支払いを求めることができる。

 このように、雇止めが有効と認められるか否かには一律の基準があるわけではなく、個別具体的な事情ごとに判断されるため、その判別は容易ではない。それゆえ、雇止めの通告に納得できないときは、早めに労働組合や支援団体に相談し、専門家の助言を受けながら対処法を考えるべきだ(末尾も参照)。

労契法19条を活用する上での注意点

 雇止めに関する法規制のポイントは以上のとおりである。「雇止めされるかもしれない」という不安を抱えている方は、労契法19条を活用し、不当な雇止めから身を守るようにしてほしい。

 以下では、この法律を活用する際の注意すべき点について述べていきたい。具体的にどのような対応を取ればよいのかは個々の状況によって異なるため、この記事で基本的な知識を身につけた上で、労働相談を行っている機関や団体にアドバイスをもらうとよい。

1 必要な手続

 上の文章では説明を省いたが、労契法19条のルールが適用されるためには、労働者からの「更新の申込み」が必要だ。契約期間を満了した後でも、遅滞なく「締結の申込み」をすればよいことになっている。

 この「申込み」は、使用者による雇止めの意思表示に対して、労働者による何らかの反対の意思表示が伝わるものでもかまわないと解されている。つまり、きちんとした書面の形で「申込み」を行なっていなくても、異議があることが伝わればよいということだ。例えば、「嫌だ」「困る」などというだけでも、「申込み」と認められる。

 ただ、紛争になった場合には、使用者が「申込みがなかった」と主張する可能性もあるため、できる限り書面で「申込み」の意思を明確にしておくとよいだろう。いずれにしても、雇止めの通告を受けたら、早期に意思表示を行うことが肝要だ。

2 契約締結時における更新の有無・基準の明示

 使用者は、有期契約労働者に対して、契約の締結時にその契約の更新の有無を明示しなければならない。また、更新がある場合には、更新する場合又はしない場合の「判断の基準」を書面の交付によって明示しなければならない。

 契約締結時に交付された労働条件通知書等に「自動的に更新する」と明示されている場合には、当然、契約更新への合理的期待があると認められる。「更新する場合があり得る」と記載されている場合には、明示された「判断の基準」に照らして本当に雇止めが必要なのか否かが問われる。

雇止めを通告されたら、労働条件通知書の記載を確認しよう。

〔参考〕厚生労働省告示「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(2003年10月22日)

3 雇止めの予告

 有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者について、契約を更新しない場合には、使用者は少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までにその予告をしなければならない。

 また、雇止めの予告後に、労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。

 雇止めを予告されたら、使用者に証明書を請求し、雇止めの理由を明らかにするとともに、労働組合などに相談しよう。

〔参考〕厚生労働省告示「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(2003年10月22日)

4 不更新条項について

使用者が「雇止め法理」の適用を免れるために、契約を更新する際、契約書に「不更新条項」を挿入することがある。例えば、契約書に「次回の更新は行わず、契約終了とする」などといった文言を追加してくるケースがよくみられる。

 そのような契約書を提示された労働者は、受け入れたくないと考えるのが通常だが、「拒否したら契約が更新されず、すぐに仕事を失ってしまうかもしれない」という意識が働き、不本意ながら合意してしまうことが多い。

 こうした実情を踏まえ、裁判所は、そのような合意が労働者の自由な意思に基づくものであるかを慎重に判断する傾向にある。それゆえ、不更新条項にサインしてしまっているとしても、その合意が必ずしも有効と認められるわけではなく、諦める必要はない。

5 中途解約との違い

 契約期間の終了を待たず、期間途中に「明日から来なくていい」と言われた場合はどうだろうか。ここまで取り上げてきた契約期間満了時の更新拒絶(雇止め)と契約期間中の解雇(中途解約)は全く異なる問題なので区別する必要がある。

 労契法17条1項は、「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」と規定している。

 「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当である」と認められる場合よりも狭いと解される。もともと契約期間が決まっているわけだから、その途中で契約を解約せざるを得ない程の特段の事情がない限り解雇は認められないということだ。

 つまり、中途解約は、一般の解雇よりもさらに厳しく規制されている。

 「やむを得ない事由」が認めらない場合には解雇は無効となり、解雇によって働けなくなった期間がある場合には、使用者に対してその分の賃金の支払いを求めることができる。このような場合も、労働組合や支援団体に相談してほしい。

今野晴貴
NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。
NPO法人POSSE代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。年間2500件以上の若年労働相談に関わる。著書に『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)、『日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか?』(星海社新書)など多数。2013年に「ブラック企業」で流行語大賞トップ10、大佛次郎論壇賞などを受賞。共同通信社・「現論」連載中。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。大学講師。無料労働相談受付:soudan@npoposse.jp、03−6699−9359。
 

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森友公文書改ざんでノンキャリ職員の命奪い権力の座にしがみつく安倍晋三・昭恵夫妻と財務キャリア官僚
https://blogos.com/article/444675/
国家公務員一般労働組合 2020年03月21日 21:35

 全経済産業省労働組合副委員長の飯塚盛康さんが、森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん事件に関連し、2018年3月7日に自ら命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんの遺書と手記を読んでの思いを書いてくれたので、以下紹介します。

 中央省庁には地方を所管する地方局があり、例えば経済産業省は〇〇経済産業局、国土交通省には〇〇地方整備局、厚生労働省には〇〇厚生局があり、財務省にも〇〇財務局があり、赤木俊夫さんが勤務していた近畿財務局もそのうちの1つです。

 基本的に本省は政策立案、地方局はその政策を実行するという役割になっているので、地方局の職員は補助金の交付決定から補助金額を確定して事業者に支払うなどの実務を担っています。赤木さんがいた近畿財務局も国有地払い下げの「実務」を担っていたはずです。

 私たち国家公務員は補助金や契約など、お金にからむ案件は会計検査院の受検が一番怖いので、きちんとした書類を揃えるというのは常識です。

 赤木さんが文書を改ざんさせられている最中の2017年の4月と6月に会計検査院の受検が行われていますが、書類は出すな、文書は保存していないと説明しろと言われたと手記に書いています。

 そんな中、7月に自分以外の人が異動してしまい、関係資料もないと分かった時、自分だけに責任を負わせようとする財務省に対する絶望感と改ざんしたという罪悪感によって精神を病んだのだろうと思います。

 ちなみに翌8月には安倍昭恵夫人の秘書だった経産省のノンキャリの谷査恵子氏はイタリア大使館に一等書記官として赴任しています(怒)。

 地方局では総合職いわゆるキャリアが新規採用されることはなく、全員ノンキャリですが、幹部といわれる局長や部長は本省からキャリアが送り込まれてきます。

 本省からみれば地方局は格下と見られていて、地方局は本省の言うことを聞いておけばいいんだと、本省から送り込まれた幹部のキャリアも思っているので、赤木さんが改ざんに抵抗しても押し切られていく姿は身につまされます。

 佐川宣寿局長が、なぜ文書記録は存在しないと国会で答弁したのか、決裁文書を改ざんしたのか? 安倍首相が国会で「妻と自分が関係していたら総理大臣だけでなく、国会議員も辞めますよ」と言ったことが発端だということは、絶対に忘れてはならないことです。

 『週刊文春』2020年3月26日号に掲載された赤木さんの遺書と手記を読んでから、ずっと心が沈んでいます。私自身、関東経済産業局という赤木さんが働いていた近畿財務局と同じ「管区機関」で働き、ノンキャリの課長補佐という同じ役職だったので、他人事とは思えないからです。

 赤木さんがなぜ改ざんを断ることができなかったのか? それは、赤木さんが旧国鉄から採用されたことにあるのではないかと私は思います。

 高校卒業後、当時の国鉄に就職した赤木さんは、国鉄の分割民営化によって1987年に中国財務局に採用されました。

 当時、10万人近い職員が余剰人員とされ、希望者は民間会社や民間鉄道会社や公務員などにあっせんされて就職しましたが、不採用になった人は国鉄清算事業団に行かされました。

 財務局に採用された赤木さんは国鉄清算事業団に行かなくて良かったと喜んだと思います。そして、赤木さんは財務局に恩義を感じたのではないでしょうか。それは畑違いの仕事をしながら、もっと勉強して役に立ちたいと思って、立命館大学法学部の夜間コースに通ったことでも推察されます。

 もしかしたら国鉄清算事業団に行ったかもしれない自分を救ってくれた財務局に恩返しをしようと仕事をしていたに違いありません。関東経済産業局にも国鉄や林野庁の就職のあっせんを受けて来た人がいて、同じような思いで仕事をしていた人を私は多く知っています。ですので、赤木さんも同様だったのではないかと思うのです。

 そんな、恩義のある組織から改ざんを頼まれて涙を流して抵抗した赤木さんの無念を想像すると、胸が張り裂ける思いです。

 財務省は赤木さんを見捨てたのか? 2017年2月から決裁文書を改竄させられた赤木さんは7月には異動できると思っていたのに、関係した人は異動したのに自分は異動できないだけでなく関係書類まで無くなったことで、精神を病んでしまいます。

 なぜ、そんなことができたのか? それは、赤木さんが正式な公務員試験を通った人ではない、いわゆる「外様」だったからではないかと思います。もっとひどい言い方をすれば、国鉄をクビになるところを拾ってやったヤツに全部責任を負わせてしまえと考えたのではないか。財務省、近畿財務局は赤木さんを見捨てたのです。

 赤木さんは国民のために仕事ができる財務省が好きだったと思いますが、その財務省の官僚は簡単に赤木さんを見捨てて、命まで奪いました。

 そして、手記が出た今でも麻生太郎財務大臣は見捨て続けています。

 安倍首相は「改ざんは二度と起きてはいけないこと」と言っていますが、改ざんは一度たりともやってはいけないことです。そしてその一回をやったのも、安倍首相が国会で「森友学園の国有地の払い下げに妻か自分が関係していたら総理大臣だけでなく国会議員も辞める」と言ったからです。あの時、安倍首相が辞めていれば、赤木さんが自ら命を絶つこともなかったのです。人の命を奪ってまで首相の座にしがみつくことを許し続けている国は、およそまともな民主主義国とは言えません。

 今からでも遅くないので、安倍首相は、首相も国会議員も辞めて、昭恵夫人と一緒に赤木さんの墓前で謝ってもらいたい。

 佐川理財局長が命令し、美並近畿財務局長が承諾し、黒川次官が不起訴にした。佐川氏は国税庁長官、美並氏は東京国税長、黒川氏は検事長。そして赤木さんは命を奪われた。赤木さんの命を奪っておいて、安倍首相も昭恵夫人も佐川氏も黒川氏らものうのうと暮らしています。昭恵夫人は赤木さんが命を奪われた日に銀座でパーティーに参加していました。この夫婦に人の血は流れているのでしょうか?

 安倍政権が続く限り、まじめに働く多くのノンキャリは、いつ第2の赤木さんになってもおかしくありません。

 国家公務員は赤木さんの言う「私の契約相手は国民だ」という言葉を胸に刻んで仕事をしてください。

 各省庁にある労働組合は、赤木さんのような人の駆け込み寺になって、職員に違法、不当な仕事をさせないと宣言してください。

(全経済産業省労働組合副委員長・飯塚盛康)
 

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学童保育「体力の限界」コロナで疲弊する現場 かつてない状況に子供たちもパニック状態
https://toyokeizai.net/articles/-/337959
須藤 みか : ノンフィクションライター 東洋経済オンライン 2020/03/20 5:20

〔写真〕学童保育所の運営形態による“格差”が現場にどのような影響をもたらしているか、指導員の悩みや不安の声をお伝えする(写真:YsPhoto/PIXTA)

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために行われている臨時休校措置。働く保護者の子どもを預かるため、全国各地で多くの学童保育所が朝から開所を続けている。

人員不足や感染を広げないかという不安を抱えながら働く指導員(放課後児童支援員)の声が多数のメディアに伝えられ、「学童保育にこれほどスポットがあたったことはこれまでなかった」と多くの指導員が口をそろえる。その一方で、伝えられてない現場の悩みもある。

指導員を疲弊させる「連日の超過勤務」

「学童保育に注目が集まるのはうれしいことですが、同じような報道ばかりで……。この機会に学童のことをもっと知ってほしい」と、大阪市内の学童保育所で働く30代指導員Aさんから連絡があったのが3月9日。

学童保育と言っても、ひとくくりにできない地域差がある。例えば保育料ひとつとっても、1カ月5000円程度のところもあれば、2万円を超えるところもある(最近、進出著しい英語学童や習い事系学童を除く)。

そのほか、設置場所、保育内容、指導員の雇用形態などさまざまな違いがあるが、その大本にあるのが運営形態の差だ。公設公営、公設民営、民設民営と大きく3つに分けられる。その“格差”は現場にどのような影響をもたらしているのか、近畿圏の指導員7人に話を聞いた。

まずAさんの話を聞こう。

「8時から19時半まで開所しています。長期休み期間中であれば全体の計画を事前に立て、日案というその日ごとの計画も立てていきますが、今回はいきなり朝からの保育になってしまったので、十分な保育ができないというもどかしさを感じています」。連日の超過勤務もあってか、声に疲れがにじんでいた。

大阪市学童保育連絡協議会が行った調査によれば、回答のあった46施設のうち、最長勤務時間が11時間を超えた施設が7割近くあり、13時間以上という施設も約1割あった。

「学童保育って、ただ遊んでいるだけでしょ」。そう思われがちなのだが、異なる年齢の、そしてさまざまな特性を持った子どもたちの自主性を重んじながら、指導員は子どもたちに寄り添い、遊びやさまざまな活動を通して成長を支えている。

「指導員がそろってミーティングを行う時間がないので、日々の子どもたちの変化や気になる言動などの共有も難しく、保育中に細切れに立ち話で済ませるか保育後に残って話し合うしかありません」と、Aさんは嘆く。

臨時休校を受けて朝から開所している学童保育所が多いのだが、地域によって開所時間は異なる。例えば、Aさんと同じ大阪市内でも、校内で5時間目まで子どもたちが過ごす校区もある。

そのため、「いつもと同じように放課後の時間帯のみ」と話すBさん(50代)のような、超過勤務とは無縁の指導員もいる。大阪市内は、保護者会が運営する民設民営。当然、施設は学校外にあるのだが、学校との連携がスムーズに行われているところもあるのだ。

指導員を襲う「コロナショック」

では、公設公営はどうか。学校内に設置され、指導員は常勤・非常勤・嘱託・任期付き短時間勤務など身分は異なるものの、自治体に直接雇用されている。

5、6時間目までは学校で受け入れる方針を決めた自治体で働くCさん。20年以上のキャリアを持つ。

「うちでは超過勤務ということはありません。なぜこうなったかは推測ですが、指導員の勤務体制と学童保育の事業内容を行政が総合的に判断した結果からではないかと思います。

ただ、さまざまな情報が流れる中で学校によって対応が違い、運動場で遊ぶことができないといった日常生活が制限されているところもあれば、自由に運動場で遊べるところもあります。適度な距離を保つために、施設を貸してくれるなど柔軟な対応をしてくれる学校もあります」

しかし、Cさんのような自治体が少数派で、朝からの開所のために綱渡りの勤務体制を敷く地域のほうが圧倒的に多い。もともと学童保育の現場では人員不足が慢性化している。責任が重いにもかかわらず、待遇はいいとは言えないからだ。そこに来てのコロナショックだ。

「とにかく人の配置が間に合っていません。子育て中の人もいますし、私のように親の介護を抱えている人もいます。互いの事情を聞いて、シフトを組むだけでも一苦労」と話すのは、異業種から転身して30年のDさん。

勤務先の開所時間は、8時から18時半まで。出席率は約50%。

「通常3クラスを2クラスに編成して保育をしているので、子どもたちの集団が変わったり、いつもの指導員とは違う体制になっています。すると、コミュニケーションをとるのが苦手な子のなかには、パニックになる子もいます。

また、春休みからの登所予定だった子どもたちが『もう家の中にいるのは限界』と言って、前倒しして登所するケースもありますし、学童に登録していない子も預かることになっています。人数は増えていく傾向にあるだけでなく、新たに来る子たちがどんな子たちかわからないのが不安です」

――不安とは?

「どんな特徴や性質を持っている子たちかわからないので、例えば友達とケンカしたときに、どのように声をかけてあげるのが適切かはすぐにわかりません」と言った後、Dさんは「その子の困っていることに気づいてあげられないかもしれない」と続けた。保育者として、どの子にもできる限り寄り添ってあげたい――。そう思うからこその不安なのだ。

軽視される指導員の仕事

40代のEさんも、公設公営の学童保育所に朝から勤務する。運動場や多目的室も使用でき、他自治体に比べると、マスクや消毒液なども比較的支給されているほうだという。市の担当課から応援要員も派遣しようという話もあった、とEさんは口ごもる。

「閉館中の公共施設の職員を派遣しようということになったんですが、丁重にお断りしました。はっきり言って、この非常事態に部外者には来てほしくないんです。いつも以上に忙しいときに仕事を教えねばならず、指導員の負担が増えるだけだからです」

よかれと思っての応援体制だろうが、そこには学童保育指導員という仕事への軽視が透けて見える。

「誰でもできる仕事だと思われているんですよね。残念なことです」と、Eさんはため息をついた。

――ほかに困っていることは?

「3月は新年度から入所する子どもたちの準備をする時期でもあるのですが、まったくできません。通常の保育の打ち合わせすらもままならなくて、子どもたちが帰った後しかできませんから1時間から1時間半の残業が毎日続いています」

新年度の準備ができないことへの不安は、ほとんどの指導員が口にしていた。公設民営で働く30代のFさんもその1人。市が委託した民間企業の社員という立場で働く。

「新入所生を迎えるために、子どもたちの特徴や出身保育園、居住エリアなどを見ながらクラス分けをしていきます。その準備に例年3回は会議をして、障害やアレルギーのことなども加味しながら、職員の配置も含めた新年度の体制を作っていかねばなりません。まだ何も手をつけられない状況です」と新年度の不安を口にする。

Fさんの不安はもう1つある。

「指導員の平均年齢も高いため、体力はもう限界に達しています。出席率は通常よりは低いので、当初は会社から指示されているとおり、過密状態にならずに保育ができていましたが、このままでは指導員が倒れてしまいます。2クラスの子どもたちを1クラスに集めて保育するしかなくなりました。予防どころかいつも以上に過密にはなりますが、開所を続けていくにはどうしようもありません」

職場で目下の話題は、万が一感染者が出た場合のこと。開所は続けよ、しかし倒れるな。そして感染者が出たら責任を取れ。そんな無言の圧力がのしかかっているように感じた。

「どんな状況なのか一度見てほしい」

同じ民間委託でも、委託先の企業によって勤務形態は異なる。Fさんとは別の市の公設民営で働く40代のGさんは、週の労働時間が固定されている。

上の画像をクリックすると、「コロナショック」が波及する経済・社会・政治の動きを多面的にリポートした記事の一覧にジャンプします
「超過勤務にはなっていませんが、そのために、アルバイトさんしかいない時間があったりして、すでにトラブルも起きています。私にとっては十分な保育ができないことがいちばんつらいことです」と肩を落とした。

親の介護をしながら働くDさんが訴える。

「すごくしんどいし、疲れています。でも頑張れるのは、保護者の方々が、『先生たちがいちばん大変ですよね、身体は大丈夫ですか。本当に助かっています』と言ってくれるから。感染予防対策について担当部署からFAXがいっぱい流れてきますし、毎日、登所人数を確認する電話は入りますが、現場は見に来てくれない。どんな状況なのか一度見てほしい」

 

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