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主張 事業者・個人の支援 損失補てんの実行こそ土台に
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2020-03-30/2020033001_05_1.html
しんぶん赤旗 2020年3月30日(月)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、政府や地方自治体が行う休校や外出・イベント自粛などの要請が深刻な影響を広げています。事業を営むことができず生活困窮に陥る人が増えています。多大な損失を国が強力に補てんすることを大原則にしなければ、自粛要請への協力をためらわざるをえません。苦境にある事業者、個人への思い切った支援とセットで行ってこそ感染拡大を防止する対策は実効あるものとなります。

「フリー」推進した政権
自粛要請の強まりで、飲食、観光・宿泊、運輸など多くの中小業者、小規模事業者が存亡の危機に追い込まれています。収益を得られないうえに経費の支払いを迫られています。休演せざるをえなかった芸能分野もきわめて厳しく、日本文化の存続が危ぶまれています。関係するフリーランスは無収入になっています。事業者、個人への支援について、安倍晋三首相は28日の記者会見で、無利子融資の拡大のほか、「新しい給付金制度を用意する」と表明しました。問題は規模と内容です。しかも首相は、損失補てんについて「税金で補償できない」という立場を変えていません。これでは国民の暮らしの危機を打開する力になりません。

 フリーランスへの冷たい対応はただちに改めるべきです。労働者を対象とした雇用調整助成金による支援の上限8330円の半分、1日当たり4100円の支援では、先が見えません。休校した小学校に通う子を持つ人しか対象にしないやり方は、あまりに狭すぎます。

 フリーランスは雇用関係によらずに企業や発注者と契約し、個別の仕事のために働く人です。受け取るのは賃金ではなく個々の仕事への報酬です。労働法制の対象外とされ、労働時間、最低賃金など労働者なら当然の権利を保障されていません。仕事がなくなれば、ただちに職を失います。

 もともとフリーランスの働き方を「成長戦略」で促進してきたのは安倍政権です。「われわれが推奨してきたということではない」(23日の参院予算委員会での答弁)とする首相の姿勢は無責任です。2016年6月に閣議決定した「日本再興戦略2016」では、フリーランスなど「柔軟な働き方」を中心的な政策の一つに位置づけました。経団連が「多様かつ柔軟な働き方」を提言したのを受けたものです。

 安倍首相が議長を務める政府の未来投資会議は昨年12月にまとめた、新成長戦略に向けた中間報告でフリーランス促進の環境整備を明記しました。財界の意のままにフリーランスを推進しながら、その人たちが困っているときに直接支援に背を向けてはなりません。

抜け落ちる人を出さない
フリーランスや雇用保険未加入の非正規労働者にも正規雇用の労働者と同程度の水準の所得補償を行うことが必要です。事業者には無担保・無利子融資の拡充のほか税・社会保険料の減免や、事業の存続に必要な固定費への直接助成に踏み出し、イベント中止にともなう必要経費の補てんも万全に行うべきです。政府、自治体の自粛要請で苦境にある事業者、個人への支援から抜け落ちる人を出してはなりません。これは政治の責任です。

 

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拝啓 中西宏明 経団連会長様「氷河期世代を生み出した点を反省」いやいや反省パフォーマンスはもうやめてhttps://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200330-00170548/
藤田孝典 | NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授 2020/03/30(月) 17:32

〔写真〕就職氷河期世代を生み出してきたことに反省を示す経団連提言(中西経団連会長)(写真:つのだよしお/アフロ)

経団連が政策提言を発表

日本経済団体連合会(経団連)は、3月30日に新型コロナウイルスに関連して、雇用最優先の姿勢を示し「第二の就職氷河期世代」を作らないと提言を発表したそうだ。

経団連は30日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策に関する緊急提言案を固めた。

リーマン・ショック時を上回る大規模な対策を検討する政府と足並みをそろえ、雇用の維持に最優先で取り組む姿勢を表明。

「第二の就職氷河期世代を作らない」との方針を打ち出す。

30日にも発表する。

雇用をめぐっては、バブル崩壊後の不況期に企業が新卒採用を絞った結果、30代半ばを過ぎても十分な職業経験を積まないまま不安定な生活を送る氷河期世代を生み出した点を反省。

企業に採用スケジュールの弾力化などで安定的な人材確保を続けるよう働き掛ける。

〔写真〕出典:第二の就職氷河期作らず 雇用最優先、経団連が緊急提言 新型コロナ 時事通信社3月30日

就職氷河期世代にはっきりとした定義はない。

一般的には、1971年〜1974年の団塊ジュニア世代と1975〜1984年生まれのポスト団塊ジュニア世代がおおよそ該当すると言われている。 この世代の人口は非常に多く、男性約1170万人、女性1140万人、合計約2310万人である。

就職先確保に苦労し、就職先があったとしても非正規雇用が一般的だったという経験をした者も多かったのではないか。

私自身、就職氷河期世代の下の方なので、先輩たち、同期の仲間たちの苦しむ様子は今でも苦しい過去として覚えている。

そして、この苦労は就職時だけでなく、低賃金・長時間労働として、生涯続いていくものだということも当時は知らなかった。

該当する世代の方は特にお読みいただきたい。

経団連が就職氷河期世代を生み出したことに反省が見られるのは非常に良いことである。

しかし、提言内容はすでに政権与党の主流派が実施を予定しているもので、足並みも良く揃っているが、経団連自身は何をするのか、具体的なものは相変わらず示されていない。

新時代の『日本的経営』という過去の恐ろしい提言

そして、反省をしたら同じことを繰り返さないだろう、と期待することが普通だが、彼らは何度でも同じ失敗を繰り返すので苦言を呈しておきたい。

経団連(当時は日経連)はバブル崩壊以降、雇用を著しく制限した。

さらに、人件費負担を減らすため、1995年に「新時代の『日本的経営』−挑戦すべき方向とその具体策」を発表した。

「新時代」「挑戦」と勇ましい題名である。経団連は今も昔も日本経済を牽引するカッコいいリーダーたちである。

しかし、この方針は、単に今後、人件費抑制策をとることが書いてあるだけだった。

例えば「長期蓄積能力活用型グループ」「高度専門能力活用型グループ」「雇用柔軟型グループ」と労働者を分け、能力に応じた処遇をしていくことも掲げられていた。

そこに当時の労働組合、労働者も騙されてしまった側面がある。

ましてや、正社員と非正社員との間での分断に応じてしまった。

その後に一貫して増えるのは「雇用柔軟型グループ」であり、いわゆる非正規労働者だ。

言うまでもなく、能力など適正に評価する軸もなく、一方的に経営側が能力とは別の理由で、勝手な査定をしていくことになる。

つまり、長時間労働が可能で全国転勤にもすぐに応じ、忠実にいうことを聞く労働者かそれ以外を分けていく作業をする。

労働者に対する実効支配が強まり、それに対して声を上げることも少なくなった。

現在、いかに労働環境が酷くとも、団体交渉やストライキの発生は低調だ。

当然、その後は経団連加盟企業のやりたい放題であり、労働者派遣法に限らず、労働法制も労働者側に傾くことはほとんどなかった。

その成れの果てが現代社会である。

無限に強大な人事権を行使して労働者を使い潰すブラック企業、人件費をコストとして計上された派遣労働や非正規雇用が増やされてきたことはご承知の通りだ。いまや全労働者のうち、約40%が非正規雇用である。

このように、経団連加盟企業では、全体的に人件費抑制の目的を徹底し、日本の雇用を破壊的な状況にして、低賃金、ワーキングプアを増やし、世帯形成すら困難な労働者を大量に生み出している

下請けである中小企業や零細企業への抑圧も著しく、これらの労働者の賃金も低く抑えられ、同様に非正規雇用など不安定雇用が大量に生まれている。

経団連の反省は相変わらずのパフォーマンスである

冒頭で彼らは反省をしない。何度も失敗を繰り返す、と述べた。

まず事実として、現在、新型コロナウイルスの影響から、経団連加盟企業含む労働者は、派遣労働、非正規雇用などを中心に雇い止めや解雇がすでに起こっている。

休業中の労働者に十分な対価さえ支払われていないケースは散見されている。

これは事実であり、一貫して労働者を大切に扱うことはしていない。

当然のことながら、来年以降も急速に求人を絞ることは起こりうる事態だろう。

「第二の就職氷河期世代」になるかどうかは不明だが、間違いなく、今後の雇用は保障しない。

それら労働者には現在、労働組合や労働弁護士が支援に乗り出しており、福祉行政や支援団体も雇用保険失業給付、住居確保給付金、生活支援資金の特例貸付などの制度利用を案内している。

要するに、形式的に反省や振り返りをしても、現実にすでに雇用は切られ始めている。

「机上の空論」を振りかざさず、経団連役員はお忍びで出身企業の生産現場や下請け企業の現場にでも足を運んでみたらいい。

いかに提言が空虚な実態か見えてくるはずである。

「雇用の維持に最優先に取り組む」という分かりやすいウソをこれ以上つかないでほしいし、パフォーマンスは緊急事態に害悪だから、そこそこにしてほしい。 

経団連に期待しても仕方がないー労働組合への相談をー

まず就職氷河期世代は経団連やその提言によって意図して作られた世代である。

そして、労働組合の分断や労働者間の連帯を損なわれている間に作り上げられたものだ。

このような雇用構造は1990年代を境にして形成されている。そして、簡単にこの雇用構造は崩れない。

そもそも、経団連の本音からすれば、なぜいま安い賃金や長時間働かせても文句も言わないヤツらを厚遇する必要があるのか、と思っているだろう。

お決まりの「グローバル競争」で企業も生き残りが大変だから仕方がないと抗弁するのだろう。

内実は政府や日銀に株式市場を通じて、資金提供を潤沢に受けていても関係ないし、表面的にグローバル競争をしていることを装い、積み上がる内部留保の使徒にも言及しない。

本当に「第二の氷河期世代」を作らないと表明するなら、現時点でも苦しい氷河期世代の正社員化や安定雇用化、福利厚生の拡充など、何かを具体的に始めてみてはどうか。

今もすでに起こっている血も涙もない雇用削減、人員整理を真剣に禁止していくべきではないか。

真剣さは当然ながら、労働相談、生活相談の現場にいれば実感しないものである。

要するに、経団連は少し風当たりが厳しくなれば、反省を口にする。騙されてはいけない。

雇用は切るときには容赦なく切るし、他人事でもない。

彼らに心が通っているとも思ってはいけないし、労働者は労働者側で粛々と結集して、働きやすさを求めていくしかないのである。

繰り返すが、現場の労働組合・ユニオン、労働弁護士は現在、福祉行政や支援団体と連携して懸命に相談対応をしている。

本気で労働者の危機を乗り越えようとしている人々と共に歩んでほしいと思っている。


藤田孝典
NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授

社会福祉士。生活困窮者支援ソーシャルワーカー。専門は現代日本の貧困問題と生活支援。聖学院大学客員准教授。北海道医療大学臨床教授。四国学院大学客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。元・厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(生活困窮者自立支援法)。著書に『棄民世代』(SB新書2020)『中高年ひきこもり』(扶桑社 2019)『貧困クライシス』(毎日新聞出版2017)『貧困世代』(講談社 2016)『下流老人』(朝日新聞出版 2015)。共著に『闘わなければ社会は壊れる』(岩波書店2019)『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』(岩波書店 2015)など多数。 


〔swakitaコメント〕藤田氏の指摘は的確である。
経団連は、斜陽の製造大企業らが集まって、従来からの原発依存や官需依存など古い体質の経営者を集めて、新たな分野での技術革新や研究開発などを軽視するをし続けてきた。原発の失敗、原発輸出の失敗、新幹線輸出の失敗・・・等、日本経団連が主導してきた政府癒着の経済政策はことごとく失敗してきた。世界の中で、日本経済のパフォーマンスの低下は目を覆うばかりではないか。
ところが、この30年間、労働法規制緩和という名目で、非正規雇用を増やし、人件費を削減することで、484兆円もの内部留保を蓄えてきた。なぜ、経済政策的な失敗であるのに、こんなに内部留保できたのか、それは労働者を非正規化し、無力化して、労使の力関係を大きく変えてきたからである。労働側の抵抗がない中で、人件費削減による大きな「利益」を得た面が強いと思われる。その代わり、格差、老後不安、ブラック企業、ハラスメント、自殺者増加など、仕事の世界、働く者への犠牲転嫁、雇用社会の劣化をもたらした。その第一の責任は、日本経団連にあると思う。深く反省すべきだと思う。
とくに、情報関係で世界的には大きな成長があるのに、1985年派遣法で情報関係業務を、不安定低劣条件の派遣や請負の形態の労働に追いやってきた。484兆円の内部留保のかなりが、不当な労働者利用による人件費削減の結果と思われる。こうした「非正規雇用形態利用」に対して、特別な利用税を負担すべきである。そして、「氷河期世代」を生み出した大きな責任は、藤田氏が指摘するように、こうした不当な人件費削減で内部留保を蓄積してきた日本経団連にあると言える。
こうした背景事情の下、現在、新型コロナによる未曾有の経済危機が到来しつつある、日本経団連は、大企業のこれまでの利益を代表する組織として、484兆円の内部留保を社会に還元する責任を負っている。口先だけの「氷河期世代対策」で終わらせることはもう許されない。
「金より命」「一部大企業の利潤蓄積より、社会を支えて働くすべての人の安定した生活保障」が重要だ。日本経団連は、いまこそ、これまでの日本の経営者を代表する組織として反省し、深く悔い改めるべき時だ。これまで蓄積してきた膨大な内部留保を、まじめに働きながら報われない大多数の人々のために社会還元するべき時だと思う。
 

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すべての家主、不動産業者、家賃保証会社への緊急アピール 〜家賃滞納者への立ち退き要求を止め、共に公的支援を求めましょう〜
http://housingpoor.blog53.fc2.com/
新型コロナウィルスの感染拡大に端を発した経済危機により、多くの人が家賃を滞納せざるをえない状況に追い込まれています。
この事態に際して、住まいの貧困に取り組むネットワークは、すべての家主、不動産業者、家賃保証会社に向けた緊急アピールを発表いたします。緊急アピールは、不動産関係団体にも送付いたします。

 ぜひご一読いただき、情報の拡散にご協力ください。

※緊急アピールのPDFは、こちらからダウンロードできます。
https://drive.google.com/file/d/1dIUCesltsivGL6EW6jHNqu5rDI799tBs/view?usp=sharing


すべての家主、不動産業者、家賃保証会社への緊急アピール
〜家賃滞納者への立ち退き要求を止め、共に公的支援を求めましょう〜

 新型コロナウィルスの感染拡大を発端とする経済危機により、雇い止めや解雇、内定取消しが広がり、雇用は継続しているものの収入が減少した非正規労働者、仕事が減って窮地に立つフリーランスや自営業者も増えています。

 コロナ危機とも言える社会状況のもと、今後、減収によって家賃の支払いが困難になる人が急増することが懸念されます。2016年の「国民生活基礎調査」では全体の14.9%にあたる世帯が「貯蓄がない」と回答しており、こうした世帯を中心に3月末に支払うべき家賃から滞納する人が続出すると見られます。賃貸住宅を経営する立場の皆さまにおかれましても不安を募らせておられることと思います。

 私たち「住まいの貧困に取り組むネットワーク」は、2009年の結成以来、賃貸住宅の借家人(借主)の権利向上をめざしてきました。その中で特に力を入れてきたのが民間賃貸住宅での「追い出し屋」問題です。

 家賃滞納者に対して、家主や不動産業者、家賃保証会社等が法的手続きを踏まずに立ち退かせる「自力救済」行為は違法行為で、民事上の責任だけでなく刑事上の責任も生じ得る行為です。家賃滞納者が続出しかねない社会状況において、改めてそのことに留意を促したいと思います。

 また、家主と借主は「賃貸住宅契約書」を締結していますが、この契約書は「借主の居住の安定及び貸主の経営の合理化を目的」(国土交通省の説明)としているものです。この賃貸契約書の趣旨もぜひ受け止めていただきたいと考えます。

 そして、貧困拡大を食い止めるための政府の緊急対策が具体化していない現状において、家賃滞納者を立ち退かせるための裁判手続きである明渡請求を提起することも控えていただくよう、お願いいたします。

 家主の中には家賃収入が減少することにより、生活が脅かされる方もいることは承知しておりますが、家賃滞納問題を解決するためには、滞納者を立ち退かせて空き家にするよりも、借主が公的支援を得て再び家賃を払える状態に復帰できる方がはるかに近道です。

 政府が思い切った現金給付を早急に実施し、低所得者の生活を支える制度(生活保護や生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金など)の要件を大幅に緩和すれば、家賃滞納問題のほとんどは解決します。また、今回の新型コロナウイルスの感染拡大という特別な事情で家賃滞納したことによる家賃収入の損失を政府に補償させる方策も考えられます。

家賃滞納により住居を喪失した人は、ネットカフェ等の終夜営業の店舗に移ることが予測されますが、そういった施設は閉鎖的な空間であり、経済的困窮により体力が落ちた人々の間で感染症リスクが高まる可能性もあります。

 コロナ危機の混迷をさらに深めないために、すべての家主、不動産業者、家賃保証会社の皆さまに心から訴えます。家賃滞納者への立ち退き要求を行わず、公的支援の拡充を通した問題解決を共に求めていきましょう。

 2020年3月28日
住まいの貧困に取り組むネットワーク
世話人 坂庭国晴、稲葉剛  

       連絡先:東京都中野区沼袋1-9-5 つくろい東京ファンド気付
メール:sumainohinkon★gmail.com ※★を@に変えてください。 

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〔声明・見解〕 公衆衛生の危機!このままでは府民のいのちと健康は守れない!今こそ、公衆衛生の充実、保健所の機能強化と拡充、地方衛生研 究所の府立直営化を!
https://www.fusyokuro.gr.jp/2020/03/post_opinion_12921.html
2020年3月25日 大阪府職労

公衆衛生の危機!このままでは府民のいのちと健康は守れない!
▶全国ワースト2の府職員と保健師数
▶ 全国で唯一、地方衛生研究所を地方独立行政法人化
今こそ、公衆衛生の充実、保健所の機能強化と拡充、地方衛生研 究所の府立直営化を!

【PDFファイルのダウンロード】
https://www.fusyokuro.gr.jp/wp-content/uploads/2020/03/20200325appeal-1.pdf

世界各国で「新型コロナウイルス感染症」が流行し、日本でも連日感染が確認され、先が見通せない中、国民の不安も広がっています。

こうした不安を少しでも取り除き、府民のいのちと健康を守るため、大阪府では健康医療部をはじめ、保健所、大阪健康安全基盤研究所の職員が対策や感染拡大防止のため、昼夜分かたず、寝食を忘れ、懸命に取り組んでいます。
コロナウイルス感染の疑いのある方の検体の採取、陽性と診断された方の搬送の付き添いや行動や接触した人の名前や連絡先の聞き取り、濃厚接触の疑いのある方への連絡、連日連夜のウイルス検査などの緊急対応に追われています。
保健所の業務は、感染症対策以外にも、母子保健、難病、精神保健など多岐にわたり、多様化する健康課題のニーズを受け、年々より高い専門性が求められています。指定難病の対象拡大(110疾病→330疾病)、増加傾向にある虐待ケースへの対応、自殺予防対策、依存症対策など、新たな課題へも対応し、個別支援や地域の体制づくりに取り組むとともに、災害時の健康危機管理のための管内医師会等との調整、管内医療機能の役割分担をすすめ、住民が困らない医療提供のための医療懇話会の整備など、医療体制の地域整備も進めています。

大阪健康安全基盤研究所では、ウイルス課全員で新型コロナウイルスの検査に当たっていますが、それ以外の検査(ノロウイルス、麻疹・風疹疑い、HIV確認検査等)も同時に行っています。

こうした状況のもと、連日連夜の長時間勤務が続き「いつも23時近くまで残っている」「深夜3時に電話対応することも」「土日のどちらかは当番があたるけど代休も取れない」「先週の土曜日は終電に間に合わなかった」「ひどいときは平均12分に1回仕事のLINEが入ってくる」「子育て中の職員がすごく申し訳なさそうにしているのを見るのがつらい」という状態が続いています。

「都道府県にそんなに保健師はいらない」「広域・調整業務だけすればいい」などのかけ声のもと、「保健所法」が廃止され「地域保健法」の施行によって保健所は全国的に減らされ、2004年には大阪府でも14の支所が廃止され、政令市、中核市含めて18ヶ所にまで減らされました。大阪府も「組織のスリム化」を掲げ、「行財政改革」「組織戦略」「職員数管理目標」などによって職員数を減らし続け、2017年には全国で唯一、府立公衆衛生研究所を府直営から切り離し、地方独立行政法人化しました。その結果、大阪府の職員数と保健師数は全国でも最低水準となっています。

くらしや環境の変化や住民のニーズに応える業務が増えても決して人員は増えず、職員は多忙化の中、住民サービスの低下に不安を抱えながら、必死で現場の努力で最悪の事態を食い止めるために奮闘しています。
しかし、今回のような感染症の蔓延や災害発生時などには、こうした職員の必死の努力もやがて限界を超え、公衆衛生機能が破綻することが危惧されています。
府民の安全・安心、いのち・健康を守る行政を進めるには、幅広い専門性を有する職員のマンパワーが絶対に必要です。

私たちは、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、府民の安全・安心、いのちと健康を守るために、あらためて保健所の機能と職員体制の強化、公衆衛生研究所(現:(地独)大阪健康安全基盤研究所)を府立直営に戻すことを求め、全力で取り組みを進めます。

2020年3月25日
大阪府関係職員労働組合
執行委員長 小松 康則
保健所支部長 野寄 法彦
大阪健康安全基盤研究所職員労働組合
執行委員長 川畑 拓也 


【関係情報】

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森崎巌「感染症拡大防止のために呼び掛けられるテレワーク ガイドラインを理解し不適切な運用の排除を」


感染症拡大防止のために呼び掛けられるテレワーク
ガイドラインを理解し不適切な運用の排除を

政府はテレワークを普及・促進

 厚労省は、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みのーっとして「感染リスクを減らす観点からテレワークや時差通勤の積極的な活用の促進」を呼びかけています。また、政府はそれ以前から、東京五輪開催時の交通混雑の緩和に向けてテレワークの実施を呼びかけ、「レガシーのーつとして定着させる」などとしています。さらに、テレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成する「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」を設けています(2019年度)。

雇用型と自営型のガイドライン

 テレワークには、雇用型と自営型の二つのタイプがあります。前者には「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(雇用型ガイドライン)、後者には「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」(自営型ガイドライン)が定められており(いずれも2018年2月)厚労省はその遵守を呼びかけています。

 今回、感染症の拡大防止策として活用が想定されているのは、労働者の就労場所を自宅に変更する形態であり、多くは雇用型テレワークです。従って、雇用型ガイドラインを十分に理解し、不適切な運用を排除する姿勢が重要です。

長時間労働の助長するおそれ

 テレワークの特徴ですが、一般に…牟仍間の短縮、育児・介護と仕事の両立、ワーク・ライフ・バランスの実現等のメリットが指摘されていますが、これに感染症リスクの軽減も加えてよいかもしれません。他方、…校間労働になりやすい、∋纏と仕事以外の切り分けが難しいなどの問題点が指摘されています。とくに、成果主義の賃金制度のもとで働く場合などは、通常の勤務と比べて長時間労働の抑制が難しく、十分に注意する必要があります。

雇用型ガイドラインのポイント

 このような視点から、雇用型ガイドラインの要点を見ていきましょう。

 もっとも重要なことは、労基法、労安法、労災保険法等の「労働基準関係法令が適用されるjとしている点です。また、労働時間管理にあたっては、「労働時間適正把握ガイドライン」(2017年1月)が適用されます。

 いわゆる「中抜け時間」の扱いが問題となりますが、待機などの指示がなく「自由に利用することが保障されている時間」であるに限り、休憩時間や時間単位の有給休暇として扱うことができるとしています。

 また、テレワークが前述のとおり、長時間労働(さらに深夜労働)になりやすいことから、「時間外・休日・深夜労働を原則禁止とすることも有効」としています。

 テレワーク導入の手続きも重要です。ガイドラインは、「目的、対象となる業務、労働者の範囲、テレワークの方法等について、労使間で十分に協議することが望ましい」、「実際にテレワークを行うか否かは本人の意志によるべき」としています。

雇用型ガイドラインの問題点

 ガイドラインには問題点もあります。ガイドラインは、次の2要件を満たす場合、事業場外みなし労働制を適用し得るとの法解釈を示しています。

‐霾鹹命機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと。
⊃鏤使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと。この場合、具体的な指示には、例えば、当該業務の目的、目標、期限等の基本的事項を指示することや、これら基本的事項について所要の変更を指示することは含まれません。

 しかし、事業場外みなし労働制の適用が許されるのは、法文上「労働時間を算定し難いとき」(労基法38条の2)です。これを「使用者の具体的な指揮監督が常時及ばないとき」と置き換え、,鉢△気満たせばよいとする解釈は無理があります。むしろ、今日の情報通信機器を使った作業では、技術的に「労働時間を算定し難いとき」は想定し難く、事業場外みなし労働制の適用の余地はほとんどないと言うべきでしょう。     (全労働省労働組合 森崎巌)

全国センター通信(働くもののいのちと健康全国センター)No.250 (通巻260号) 2020年4月1日8面

厚生労働省
テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/content/000553510.pdf

 


【関連記事】
第9回 欧州司法裁判所が画期的判決。企業には全労働時間を客観的に把握・記録する義務あり!

http://hatarakikata.net/modules/wakita/details.php?bid=11

(S.Wakita)テレワークをめぐる便宜的な厚労省の解釈への疑問を的確に指摘。昨年5月、ECの欧州司法裁判所が労働時間算定についての厳格な基準を定めるように各国に求める。テレワークについては、こうした厳格な基準に基づいて、長時間労働、不払い労働が出ないようにすることが重要だと思う。

 

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生活福祉資金の特例貸付が本日から開始ー状況次第で10〜80万円がもらえる償還免除もありー
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200325-00169705/
藤田孝典 | NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授
2020/03/25(水) 18:43

〔写真〕生活福祉資金貸付の特例が開始ー10万円〜80万円を返還しなくてもよい場合ありー(写真:アフロ)

生活福祉資金の特例貸付制度が開始
本日(3月25日)から以下の通り、厚生労働省が発表した生活福祉資金・緊急小口資金の特例貸付制度が始まった。

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付の拡大について

本年3月10日付のプレスリリース「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付の実施について」により、新型コロナウイルス感染症の影響により、収入減少があった世帯の資金需要に対応するため、生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金及び総合支援資金(生活支援費)について特例措置を設ける旨をご案内しました。

今般、「生活不安に対応するための緊急措置」(本年3月18 日新型コロナウイルス感 染症対策本部)を踏まえ、本特例貸付を拡大することとしたので、その概要を別紙の通りお知らせいたします。

詳細については、厚生労働省のプレスリリースを読んでいただきたい。

要するに、国の「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策ー第2弾ー」において、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、貸付の対象世帯を低所得世帯以外に拡大している。

休業や失業等により生活資金で悩んでいる方たち、収入の減少で苦しんでいる方たちに向けた、生活福祉資金の特例貸付である。

新型コロナウイルスによって、経済的な損失や収入減少があった場合で、生活に困っていれば概ね対象となる。

2種類の生活福祉資金の特例貸付とは
この特例貸付制度は2種類ある。休業された方向けと失業された方など向けである。

以下の表にわかりやすく貸付対象者や貸付条件が記載されている。

内容を確認いただきたいし、不明な点は遠慮なく、お住まいの市区町村社会福祉協議会に聞いていただきたい。

休業された方向け(緊急小口資金)
失業された方等向け(総合支援資金)
この特例貸付制度の開始によって、早速、今日から各市区町村の社会福祉協議会に相談が相次いだ。

都内のある社会福祉協議会では、開庁前に行列ができるところも出ている。

一部で混乱も見られるが、明日以降も順次、貸付対象者から受付を続けていく予定である。

繰り返すが、窓口は市役所ではなく、お住まいの市区町村社会福祉協議会であり、生活福祉資金貸付制度の申込受付が開始されている。

上記のとおり、休業向けの「緊急小口資金」、失業向けの「総合支援資金」の2種類の制度があるが、併用することも可能となっており、最大80万円が無利子・保証人無しで貸してもらえる。

例えば、緊急小口資金20万円と総合支援資金20万円を3ヶ月で、世帯や状況によっては、合わせて最大80万円の貸付が受けられる。

このような破格な待遇での貸付は従来にはないものだ。

利子や保証人が必要な銀行や消費者金融、クレジットで借りなければならないと思っている方は、絶対に社会福祉協議会にすぐ相談するべきである。

そして、最大の魅力は貸付であるのだが、償還時になお所得の減少が続く場合(住民税非課税世帯など)は、償還を免除(返還不要)することができる。

つまり、生活困窮世帯にとっては、10万円〜80万円の実質的な給付措置なのである。

このような機会はなかなかないものである。

仕事が減ったり、収入が減った事実があり、生活に困っている場合はぜひお気軽に相談してみてほしい。

困った時はお互いさまであり、できた制度は使わないともったいない。恥ずかしがる必要もない。

場合によっては周囲の友人や知人にも紹介して一緒に貸付を受けてもらいたい。

明日も朝から各市区町村社会福祉協議会は開いており、皆さんの相談を待っているはずである。


藤田孝典
NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授

社会福祉士。生活困窮者支援ソーシャルワーカー。専門は現代日本の貧困問題と生活支援。聖学院大学客員准教授。北海道医療大学臨床教授。四国学院大学客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。元・厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(生活困窮者自立支援法)。著書に『棄民世代』(SB新書2020)『中高年ひきこもり』(扶桑社 2019)『貧困クライシス』(毎日新聞出版2017)『貧困世代』(講談社 2016)『下流老人』(朝日新聞出版 2015)。共著に『闘わなければ社会は壊れる』(岩波書店2019)『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』(岩波書店 2015)など多数。 

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コロナで突然の解雇予告、非正規はどうすれば? 「安心して休んで」から一転、「2週間後に辞めて」
https://www.bengo4.com/c_5/n_10966/
弁護士ドットコム 2020年03月26日 10時16分

写真はイメージです(【IWJ】Image Works Japan / PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、自主退職や解雇など雇用への影響が出始めている。ネット上には、アルバイト先から解雇を言い渡され、「奨学金が返済できない」「シングルマザーで子どもたちがいるのに…」などという声が上がっている。

弁護士ドットコムにも「新型コロナの影響という理由で突然解雇予告された」というパート従業員が悩みを寄せている。

●「自宅待機」から「解雇」へ…

相談者は当初、会社側に「安心して休んでいいからね」と言われ、自宅待機をしていたという。子どもの学校が休校になったことから、当初は休むことができ、安心していたようだ。

ところが、約1週間後に会社から「もう会社のことは気にしなくていい。仕事も他に依頼した」という連絡があった。相談者が「解雇ということですか? 自己都合退社にすれば良いのですか?」と聞いても、明確な返答は得られなかった。

後日、相談者が「せめて退職日を決めてほしい」とメールすると、2週間後の日付が送られてきた。相談者は会社側に「解雇」とハッキリ言われておらず、退職日が2週間後であることに納得できないという。

このように、突然の解雇に納得できず、不安を抱えている人たちは少なくない。パートやアルバイトなどの非正規労働者が解雇、雇い止めを言い渡された場合、どのように対応すべきなのだろうか。労働問題に詳しい波多野進弁護士に聞いた。

●「原則として自主退職に応じるべきではない」

ときどき「非正規労働者は解雇されても仕方ない」と諦めてしまう人もいるが、解雇の有効性について争うことはできるのだろうか。

「はい、非正規の方でももちろん、解雇の有効性をめぐって争うことはできます。非正規労働者と一言で言っても、短時間のパート、アルバイトもいればフルタイムで働く人もおり、働き方はさまざまですが、正社員と同様に労働者であることに変わりはありません。雇用形態にかかわらず、不当に解雇することは認められていません」

「自主退職」と「整理解雇(会社の経営上の理由による人員削減として行われる解雇)」にはどのような違いがあるのだろうか。

「非正規労働者でも一定の条件を満たしていれば、失業手当を受給することができます。自主退職となると、失業手当の支給期間や待機期間で不利になります。一方、整理解雇は会社都合による退職ですから、失業手当の受給の点でも自己都合退職より有利です。

また、自主退職ならば、従業員の地位を求めたり、賃金請求したりすることは原則としてできません。しかし、整理解雇であるならば、解雇が無効であるとして地位の確認を求め、解雇後の賃金を請求する法的手続きも取ることができます。

そのため、原則として自主退職に応じるべきではないと思います。

なお、整理解雇の有効性は、(1)人員削減の必要性、(2)解雇回避努力義務の履行、(3)人選の合理性、(4)手続きの妥当性から判断されることとなっています」

●自主退職を促されたら…「まずは明確に就労を求める」

自主退職を促された場合、断ることはできるのだろうか。

「できます。辞めるかどうかは労働者が決めるべき事です。正社員であっても、パートやアルバイトであっても『労働者』であるという点では同じです。

解雇かどうか曖昧のままにすると、使用者側が『一方的に自主退職した』という扱いを強行することもありえます。

そこで、まずは明確に就労を求めることです。それでも使用者側が拒否するようであれば、就労拒否後の賃金を請求する方法が考えられます。解雇ということであれば、解雇無効として解雇後の賃金を請求するという対処が考えられます」

●解雇は「無効」であるとして解雇後の賃金請求を

解雇をするには、原則として使用者は少なくとも30日前に解雇予告をするか、解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払うことが必要となる(労働基準法20条)。

しかし、相談者のように退職日が2週間後とされたり、突然電話で「明日から来なくて良い」などと言われたりする人もいるようだ。このような場合、解雇予告手当を請求することはできるのだろうか。

「解雇予告手当を請求することはできると考えます。実際に労基署に相談すると、解雇予告手当の請求を勧められることが少なくありません。

しかし、解雇予告手当を請求するのではなく、それよりも解雇は無効で従業員の地位があることを前提に解雇後の賃金を請求する方が、このような立場の労働者の方々にとって有効な対応方法だと思います。

解雇されそうになっていたり、退職を迫られたりして解雇された場合には、使用者側から求められる書面(退職届など)に署名や提出をすることなく、まずは早期に労働問題をよく担当している弁護士に相談して有効な手段を講じるべきです」

取材協力弁護士
波多野 進弁護士
波多野 進(はたの・すすむ)弁護士
弁護士登録以来、10年以上の間、過労死・過労自殺(自死)・労災事故事件(労災・労災民事賠償)や解雇、残業代にまつわる労働事件に数多く取り組んでいる。
事務所名:同心法律事務所
事務所URL:http://doshin-law.com 

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同一労働・賃金スタート 実効性確保は企業の責任
https://mainichi.jp/articles/20200325/ddm/005/070/067000c
毎日新聞2020年3月25日 東京朝刊

 非正規労働者の待遇改善を企業に求める「同一労働同一賃金」の制度が、4月1日からスタートする。まずは大企業の非正規労働者とすべての派遣労働者が対象で、2年目から全面実施となる。

 2018年に成立した働き方改革関連法に基づく対策だ。非正規労働者の賃金は正規労働者の6割程度にとどまってきたことが背景にある。

 改正法は同じ企業に勤める正規・非正規の労働者の間で、不合理な待遇差や差別的取り扱いを禁じた。パートや有期契約の労働者だけではなく、派遣労働者も含めた点に意義がある。

 厚生労働省の指針では、基本給や賞与は勤続年数や能力・成果が同じ場合は、原則同額を払うこととしている。差を認めるのは、転勤や異動が正社員に限られる場合などだ。

 通勤手当や出張旅費、休憩室や社宅の利用など福利厚生については、正規・非正規で区別しないよう求めている。

 合理的に説明できない待遇差は認められない。

 実効性を確保するのは各企業の責任だ。企業の現金などの内部留保は18年度で463兆円に上る。格差を放置せずに、積極的に待遇改善に取り組むべきだ。

 制度開始でコストが増えることに伴い、非正規労働者の雇い止めが起きることが懸念される。こうしたことがあってはならない。

 新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、景気の先行き不安を待遇改善回避の言い訳にする企業も出ているようだ。しかし、それは通用しない。

 手当や福利厚生と異なり、基本給の引き上げを進めるには昇給・評価の仕組みが必要だ。しかし、整備されていないことが多い。この点から改善していくべきではないか。

 派遣労働者の待遇改善は、派遣料金の引き上げにつながる。派遣サービスを利用している企業は、応分の負担を引き受けるべきだ。

 非正規労働者は既存の労働組合に加入していないことが多いが、労組が企業に適切な対応を要求していくことが大切だ。

 同一労働同一賃金は欧州で主流だが、日本の法整備は立ち遅れている。着実な実施が求められる。
 

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【社説】一斉休校 学童保育拡充の契機に
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020032502000126.html
東京新聞 2020年3月25日

新型コロナウイルスの感染症対策で休校が続く間、放課後児童クラブ(学童保育)に大きな負担がかかっている。子育て支援に必要な施設だ。厳しい運営実態に目を向け拡充策を考える機会にしたい。

 一万八千二百六十一人。二〇一九年五月時点で学童保育を利用したいのにできない待機児童数だ。

 感染症が発生する前で、都市部を中心にこれだけの子どもたちが利用できないほど施設はぎりぎりの運営を強いられている。

 そこへ一斉休校の実施だ。学校に行けない子どもたちの受け皿となったことで負担が増した。

 政府は、学校再開に向けた指針を二十四日に公表したが、感染の拡大状況によっては新学期も休校が続く地域は出るだろう。支え手の手薄な弱い部分へのしわ寄せが続きそうだ。

 学童保育は共働きやひとり親家庭の小学生が放課後や夏休みなどに、宿題をしたり友達と遊んだりする居場所で、公営や民間など全国に約二万六千カ所ある。学童保育は、こうした家庭にとっては仕事を続けるための命綱と言える。

 政府は一斉休校を要請する際、学童保育は原則開所するよう要請した。だが、唐突な休校要請で人繰りに苦心している。人手不足など現場の実態を政府は十分に認識しての開所要請だったようには思えない。

 厚生労働省によると、十六日時点で学童保育を設置している自治体の約七割が午前中から開所する対応をとっている。それ以外でも低学年は学校が、高学年を学童保育が受け入れるなどしてやっと対応している自治体もある。

 負担増に日本学童保育学会は子どもの居場所としての役割を学童保育に「丸投げ」されたとの緊急声明を出した。現場の混乱と困難を考えれば当然の危機感だろう。

 職員である指導員は発達段階や家庭環境の違う子どもたちに向き合う専門性が求められる。だが、全国学童保育連絡協議会によると非正規職員が公営施設でも半数近い。全体の半数以上が年収百五十万円未満だ。

 不安定な雇用、不十分な待遇でも子どもに寄り添う担い手に頼っているのが実情である。

 政府は三十万人分の定員拡充を進めているが、需要に追いついていない。施設の充実や職員の待遇改善に政府や自治体のさらなる財政支援は欠かせない。政府は学童保育は重要な子育て支援策と認識し態勢強化を図るべきだ。 

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【社説】内定取り消し 拙速な経営判断は慎め
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020032302000143.html
東京新聞 2020年3月23日

新型コロナウイルスによる経済危機が広がる中、新卒者の内定を取り消す動きが出ている。政府などはけん制に乗り出しているが当然だ。若者の未来を損なう拙速な判断は厳に慎むべきだ。

 政府によると、中小企業を中心に十三社で内定取り消しが報告されている。いずれのケースも感染拡大による不安から経営者が極端な判断に踏み切ったのだろう。

 採用内定期間中、雇用者には採用を止める解約権が留保されている。ただこれを行使できるのは、その期間中に罪を犯したり、大学や高校などを卒業できないといった場合に限定される。

 今回のような経営不安を理由にした取り消しは、労働契約法で定める解雇権の乱用にあたる可能性がある。経営者が法を熟知した上で雇用をめぐる判断をすべきなのは言うまでもない。

 こうした中、取り消された学生に手を差し伸べる企業も出始めている。経営者の心意気も含め称賛したい。

 内定取り消しとともに懸念されるのが今後の採用計画だ。ここ数年、少子化などに伴う人手不足を背景に、大小を問わず企業の採用意欲は旺盛だった。学生にとって売り手市場とも指摘されてきた。

 しかし、経済の混乱は世界レベルで急速に広がっている。このため来年春以降、各企業が採用を大幅に抑制する可能性は否定できない。今の状況が長引けば、打撃が大きい観光や運輸、外食産業などは雇用面も含めた経営体制の見直しを迫られるだろう。

 忘れてはならないのは一九九〇年代半ば以降に起きた極端な就職難だ。就職氷河期とも呼ばれ、非正規労働者激増の温床にもなった。この時代に就職活動をした世代の多くは、今もなお困難な人生を強いられている。

 政府はこの世代を救う政策を実施しているが、効果を上げているとは言い難い。人生のスタートで大きく躓(つまず)いた人々が現在も不遇をかこち、その不満は社会全体に影を落としたままだ。

 当時、特に大企業の経営者が足元の景気動向にとらわれ、次元の低い採用策を取ったのが就職難の主因だ。

 企業を統治する上で採用は、若者に自らの未来を託す最も重要な行為だ。そこには中長期を見据えた高い視点からの判断が求められるはずだ。

 就職氷河期を再び起こすことがないよう、経営者は肝に銘じてほしい。 

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