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アピール 「 関西電力(株)で働く従業員の自殺に伴う労災認定について」

2016年10月末日
電力労働運動近畿センター

まずは過労死自殺された方へ心から哀悼の意を表します。またご遺族の心痛の思いを共有させて頂きます。そして私たち関西電力職場に係るものとして過労自殺を生み出す経営施策に対し強く抗議の意を表します。

過労自殺を招くまでの過重労働を課したことは重大な労働法の違反があると指摘せざるを得ません。それは新聞報道によれば「時間外制限除外規定」外とのことですが、実態として再稼働に向けた仕事は、関西電力内部では共通する問題意識の仕事と位置付けられ、重視されているのは言うまでもありません。

この過労自殺の背景には、厚労省・規制委員会・関西電力の三位一体となった原発再稼働ありきの方針があることを指摘せざるを得ません。過労自殺を生み出すこのようなありようが関西電力職場を暗くしていくことになり、全ての職場に不安と喪失の連鎖の懸念など重大な結果を招くことになりかねないと強く警鐘を発します。

関西電力職場で働く皆さまがこのようなことが起こらないように、今一度、立ち止まって職場の状況について総点検されることを提起します。原子力関係職場だけではなくすべての職場における仕事上の繁忙感は大きく「なんとかしてくれ」との声も多数寄せられています。エネルギー産業で働く皆さんが気持ちよく安全で安心できる職場環境で、楽しく働くことが出来るように私共も奮闘したいと考えています。

今一度、皆さまの職場が不法な職場環境になっていないかどうか、周囲を見回して私どもに伝えていただくことも歓迎いたします。
  
  このような惨事が二度と生じないようともに手を携えてより良い職場環境としていきましょう。
                               以 上

【連絡先】電力労働運動近畿センター
☎06-4797-4414 fax06-4797-4415 メールden-kinki3@cwo.zaq.ne.jp

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2016年07月22日 (金) 
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/249739.html?utm_int=detail_contents_news-link_001&utm_int=detail_contents_news-link_001

働き過ぎ、ニッポン!

先進国で最悪レベルと言われるのが、日本人の長時間労働です。
その長時間労働を減らすために、最も必要とされる対策に政府が、ようやく取り組むことになりました。
事実上無制限となっている残業時間に、ハッキリと上限を決めて制限する、という対策です。
厚生労働省が、近く、有識者による検討会議をスタートさせる予定です。
実現すれば日本の労働時間法制の大きな転換となります。

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【 何が問題か? 】
そもそも、日本ではなぜ、長時間労働に歯止めがかからないのでしょうか?
どこに問題があるんでしょうか?
そして、労働時間に上限を決めるとなると、その水準や、対象となる業種をめぐって、利害が複雑に絡み合うことが予想されます。調整は大変な作業になると思います。
そして、長時間労働の是正がうまくいくかどうかは残業を前提としない仕事のあり方や、賃金の水準など、今後の働き方改革全体を左右する、重要な課題となるとみられます。

【 長時間労働の実態 】
まず、長時間労働の実態を見てみます。

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日本は、欧米諸国と比べて、長時間、働いている人の割合が多くなっています。
例えば、週に49時間以上、働いている人の割合は、日本は、21点7%にのぼります。
それに対して、アメリカは、16点4%、イギリスは、12点3%。
フランスやドイツは、10%余りですから、日本は、長時間労働者の割合が、フランスやドイツの、ほぼ倍にのぼる、ということになります。

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こうした長時間労働の結果、何が起きているかと言いますと、過労死、つまり働き過ぎて死んでしまうという、あまりにも過酷な問題です。
2015年度、過労死とされた人は、96人。
前年よりも減っていますが、これは、労災認定で過労死と認定された人の数で、遺族が、過労死の労災請求をした人の数は、283人にのぼっていて、前年より大きく増えているのが現状です。

【 なぜ、長時間労働になるのか? 】
そもそも、なぜ、長時間労働に歯止めがかからないのでしょうか?
どこに問題があるんでしょうか?

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まず、踏まえておきたいのは、労働時間はチャンと法律で決められていて、上限も決められているということです。
労働基準法によって、労働時間は、一日8時間、週40時間までと決められています。
そして、これを“超えて働かせてはならない”と明記されています。
これを「法定労働時間」といいます。

つまり、一日8時間まで、週40時間までが、労働時間の上限であって、これを超える残業は、実は禁止されているわけです。
しかし、これだけでは、なかなか現場がまわらない、ということもあって労使が合意すれば、これを超えて残業が可能になる仕組みになっています。これが、いわゆる「36協定」と呼ばれるものです。
労働基準法第36条に規定されているために、こう呼ばれます。
会社側が、労働組合との間で、この36協定を結べば、残業が可能になります。

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36協定を結んだ場合、許される残業の範囲は、月45時間、年間360時間まで、という基準があるんですが、これには、強制力がありません。
このため、特別な事情がある時には、労使が、さらに「特別条項付」36協定というものを結べば、この範囲を超えて、さらに長時間の残業が可能になります。

つまり、本来、法律は、労働時間の上限を決めているんですが、労使が36協定さえ結べば、事実上、残業がいくらでも可能になる、という現状になっているわけです。
厚生労働省の調査では、企業の半数以上で、この36協定が結ばれていて、特に大企業では9割以上にのぼっています。

【 上限規制 検討へ 】
このように、労働時間の規制が曖昧になっていることが、先進国の中で、突出して多い労働時間、そして、過労死などの背景になっていると見られているわけです。

そこで、ようやく政府が検討することになったのが残業時間に、明確な上限を決める、という対策です。
まず、今年春まとめられた一億総活躍プランの中で、「労使で合意すれば、上限なく時間外労働が認められる、いわゆる36協定の在り方について、再検討を開始する」と明記しました。
そして、これを踏まえて、間もなくまとまる、新たな経済対策の中の、働き方改革として、残業時間に上限を設けることを検討することにしたわけです。
近く、厚生労働省が、専門家による検討会議を発足させる方針です。

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【 課題と論点 】
しかし、いざ、残業に上限を設ける、となると、難しい論点がいくつも出てきます。
たとえば、〇超箸両絽造鬚匹Δい水準にするのか?
⇒諭垢紛罰Δある中で、どういう範囲までが適用になるのか?
そして、H蛎Г覆匹龍制力をどうするか、です。

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まず、,両絽造箸覆觧間を、どういう水準にするのか?
まず考えられるのは、先ほど触れましたように、36協定の本来の基準である、残業・月45時間まで。
これに強制力を持たせて、法的な上限にする、ということがまず、考えられると思います。

一方、こうした規制に慎重な経済界などからは、別の声も聞かれます。
それは、残業・月80時間を上限にしてはどうか、というものです。
というのは、過労死の労災認定では、残業・月80時間というのが、一つの判断基準となっていまして、俗に「過労死ライン」などと呼ばれているためです。

残業・月45時間と、残業・月80時間、大きな開きがあります。
働き過ぎをなくし、労働者の健康を確保する、という観点でいけば、過労死ラインの月80時間を上限にする、つまり、過労死ライン直前までは、法的に残業が許される、というのは、水準としては低すぎると言わざるを得ません。
上限規制は、その水準をどういうレベルにするかで、規制そのもの意味が大きく変わってしまいます。重要な問題です。

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次に△痢⊂絽造魴茲瓩燭箸靴董△修譴鬚匹譴世厩い範囲に適用できるのか?
これも、難しい論点です。
勤務が不規則だったり、公共的なサービスを行っている業種などからは、一律の上限規制ではなく、個別の基準での規制を求めたり、また、適用除外を求める声が出てくることも予想されます。
労働時間に、これまで日本にはなかった明確な上限を設定する以上、様々な業種や現場に応じた、ある程度の融通性を持たせることは必要だと思いますが、あまり個別の事情に配慮しすぎると、上限規制そのものが、事実上骨抜きになるおそれもあります。

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そしての、どうやって強制力を持たせるか?
せっかく、上限を設けても、守られなければ意味がありません。
そのために、違反があった場合は、罰則を適用したり、36協定を無効にすること、などが考えられます。
企業からすれば、もし、36協定が無効になったり、締結できなくなれば、いっさいの残業を命じることが不可能になりますので、これは影響甚大です。

【 働き方の未来 】
これまで見てきましたように、長時間労働を減らすには、まず、残業時間に上限を設けることが必要ですが、もう一つ、重要な点があります。
それは、残業しないと生活できないという、賃金水準を改善することです。
この両方がセットでないと、長時間労働はなくせません。

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そのためには、最低賃金の引き上げ、同一労働同一賃金に近づける取り組み、そして、残業を前提としない、仕事の進め方や賃金の在り方を労働者と経営者双方で作りあげていくことが必要です。必要なのは、労使双方の意識改革です。

できるだけ多くの人が、短い時間で効率よく働き、仕事も家庭も両立させる。
働く人の健康を守るためにも、そして、人口が減る中で、日本が成長していくためにも、実現させなければいけない、まさに待ったなしの課題です。

(竹田 忠 解説委員)

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日経WEB 2016/10/16
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO08426720W6A011C1PE8000/

 釈然としない判決である。東京都内の私立学校に勤める女性教諭が結婚後も職場で旧姓を使いたいと学校側に求めていた裁判で、東京地裁が教諭の訴えを退けた。

 判決は旧姓の使用が法律上保護される利益であると認める一方で、「旧姓を戸籍姓と同じように使うことが社会に根付いているとまではいえない」という判断を示している。

 ちぐはぐな印象が否めず、社会の流れを理解していないとらえ方といわざるを得ない。

 確かに旧姓がすべての職場で使えるわけではない。しかし状況は、確実に変わりつつある。たとえば国家公務員は2001年から職員録など広い範囲で旧姓を使うことができる。政府は5月、女性活躍のための重点方針に「旧姓使用の拡大」を盛り込んだ。マイナンバーカードや住民票も旧姓が併記できるようになる。

 旧姓が根付いていない根拠の一つとして判決は、既婚女性の7割以上が職場で主に戸籍名を使っているとのアンケート調査をあげた。だが旧姓は希望する人だけが使えばいいものであり、この数字をもって定着していないとするのは説得力に欠ける。

 今回の判決は15年12月の最高裁判決とも食い違う。

 最高裁は民法の夫婦同姓規定を合憲と判断した。その理由としてあげたのが、旧姓を通称として使うことの広がりだ。改姓により女性は、心理的にも、社会的な信用維持の面でも不利益を受ける。だがこの不利益は、通称使用で一定程度は緩和される。そういう論理だ。今回とは逆の見方になる。

 この最高裁判決では、15人の裁判官のうち5人が夫婦別姓を認めないのは違憲とした。結婚後の姓を巡る考え方が今まさに変化のさなかにあることがうかがえる。

 そもそも選択的夫婦別姓が実現すれば今回のような問題は生じない。結婚後の姓のあり方は本来、国会や社会で考えていくべきテーマだ。地裁判決を改めて議論を深める契機にしたい。

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北海道新聞 2016/07/08
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0066955.html

 参院選では与野党がそろって雇用・労働政策を重要公約に掲げている。

 「同一労働同一賃金の実現」「最低賃金の引き上げ」「長時間労働の是正」など、似通った項目が並ぶ。

 これまで野党側が掲げてきた同一労働同一賃金などを、与党側も主張し始めたことが大きい。このため「争点が見えにくい」などの指摘も出ている。

 肝心なのは、こうした公約を「看板」で終わらせず、中身も伴わせることだ。

 与党は公約に掲げる以上、責任をもって遂行しなければならない。野党も言いっ放しで済ませず、実現への道筋をきちんと示す必要がある。

 安倍晋三首相は1月の施政方針演説で、「同一労働同一賃金の実現」などに言及した。

 背景には、政府の経済政策「アベノミクス」で大企業は潤ったものの、その果実が国民全体に行き渡っていない現実がある。

 実質賃金は5年連続でマイナスだ。アベノミクスを推進するためにも、消費の活発化につながる賃金の底上げなどが欠かせないということなのだろう。

 政府や与党がこうした改革に乗り出すことは、方向性として間違っていない。

 問題は、これまでの雇用政策との整合性だ。

 昨秋には、最長3年だった派遣労働者の受け入れ期間制限をなくす改正労働者派遣法が成立した。

 一部労働者の残業時間をなくす労働基準法改正案も、国会で継続審議になっている。

 こうした労働分野の規制緩和策と、公約に掲げた政策には距離がある。国民が納得できるような説明を求めたい。

 野党各党は、与党の雇用政策を「アベノミクスの失敗隠し」などと批判する。

 ただ、アベノミクスの成否という入り口論にとどまっているため、議論に深みが出ない。これでは国民の支持は広がらないだろう。

 最低賃金については、多くの政党が時給千円や1500円への引き上げを唱えている。

 ならば、与野党を超えて実現の道筋を探るべきだ。中小零細企業には大幅な引き上げは経営を圧迫するとの危惧もある。現実的な折り合いをつけなければなるまい。

 雇用・労働政策は少子化や社会保障など、この国の将来を左右する重要課題と深く関わっている。正面から議論を戦わせてほしい。
 

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しんぶん赤旗 2016年4月17日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-17/2016041701_05_1.html

 熊本地方を中心に九州で続いている連続地震は、16日未明にマグニチュード(M)7・3の、阪神・淡路大震災に匹敵する大きな地震が発生、地震の発生は阿蘇地方や大分県にも広がり、亡くなった人やけがをした人がさらに増えるなど、被害は拡大を続けています。現地では余震が続くなか、被災者の救出や救援の活動が続いていますが、16日夜から17日にかけては強い雨の予報が出され、被害が広がることが懸念されています。事態の拡大に備え、最大限の対策を強めることが求められます。

阪神・淡路大震災に匹敵

 16日未明のマグニチュード7・3の地震では、熊本県菊池市などで最大震度6強の揺れを記録しました。気象庁はこの地震が今回の一連の地震の「本震」で、それ以前の14日夜の最大震度7などの地震は、本震に先立つ「前震」との見方を明らかにしました。

 16日未明の地震は14日夜の地震で動いたとみられる日奈久断層と交接する布田川断層付近で起きたとみられます。この地震の後、震源の北東側の阿蘇地方や大分県でも地震活動が活発化しており、震度5や6クラスの強い地震が相次いで発生しています。

 一連の地震では熊本市内や益城町内だけでなく、阿蘇市や南阿蘇村など阿蘇地方でも、住宅の倒壊や地滑りなどが相次ぎ、多くの死傷者が出ています。道路が寸断されたり、住宅やアパートの1階が完全につぶれ住民が生き埋めになったりしたところもあり、寸刻争う捜索と救援が求められます。

 それぞれの地震の関係はすべて明らかになっているわけではありませんが、大分から熊本にかけては「大分―熊本構造線」や「別府―島原地溝帯」とも呼ばれ、日本列島が形成される過程でできた、本州から四国、九州にかけての「中央構造線」と呼ばれる日本最大の断層帯の西の端です。大分側では「別府―万年山(はねやま)断層帯」、熊本側では「布田川・日奈久断層帯」などの断層が複雑に絡み合っています。断層の一部が動いたのがきっかけになって動かなかったところが動いたり、他の断層が動いたりすることもあり、警戒が必要です。

 断層帯の延長に位置する阿蘇山の動きも気になります。現在のところ、阿蘇山の火山活動の活発化と地震の関連は薄いといわれていますが、今後、断層帯が大きく動いたことがきっかけで阿蘇山が大噴火することにでもなれば、広い範囲に大きな被害を及ぼすことになります。とりわけ全国で唯一稼働中の九州電力川内原発など、原発への影響が懸念されます。地震と火山噴火への住民の不安に応えるため、原発への対応を根本から見直すべきです。
雨などの二次災害を防ぐ

 警戒が必要なのは、雨風への対策です。度重なる地震で屋根など家屋が破壊され、地盤も緩んでおり、少しの雨でも大きな災害につながりかねません。もともと熊本県から大分県にかけては阿蘇山などの噴火で堆積物が降り積もった弱い地層です。被災した住民に安全な避難場所を確保するとともに、土砂災害などが起きないよう対策を急ぐべきです。

 被災者が狭い車のなかで長時間過ごしたため健康を損なうこともあります。地震で助かった命が避難中に損なわれることが決してないよう、対策を強めるべきです。

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毎日新聞2016年4月16日
http://mainichi.jp/articles/20160416/ddm/005/070/020000c
 
 局地的に激しい揺れを伴う内陸直下型地震の怖さを改めて示した。

 14日夜、熊本県を中心とする地域を襲った地震は、東日本大震災以来の震度7を記録した。自然エネルギーのすさまじさは、多くの人を震え上がらせた。多数の死傷者が出ている。関係機関は、被災者の救援と安全な避難先の確保にまず全力をあげてもらいたい。

 気象庁は、この地震を「2016年熊本地震」と命名した。

 気象庁が観測を始めて以来、九州で震度7を記録したのは初めてだ。強い揺れは、九州全域から四国にまで広がった。

 震源の近くには、二つの断層帯がある。地震が内陸部の浅い場所で発生したため、震動が地表にそのまま伝わりやすく、地震の規模の割には激しい揺れになったとみられる。

 複雑な地下構造のため、大きな余震も続く。直下型地震への警戒は怠れない。そのことを再認識したい。

 運転中の川内(せんだい)原発(鹿児島県)と、停止中の玄海原発(佐賀県)に異常はなかったという。新規制基準では、活断層の真上に原発の重要施設を建設することは禁じられている。

 とはいえ、未知の活断層もある。活断層は、日本列島に2000以上走っている。いつ、どこで直下型地震が起きてもおかしくない。

 こういう地震列島の中で原発を維持していくリスクを改めて考えた人も多かっただろう。

 今も避難生活を余儀なくされている人が大勢いる。熊本市や益城町(ましきまち)などでは、停電や断水が続く地域がある。被災者の支援と、ライフラインの復旧に万全を期してほしい。

 停電などで必要な医療体制が確保できず入院患者を避難させる病院が出ている。激しい揺れによる精神的なダメージは、病状を悪化させる危険がある。病人や高齢者ら災害弱者への目配りは特に欠かせない。

 余震による2次被害も要注意だ。地震で地盤が緩んだり、建物がもろくなっていたりする可能性がある。雨が降れば土砂崩れも起きる。危険な場所に近づくのは避けるべきだ。

 熊本城の石垣の崩落や高速道路の陥没など、地震の深い爪痕が残る。九州新幹線も大きな被害を受けた。地震の際、6両編成の回送列車が非常停止措置をとったものの脱線し、本線をふさいだ。運休が続く。

 新幹線で全車輪の脱線は初めてだ。運輸安全委員会は、鉄道事故調査官を派遣した。高速で大勢の人を運ぶ新幹線で、ひとたび事故が起きれば大変なことになる。原因の解明を尽くし、対策に生かしてほしい。

 東日本大震災後、地震活動は活発化している。耐震化、防火対策など各自が減災を心がけ

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 http://mainichi.jp/opinion/news/20150920k0000m070117000c.html

毎日新聞 2015年09月20日 02時30分

  ◇国民が監視を強めよう
 
 戦後70年かけて慎重に積み上げられてきた安全保障政策が、抜本的に変わる。

 集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊の海外での活動を飛躍的に拡大する安全保障関連法が、国会が大混乱する中で成立した。

 半年のうちに関連法が施行され、新法制のもとで現実に自衛隊が海外に派遣されることになれば、国のかたちは大きく変容するだろう。

 安保関連法の成立は、多くのものを傷めた。

 まず、平和国家の根幹である憲法9条は変質し、海外で武力行使をしないとの制約が緩められた。

 ◇「総合的判断」の危うさ

 そして、憲法は国民が国家権力を縛るものだという立憲主義の理念が傷ついた。憲法や法律の解釈がむやみに変わらないという法体系の安定性に疑問符がついた。

 民主主義を踏みにじるような安倍政権の強引な政治手法が、国会と民意との乖離(かいり)を広げ、政治不信を深刻化させたことも残念だ。

 しかし、この新法制は、成立すればそれで終わり、というものではない。国民が監視を続けることが、法律の性質上も重要であり、有効だ。

 新法制は、集団的自衛権の行使や他国軍への後方支援を世界中で可能にするが、どういう場合に自衛隊の活動を認めるかの判断基準があいまいだ。政府の裁量の範囲が大きい。

 集団的自衛権を行使するには、我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」などの新3要件を満たす必要がある。

 字面だけ読めば一見、歯止めが利いているように見えるが、何が明白な危険にあたるかは政府の判断にゆだねられる。

 国会審議でも基準は明確にならず、政府は最後には「総合的に判断する」というばかりだった。

 政府は「自分たちがきちんと判断するから、国民は政府を信頼して任せてほしい」と言いたいのだろう。

 だが、あいまいな基準は政府の拡大解釈を可能にする。法律の運用次第で、米国の要請に応じる形で日本の安全に直接関係のない戦争にも関わることになりかねない。そんなリスクを受け入れるわけにいかない。

 もちろん、集団的自衛権の行使も重要影響事態での後方支援も、原則として国会の事前承認が必要だ。だが、緊急の場合は事後承認でいいことになっている。自民党「1強多弱」の国会では、国会の承認がどこまで歯止めになるかも疑問が残る。

 ここで、やはり大きな力になるのは、国民の声だ。国民がこの問題に関心を持ち続け、政府の判断を監視する。政府が誤った判断をしそうになれば、おかしいと声を上げ、法律を現実に発動させない。そういう国民の意思表示が、重要な歯止めの役割を果たすだろう。

 新法制のもと、安倍晋三首相はどんな国を目指そうとしているのか。

 首相は、法整備によって日米同盟が強化され「抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性はいっそうなくなっていく」という。

 ◇普通の市民が動き出す

 自衛隊と米軍の一体化をさらに進め、自衛隊が米軍の戦いを世界規模で支援する。日本が米国の負担を肩代わりすることで、米国のアジア重視の政策を支え、中国への抑止力を強化するということだろう。

 そこには、首相の宿願も影響しているように見える。首相は、日本が集団的自衛権を行使できる国になることで、祖父の岸信介元首相が改定した日米安保条約の双務性を高め、憲法改正につなげたい、と考えてきた。日本を軍事的に「普通の国」に近づけようということだ。

 こうした首相の外交・安全保障政策は、軍事面に偏り過ぎているのではないか。

 対中抑止を目指した日米同盟の強化は、かえって地域の緊張を高めかねない。だが、首相にはそういう目配りはほとんどない。外交努力は当然の前提と口では言うが、その割には、中国、韓国などとの関係改善の努力は物足りない。抑止力が高まったとして、対中外交で柔軟性を失うことがあってはならない。

 野党にも注文をしておきたい。

 民主党が、今国会で領域警備法案しか対案を出さなかったのは、国会戦術としてはあり得ても、野党第1党として十分だったとは言えない。来年夏には参院選がある。安全保障政策について全体像を示せるよう、党内議論を詰めてもらいたい。

 新法制の成立で私たちが失ったものもあるが、希望も見えた。

 多くの人が安全保障や日本の国のあり方を切実な問題として考えるようになったことだ。

 憲法学者、法曹界、労働組合、市民団体だけでなく、これまで政治への関心が低いと見られていた若者や母親ら普通の市民が、ネットなどを使って個人の意思で声を上げ、デモや集会に参加した。これらの行動は決して無駄に終わることはない。

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html#20150920
朝日新聞 2015年9月21日(月)
 
 自衛隊に対する憲法の縛りをゆるめ、時の政権の判断による海外での武力行使に道を開く。

 それが、新たな安全保障法制の核心といっていい。

 政権が常に正しい判断をする保証がないことは、先の大戦の重い教訓だ。政権の判断を監視する目が機能するかどうかが、従来以上に大切になる。

 国家安全保障会議(日本版NSC)、特定秘密保護法、そして今回の安保法制――。安倍政権がめざしてきたのは、安全保障をめぐる判断の権限を首相官邸を中心に一元化することだ。

 刻々と変化する国際情勢について、政権が情報を集め、的確に分析し、過ちなき決断ができる。そんな前提の仕組みだ。

 問題は、その判断の是非を、だれがチェックするのかだ。

 やはり国権の最高機関である国会の責任は大きい。

 今の国会は自民、公明の与党の数の力が圧倒的だ。「違憲」法制の歯止め役は果たせなかった。野党が求めた、自衛隊海外派遣の「例外なき国会の事前承認」も盛り込まれず、特定秘密保護法の壁も立ちふさがる。

 しかし、厳しい監視が欠かせない論点は数多い。

 法制を政権がどう運用し、自衛隊の活動はどう広がるのか。専守防衛が変質しないか。軍事に偏らない外交・安全保障の努力は。強大な同盟国・米国に引きずられないか。文民統制は機能するか。自衛隊の活動拡大で防衛費が膨らまないか……。

 安保政策は本来、幅広い国民の支持の基盤のうえに、与野党を超えた合意に基づき継続的に運用されることが望ましい。

 だが今回の安保法制審議は、政治に対する国民の基本的な信頼を傷つけた。法制がこのまま続く限り、結局は、安保政策の安定的な継続性は望み得ない。

 「違憲」の法制については、継続性より正しい軌道に戻すことを優先すべきだ。法制に反対した野党には、政権交代が実現すれば、法制を是正する意思を明確にしてもらいたい。

 野党には、もう一つの選択肢を国民に示すことも求めたい。

 日本のあるべき将来像や国際貢献策は何か、具体的に示すこと。そしてその実現のために、自公政権に代わり得る民意の受け皿を形にすることだ。

 法制に対する国民の監視が大切なことは言うまでもない。国会の行方を左右するのも、選挙を通じて示される国民の意思である。判断材料を提供するメディアの役割も重い。

 安保法制の成立は、議論の終わりを意味しない。これからの不断の監視の始まりである。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015091902000158.html
2015年9月19日

 新しい安全保障法制により、日本はこれまでの平和国家とは違う道に踏み出す。この流れを止めるには投票で民意を示すしかない。さあ、選挙に行こう。

 自衛隊が他国同士の戦争に参戦する集団的自衛権を行使できるようになり、これまでの「専守防衛」政策とは異なる道を歩みだす。これが新しい安保法制の本質だ。

 戦争放棄の日本国憲法に違反すると、憲法学者らが相次いで指摘し、国会周辺や全国各地で多くの国民が反対を訴えたが、与党議員が耳を傾けることはなかった。戦後七十年の節目の年に印(しる)された、憲政史上に残る汚点である。

◆公約集の後ろの方に

 安倍晋三首相が新しい安保法制推進の正当性を裏付けるものとして持ち出したのが選挙結果だ。

 首相は国会で「さきの総選挙では、昨年七月一日の閣議決定に基づき、平和安全法制の速やかな整備を明確に公約として掲げた。総選挙での主要な論点の一つであり、国民の皆さまから強い支持をいただいた」と答弁している。

 確かに、昨年十二月の衆院選で有権者は自民、公明両党に三分の二以上の議席を与え、自民党総裁たる安倍首相に政権を引き続き託したことは事実、ではある。

 とはいえ「アベノミクス解散」と名付け、経済政策を最大の争点として国民に信を問うたのも、ほかならぬ安倍首相自身である。

 首相が言うように、安保政策も主要争点ではあったが、自民党が衆院選公約として発表した「重点政策集2014」で安保政策は二十六ページ中二十四ページ、全二百九十六項目中二百七十一番目という扱いで、経済政策とは雲泥の差だ。

 「集団的自衛権の行使」という文言すらない。これでは憲法違反と指摘される新しい安保法制を、国民が積極的に信任したとはいいがたいのではないか。

◆「奴隷」にはならない

 もっとも、人民が自由なのは議員を選挙する間だけで、議員が選ばれるやいなや人民は奴隷となる、と議会制民主主義の欠陥を指摘したのは十八世紀のフランスの哲学者ルソーである。

 政党や候補者は選挙期間中、支持を集めるために甘言を弄(ろう)するが、選挙が終わった途端、民意を無視して暴走を始めるのは、議会制民主主義の宿痾(しゅくあ)なのだろうか。

 しかし、二十一世紀を生きる私たちは、奴隷となることを拒否する。政権が、やむにやまれず発せられる街頭の叫びを受け止めようとしないのなら、選挙で民意を突き付けるしかあるまい。

 選挙は有権者にとって政治家や政策を選択する最大の機会だ。誤った選択をしないよう正しい情報を集め、熟慮の上で投票先を決めることは当然だ。同時に、低投票率を克服することが重要である。

 安倍政権が進める新しい安保法制について、報道各社の世論調査によると半数以上が依然「反対」「違憲」と答えている。

 そう考える人たちが実際に選挙に行き、民意が正しく反映されていれば、政権側が集団的自衛権の行使に道を開き、違憲と指摘される安保法制を強引に進めることはなかっただろう。

 昨年の衆院選で全有権者数に占める自民党の得票数、いわゆる絶対得票率は小選挙区で24・4%、比例代表では16・9%にしかすぎない。これが選挙だと言われればそれまでだが、全有権者の二割程度しか支持していないにもかかわらず、半数以上の議席を得て、強権をふるわれてはかなわない。無関心や棄権をなくして民意を実際の投票に反映することが、政治を正しい方向に導く。

 幸い、国会周辺で、全国各地で安倍政権の政策に異議を唱えた多くの人たちがいる。その新しい動きが来年夏の参院選、次の衆院選へとつながることを期待したい。

 まずは自分が声を上げ、共感の輪を広げる。そして多くの人に投票所に足を運んでもらえるようになれば、政治が誤った方向に進むことを防げるのではないか。

 来年の参院選から、選挙権年齢が二十歳以上から十八歳以上に引き下げられる。若い世代には、自らの思いをぜひ一票に託してほしい。それが自分たちの未来を方向づけることになるからだ。

◆民意の受け皿つくれ

 野党にも注文がある。安保法制反対の共闘で培った信頼関係を発展させて、来年の参院選では安倍自民党政治とは異なる現実的な選択肢を示してほしいのだ。

 基本理念・政策が一致すれば新党を結成して有権者に問えばよい。そこに至らなくても、比例代表での統一名簿方式や選挙区での共同推薦方式など方法はある。

 野党が党利党略を優先させて、選挙にバラバラで臨むことになれば、民意は受け皿を失い、拡散する。そうなれば自民、公明の与党が漁夫の利を得るだけである。
 

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http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=343495&nwIW=1&nwVt=knd
高知新聞 2015年09月02日

 未成年の高校生が、大人から労働搾取をされるとは嘆かわしい。

 アルバイト先で過酷な仕事を強いられたり、不当な扱いを受けたりする、いわゆる「ブラックバイト」に悩む高校生が労働組合「首都圏高校生ユニオン」を結成した。高校生だけの労組は全国で初めてという。

 「進路のためアルバイトを辞めたいのに辞めさせてもらえない」「賃金計算が15分単位の切り捨て」「コンビニでおでん販売のノルマを課せられ、300個を自分で購入した」―。

 関係者によると、高校生からはそんなSOSが相次いでいるという。

 ブラックバイトは、社員に長時間労働などを課す「ブラック企業」とともに大きな社会問題になっている。昨年から大学生による労組の結成が相次いでいたが、高校生の結成は事態の深刻さを物語っているといえよう。

 背景を探っていくと、現代社会が抱える問題が浮き彫りになる。

 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、1993年に1世帯当たり657万5千円あった年間平均所得は、2013年には528万9千円と2割近くも減少している。

 親の経済事情が年々厳しくなり、アルバイトで学費や生活費を稼がざるを得ない学生の増加が見て取れる。このため、ブラックバイトでも簡単に辞められず、問題も表面化しにくいと、専門家は指摘する。

 労組を立ち上げた高校生も、家の生活費を助けるために働いたり、昼間はアルバイトをして夜に定時制高校に通ったりしている。高校生は大学生以上に法律知識に乏しく、交渉力もないため、犠牲になりやすい。

 こうした純真な若者を、事業者が己の利益のために不当に働かすことは許されない。事業者側の早急な是正を求めたい。

 ブラックバイトが深刻化する一因には近年の労働市場の変化もあろう。

 正規雇用が減り、非正規労働者が増えたことで、管理業務やノルマ達成なども非正規が担うようになった。これが低賃金で正規並みの労働を課す「ブラック」を加速させている。
 若い世代に理不尽な労働を強いることは、勤労の意欲をそぎ、将来の社会の活力低下にもつながりかねない。国も近く実態調査に入るというが、コンビニや飲食店などの業界団体も対応を急ぐべきだろう。

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