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構造的な欠陥を指摘する声も…フィンランドのベーシックインカム実験は失敗だったのか
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191213-00000001-binsider-int&p=1
2019/12/13(金) 8:10配信BUSINESS INSIDER JAPAN

構造的な欠陥を指摘する声も…フィンランドのベーシックインカム実験は失敗だったのか

レンタル自転車で街をゆくフィンランドのベーシックインカム実験の参加者、ユハ・ヤルビネン(Juha Jaervinen)。2018年4月。
2017年、フィンランドはヨーロッパで初めて、政府が支援するベーシックインカムの実証実験を行った。

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この実験は2018年12月に終了し、失敗に終わったと見なされている。

しかし、多くの研究者は、実験の構造に欠陥があったと言っている。

これはベーシックインカムの研究者たちが望んでいたニュースではなかった。フィンランドが2000人近くの失業者に毎月給付金を支給するベーシックインカムの実証実験を開始してから2年が経過した後、受給者の多くは失業したままだった。受給者は他の失業者よりも全体的に幸福で健康であると報告されたが、実験は失敗だったとみなされている。
「このベーシックインカムの実験にはがっかりさせられた」と、Jain Family InstituteのCEOであるマイケル・スタインズ(Michael Stynes)はBusiness Insiderに語った。

「しかし、この実験の結果はあまり役に立たない」

実際、多くのベーシックインカム研究者たちは、この研究の結論をゆがめている重大な欠陥を指摘している。

ブルッキングス研究所の研究者ジミー・オドネル(Jimmy O'Donnell)は、Jacobinへの寄稿の中で、いくつかの大きな問題を指摘した。

第一は、フィンランドの社会的態度の変化で、多くの政治家と有権者はベーシックインカムを貧困層の労働意欲を高めるための方法だと考えるようになった、と彼は述べた。これが第二の問題を生む。首相官邸が実験のために2000万ユーロ(約24億円)という限られた予算しか配分しなかったのだ。さらに、実験を迅速に実行に移したいという意向から、研究者たちは実験の設計を急がざるを得なかった。

実験を行った研究者は、当初1万人の参加を計画しており、月額約1000ユーロ(約12万円)の支給を検討していた。しかし2000万ユーロの予算では、それは実現できなかった。さらに厳しいスケジュールにより、チームは参加者を失業者に限定することを余儀なくされた。彼らはすでにそのグループの所得などの管理データを持っているからだ。

「彼らは非常に真面目な研究者だ。しかし、彼らは仕事を妨げられていた」とスタインズは言った。

ベーシックインカムは実験のほんの一部に過ぎなかった。
また、スタインズは別の大きな欠陥を指摘した。実験の全体設計では、ベーシックインカムは提供されるサービスのごく一部に過ぎず、このお金を受け取るためには他のサービスを放棄する必要があった。

2017年、フィンランドは政府が支援する無条件のベーシックインカムをテストしたヨーロッパで最初の国になった。2000人という人数が少なすぎるという研究者もいるが、スタインズは、ベーシックインカムに関する重要な結論を出すのに十分だと述べた。しかし、データを解析することは困難だった。

この実験は、失業手当、住宅手当、社会扶助、病気補償など、失業中の住民に法律で支給される標準的な条件付き給付を既に受け取っていた人々を対象とすることになった。対象外の失業者のグループ(約5000人)は、これらのサービスを受け続け、一方、ベーシックインカムの受給者グループは、月額560ユーロ(約6万7000円)の少額の基本所得に加えて、以前と同じ条件付き給付の一部(すべてではない)を受け取った。

2017年、対象外グループは失業手当として7300ユーロ(約88万円)、社会扶助で1300ユーロ(約16万円)を受け取ったが、受給者グループは、失業手当として5800ユーロ(約70万円)、社会扶助として940ユーロ(約11万円)しか受け取っていない。

参加者のシニ・マルチネン(Sini Marttinen)はニューヨーク・タイムズに、実験中に月50ユーロ(約6000円)だけ収入が増加したと語った。

「彼らは、条件付き失業手当を無条件のベーシックインカムに置き換えたら、雇用が増えるのかということに興味があったのだ」とスタインズは言った。

実験が終わる頃には、ベーシックインカムの受給者は、非対象グループの人たちと同じように仕事に就きたがらなくなっていた。しかし、受給者が以前受けていた条件付き給付を受けていないという事実は、実験結果についての結論を出すことを難しくしている。多くのベーシックインカム支持者は、ベーシックインカムと標準的な失業給付のどちらかを選ばなければならないという仕組みに批判的だ。

カリフォルニア州ストックトンの市長でベーシックインカムの実験を行なっているマイケル・タブス(Michael Tubbs)は、Business Insiderに対し、「既存のセーフティーネットを廃止し、現金支給に置き換えるような政策に反対する」と語った。ストックトンでの実験では、125人の住民に毎月500ドル(約5万4000円)が支給される。

フィンランドの実験のもう一つの問題は、政府の調査に対する参加者の回答率が約25%と極めて低かったことだ。アメリカ教育省が定めた基準に照らすと、この実験の不確実性は容認できないレベルに達していることになる。

国の基本的な所得政策になり得るか
ベーシックインカムの起源は16世紀にまでさかのぼるが、最近になって、民主党大統領候補のアンドリュー・ヤン(Andrew Yang)のおかげで、再び政策として知られるようになった。ヤンは、18歳以上のアメリカ市民全員に月額1000ドル(約10万8000円)、年間1万2000ドル(約130万円)を支払うという政策を掲げている。

そのような政策と比較すると、フィンランドの実験は極めて小規模だった。1968年から1982年までアメリカで行われた約9000人の参加者を対象とした「負の所得税」の実験と比べても非常に小規模だ。この実験は、低所得者が税金の代わりに政府から支払いを受けるものだったが、それでも結論を出すには規模が小さすぎると考えられた。

スタインズは、フィンランドの実験結果を理由に他の国がベーシックインカム政策の推進を思いとどまることのないよう願っていると述べた。

「これはベーシックインカムのテストとは言えない」と彼は言った。

「非常に限られた予算のベーシックインカムを、特定の集団に対して、限定された状況の中でテストしたにすぎない」

[原文:One of the world's largest basic-income trials, a 2-year program in Finland, was a major flop. But experts say the test was flawed.]

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

Aria Bendix

 

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関西大学の労基署申告への報復的解雇裁判関連資料(4)街頭宣伝配布チラシ


〔チラシ(1)〕
学校法人関西大学は
中等部高等部教論の
不当解雇を撤回せよ

関西大学池内啓二理事長は
違法残業をさせ、中等部高等部開校から
10年間のうちに、茨木労基署より4度の「是正勧告」を受けています。
そして、違法残業を告発した先生を不当に解雇しました。
 未だに2015・2016年度2億円の残業代を値切り、未払いです。
膨大な残業代は違法なブラツク経営の結果です。

労基法違反(賃金台帳不記載)!!
調査に基づく残業代を支払え

 2018年4月に違法残業の長時間労働について告発した中等部高等部の教諭を不当に解雇しました。
 告発により発生した20:5年度・2016年度の残業の調査を行いましたが、
残業代約2億円を値切るために、調査結果を記帳せず、賃金台帳の超過勤務時闘を不記載のまま放置しています。これは明確な労基法違反です。

告発者の解雇は、明らかな「逆恨みJです。
報復・ブラック経営を是正せよ!!
1日も早い原職復帰を求めます!

530-0034 大阪市北区錦町2-2 国労会館3F 大阪民主センター気付
労基署中告人で組合執行委員である関西大学中・高等部 K先生の不当解屋を撤回させる会


〔チラシ(2)表〕

度重なる労基法違反・是正勧告
2017年2018年度の残業代支払いは1億数千万円!
池内啓三理事長の経営責任は免れない!
働かせせ放題の就業規則「勤務の多寡に関わらず」固定残業代
プラック企業の典型の就業規則!

 関西大学は、2017年4月に残業代未払い、36協定未締結等で茨木労基署から是正勧告を受け、2018年3月、7月と是正勧告を受けています。
2019年に入り、やっと法人は2017年2018年の残業代1億数千万円の残業代の支払いを約束しました。しかし、いまだに2015年・2016年の残業代の未払いがあります。2016年度以前の賃金台帳には労働時間・超過勤務時間が無記入のままで、残業代の根切り提案を続けています。関西大学は労基法違反の責任を取らず、プラック経営体質はかわらないままなのです。
 関西大学理事長の池内啓三氏は、中等部高等部開校以来の長時間労働を放置してきた責任を全く認めていません。関西大学中等部高等部では開校当初より、就業規則で「勤務の多寡に関わらず」定額の教育職員調整手当を残業代として支払う、と規定しています。池内氏は、「固定残業代だ」と譲りませんが、該当の残業時間を明示しない「青天井の残業時間」の固定残業代はあり得ません。
 度重なる労基署からの厳しい指導に対し、池内理事長はこれまでたびたび強い抵抗を示してきました。しかし、茨木労基署の重ねての厳しい指導に、問題発覚から2年以上経た後、やっと正規の残業代の支払いに応じてきています。その支払額は2017・2018年度で1億を大きく超える金額になっています。これは、問題発覚後に残業代の値切り交渉に終始し、本来の働き方の改革や業務改善に対する取り組みを怠ってきた結果です。池内理事長は、問題発覚後2年間、労基署の指導に適切に応じず、長時間労働対策を怠り残業代の支払いを拡大させた責任を取るべきです。

争議の早期解決と職場環境の改善を求めます!!
 関西大学中等部高等部では、管理職による不適切な言動やハラスメントの訴えがなされています。また、超過勤務を申請しない「サービス残業」、タイムカードを打刻した後の残業などが放置されています。
 教員の働き方は全国的にも問題になっています。賃金の支払いだけでなく、本質的な職場環境の改善が必要なのです。

1日も早い不当解雇撤回・K教論の原職復帰を!
 池内理事長、労務担当の北田伸治常務理事の経営責任は明らかです!
 中等部高等部における「違法経営」の実態を明らかにし、追及してきたK教諭の不当にも解雇をしました。このような暴挙を決して許してはいけないのです。

530-0034 大阪市北区錦町2-2 国労会館大阪民主センター気付 労基署申告人で組合執行委員である関西大学中・高等部 K先生の不当解雇を撤回させる会


〔チラシ(2)裏〕
学校法人間西大学での長時間労働を告発
労基署申告人の中等部高等部教諭を不当解雇!

平成30年(ワ)第4297号 地位確認請求事件

 学校法人関西大学(以下「法人」は中等部・高等部のK教諭を一方的に解雇しました。国語科
のK教諭は、学級担任業務だけでなく特別支援教育コーディネーターとして、就学困難な生徒に関して、教員や保護者と連携し、今日の学校で不可欠な教育活動を担ってきました。K教諭は学内外の様々な研究・研修事業にも関与し、経験に基づく専門的知見を教育実践に活かしてきました。
 職場では、長時間過密労働などによって教員の多くが心身に不調をきたし、休職者や中途退職者が途絶えることがありません。2019年3月にも30代の教諭が、次の職場が決まらないまま、
中途退職しています。
 労働組合の執行委員でもあるK教諭は、厳しく法人の違法行為と厳しい職場環境の改善を訴えてきましたが、ほとんど改善されることがなかったため茨木労働基準監督署に告発しました。その結果として開校10年で既に4度目の是正勧告を受けています。たび重なる行政指導は、K先生の告発が当を得たものであったことの裏付けとなります。現在も行政指導は続いていますが、法人は労基署の厳しい指摘にさえ素直に従わないなど労基法違反行為を軽視した姿勢を続けています。
 告発者のK教諭に、田尻悟郎校長(当時)が「保護者からの苦情がある」「調査だ。懲戒委員会ではない。」と言い、具体的な理由を示さず何ひとつ本人から事情を聞かずに、「生徒との接触を禁ずる」として自宅待機を命じたのは2017年10月24日でした。自宅待機させた後には、本人に伝えた「調査」とは異なり、懲戒委員会を設置しました。組合員を排除した懲戒委員会運営は、公平公正とはかけ離れたものでした。しかし、この懲戒委員会でさえ、懲戒解雇処分と停職処分を否決しました。池内啓三理事長は懲戒処分に執心し、規程には存在しない「理事会小委員会」なるものを設置しましたが、懲戒処分を正当化しうる根拠を見いだすことはできませんでした。懲戒処分の強行を断念した理事長は、2018年4月26日、K教諭を「適格性を欠く」として解雇しま
した。労基署への申告を理由として「労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」ことは労働基準法第104条に定められています。法人の挙げた「解雇理由」がこじつけであり、いかに不当なものであるか、多くの同僚教員、卒業生、教育関係者が、K教諭の教育実践に言及した陳述書を提出しました。さらに「解雇理由」は、大阪府下の学校における懲戒処分事例と比較しても、とうてい解雇に相当するようなものではありません。本件解雇は、法違反の是正に真摯な対応を見せない法人の責任を厳しく追及した労基署申告人を嫌悪した暴挙と言わざるを得ません。

530-0034 大阪市北区錦町2-2 国労会館3F 大阪民主センター気付 労基署申告人で組合執行委員である関西大学中・高等部 K先生の不当解雇を撤回させる会


【関係記事】
関西大学の労基署申告への報復的解雇裁判関連資料(1)新聞記事
http://hatarakikata.net/modules/data/details.php?bid=2351
関西大学の労基署申告への報復的解雇裁判関連資料(2)論評
http://hatarakikata.net/modules/data/details.php?bid=2352
関西大学の労基署申告への報復的解雇裁判関連資料(3)訴訟関連
http://hatarakikata.net/modules/data/details.php?bid=2353
 

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マルチジョブホルダーに対する雇用保険の適用などについて検討/労政審職業安定分科会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000187096_00011.html

 厚生労働省は11月29日、「第135回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」を開催した。議題は「雇用保険制度について」など。資料として配付された「マルチジョブホルダーに対する雇用保険の適用について」では、「考えられる適用・給付の制度設計」として、求職者支援制度をはじめとする各種の施策を活用し、支援を行っていくことが適当との考えを示す一方で、財政影響を予測しやすい対象者層を抽出し、試行的に制度導入を図ることも考えられるとするなど、慎重な姿勢を示している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000187096_00011.html

(マルチジョブホルダーに対する雇用保険の適用について)
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000571977.pdf

 


第135回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会資料
令和元年11月29日(金)
10:00〜12:00
厚生労働省 専用第21会議室(17階)

議事次第(PDF:44KB)
委員名簿(PDF:123KB)

資料1 マルチジョブホルダーに対する雇用保険の適用について(PDF:2,122KB)
資料2 財政運営部会資料(PDF:1,029KB)
資料3 雇用保険二事業について(PDF:28,051KB)
参考資料1 マルチジョブホルダーに対する雇用保険の適用について(PDF:2,074KB)
 

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高齢者の雇用・就業機会の確保について検討/労政審職業安定分科会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08140.html

 厚生労働省は11月29日、「第91回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会」を開催した。議題は「高齢者の雇用・就業機会の確保について」など。資料として配付された「高齢者の雇用・就業機会の確保に関する主な検討課題と対応イメージ」では、70歳までの就業機会の確保に係る事業主の努力義務として、定年制廃止、70歳までの定年延長、継続雇用制度導入(現行65歳までの制度と同様、子会社・関連会社での継続雇用を含む)、他企業への再就職
の実現、個人とのフリーランス契約への資金提供、起業支援、社会貢献活動参加への資金提供の7つの選択肢を示している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08140.html

(高齢者の雇用・就業機会の確保に関する主な検討課題と対応イメージ)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000572039.pdf


第91回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会(資料)
令和元年11月29日(金)15:30〜17:30
厚生労働省 専用21会議室(17階)
(東京都千代田区霞ヶ関1ー2ー2)

議題
(1)高齢者の雇用・就業機会の確保について 
(2)その他
資料一覧
配布資料
委員名簿[PDF形式:124KB]別ウィンドウで開く
議事次第[PDF形式:35KB]別ウィンドウで開く
資料1 第88回・第89回・第90回雇用対策基本問題部会における主な意見[PDF形式:184KB]
資料2 高齢者の雇用の就業機会の確保に関する主な検討課題と対応イメージ[PDF形式:228KB]
参考資料1 高齢者雇用対策の取組について[PDF形式:1.1MB]
参考資料2 令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果の概要[PDF形式:224KB]

 

 

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特集記事 労働組合って、誰得なの?
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/26712.html
NHK News 政治マガジン 2019年12月4日

弱い立場の働く人を守る組織、労働組合。入ってます?
はい、と答える人は、今や少数…むしろ遠い存在と思っている人が多いのではないだろうか。

日本最大の労働組合の中央組織「連合」。
11月21日に結成30周年を迎えたが、伝える新聞・テレビの論調は厳しかった。
「問われる存在意義」「かすむ存在感」
もはやオワコンなのか、労働組合は誰得なのか、今を探った。
(山田康博)

「ウーバーイーツ」の現場では
「お待たせしました!」

東京・池袋の繁華街。
秋風が吹く11月の昼下がりに、バイクで定食を届ける中年男性の姿があった。
料理の配達代行サービス「ウーバーイーツ」配達員の土屋俊明さん(43)だ。

土屋さんは、今年7月、原付バイクで配達中に事故にあい全治2週間のけがをした。
しかし、当時、配達員に対する補償はなく、仕事を休まざるを得なかった。
2日後に会社から届いたメールに怒りを覚えたという。

「今回のようなことが再度あればあなたのアカウントは永久停止となるかもしれません」

そこで土屋さんが頼ったのが労働組合。
ことし10月に「ウーバーイーツ」の配達員たち約20人で労働組合が結成された。
土屋さんも加入した。

土屋さんのように、インターネットを通じて単発で仕事を請け負う労働者は「ギグワーカー」と呼ばれる。

スマホ1つで、好きな時間に働くことができるため若者を中心に増えている。
一方で、会社とは雇用契約を結ばない「個人事業主」として働くため、労災保険が適用されない。
会社は守ってくれず、自己責任なのだ。
土屋さんのようなフリーランスの労働者は、全国でおよそ170万人いると推計されている(労働政策研究・研修機構調べ)。こうした人たちを「従業員」として扱うべきか、労働条件の改善をどう進めるかが課題となっている。

土屋さんのもとには、11月末、「報酬を引き下げる」という通知が一方的に送られてきた。会社への不信感は募るばかりだ。
「トラブルや事故に遭って、誰かに相談したいというときに、組合があれば、心強いですよね」

労働組合、どうなの?
労働者は個人では弱いものだ。そのよりどころとなる組織の必要性は、時代が移っても変わらないはずだ。
その役割を担ってきたのが、労働組合。働く人たちが団結して、労働条件の維持、改善などを交渉するために作った。
憲法でも保障されている。
しかし、現在、勤め人のうち、労働組合に入っている率は17%。ずいぶん低い印象だ。
私は、NHKの労働組合に加入しているが、企業によっては組合がないところもあるし、組合はあっても入らない従業員も少なくない。
組合に加入していない友人に話を聞いてみた。
20代〜30代の3人で、団体職員とフリーランスのシステムエンジニアをしている。

組合はどういうイメージ?
「月々給料から組合費を徴収される」
「権利だけ訴えて無理がある印象」
「結局給料だって経営側の努力で上げてくれるんじゃないの」

組合に入ってない理由は?
「メリットを感じない」
「助けてもらったという記憶がない」

一方で、フリーランスの友人は、こう続けた。
「でも、会社員を辞めて、フリーランスになってから補償がないことに気がついたんだ。最近は組合に入ろうか迷っているんだよね…」

栄光と凋落
労働組合が集まってつくる日本最大の中央組織が「連合」だ。

1989年11月21日、官公庁の組合を中心とした総評=日本労働組合総評議会と、民間企業の労働組合を中心とした同盟=全日本労働総同盟など、4つの団体が統合して、組合員およそ800万人で発足した。

ことし11月で、結成からちょうど30年を迎えた。
初代の山岸章会長は、政界とのパイプが太く、1993年に非自民勢力による細川政権の樹立に深く関わった。

2009年には鳩山政権の誕生を後押しし、2度の政権交代を実現させた。
1990年代からは、時の総理大臣と連合会長が会談する「政労会見」が定期的に開かれた。賃金や労働政策について、直接要望を伝えた。

連合が、影響力を示し、輝いていた時代だ。
しかし、不況などを背景に賃上げ率は下落。連合が発足した1989年は、5.17%と高い水準だったが、2000年台に入ると1〜2%台で推移している。

組合員数は、一時660万人にまで減り、その後やや持ち直して700万人。目標とする組合員1000万人は遠い。
非正規労働者の多くは組合には加入せず、連合は「正社員クラブ」とも揶揄(やゆ)されるようになった。
(下図は青い棒グラフが非正規の割合、赤い折れ線が労組の組織率)

連合東京の幹部は、自省を込めて次のように語る。
「組織率の低下は、正社員クラブとやゆされるように、新しく入ってきたパートタイムの人や非正規労働者をなんとかしてあげようという取り組みが弱かったからに尽きます。パートや契約社員が多くなってきたところに対応できていないのは、我々労働組合の責任だと思う」

安倍1強で異変が
2012年に第2次安倍政権が発足した後は、政府が、経済界に直接賃上げを要請する「官製春闘」が定着。政労会見は開かれなくなった。

こうした「安倍1強」の政治状況が続く中、非自民勢力による政権交代を目指してきた連合内で、異変が起きているという。
連合幹部によると、若い年齢層の組合員は、組織内で行ったアンケートで「自民党支持」と書いている人が一定割合いるというのだ。若い世代は「現状が続けばいいと思うから」とか「安倍政権は賃上げしてくれるから」といった意見が目立つという。

空気のような存在だ
こうした状況をどう見ているのか。連合トップの神津会長にぶつけてみた。

「やっぱり官邸は上手だなっていうのはある。正確に言うと『官製春闘』っていう言葉だけが定着してきたんですよ。世の中全体を見渡したときに、労働組合がない人たちにも、賃上げが本当に広がってるかどうかは疑問だ」
「経営側に比べて、労働者は圧倒的に力が弱い。結束して、まとまらなきゃいけない。団結する権利があるんだということを知ってほしい。労働組合は、空気のような存在かもしれない。薄くなったり、なくなったりすると生きていくことができない。そこで初めてありがたみがわかる」
そして、労働者の立場に立った政治勢力が必要だと強調した。

「1強政治が長く続くことの弊害は大きい。与党と野党がしっかりと話し合い、合意形成を図る姿からは遠ざかってしまっている。社会保障の将来像などが明確に示されないままになっている。与党と野党が拮抗して、国民のために責任ある政治議論が進めば、こんなことにならないんじゃないか」

翼を広げて
再び存在感を示すため、連合は、今、新しい取り組みを進めている。
「非正規労働センター」を設け、パートや派遣労働者などを支援してきたが、これを、ことし改組し、「フェアワーク推進センター」を設置したのだ。

非正規労働者に加えて、フリーランスや外国人労働者などの処遇改善にも乗り出した。
非正規労働者が2000万人を超え、ウーバーイーツのように働き方が多様化する中、これまで労働組合に加入できなかった人たちにもウイングを伸ばし、組織の裾野を広げようという狙いだ。
同時に、「労働者の悩みに向き合う」という原点に立ち戻った活動にも力を入れる。
LINEやツイッターなどSNSを通じた労働相談を実施。

SNSは若い人たちにとって身近であるうえ、給与明細などの証拠資料が画像で送れる利点もある。
「パワハラに悩んでいる」
「早期退職できない」
「サービス残業させられる」
など、電話やメールを合わせると毎年1万5000件の相談が寄せられるという。

担当者は「連合に加盟していなくても、職場で悩んでいる人の役に立つのが、私達の『存在意義』です。泣き寝入りせずに相談することから職場改善は始まる」と話す。

「正社員クラブ」からの脱皮
神津会長は、働き方の多様化が進んだ今の時代こそ、労働組合の存在意義が大きくなっていると話す。
「労働組合の役割は増してるんじゃないでしょうか。発足のときは、正社員が大半だったが、この20年間で多様な働き方が進んだ。これによって、連合が向き合わなければいけない働く人の悩みやニーズはものすごく大きくなっていると思う」

「労働組合という傘に守られていない人や、労働組合と縁遠い人たちは、組合に対する期待感が薄いということなので、どうやって克服していくのかがこれからの課題だ」

30年の節目を越えて
この30年、連合は必ずしも時代の変化に対応してこれたとは言い難い。
では、次の30年はどうだろう。

ギグワーカーだけでなく、働く高齢者や外国人労働者も増え、さらにはAIやロボットの登場で、働く現場は大きく様変わりしていくだろう。
労働者一人ひとりの切実な声を聞き、悩みに向き合う。その姿勢を貫いてこそ、誰のためにあるのか、その存在感を発揮できる。真価が問われるのは、これからだ。
#連合


政治部記者
山田 康博
2012年入局。京都局から政治部。総理番、法務省を経て、19年夏から厚労省クラブ。連合や年金改革を取材。 

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“気持ちが休まる暇がない” つながらない権利を!
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191128/k10012194171000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_002
NHK News 2019年11月28日 16時51分

「深夜早朝にもLINEの業務連絡。すぐに対応しないと上司との関係が悪化する」

「職場を離れても店のことはすべて店長の責任。気持ちが休まる暇がない」

時間外の業務連絡をシャットアウトする「つながらない権利」。
先日、お伝えしたところ多くの反響が寄せられています。
「携帯電話を気にしない時間ができると仕事のモチベーションも上がる」
そうした従業員の反応を受け、いま、「つながらない権利」を取り入れる動きが広がり始めています。(ネットワーク報道部記者 成田大輔)

業務時間外のメール・電話 すべて禁止
「つながらない権利」に取り組み始めているのが、東京・千代田区のIT企業、「イグナイトアイ」です。
この会社は従業員は40人余り、1年余り前、業務時間以外である深夜早朝、土日や祝日などの仕事に関するメールや電話をすべて禁止しました。
これを徹底するため、取り引きのあるほかの会社にも時間外には対応できないことを前もって知らせ、メールが届いても、「休み」であることが自動で返信されるよう設定されています。
吉田崇社長が6年前に起業した当初は、残業や休日出勤は当たり前だったと言いますが、会社が大きくなるにつれ、女性社員の割合も増え、今では6割に上ります。

子育て中の女性などでも安心して働ける環境を整えることが、持続可能なサービス提供につながると考え、取り組みを始めたのです。
吉田崇社長
「誰か1人が頑張ってそれで成り立っているようなサービスではその人が抜けたり、辞めたりした場合に立ちゆかなくなる。人に依存しすぎたサービスではなく、仕組みを整えた安定したサービスが必要です。健康で意欲を持って働き続けるためにはつながらない権利を取り入れることは欠かせない」
“携帯”を気にしなくてもよくなった
正社員として働く20代の女性は「つながらない権利」で仕事のモチベーションが上がったと話します。
女性がかつて勤務していた会社では、日中は外回りの営業を続け、パソコンを使った業務は夜、会社に戻った後、終電まで続けていたそうです。

休日も電話にすぐ出ないと取引先を逃してしまうのではないかと不安で、スマホは常に手放せませんでした。

その結果、激務で体を壊してしまい、退社せざるを得なかったといいます。
20代の女性
「今の会社に転職してからは常に携帯を気にしなくてもよくなったので、旅行に行ったり、携帯を置いて遊びにいったりと土日にリフレッシュできるようになりました。仕事のモチベーションもあがります」
業務効率の改善に乗り出す
しかし「つながらない権利」を取り入れるためには徹底した業務の効率化も必要だといいます。

この会社ではまずは、移動時間を短縮するため、商談はすべてオンラインに切り替えました。
限られた勤務時間でも効率的に働けるようオフィスのレイアウトも変更しました。
●集中して仕事するため仕切りを設けたスペース
●オンライン会議専用スペース
●打ち合わせ用のフリースペースなどを設け、社員一人一人が好きな場所で働けるようにしました。
さらに、時間がかかる紙ベースの経理処理をやめ、領収書をスマートフォンのアプリで撮影するだけで、経費精算ができるようにしました。

従業員の仕事への意欲があがり、顧客の開拓などでも結果が出やすくなったほか、生産性も高まったといいます。

「つながらない権利」を取り入れ業務時間外の連絡を禁止しても、逆に会社の売り上げは4割増えたということです。
吉田崇社長
「お客様や企業のパートナーもあるので、1社だけで完結するのは難しい。つながらない権利は従業員にとっても会社にとっても大切だという意識を高めていくことが非常に大切だ」
“スラッシュセブン” “サイレントテン”
かつては長時間働くというイメージが強いと言われていた広告業界でも取り組みが始まっています。

大手広告代理店の博報堂は、働き方改革を推進するため、「スラッシュセブン」「サイレントテン」と名付けた社内キャンペーンを行っています。

「スラッシュセブン」は、午後7時以降に打ち合わせを設定しないルール。

「サイレントテン」は午後10時以降にメールでの業務連絡を禁止し、もしメールを受け取った場合でも対応しなくていいというルールです。
博報堂の人事担当者は「ルールを会社側で決めて、みんなで楽しみながら守っていくようにしている。時間を記号にすると、そこが区切りになるし、お互いに働きやすくなる。朝まで頑張ろうぜと言うのは時代感覚としてはもう古い」と話しています。
うちの会社にもつながらない権利を!
先日、「つながらない権利」についてお伝えしたところ、多くの反響が寄せられました。

メールの内容をご紹介したいと思います。
1「上司との関係が悪くなる」
役員秘書の方からは、深夜早朝問わず上司からLINEが届くことについての悩みが寄せられました。
送る側としては、忘れないうちに連絡しようという意味でも、受け取る側は、休日でも反応しなければと思い、勤務とは見なされませんが、自宅で毎日、資料を作ったりしているということです。
しかしこうした連絡を断って上司との関係が悪くなるのも困るので、どう対応すればよいか悩んでいるといいます。
2「仕事場から離れても責任を持つのが当たり前で…」
飲食店の店長として働く男性からは、休日でも店からLINEで連絡がきて、気持ちが休まる暇がないという悩みが寄せられました。
仕事場から離れても、店で起きたことはすべて店長が責任を持つことになっていて、会社も上司もそれが当たり前だとして、異議を唱えることができにくい環境だといいます。
男性からのメールには「つながらない権利」はまさに私が望んでいる権利で、仕事から切り離された時間がほしいという切実な気持ちが書かれていました。
同じ内容のメールは、スーパーマーケットの店長からも寄せられています。
3「卒園式出席を伝えたのに上司から緊急性のない電話」
30代の女性は、ことしの3月、有給休暇をとって娘の幼稚園の卒園式に参加したといいます。
しかし、卒園証書の授与式の最中に上司から緊急性がない電話がかかってきたということです。
卒園式だと事前に伝えていたにもかかわらず、電話がかかってきたことがとてもショックだったそうで、せめて入学式、卒業式、結婚式など一生に一度の機会に休んでいる場合、電話やメールをしない社会になってほしいとつづっていました。
お客さんの側も考えて
企業の間でも徐々に広がり始めている「つながらない権利」。

NHKに寄せられたメールの中でこんな意見が印象に残りました。
「お客様と直接対応する職場で働いていますが、質問に対する答えが1日我慢できない、今すぐどうにかしろという今の時代ならではの問題があると思います。顧客優先を続けた結果、我慢できない顧客があふれています。まずは自分優先をやめませんか?お客様」
NHKではこの「つながらない権利」について引き続き、取材を続けていきます。
皆さんのご意見や情報提供をお待ちしています。
ニュースポスト投稿には「つながらない権利」とお書きください。ご協力よろしくお願いします。 

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同一労働同一賃金の導入に対し、派遣社員の45%が懸念していることは?
https://news.mynavi.jp/article/20191126-929012/
フォルサ 2019/11/26 17:02

エン・ジャパンはこのほど、「同一労働同一賃金」に関する調査結果を明らかにした。同調査は10月1日〜31日、派遣情報サイト「エン派遣」ユーザー1,131名を対象にインターネットで実施したもの。


同一労働同一賃金という言葉を知っていますか同一労働同一賃金という言葉を知っていますか?
同一労働同一賃金とは、働き方改革関連法の一環で、「正規雇用と非正規雇用の間の不合理な待遇差を解消すること」を目的にしたもの。賃金(基本給)の他にも、賞与や研修制度などの待遇差の解消も目指すとされている。大手企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月から本格導入される。

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2020年改正労働者派遣法、「詳細まで知っていた」はわずか5%

東京都の中小企業、平均賃金は38万4055円 - 賞与は?
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やりがい搾取とは? 「成長できる仕事」に要注意の理由 【ビジネス用語】

同一労働同一賃金という言葉を知っているか尋ねたところ、72%が「言葉は聞いたことがあるが詳細はよく知らない」「知らない」と答えた。「知っている」は、昨年より5ポイントアップしたものの、28%にとどまっている。

同一労働同一賃金をどのように感じるか尋ねると、71%が「良いと思う」と回答した。その理由としては、「正規でも非正規でも、その人の能力と仕事に対しての結果が評価されるべきだと思うから」(24歳女性)、「同じ仕事内容で同等の責任があるなら、賃金格差があるべきでないと思う」(38歳女性)などの声があがっている。


同一労働同一賃金をどのように感じますか同一労働同一賃金をどのように感じますか?
同一労働同一賃金の導入が進むことで期待することを聞くと、最も多い回答は「給与が上がること」(69%)だった。「経済格差を減らすためには、給与を上げることが最重要であるため」(23歳女性)、「賃金に直結するなら頑張れると思う」(36歳女性)が理由として挙がっている。

2位は、「ボーナスなど貰えるならやっぱり嬉しい。働く側のやる気にもつながると思う」(26歳女性)といった理由で「賞与の支給」(61%)だった。3位は、非正規雇用には交通費が支給されることが少ないことから、「交通費の支給」(60%)がランクインしている。


同一労働同一賃金をどのように感じますか?同一労働同一賃金をどのように感じますか?
同一労働同一賃金の導入が進むことへの懸念について尋ねると、最も多い回答は「雇い止めとなること」(45%)、2位は「派遣の求人数が減ること」(41%)、3位は「仕事の責任や負担が増えること」(38%)だった。

その理由を聞くと、雇い止めについては「待遇が同じになると派遣社員を雇いたい会社は減るのではないかと感じる(26歳女性)」といった声があげられた。

派遣の求人数が減ることに対しては「企業にとって派遣を雇用するメリットが少なくなれば、直接雇用を検討していくと思う(44歳女性)」、仕事の責任や負担が増えることについては「責任や負担を背負いたくないために非正規雇用を選択している人にとっては元も子もない(22歳女性)」などだった。


同一労働同一賃金の導入が進むことに対して、懸念は何ですか?同一労働同一賃金の導入が進むことに対して、懸念は何ですか?
待遇の差が、仕事上のどのような理由によるものなら納得できるか聞くと、最も多い回答は「仕事への責任の重さ」(69%)だった。次いで「仕事内容の違い」(63%)、「役職の有無」(40%)となっている。


待遇の差が、仕事上のどのような理由によるものなら納得できますか?待遇の差が、仕事上のどのような理由によるものなら納得できますか?
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
 

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 第156回労働政策審議会労働条件分科会(資料)

 
令和元年11月25日(月)
10:00〜12:00
厚生労働省専用第22会議室 中央合同庁舎5号館18階
 
議事次第[PDF形式:79KB]
資料No.1 賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する労働条件分科会におけるこれまで
の主な議論[PDF形式:
422KB]
資料No.2 副業・兼業の場合の労働時間管理について[PDF形式:1.7MB]
資料No.3 労働政策審議会労働条件分科会運営規程の改正等について[PDF形式:576KB
資料No.4 2018年度評価シート(案)[PDF形式:224KB]
参考資料No.1 賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討の参考資料[PDF形式:2.
5MB]
参考資料No.2 副業・兼業の促進に関するガイドライン・Q&A[PDF形式:441KB]
参考資料No.3 モデル就業規則(抜粋)[PDF形式:980KB]
参考資料No.4 副業・兼業に関する企業ヒアリング結果について[PDF形式:1.3MB]
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ILO 声明「女性に対する暴力撤廃の国際デー」

(W)ILOがハラスメント条約に基づいて「国際デー」を設定し、声明を出しました。英文を試訳しました(脇田滋)


 仕事の世界における暴力とハラスメントを終わらせる

 女性に対する暴力撤廃の国際デー

 仕事の世界における暴力とハラスメントを終わらせる

 「暴力とハラスメントは、ディーセント・ワーク(Decent Work)に対する最大の脅威の1つです。これ以上言い訳はできません。一緒に第190号条約の約束をすべての人にとって現実となるようにしましょう」とILO事務局長は述べています。

 声明 2019年11月25日

 この国際デーでは、世界がレイプや女性に対するあらゆる形態の暴力やハラスメントに反対しています。女性に対する暴力は、最も一般的な差別の形態の一つであり、女性の尊厳、自律、独立を損なう最も陰険な(insidious)手段の一つです。
仕事の世界における暴力やハラスメントは、職業や地位を考慮しません。どんな国、部門、職業も免責されません。
暴力とハラスメントは終了する可能性があり、また終了させなければなりません。2019年6月、世界中の政府および雇用主および労働者の組織は、暴力およびハラスメント条約(第190号)およびそれに伴う勧告(第206号)を採択しました。私たちは、初めて暴力とハラスメントのない仕事の世界に対するすべての人の権利を定め、その権利がどのように実現できるかを示す国際条約を持っています。
この約束は、具体的かつ実践的な行動に変える必要があります。したがって、女性に対する暴力撤廃のこの国際デーに、ILOはこの画期的な条約の最も広範な批准を求めています。批准は、国内法、予防システム、効果的な救済方法の採用と施行を含む、現場での行動を加速します。
仕事の世界における暴力とハラスメントには、人的、社会的、および経済的に莫大な費用がかかります。暴力とハラスメントは、ディーセント・ワーク(Decent Work)に対する最大の脅威の1つです。もう言い訳はやめましょう。第190号条約の約束をすべての人にとって現実となるようにしましょう。

https://www.ilo.org/global/about-the-ilo/how-the-ilo-works/ilo-director-general/statements-and-speeches/WCMS_730737/lang--en/index.htm
 

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2019年08月07日掲載
ILO第190号条約「 仕事の世界における暴力とハラスメントの除去に関する条約」
https://www.inoken.gr.jp/law-and-guidelines/1054.html

第190号条約: 仕事の世界における暴力とハラスメントの除去に関する条約(全労連国際委員会仮訳)

国際労働機関の総会は、

国際労働機関の理事会によりジュネーブに招集され、2019年6月10日に第108回会期として会合し、

フィラデルフィア宣言が、すべての人間は、人種、信条または性別にかかわらず、自由および尊厳、並びに経済的保障および機会均等の条件において、物質的権利および精神的発展を追求する権利を持つと確認していることを想起し、

国際労働機関の基本条約の関連性を再確認し、

「世界人権宣言」、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」、「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」、「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」、「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」、および「障害者の権利に関する条約」など、他の関連する国際文書を想起し、

ジェンダーに基づく暴力を含め、暴力とハラスメントのない仕事の世界に対するすべての人の権利を認識し、

仕事の世界における暴力とハラスメントは人権を侵害し、あるいは人権を損なう可能性があり、また暴力とハラスメントは機会均等に対する脅威であり、容認することのできないディーセントワークとは相容れないものであることを想起し、

暴力とハラスメントの防止のためには、互いを尊重し、人間の尊厳に基づいた仕事の文化が重要であることを認識し、

加盟国は、そうした行為と慣行の予防を促進するため、暴力とハラスメントに対するゼロトレランスの一般環境を推進する重要な責任を有し、仕事の世界におけるすべての関係者は、暴力とハラスメントを抑制し、防止し、またとりくまなければならないことを想起し、

仕事の世界における暴力とハラスメントは、人の心理的、身体的、また性的な健康、尊厳、家族と社会的環境に悪影響を及ぼすことを認め、

暴力とハラスメントは、公共と民間サービスの質にも悪影響を及ぼし、人々が、とりわけ女性が労働市場にアクセスし、とどまり、活躍することを妨げるおそれがあることを認識し、

暴力とハラスメントは、持続可能な企業の促進とは相容れず、職場組織、職場関係、雇用契約、企業の評判、生産性に否定的な影響を及ぼすことに留意し、

ジェンダーに基づく暴力とハラスメントは、女性と少女に偏重した悪影響を及ぼすことを認め、ジェンダーステレオタイプ、複合的かつ交差的形態の差別、ジェンダーに基づく不公平な力関係などを含めて、根底にある原因やリスクファクターに対処する包括的、総合的かつジェンダーに配慮したアプローチは、仕事の世界における暴力とハラスメントを終わらせるために不可欠であることを認識し、

ドメスティック・バイオレンスは雇用、生産性、健康、安全に悪影響を及ぼす恐れがあることに留意し、政府、使用者団体、労働者団体、また労働市場の制度は、その他の手段としてドメスティック・バイオレンスの影響を認識し、対応し、とりくみを促進できることに留意し、

同会期の議事日程の第5議題である仕事の世界の暴力とハラスメントに関する提案の採択を決議し、

その提案は国際条約の形式をとるべきであることを決定し、

2019年6月21日、「2019年の暴力とハラスメント条約」と称することのできる以下の条約を採択した。

1.定義

第1条

1.同条約の目的のために:

(a)仕事の世界における「暴力とハラスメント」の文言は、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントも含んだ身体的、精神的、性的あるいは経済的な危害を目的とし、結果としてもたらし、あるいは結果としてもたらす可能性のある単発の、または繰り返される容認できない行為と慣行、あるいはそれらによる脅威の領域をいう。

(b)「ジェンダーに基づく暴力とハラスメント」の文言は、性またはジェンダーを理由に人々に向けられた、あるいは特定の性、またはジェンダーに偏重して人々に悪影響をおよぼす暴力とセクシャルハラスメントも含んだハラスメントを意味する。

2.第1条(a)および(b)の概念を毀損することなく、国内の法規における定義は、ひとつの概念として、あるいは個別の概念として規定しうる。

2.範囲
第2条1.同条約は、国内の法制度で定義された従業員、同様に契約上の地位にかかわらず働く人々、研修生や実習生などの訓練中の者、雇用が終了した労働者、ボランティア、求職者、就職申し込み者、また使用者としての職権、義務、あるいは責任を行使する個人など、仕事の世界における労働者とその他の人々を保護する。

2.同条約は、都市部、農村部を問わず、公式経済、非公式経済の双方において、公務、民間を問わず、すべての部門に適用される。

第3条

同条約は、仕事中に、仕事に関連して、仕事に起因する仕事の世界における暴力とハラスメントに適用される。

(a)仕事を行う公的な、また私的な空間を含む職場のなか;

(b)労働者が支払いを受け、休憩あるいは食事をとり、衛生、洗浄、更衣の設備を利用する場所のなか;

(c)仕事に関連する移動、旅行、訓練、イベント、あるいは社会活動のあいだ;

(d)情報通信技術によって可能なものを含めて、仕事に関連するコミュニケーションをとおして;

(e)使用者が提供する設備のなか

(f)往復の通勤時;

3.中核的原則

第4条

1.条約を批准する各加盟国は、暴力とハラスメントのない仕事の世界に対するすべての人々の権利を尊重、促進、実現すべきである。

2.各加盟国は、国内法と状況にしたがって、代表的な使用者団体と労働者団体との協議のうえ、以下を含めた仕事の世界における暴力とハラスメントを防止し、除去するための包括的、総合的、かつジェンダーに配慮したアプローチを採用すべきである。そうしたアプローチは、適用可能な場合は、第三者がともなう暴力とハラスメントを考慮すべきであり、以下が含まれる:

(a)暴力とハラスメントを法律のなかで禁止し;

(b)暴力とハラスメントに対処する関連の政策を実効あるものにし;

(c)暴力とハラスメントを防止し、立ち向かう措置を実施する包括的な戦略を採用し;

(d)執行と監視のメカニズムを確立、あるいは強化し;

(e)被害者が救済と支援へアクセスすることを確保し;

(f)制裁を規定し;

(g)ツール、ガイダンス、教育、訓練を開発し、利用可能な形式がある場合は、その形式により、意識を向上させ;

(h)労働監督機関、あるいはその他の管轄機関など、暴力とハラスメントの事例を監督、調査するための有効な手段を確保する。

3.同条パラグラフ2が言及するアプローチの採用と実施にあたって、各加盟国は政府、使用者、労働者、またそれぞれの団体が有する異なる、また補完的な役割と機能を、それぞれの責任の性質と範囲が異なることを考慮したうえで、認めるべきである。

第5条
仕事の世界における暴力とハラスメントの防止と除去に向けて、各加盟国は、労働における基本的原則および権利、すなわち結社の自由、団体交渉権の実効ある承認、すべての形態の強制労働あるいは強制的労働の除去、児童労働の実効ある廃止、雇用および職業に関する差別の除去、同様に安全かつディーセントな労働の促進を尊重し、促進し、実現すべきである。

第6条
各加盟国は、女性労働者、同様にひとつ、あるいは複数の脆弱なグループに属する労働者と他の人々、また仕事の世界において暴力とハラスメントの影響を偏重して受けやすい脆弱な状況におかれたグループに属する労働者などの雇用と職業における平等で無差別の権利を実効あるものにする法律、規則、政策を採用すべきである。

4.保護と防止

第7条

第1条の概念を毀損することなく、また第1条の概念に合致して、各加盟国は、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントも含まれた仕事の世界における暴力とハラスメントを規定し、禁止する法規を採用すべきである。

第8条

各加盟国は、仕事の世界における暴力とハラスメントを防止するための適切な措置を講じるべきである。措置には以下が含まれる、:

(a)非公式経済に従事する労働者の場合は、監督官庁が果たす役割の重要性を認識し、

(b)関係する使用者団体と労働者団体との協議のうえ、また他の措置をとおして、労働者と関係する他の人々が暴力とハラスメントによりさらされやすい部門、職業、就労形態を特定すること;また、

(c)そのような人々を効果的に保護する措置を講じること;

第9条

各加盟国は、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含めて、仕事の世界における暴力とハラスメントを防止する適切な措置を使用者の管理の範囲において講じるよう使用者に求める法規を採用しなければならない。とりわけ合理的に実行が可能であれば、;

(a)労働者とその代表との協議のうえ、暴力とハラスメントに関する職場の政策を採用し、実施すること;

(b)労働安全衛生を管理する際、暴力とハラスメント、また関連する心理的リスクを考慮すること;

(c)労働者とその代表が参加したうえで、危険を特定し、暴力とハラスメントのリスクを評価し、それらを防止、抑制する措置を講じること;

(d)暴力とハラスメントに特定された危険やリスク、また第9条(a)が言及する政策との関係における労働者と当該するその他の人々の権利や責任など、関連する防止と保護措置の情報や訓練について、利用可能な形式がある場合はその形式で労働者と関係するその他の人々に提供すること。

 

5.執行と救済

第10条

各加盟国は、以下の適切な措置を講じるべきである。

(a)仕事の世界における暴力とハラスメントに関する国内の法規の監視と実施;

(b)仕事の世界における暴力とハラスメントが生じた場合、適切で効果的な救済、安全で公正かつ効果的な報告、紛争解決メカニズムと手続きへの容易なアクセスの確保。それらは;

(i) 職場レベルの苦情申し立てと調査手続き、同様に必要であれば紛争解決のメカニズム

(ii) 職場の外の紛争解決メカニズム

(iii) 裁判所または裁決機関

(iv) 被害を訴えた者、被害者、証人、告発者を不当な迫害や報復から保護すること

(v) 被害を訴えた者と被害者に対する法的、社会的、医学的、行政的な支援措置

(c)該当する個人のプライバシーと秘密を可能な限り、また適切に保護し、プライバシーと守秘が悪用されないよう要求することを確保;

(d)仕事の世界における暴力とハラスメントが生じた場合、必要に応じた制裁を規定;

(e)仕事の世界におけるジェンダーに基づく暴力とハラスメントの被害者に対し、効果的、安全かつジェンダーに配慮した申し立て、紛争解決メカニズム、支援、サービス、救済への効果的アクセスの提供;

(f)ドメスティック・バイオレンスの影響を認識し、合理的に実行が可能な場合、仕事の世界におけるその影響を軽減;

(g)暴力とハラスメントによって、生命、健康、あるいは安全に対する緊急、かつ重大な危険があると労働者が信じるもっともな理由がある労働の状態から、報復、あるいはその他の不当な結果を被ることなく、また管理者へ通知する義務に苦しむことなく、労働者が自ら離れる権利の確保;

(h)労働監督官やその他の管轄機関に対し、法律によって規定された司法、あるいは行政当局に申し立てることを前提に、生命、健康、あるいは安全に差し迫った危険がある場合は作業の中止を命令するなど、即時執行力を伴う措置を求める命令を出し、場合に応じた仕事の世界の暴力とハラスメントに対処する権限を確実に付与する。

6.ガイダンス、教育、意識の向上

第11条

各加盟国は、代表的な使用者団体と労働者団体との協議のうえ、以下の確保を追求すべきである:

(a)労働安全衛生、平等、無差別、移民などに関連する国内の政策のなかで、仕事の世界における暴力とハラスメントに対処すること

(b)使用者、労働者、それぞれの団体、関係当局には、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含めて、仕事の世界における暴力とハラスメントに関するガイダンス、資源、訓練、またその他のツールが、利用可能な形式がある場合はその形式により、提供され、また、

(c)啓発キャンペーンといったイニシアチブにとりくむこと

7.適用の実施手段

第12条

同条約の条項は、国内の法規によって、また暴力とハラスメントを対象とする既存の労働安全衛生措置の拡大や適合、必要に応じた特別措置の開発など、労働協約や他の国内慣例に合致した方法によって適用されるべきである。

8.最終条項

第13条

同条約の正式な批准は、登録のため、国際労働事務長に通知する。

第14条

1.同条約は国際労働機関の加盟国で、その批准を国際労働事務局長に通知した国のみを拘束する。

2.同条約は、2つの加盟国の批准が事務局長に登録された日の1年後に効力を生ずる。

3.その後、同条約は、いずれの加盟国についても、その批准が登録された日の1年後に効力を生ずる。

第15条

1.同条約を批准した加盟国は、同条約が最初に効力を生じた日から十年が経過したあと、国際労働事務局長に文書を送付し、登録することによって、この条約を廃棄することができる。その廃棄は、廃棄の登録された日のあと、一年間は効力を生じない。

2.同条約の批准にかかわらず加盟各国は、1に定めた十年の期間が経過したあと一年以内に同条が規定する廃棄の権利を行使しない場合、さらに十年、拘束されるものとし、その後は、十年の期間が満了するごとに、同条が定める条件に従って、この条約を廃棄することができる。

第16条

1.国際労働事務局長は、国際労働機関の加盟各国から通知されたすべての批准、および廃棄の登録をすべての加盟各国に通告する。

2.事務局長は、2番目の国から批准の登録が通知されたことを加盟国に通告する際、加盟各国に対し、同条約が効力を生ずる日について注意を喚起する。

第17条

国際労働事務局長は、国際連合憲章第102条の規定による登録のため、前条等の規定に従って、登録されたすべての批准、および廃棄の完全な明細を国際連合事務総長に通知する。

第18条

国際労働機関の理事会は、必要と認めるときは、この条約の運用に関する報告を総会に提出するものとし、またこの条約の全部、または一部の改正に関する問題を総会の議事日程に加えることの可否を検討する。

第19条

1.総会がこの条約を改正して新たな条約を採択する場合、その新たな条約に別段の規定がない限り、

(a)加盟国による新たな改正条約の批准は、新たな改正条約の効力発生を条件として、上記第15条の規定にかかわらず、当然、この条約の即時の廃棄を伴う。

(b)新たな改正条約が効力を生じる日をもって、この条約の加盟国による批准のための開放は終了する。

2.同条約は、同条約を批准し、しかし新たな改正条約を批准していない加盟国に対して、いかなる場合でも、現在の形式、および内容において引き続き効力を有する。

第20条
同条約の英文および仏文は、ひとしく正文である。
 

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