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疲弊する勤務医 長時間労働が常態化 過労死ライン超6.8%

 

勤務医の1カ月の時間外労働時間
医学部入学定員の推移/各国の人口1000人当たりの医師数

 昨年1月、1人の女性研修医が過労による自殺で命を絶ち、労働基準監督署から今年5月末に労災認定を受けた。そこから見えてきたのは、労使協定を無視した長時間労働の常態化だった。患者の安全のためにも、患者の命を預かる医師の過重労働の是正が求められている。

 

 「自己犠牲によって自らの生活や将来を失ったりしてはならない」

 これは4月、厚生労働省の専門家会議がまとめた「医師・看護師等の働き方ビジョン」の一節だ。新潟市民病院の後期研修医だった木元文さん(当時37歳)の過労自殺は、この1年3カ月前に起きていた。

 医師の過重労働は、長い間改善が進んでこなかった。勤務医を対象にした厚労省調査によると、昨年6月の時間外労働時間は約5割が20時間以上で、6・8%は「過労死ライン」の80時間超。当直も多く、7割が宿直明けに通常勤務をしていた。日本外科学会の会員調査(2013年)では、医療事故やその手前の「ヒヤリ・ハット」の原因の81%に「過労・多忙」があった。

 なぜ過重労働は解消できないのか。一つには「正当な理由なく患者を断ってはならない」という医師法上の「応招義務」がある。

 また、東京大医科学研究所の湯地晃一郎特任准教授(血液内科)は「医師は看護師と違い、交代制になっていない。受け持ち患者の容体が急変すると、当直医に加えて主治医も呼ばれる」と指摘する。

 だが、高齢化や医療の高度化が進めば、医師の負担はさらに増す。ビジョンをまとめた渋谷健司・東大教授(国際保健政策学)は「女性医師が増え、働き方を変えなければ医療は回らなくなる。他の医療スタッフと仕事を分担し、医師本来の仕事の生産性を上げるべきだ」と訴える。

 こうした改革に取り組む施設の一つが、仙台厚生病院(仙台市)だ。病床数は約400床と中規模だが、診療科を心臓、呼吸器、消化器の3部門に絞り、病状が改善すれば他病院や開業医に積極的に紹介する。医師事務補助者も約40人配置し、検査結果の入力を委ねた。医師の残業時間は月30時間以内に抑えられたといい、運営法人の目黒泰一郎理事長は「医療界のモデルになれば」と話す。

 同じような動きは各地であり、東京都中央区の聖路加国際病院でも月残業時間が45時間になるよう当直医師の人数を減らし、6月から土曜日の外来診療を一部取りやめた。

「医師数増やすしかない」

 一方、抜本的解決には「医師数を増やすしかない」との声もある。

 政府は1982年、将来的に医師が過剰になるとの予測から、医師数の抑制方針を閣議決定。00年代に地域医療の崩壊が叫ばれ、地域枠などを設けて医学部定員を増やしたが、今も人口当たりの医師数は経済協力開発機構(OECD)の加盟国平均より少ない。日本医師会は医師の偏在が問題だとし、増員そのものには消極的だ。

 労働組合「全国医師ユニオン」の植山直人代表は「入力作業などを他の職員に委ねても、医師の負担はあまり減らない。交代制勤務ができるよう医師数を増やすべきだ」と主張。聖路加国際病院の福井次矢院長は「救急や病理は医師不足が深刻で、国は診療科ごとに医師数の調整をしてほしい」と話す。

 政府が3月に公表した働き方改革実行計画は、医師については残業時間の上限規制適用を5年間猶予した。労働時間の短縮だけでは救急医療に支障が出るといった指摘もあり、議論は続きそうだ。【熊谷豪】

研修医自殺の新潟市民病院 「緊急対応」外来を制限

過労で自殺した木元さんが勤務していた新潟市民病院=新潟市中央区で2017年5月31日、柳沢亮撮影

 木元さんが働いていた新潟市民病院は、医師にとって激務とされる総合病院の中でも過酷さが際立っていた。

 新潟労働基準監督署が認定した木元さんのうつ病発症1カ月前の残業時間は「過労死ライン」の2倍の160時間超。毎日新聞が情報公開請求で得た資料によると、同時期に後期研修医として在籍していた医師の7割以上の20人が、労使協定で定められた月80時間の上限枠を超える残業をしていた。

 病院側も手を打っていなかったわけではない。2009年に労基署から長時間労働の是正勧告を受けた後、医師数を2割増やし、医師の事務を代行する医療秘書も5倍以上に増員した。だが、外来患者も09年度の25万2753人から16年度は26万8703人に増加した。救急外来は過半数が軽症患者で「多くの市民が、うちに来れば何でも診てくれると思っている」(片柳憲雄院長)という状態だった。

 労災認定後の今月6日、市は同病院の「緊急対応宣言」を発表した。紹介状のない一般外来患者の受け入れ停止と、治療済みの患者を近隣病院へ回す対策が柱。篠田昭市長は「過重な負担が病院にかかり、これまで通り患者を受け入れて診察を続けるのは困難だ」と理解を求めた。

 同じく市内で3次救急を担う新潟大医歯学総合病院は、既に同様の対策を進めている。ここでは後期研修医の残業時間に労使協定違反がほとんどなく、過重労働の抑制に一定の効果が出ている。

 ただ市民病院は、地域住民の健康を守ってきた身近な存在だ。近隣病院が断った救急患者を「最後のとりで」として診てきた自負もある。「責任ある立場として患者を受け入れない選択肢はない」と複数の職員が語る。

 木元さんの夫は取材に対し「医師の使命感は分かるが、妻の死は病院による殺人だ」と訴えた。「全国過労死を考える家族の会」東京代表で、自らも医師の夫を過労死で亡くした中原のり子さんは警鐘を鳴らす。「医師の長時間勤務は、犠牲的精神など個人の力で解決できるものではない」【柳沢亮】

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動画・写真省略

 料理や掃除といった家事の代行を外国人に委ねる取り組みが本格的に始まりました。対象となる地域は、国家戦略特区で認められた東京都と神奈川県、大阪市。業者は手探りながら、受け入れ人数を増やそうとしています。

外国人の家事代行始まる 大阪でフィリピン人が初出社

■共働きや主婦に照準

 人材派遣大手のパソナ(東京都千代田区)に雇用された20〜40代のフィリピン人女性25人は、3月に来日した。その一人、アブエグ・ロシエル・ベリゴンさん(34)は、神奈川県内で実務研修を積み重ねてきた。

 台所の生ゴミ粉砕器など器具の使い方を確認し、皿洗いに着手。ガスレンジの油汚れを洗剤で浮かせ、食器棚の扉を拭く。日本人の夫がいるフィリピン人の指導役から「隅々まできれいになっていることがお客様の満足につながるよ」と助言され、洗剤ボトルの水滴を丁寧に拭き上げた。

 和室は畳の目に沿って掃除機をかけ、風呂場とトイレの掃除を終えるまで2時間ほど。アブエグさんは「お客様の家なので繊細な畳を傷つけないか不安だった。独り立ちに向けて、まずは駅名を全部覚えないと」と話した。

 来日した25人は母国で1年以上の家事代行経験があり、約400時間にわたり日本語や日本特有の家事を学んできた。それでも戸惑いはある。

 海外では住み込みがほとんどだが、日本では毎日3〜4軒の個人宅を回る。パソナは全員にスマートフォンを支給し、地図検索機能を使って目的地まで行く研修もしたが、地図にない家もある。仕事の時間配分も課題だ。独り立ちは5月の予定だったが、パソナは「もう少し自信を持って仕事をしてもらいたい」(担当者)として1カ月延期。夏にはさらに50人のフィリピン人を加え、3年間で1千人という雇用目標を掲げる。

 家事代行大手のベアーズ(東京都中央区)は昨年、約34万件を派遣した。前年より4万件ほど増えており、共働き世帯や専業主婦からの需要増を見込む。特区による人材はまだ2人だけだが、21日に入社式を開く。高橋ゆき副社長は「海外の人が来れば日本人の生活が助かるという成功例を丁寧に示したい。順次受け入れて育てたい」と意気込み、3年間で300人の雇用をめざしている。

 高齢者世帯の家事支援も行っている介護事業大手のニチイ学館(東京都千代田区)は来月中に30人を受け入れ、9月までに200人を追加する予定だ。

■従来より安い価格設定も

 外国人による家事代行は、これまで外交官などに雇われて来日する場合しか認められなかった。今回の受け入れは、地域を絞って規制を緩める国家戦略特区に基づく。家事の負担を軽くして、女性の就労を促そうというのが政府の狙いだ。受け入れは何人でもできるため、従業員数に応じて上限がある技能実習制度よりも増やしやすい。

 3月に開かれたパソナの入社式では、南部靖之グループ代表が「今は25人の皆さんだが、5年、10年後には、何百、何千人を海外から受け入れる。皆さんは日本の女性の社会進出の要だ」と訴えた。

 実際にニーズはあるのか。

 大阪市の主婦(32)は2歳の長男に加え、昨年11月に次男が生まれると家事がおろそかになり、ストレスが募った。近くにいる夫の親に家事の手伝いは頼みづらい。今年2月、義理の姉から紹介されたベアーズに申し込んだ。

 「外国人でもかまわないか?」と確認されたが、主婦は「子どもに英語で話しかけてくれるなら勉強にもなりそう」と快諾。日本人の夫がいるフィリピン人女性が派遣され、拭き掃除や風呂掃除を中心に1回3時間のサービスを月に2回利用するようになった。子育てと家事を一人でする孤独感から解放されて「リフレッシュできる時間」を楽しんでいる。

 仕事は丁寧で、月2回で約2万3千円。「経済的な負担が減れば、頼みたい人はもっと増えると思う」と話す。

 利用料は業者によって異なる。ベアーズは現行のサービスと同程度を予定する。パソナは特区のフィリピン人によるサービスとして新たなブランドを立ち上げ、これまでの同グループの家事代行サービスより安く設定。1回2時間で月2回なら約1万円になる。(松川希実)

■海外では不当労働の例

 恵泉女学園大学の定松文・教授(移民研究)は「一定数が入ってきて日本人が慣れてきたときに、海外で起きているような人権問題にならないか」と危惧している。

 イタリアやドイツでは2000年以降に移民の家事労働者が急増。より安く幅広いサービスを求める国民の需要に応えるように、不法就労の移民が多くなり、契約にない不当な労働も増えたという。

 日本では政府が移民に否定的な立場から家事以外の仕事は認めていない。特区に期限はないが、受け入れた人材は3年で帰国させる方針。1年以上の実務経験など一定の条件を満たし、政府が認めた企業と契約を結ぶ必要がある。

 ただ、家庭内は密室的な環境で内部の状況が把握しづらく、虐待や搾取など人権問題につながる懸念もある。厳しい基準があるとはいえ、定松氏は「しっかり注視していかなければいけない」とする。
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毎日新聞 2017年6月15日 西部朝刊

https://mainichi.jp/articles/20170615/ddp/012/040/013000c


 宅配便最大手「ヤマト運輸」のドライバーだった長尾倫光(のりみつ)さん(当時46歳)が職場で死亡したのは過労が原因として、長尾さんの妻由美さん(46)が労災を認めなかった熊本労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、熊本地裁で開かれた。

 長尾さん側は死亡直前1カ月間の時間外労働が労災認定の基準となる100時間を上回り120時間を超えていたと主張。記者会見した長尾さん側の弁護団の松丸正弁護士は「タイムカードの打刻前後や昼の休憩時間などの『見えない労働時間』が一番の大きな争点になる」と話した。

  国側は請求の棄却を求めており、同社は「遺族と国が係争中なのでコメントは差し控えたい」としている。

 訴状などによると、長尾さんは熊本市内の支店で勤務中の2014年12月14日に倒れ、くも膜下出血のため翌日死亡した。由美さんは、労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付などの支払いを熊本労基署に求めたが、15年8月に不支給処分が決定。熊本労働者災害補償保険審査官への審査請求なども棄却されたため、今年4月に不支給処分取り消しを求めて熊本地裁に提訴した。【野呂賢治】

 娘の入学見届けぬまま

 「間近に迫っていたクリスマスイブに娘の枕元にプレゼントを置けず、翌春の小学校入学も見届けることができなかった。子煩悩だった本人が誰より一番悔しいと思う」。由美さんは長尾さんの思いをそう代弁する。

 長尾さんは14年12月11日、1週間ぶりの休日に由美さんと小学校入学を控えた一人娘の美里さん(8)を連れて市内の玩具店に出かけた。ランドセルを買い、美里さんにクリスマスプレゼントに何が欲しいか聞いた上でこっそりと着せ替え人形を買っていた。

しかし3日後の14日夜。熊本市北区の同社徳王支店で倒れ病院に搬送されたが、翌日息を引き取った。タイムカードを打刻した後に集配車の荷台の清掃などをしていたとみられる。由美さんは「当時は恒常的にサービス残業があり昼食休憩時間も取れないほどだった」と振り返る。

 そしてこれから本格化する裁判への思いを語った。「夫のような人を今後出さないためにも会社や同僚は本当のことを話してほしい」
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 二〇一五年の暮れ、忙しさは前年以上だった。運んでも運んでも荷台が空にならない。

「まだ荷物が届かないんですけど」。また客からのクレームの電話だ。担当地域は傾斜のきつい横浜市内の住宅地。宅配大手ヤマト運輸のドライバーだった高木純一さん(39)=仮名=は電話で遅配をわびながら、重い荷物を手に坂を駆け上がった。

 昼ご飯は移動中に菓子や牛丼をかきこみ、夜遅くまで働く日々。脳がぱんぱんに膨らむような感覚に陥ったこともある。「このままポックリ死んでしまうのでは…。四歳の子どもを残して死ねない」。迷った末に昨秋、十年以上働いた同社を辞めた。

 一三年、ヤマトがネット通販大手「アマゾンジャパン」の配達を始め、取扱量は急増した。お歳暮、クリスマスプレゼントと続く十二月は特に忙しい。「一日二百個配達。限界を超えていました」と振り返る。

 耐えかねた同僚が一人、また一人と去っていく。アルバイトが集まらず、社員の補充もない。深刻な人手不足から長時間労働がまん延していた。高木さんの勤めていた支店では昨年八月、違法残業があったとして、労働基準監督署から是正勧告を受けた。

 「日本のわがまま運びます」。かつてのヤマトのキャッチフレーズだ。より早く、より安く、より便利に−。即日配達や送料無料など、利用者の“わがまま”に応えようとするあまり、ドライバーの疲弊に拍車が掛かっていた。

 受取人不在による再配達も増えている。高木さんは、再配達の受け付けが終わっているのに「今日中に来い」という依頼まで受けたことも。数年前までは、ほとんど経験がなかったことだ。「サービスがどんどんよくなり、『ヤマトなら何でもやってくれる』と思われたのだろうか」と嘆く。

 「『おもてなし』という残酷社会」(平凡社新書)の著者で、心理学者の榎本博明さんは「行き過ぎた顧客第一主義が働き過ぎを招き、客のわがままを増長させている」と、過剰サービスがもたらす悪循環を指摘する。

 ヤマトは取扱量の制限や運賃値上げの検討を始めた。「正社員を募集してもなかなか集まらない。このままではサービスが成り立たなくなる」と広報担当者。人材確保のため背に腹は代えられなかった。

 毎月ネット通販を利用するという神奈川県藤沢市の会社員東(あずま)純平さん(24)は、宅配ドライバーの苦境を伝えるニュースに触れ、学生時代にアルバイトした弁当配達での経験を思い出した。注文通り届けたのに不在だったときは苦労した。「離職者が増えて、配達そのものができなくなったら困るのは僕ら。そこで働く人たちのことも考えないと」

 自宅にいながら欲しいものが手に入るネット通販、終日営業のお店…。便利さの陰で働く現場は悲鳴を上げている。便利さを求めてきた私たちもまた、長時間労働に加担してきた。働き方改革は国任せ、企業任せだけでは解決しない。私たち一人一人の生き方も問われている。 =おわり

(この連載は、中沢誠と福田真悟が担当しました)
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東京新聞 2017年4月4日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017040402000112.html



 的場さんのタイムカードに印字された遅刻を示す「チ」の文字。遅刻分は「遅早調整」として給与からカットされた

 労使が合意すればいくらでも働かせることができる協定(三六(サブロク)協定)の抜け穴をふさぐために、残業時間の上限規制が導入される。ところが、政府がまとめた働き方改革の実行計画には、一部の働き方を残業代支払いの対象から外すことによる、別の抜け穴が用意されていた。

計画は「柔軟な働き方」をうたい、時間に縛られずに働ける制度の早期導入を掲げる。労使で定めたみなし労働時間を超えても残業代が払われない既存の裁量労働制の拡大や、高収入の専門職で働く人を残業代支払いの対象外とする「高度プロフェッショナル制度」の新設だ。上限規制をのむ条件として経済界が「自律的に働きたい労働者への対応も考慮すべきだ」と実施を迫っていた。

「政府は労働者の自己実現を支援するためと言うが、実態を分かっているのか」。二年前まで裁量労働制で働き、制度を悪用されたという的場健さん(43)=仮名=は、改革の先行きに不安を抱く。

当時は、仏画やふすま絵などの制作、修復を手掛ける職人として京都市内の工房で働いていた。団体交渉で残業代を請求すると、経営者側の弁護士がこう言った。「うちは裁量労働制なので、残業という概念はありません」

「ポカーンですわ」。自分がそんな働き方だったことすら知らなかった。裁量労働制では仕事の進め方や出退勤時間は本人に任されるが、「でも裁量なんてなかった」。出退勤の時間を細かく指示され、遅刻すると給与をカットされた。

手帳にメモした労働時間を計算すると、残業が二百五十時間の月もあった。それでも給与は一日七時間のみなし労働分だけ。経営者は「できんのは能力が足りんからや」と言い張った。

的場さんは過労などからうつ病となり、工房を辞めた。「人件費を減らしたいだけ。残業代もなく、ボロ雑巾になるまで酷使された」と悔しさをにじませた。

経営者は本紙の取材に「スタッフの個性を生かせる働き方だと思って導入した」と話す一方、遅刻早退に罰金を科すことには「好き勝手やって人が育つんですか」と持論を唱えた。

 行政による監視の目は届きにくく、裁量労働制の乱用は後を絶たない。労働政策研究・研修機構(東京)の二〇一三年調査では、裁量労働制とされながら出退勤の自由がない人が四割を占めた。

働き過ぎを助長する懸念もぬぐえない。正社員三人に一人に適用する損保大手では一六年度、みなし時間より平均で月二十時間も長く働いていた。中には百二十時間の人も。社員の一人は「裁量労働制になったら上司から早く帰れって言われなくなった」と明かしており、人事担当者は「労働時間短縮は道半ば」と話す。

裁量労働制は深夜休日に働いた分の賃金は追加で支払われるが、高度プロフェッショナル制度はそれすらなく、「全く歯止めのない働かせ放題の制度」と労働者側はより危険視する。

両制度を盛り込んだ労働基準法改正法案は、既に国会に提出済み。裁量労働制に詳しい兵庫県立大学の松浦章客員研究員は「今でも長時間労働・サービス残業の隠れみのになっているのに、さらに抜け穴を広げれば、上限規制が有名無実になってしまう」と訴える。

<裁量労働制> 労使で定めた労働時間(みなし時間)分の賃金を支払う代わりに、仕事の進め方や出退勤を労働者の裁量に委ねる制度。雇用主は深夜や休日を除き、みなし時間を超えて働かせても追加で賃金を支払う必要はない。みなし時間に残業分を含めるかも労使の協議による。年収制限はないが、職種や業務内容で適用できる人は限られる。
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過労自殺した松本さんの勤務記録を見つめる妻。会社には定時で仕事が終わったように自己申告していたが、亡くなる5日前には「28:03」という退館データも=熊本市で

 長男の九歳の誕生日を家族で祝おうと決めていた土曜も帰宅は遅かった。「日曜の朝なら時間あるけん」。翌朝、松本弘一さん=当時(40)、仮名=はバースデーソングを歌い、妻子の手作りのケーキをかきこんで職場に向かった。十分足らずの誕生会。二〇一二年九月末のことだった。

 「(10月)9日17・30、10日17・30」…。肥後銀行(熊本市)に勤めていた松本さんのこの頃の勤務記録は、ほぼ毎日定時で仕事が終わったように自己申告では記されていた。日付が変わってからの帰宅も珍しくなかった実態とは懸け離れ、妻は「何のための自己申告なんでしょうか」と顔を曇らせる。

 松本さんはこの年の夏ごろから多忙を極め、十月十八日に本店ビルの七階から身を投げた。担当していたシステム変更の期限が迫っていた。遺書には、同僚へのおわびとともに「システムを延期してください」と書かれていた。

 翌年、熊本労働基準監督署は労災を認定。銀行が入退館の記録やパソコンの稼働時間をもとに計算した一カ月の残業時間は、最長百六十八時間で自己申告の三倍近くに上った。「銀行は本人が勝手に働いたと言いたいのでしょうが、社員の健康を考えるなら、うその時間ではなく本当の時間を把握しようとするはずです」。妻は今もわだかまりが解けない。

 銀行は松本さんの死後、自己申告をやめ、パソコンの使用記録で労働時間を把握している。同行は「労務管理を経営の最重要課題として取り組んでいる」と反省を口にする。

 厚生労働省はガイドラインで、使用者にタイムカードなど客観的な方法で労働時間を把握するよう指導している。しかし、法的な強制力はない。一五年の人事院調査では、自己申告で出退勤時間を把握している企業が最も多く、事務系社員ですら五割弱に上った。

 タイムカードから自己申告に戻すケースもある。横浜市内の運送会社は、社員が未払い残業代を請求した途端、自己申告に切り替えた。勤務時間をあいまいにして、労基署の摘発や残業代の支払いを免れようという本音がのぞく。

 新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=が過労自殺した電通でも、過少申告によって「隠れ残業」がまん延していた。大手、中小を問わず、ずさんな労働時間の管理が過労死や長時間労働の温床になっている。

 ところが、政府の働き方改革実現会議で、労働時間の把握の議論は蚊帳の外に置かれた。委員のジャーナリスト白河桃子さんは、把握義務の法制化を会議で取り上げようと事務方に事前に伝えると、「既にガイドラインがありますから」と告げられた。結局、実行計画は「ガイドラインの徹底」という従来の対応を踏襲しただけだった。

 「残業の上限規制ができれば、ますます自己申告が広がるのでは」と懸念するのは、横浜市の社会保険労務士の鈴木康功さん(55)。懇意にしている社長から「上限ができるならタイムカードを廃止しようかな」と相談されたばかりだ。

 過労死問題を数多く扱う松丸正弁護士は、自己申告の原則禁止といった規制強化を説く。「狂った体温計で測っても適切な診察はできない。長時間労働是正でも同じだ」
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東京新聞 2017年4月2日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017040202000116.html


過労死した夫敏博さんの遺影を前に、政府の「働き方改革実行計画」に疑問を呈する三輪香織さん=愛知県安城市で(小嶋明彦撮影)

 長時間労働の是正を柱とする政府の働き方改革の実行計画がまとまった。「歴史的な一歩」と胸を張る安倍晋三首相。誰もが活躍できる社会に向け、長時間労働が染み付いた企業風土と決別できるのか。働き方改革の行方を探る。

 「月最大百時間未満」で労使トップが合意−。三月十三日、働き方改革の焦点となっていた残業時間の上限が決まった。

 その四日前、月八十五時間の残業でも過労死と認める名古屋高裁の判決が確定した。夫の過労死認定を求めていた原告の三輪香織さん(40)=愛知県安城市=は、労使で合意した百時間という数字にあぜんとした。「厚い壁が、もっと頑丈になってしまう」

 「壁」とは、脳・心臓疾患の「過労死ライン」である残業百時間。厚生労働省は、「一カ月におおむね百時間か、二〜六カ月におおむね月八十時間を超える残業」は過労で亡くなる恐れがあるとして、過労死認定の基準としている。

 二〇一一年九月、トヨタ系の工場で働いていた夫の敏博さん=当時(37)=は心臓の病で突然死した。「主人は仕事で死んだんだ」。香織さんは労災を申請したが、労働基準監督署は不認定。あきらめきれず、名古屋地裁に処分取り消しを求めても覆らなかった。いずれも百時間という過労死ラインが大きな壁となって立ちはだかった。

 過労死と認めた高裁の判決は、亡くなる直前の残業を月八十五時間としつつも、仕事のストレスによるうつ病で睡眠を十分に取れていなかったとして「健康な人の百時間以上に匹敵する」と判断した。

 高裁判決を受け、香織さんは「(夫に)頑張りが認められたと伝えたい」と会見で涙を流した。夫の死から五年半がたっていた。

 政府は三月二十八日、働き方改革の実行計画を公表した。「かつての『モーレツ社員』という考え方自体が否定される日本にしていく」。これまで青天井だった残業時間に罰則付き上限を設け、長時間労働是正を宣言した。

 その規制は、夫の残業時間を上回る過労死ライン並み。「やっぱり分かってないのかな。『働き方改革』などと口で言うだけでなく、世間の人の現実の働き方に目を向けてほしい」と香織さんは訴える。

◆「総活躍社会」理念どこに

判決で壁を崩したと思ったのに…。三輪香織さん(40)は、残業時間の上限を過労死ライン並みの「最長月百時間未満」に規制するという政府の実行計画に肩を落とした。

 夫の敏博さん=当時(37)=の残業は、過労死ラインに満たない月八十五時間だったが、名古屋高裁判決は過労死と認めた。

 亡くなったのは、東日本大震災の影響で止まっていた工場の仕事が動き始めた繁忙期だった。「まじめで自分から休むとは言わない」。亡くなる直前の朝、足をひきずるようにして家を出た姿が忘れられない。

 「百時間未満」に国がお墨付きを与えるのなら、夫のような人は、過労死とみなされなくなるのか。「月八十五時間でも、本人にとっては過重労働だったんです。小さい会社で働く一人の社員のことなんて、目を向けてくれないのかな」

 四半世紀にわたる遺族らの訴えが国を動かし、過労死等防止対策推進法が成立したのは三年前。法律には「過労死防止は国の責務」と明記された。

 そもそも政府が長時間労働の是正を打ち出したのは、人口が減っていく中で、誰もが活躍できる社会をつくるためだった。安倍晋三首相は昨年三月、「一億総活躍社会」への政策を話し合う会議で、「長時間労働は仕事と子育ての両立を困難にし、少子化や女性の活躍を阻む原因になっている」と、残業の上限規制の必要性を強調していた。

 「月百時間の残業なんて、子どもがいたら仕事との両立は無理」。東京都内のIT企業に勤める女性(45)はこぼした。

 長時間労働が当たり前の業界で、仕事が終わるのは早くて午後八時。システム障害が起これば、休日でも二時間以内に現場に駆けつけなければならない。

 三百人ほどの社員のうち女性管理職は、夫と二人暮らしの自分と独身の同僚だけ。家庭を顧みず長時間労働に邁進(まいしん)する男性中心の企業風土が、いつの間にか自分にも染み付いていたのか。ある日、先輩から冗談交じりに告げられた。「会社にとってはいいコマだけど、幸せそうには見えない」

 別の生き方があったのかもしれない。でも、どうすれば仕事と家庭との両立ができたのだろう。育休から復帰しても子育てとの両立から思い描いたようなキャリアが積めず、会社を去った後輩を何人も見てきた。

 「月百時間の上限規制で女性も活躍しろって、やっぱり“男並み”に働けってことでしょうか」 (この連載は中沢誠、福田真悟が担当します)
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 朝日DIGITAL 2017年6月11日

http://digital.asahi.com/articles/ASK6B73QJK6BULFA00C.html?ref=nmail


 

いなげや志木柏町店に勤務していた男性の父親。労災認定を伝える新聞を手元に置き、会社の責任を訴えた

 「これ以上働いたら壊れちゃう」――。42歳で過労死した食品スーパーの男性社員は、亡くなる1カ月ほど前、友人宛てのメールにそう書いた。背景にあったのは、出退勤記録に残らない「サービス残業」。労働時間が正しく把握されなければ、働き手の命や健康を守ることはできない。

 2014年5月17日、首都圏地盤の食品スーパー、いなげや(本社・東京都立川市)の男性社員は友人あてのメールにこう書いた。

 〈これ以上働いたら本当に壊れちゃうよ〉

 その8日後、男性は勤務中に言葉が出づらくなり、救急車で搬送されて入院。いったん退院して仕事に復帰したが、翌月5日の夜、こんどは勤務が終わった直後に勤務先の店の駐車場で倒れているのを発見された。脳梗塞(こうそく)で21日に息を引き取った。42歳だった。

 大学を卒業し、新卒でいなげやに入社。亡くなった当時、埼玉県志木市の志木柏町店に勤務し、一般食品売り場のチーフとして商品の発注や在庫管理を担当していた。

年末年始などに神奈川県の実家に帰省した際、「疲れた」とよく口にするのを父親(77)は聞いていた。

 「息子が倒れてすぐに、過労死だと直感しました」

 2年後の16年6月、長時間労働による過労などが原因で死亡したとして、さいたま労働基準監督署が労災と認定した。

 遺族の労災請求の代理人を務めた嶋崎量(ちから)弁護士によると、同店の従業員はICカードを機械に通し、出退勤時間をコンピューターのシステムに入力していた。

 システムに残る男性の出退勤記録を調べても、残業時間は月80時間の「過労死ライン」を大幅に下回っていた。それでも、労災が認められたのはなぜか。嶋崎氏は「毎月、記録に残らないサービス残業をかなりしていたからだ」と話す。

 そう言える根拠は、店が保存していた「退店チェックリスト」にあった。最後に店を出る従業員がエアコンや照明の消し忘れを防ぐために記入する用紙だ。会社から入手すると、署名欄に男性の名前が何度も出てきた。嶋崎氏は、退店時に店の警備機器を作動させた時刻を調べれば、男性が何時まで働いていたかを示す「証拠」になると考えた。

 警備機器の記録とシステムの入力時間は大きく食い違っていた。たとえば、亡くなる前月の5月4日。システム上の退勤時刻は「21時18分」だが、チェックリストに男性の名前があり、警備機器が作動したのは「26時1分」。こうしたズレを合計すると、5月の残業はシステムの記録より約20時間も長くなった。始業前に働く「早出」をしていた形跡もあったという。

 同労基署もこうした実態を考慮。警備記録を参照し、発症前の4カ月の平均で75時間53分、1カ月あたりの最大で96時間35分の時間外労働があったと認定した。いずれも政府が導入を目指す残業時間の上限規制の範囲内。「過労死ライン」も下回るが、ほかにも具体的に時間数を特定できない早出・残業があったと推定し、労災を認めた。

 いなげやでは03年にも都内の店に勤めていた20代の男性社員が自殺。東京地裁での裁判の末、長時間労働などを原因とする労災と認められた。判決によると、残業が90時間超の月が2カ月あった。「同じ悲劇を何度も繰り返すつもりなのか」。14年に亡くなった男性の父は、サービス残業の実態調査や労働時間管理の徹底を会社に求めている。

 いなげやの広報担当者は「労災認定の詳細を把握しておらず、コメントは控える。ご遺族からお話を伺った上でしっかりと対応したい」としている。

■PC起動時間と自己申告にずれ

 日立製作所の中部支社(名古屋市)に勤めるシステムエンジニア、大川原哲也さん(50)は残業時間の大幅な過少申告を繰り返し、心身の不調に陥ったという。

 大川原さんによると、長時間労働が深刻化したのは11年11月ごろ。顧客の商社の業務システムを作るプロジェクトに遅れが生じていた。商社への対応や作業の進行管理を担当していたが、システムの不具合などの対応に追われて深夜まで働く日が続いた。

 会社は社員の健康管理のため、仕事で使うパソコンのログイン・ログアウトの時刻を把握していた。一方で、残業代の計算の元になる労働時間は、社員の自己申告による始業・終業時刻を元に決めていた。

 パソコンの起動時間を元にすると、最も忙しかった12年1、2月の残業は月100時間を大幅に超えていた。だが、自己申告の「終業時刻」には実際より大幅に早い時間を届け出た。

 たとえば12年2月下旬。ログアウトの時刻は午後11時〜午前1時台だったが、自己申告の終業時刻は連日「午後5時20分」とした。パソコンの起動時間と自己申告の労働時間がずれる場合、上司に理由を報告する仕組みはあったが、「PJ(プロジェクト)対応」とだけ記入していた。それ以上、会社から調査を受けることはなかったという。

 12年春ごろから頭痛やめまいがひどくなり、不眠にも悩むようになった。同年夏にクリニックで「うつ病」と診断され、14年夏に労災を申請した。名古屋北労基署はパソコンの起動時間を元に労働時間を算出。「4カ月連続で100時間以上の残業を行い、うち1カ月は200時間を超えていた」として労災を認めた。

 現在は休職中で、昨年6月、会社が安全への配慮を怠ったとして、損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。訴状では、残業を過少申告した理由について「上司から『100時間以上申請しても、そんなにつけられない』と言われていた」と主張している。「いま考えれば悔しいが、当時はプロジェクトを終わらせることで頭がいっぱいで、残業の長さなんて考える余裕はなかった」と振り返る。「社員を苦しめる『労働時間隠し』は今後一切やらせたくない」との思いがある。裁判は係争中だ。

 日立は裁判で「従業員自身が始業・終業時刻を上長に申請し、その承認を受けることで適切な労働時間管理を行っている」と主張。体調不良を心配した上司が医療機関への受診を促していたことなどから、安全配慮義務違反はなかったと主張している。

 日立の広報担当者は「会社は200時間を超える時間外労働は確認していないが、労災認定されたことは重く受け止めている。上司が勤怠管理上の不当な取り扱いを指示したことはなかった」としている。

日立グループの社員で、大川原さんの相談に乗る労働組合「電機・情報ユニオン愛知支部」の成木彦朗委員長は「残業代が増えてプロジェクトの採算が悪化するのを心配して、社員が自主的に働いた時間を過少申告するケースもある。会社が責任をもって労働時間を管理すべきだ」と指摘する。

■横行する「サービス残業」

 厚生労働省によると、15年度に1348の企業で100万円以上の残業代の不払いが見つかり、全国の労基署が是正を指導した。働いた時間分の賃金が正当に支払われない「サービス残業」が横行している。

 労働問題に詳しい関西大の森岡孝二名誉教授は「労基署が取り締まっているのは氷山の一角に過ぎない」と話す。労働力調査など複数の政府統計から森岡氏が推計したところ、働き手1人あたりのサービス残業は12年に年間300時間を超えていたという。

 政府は、残業時間に罰則付きの上限を設けることで長時間労働を是正しようとしているが、そもそも労働時間が正しく把握されなければ、働き手の命や健康を守ることはできない。「サービス残業が横行する職場は労働時間の管理が甘くなり、過労死のリスクも高まる」と森岡氏は指摘する。

■視点 「上限規制」だけでは足りない

 政府が掲げる「過労死ゼロ」を実現するには、「残業時間の上限規制」だけでは足りない。サービス残業の削減に真剣に取り組まなければならない。

 政府も対策に乗り出してはいる。厚労省は今年1月、労働時間管理のガイドラインを作り、オフィスの入退館の記録やパソコンの使用時間が自己申告による労働時間と大幅にずれている場合は、会社が実態調査をするべきだと明記した。

 課題は、こうした取り組みを企業に確実に履行させられるかどうかだ。企業の働かせ方を取り締まる労働基準監督官は、全国で約3200人。働き手の数からすると、先進国の中で多くはない方だ。企業の労働時間管理に目を光らせるため、十分な数の監督官を配置する必要がある。

 もちろん政府任せではいけない。企業の労使も責任をもって取り組まなければならない。残業の抑制を話し合う際に業務量や仕事の進め方についても十分に協議することが求められる。

 パソコンや携帯電話が普及し、持ち帰り残業ができる仕事が増えている。表向きの残業時間を減らしても、業務量が減らなければ、働き手がかえってサービス残業に走ってしまいかねない。(牧内昇平)
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 宅配便大手の佐川急便が、ドライバーの一部に週休3日制を導入した。最大手のヤマト運輸でも導入を検討中だ。両社ともドライバーは週休2日制が基本だったが、休みを増やして多様な働き方を可能にし、人手の確保につなげる考え。

佐川は東京都と山梨県で3月下旬から、週休3日制のドライバーを正社員で採用し始めた。「人手不足感や荷物量を総合的に考慮し、試験導入する地域を選んだ」(広報)という。

労働基準法に基づく「変形労働時間制」を適用し、1日当たりの労働時間を2時間延長して平均10時間にし、賃金を週休2日の場合と同水準にした。週3日の休日に副業をすることも認めている。対象を今後、契約社員も含めた全国の約3万人のドライバーに広げることも検討中だ。

宅配業界は、ネット通販の普及で荷物量が急増しており、ドライバーの確保が差し迫った課題になっている。佐川で昨年に発覚したドライバーの駐車違反身代わり出頭事件も、人手不足が背景にあった可能性が指摘されている。

ヤマトではドライバーを中心に全社的なサービス残業が常態化し、少なくともグループの約4万7千人に計約190億円の未払い残業代があったことが判明している。(石山英明)
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   インタビューに答える日本マクドナルドの下平篤雄副社長=6日、東京都新宿区

日本マクドナルドは、社員が在宅勤務できる日数を、現在の週1日から最大週5日に拡大する。子育て中の社員らが働きやすい環境をつくり、優秀な人材を確保する狙いだ。下平篤雄副社長が6日、朝日新聞のインタビューに答えた。

在宅勤務、毎日でもOK カルビーが4月以降に新制度

 同社は昨年、本社などのオフィスで働く社員を対象に現在の在宅勤務制度を導入。事前に、自宅で働く時間帯を上司に届け出る仕組みで、開始当初は原則週1日に制限してきた。

 しかし、「問題はなかった」(下平氏)として、制限をなくすことにした。事前に時間帯を届け出る義務もやめ、本人申告で勤務時間を管理する方針だ。

 制度の詳細は、どうすれば全部署で使いやすくなるかなどを社員に調査した上で、年内に固める予定。店舗スタッフは今後も対象に含まない。

 下平氏は、インターネット電話「スカイプ」などを例に挙げ、「技術革新は進んでおり、使わない手はない」と指摘し、「家庭と仕事に向き合える、よい循環を生みたい」と話す。

人手不足を背景に、企業が働く環境を見直す動きは活発になっている。食品大手のカルビーも4月、在宅勤務が選べる日を週2日から最大週5日に広げた。(和気真也)
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