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公益財団法人 介護労働安定センター 平成30年度 介護労働実態調査結果について

―平成30年度 介護労働実態調査結果について―

 平成30年度介護労働実態調査結果について(pdf)
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2019_chousa_kekka.pdf
令和元年8月9日に新聞等マスコミ各社に情報提供を行なった時の公表資料です。
本調査の用語及び調査結果利用上の注意(pdf)
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2019_chousa_yougo.pdf
図表解説 介護労働の現状について(pdf)
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2019_roudou_genjyou.pdf

調査の概要
■ 調査実施期間:平成30年10月1日〜10月31日
■ 調査対象期日:原則として平成30年10月1日現在。
■ 調査方法:自計式郵送方法による
■ 調査対象
「事業所における介護労働実態調査」は全国の介護保険サービスを実施する事業所のうちから18,000事業所を無作為抽出にて選定。 

 有効回答は9,102事業所であった。(有効回収率は51.6%)

 「介護労働者の就業実態と就業意識調査」は上記の事業所の介護にかかわる労働者3人を上限に選出し、調査の協力を依頼。

 有効回答のあったのは22,183人であった。(有効回収率41.9%)

調査結果報告書
ア  事業所調査票「事業所における介護労働実態調査 結果報告書」(pdf)http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2019_chousa_jigyousho_chousahyou.pdf
イ  労働者調査票「介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」(pdf)http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2019_chousa_roudousha_chousahyou.pdf     

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元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明

http://justice.skr.jp/statement.html?fbclid=IwAR2uP36YhMMeGPoWdiY0rXRMd4fKD1ytlRwHD8OcgwUrFe1eeQcxyEN0nQg

PDF http://justice.skr.jp/koreajudgements/statement.pdf


韓国大法院(最高裁判所)は、本年10月30日、元徴用工4人が新日鉄住金株式会社(以下「新日鉄住金」という。)を相手に損害賠償を求めた裁判で、元徴用工の請求を容認した差し戻し審に対する新日鉄住金の上告を棄却した。これにより、元徴用工の一人あたり1億ウォン(約1千万円)を支払うよう命じた判決が確定した。
本判決は、元徴用工の損害賠償請求権は、日本政府の朝鮮半島に対する不法な植民地支配及び侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権であるとした。その上で、このような請求権は、1965年に締結された「日本国と大韓民国との間の財産及び請求権に関する問題の解決と経済協力に関する協定」(以下「日韓請求権協定」という。)の対象外であるとして、韓国政府の外交保護権と元徴用工個人の損害賠償請求権のいずれも消滅していないと判示した。
本判決に対し,安倍首相は、本年10月30日の衆議院本会議において、元徴用工の個人賠償請求権は日韓請求権協定により「完全かつ最終的に解決している」とした上で、本判決は「国際法に照らしてあり得ない判断」であり、「毅然として対応していく」と答弁した。
しかし、安倍首相の答弁は、下記のとおり、日韓請求権協定と国際法への正確な理解を欠いたものであるし、「毅然として対応」するだけでは元徴用工問題の真の解決を実現することはできない。  
私たちは、次のとおり、元徴用工問題の本質と日韓請求権協定の正確な理解を明らかにし、元徴用工問題の真の解決に向けた道筋を提案するものである。

1 元徴用工問題の本質は人権問題である

 本訴訟の原告である元徴用工は、賃金が支払われずに、感電死する危険があるなかで溶鉱炉にコークスを投入するなどの過酷で危険な労働を強いられていた。提供される食事もわずかで粗末なものであり、外出も許されず、逃亡を企てたとして体罰を加えられるなど極めて劣悪な環境に置かれていた。これは強制労働(ILO第29号条約)や奴隷制(1926年奴隷条約参照)に当たるものであり、重大な人権侵害であった。
本件は、重大な人権侵害を受けた被害者が救済を求めて提訴した事案であり、社会的にも解決が求められている問題である。したがって、この問題の真の解決のためには、被害者が納得し、社会的にも容認される解決内容であることが必要である。被害者や社会が受け入れることができない国家間合意は、いかなるものであれ真の解決とはなり得ない。

 
2 日韓請求権協定により個人請求権は消滅していない

 元徴用工に過酷で危険な労働を強い、劣悪な環境に置いたのは新日鉄住金(旧日本製鐵)であるから、新日鉄住金には賠償責任が発生する。
また、本件は、1910 年の日韓併合後朝鮮半島を日本の植民地とし、その下で戦時体制下における労働力確保のため、1942 年に日本政府が制定した「朝鮮人内地移入斡旋要綱」による官斡旋方式による斡旋や、1944 年に日本政府が植民地朝鮮に全面的に発動した「国民徴用令」による徴用が実施される中で起きたものであるから、日本国の損害責任も問題となり得る。
本件では新日鉄住金のみを相手としていることから、元徴用工個人の新日鉄住金に対する賠償請求権が、日韓請求権協定2 条1 項の「完全かつ最終的に解決された」という条項により消滅したのかが重要な争点となった。
この問題について、韓国大法院は、元徴用工の慰謝料請求権は日韓請求権協定の対象に含まれていないとして、その権利に関しては、韓国政府の外交保護権も被害者個人の賠償請求権もいずれも消滅していないと判示した。
他方、日本の最高裁判所は、日本と中国との間の賠償関係等について、外交保護権は放棄されたが、被害者個人の賠償請求権については、「請求権を実体的に消滅させることまでを意味するものではなく、当該請求権に基づいて訴求する権能を失わせるにとどまる」と判示している(最高裁判所2007 年4 月27 日判決)。この理は日韓請求権協定の「完全かつ最終的に解決」という文言についてもあてはまるとするのが最高裁判所及び日本政府の解釈である。(1
この解釈によれば、実体的な個人の賠償請求権は消滅していないのであるから、新日 鉄住金が任意かつ自発的に賠償金を支払うことは法的に可能であり、その際に、日韓請求権協定は法的障害にならない。
安倍首相は、個人賠償請求権について日韓請求権協定により「完全かつ最終的に解決した」と述べたが、それが被害者個人の賠償請求権も完全に消滅したという意味であれば、日本の最高裁判所の判決への理解を欠いた説明であり誤っている。他方、日本の最高裁判所が示した内容と同じであるならば、被害者個人の賠償請求権は実体的には消滅しておらず、その扱いは解決されていないのであるから、全ての請求権が消滅したかのように「完全かつ最終的に解決」とのみ説明するのは、ミスリーディング(誤導的)である。
そもそも日本政府は,従来から日韓請求権協定により放棄されたのは外交保護権であり,個人の賠償請求権は消滅していないとの見解を表明しているが,安倍首相の上記答弁は,日本政府自らの見解とも整合するのか疑問であると言わざるを得ない。(2

3 被害者個人の救済を重視する国際人権法の進展に沿った判決である

 本件のような重大な人権侵害に起因する被害者個人の損害賠償請求権について、国家間の合意により被害者の同意なく一方的に消滅させることはできないという考え方を示した例は国際的に他にもある(例えば、イタリアのチビテッラ村におけるナチス・ドイツの住民虐殺事件に関するイタリア最高裁判所(破棄院)など)。このように、重大な人権侵害に起因する個人の損害賠償請求権を国家が一方的に消滅させることはできないという考え方は、国際的には特異なものではなく、個人の人権侵害に対する効果的な救済を図ろうとしている国際人権法の進展に沿うものといえるのであり(世界人権宣言8条参照)、「国際法に照らしてあり得ない判断」であるということもできない。

4 日韓両国が相互に非難しあうのではなく、
本判決を機に根本的な解決を行うべきである

本件の問題の本質が人権侵害である以上、なによりも被害者個人の人権が救済されなければならない。それはすなわち、本件においては、新日鉄住金が本件判決を受け入れるとともに、自発的に人権侵害の事実と責任を認め、その証として謝罪と賠償を含めて被害者及び社会が受け入れることができるような行動をとることである。
例えば中国人強制連行事件である花岡事件、西松事件、三菱マテリアル事件など、訴訟を契機に、日本企業が事実と責任を認めて謝罪し、その証として企業が資金を拠出して基金を設立し、被害者全体の救済を図ることで問題を解決した例がある。そこでは、被害者個人への金員の支払いのみならず、受難の碑ないしは慰霊碑を建立し、毎年中国人被害者等を招いて慰霊祭等を催すなどの取り組みを行ってきた。
新日鉄住金もまた、元徴用工の被害者全体の解決に向けて踏み出すべきである。それは、企業としても国際的信頼を勝ち得て、長期的に企業価値を高めることにもつながる。韓国において訴訟の被告とされている日本企業においても、本判決を機に、真の解決に向けた取り組みを始めるべきであり、経済界全体としてもその取り組みを支援することが期待される。
日本政府は、新日鉄住金をはじめとする企業の任意かつ自発的な解決に向けての取り組みに対して、日韓請求権協定を持ち出してそれを抑制するのではなく、むしろ自らの責任をも自覚したうえで、真の解決に向けた取り組みを支援すべきである。
私たちは、新日鉄住金及び日韓両政府に対して、改めて本件問題の本質が人権問題であることを確認し、根本的な解決に向けて取り組むよう求めるとともに、解決のために最大限の努力を尽くす私たち自身の決意を表明する。

2018年11月5日


1) 山本晴太「日韓両国政府の日韓請求権協定解釈の変遷」(2014 年)参照。 http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
2 1991 年12 月13 日参議院予算委員会,1992 年2 月26 日衆議院外務委員会,1992 年3 月9 日衆議院予算 委員会における柳井俊二条約局長答弁,1992 年4 月7 日参議院内閣委員会における加藤紘一外務大臣答弁 等

 

(呼びかけ人・弁護士)  
青木有加 足立修一 殷勇基 内河惠一
大森典子 岩月浩二 川上詩朗 金昌浩
在間秀和 張界満 山本晴太 崔信義

(賛同人・弁護士)
愛須勝也 青木佳史 赤石あゆ子 秋田智佳子
秋田一恵 味岡申宰 足立定夫 渥美玲子
有村とく子 安藤ヨイ子 伊賀興一 五十嵐二葉
池田賢太 李尚昭 石川元也 石田明義
泉澤章 泉武臣 一瀬敬一郎 井戸謙一
伊藤真 伊藤みさ子 稲村晴夫 猪野亨
井上洋子 井上明彦 井上正信 井上啓
井下顕 李博盛 今橋直 岩井羊一
岩佐英夫 植竹和弘 上野格 上本忠雄<
魚住昭三 宇賀神直 内田雅敏 宇部雄介
尾家康介 大江京子 大口昭彦 大久保賢一
大塚喜封 大橋昭夫 大山弘通 大脇雅子
岡田克彦 緒方蘭 岡本浩明 小川隆太郎
奥村秀二 奥山泰行 小田幸児 鬼束忠則
小貫陽介 小野順子 海渡雄一 梶原利之
加藤裕 金井塚康弘 金子修 兼松洋子
冠木克彦 亀井千恵子 狩野節子 河合良房
川田繁幸 北澤貞男 北村栄 金順雅
金星玉 金星姫 金喜明 金奉植
金銘愛 金敏寛 金竜介 木村庸五
清田美喜 具良 工藤勇行 工藤和雄
国宗直子 久野由詠 標脅成 桑原育朗
小出重義 小竹広子 小谷成美 後藤景子
後藤富和 小橋るり 小林保夫 小牧英夫
近藤正道 齋藤耕 斎藤匠 斉藤豊
坂本博之 坂和優 佐久間敬子 迫田登紀子
佐々木正博 定岡由紀子 佐藤博文 佐藤真理
佐藤むつみ 佐藤由紀子 澤藤統一郎 塩沢忠和
塩見卓也 重村達郎 志田なや子 七堂眞紀
幣原廣 清水善朗 下山順 城台哲
白川秀之 眞珠浩行 神保大地 杉島幸生
菅野園子 菅野昭夫 鈴木宏一 鈴木達夫
鈴木雅子 青龍美和子 空野佳弘 宋昌錫
宋惠燕 平和元 高貝亮 高木太郎
高木喜孝 高崎暢 高橋済 高見澤昭治
武内更一 竹下政行 武田信裕 武村二三夫
立松彰 田中健太郎 田中貴文 谷次郎
田巻紘子 樽井直樹 全東周 塚田聡子
辻田航 角田由紀子 津留雅昭 寺沢勝子
寺西環江> 徳岡宏一朗 年森俊宏 冨田真平
内藤雅義 中井雅人 中川匡亮 中川瑞代
中北龍太郎 中島光孝 中田政義 中谷雄二
長野真一郎 仲松大樹 仲松正人 中道武美
中村和雄 中村博則 中村洋二郎 鳴尾節夫
成見幸子 名和田茂生 新倉修 新山直行
西剛謙 西田隆二 西村正治 丹羽雅雄
野上恭道 野田葉子 野村侃靱 則武透
萩原繁之 朴憲浩 羽柴駿 長谷川一裕
長谷川直彦< 端野真 林治 林翔太
林純子 林範夫 林真由美 葉山岳夫
原田學植 韓検治 韓雅之 玄政和
平方かおる 平澤千鶴子 平田かおり 福山洋子
藤井裕 藤井なつみ 藤浦龍治 藤沢抱一
船尾徹 古川健三 古田典子 飜清
星野圭 穂積剛 牧野幸子 松岡肇
松田幸子 松田生朗 松本篤周 松本康之
馬奈木昭雄 丸山健 水野幹男 南典男
宮坂浩 宮里邦雄 宮沢孝児 宮下萌
宮田陸奥男 宮本平一 向山知 村角明彦
村松昭夫 村山晃 毛利正道 森川文人
森田太三 森山文昭 師岡康子 矢暁子
安原邦博 養父知美 山内益恵 山口廣
山崎吉男 山下潔 山田延廣 山田博
山本志都 山森良一 梁文洙 梁英子
幸長裕美 横田雄一 吉川健司 吉田恵美子
芳永克彦 吉村功志 依田有樹恵 米倉勉
米倉洋子 米山秀之 渡辺和恵 渡部照子

(賛同人・学者研究者)
愛敬浩二 庵逧由香 上脇博之 右崎正博
内海愛子 浦田賢治 太田修 岡崎勝彦
北川善英 金富子 申惠丰 田中宏
田村和之 ベヨンミ 丸山重威 森英樹
安川寿之輔 吉澤文寿

(1月19日現在,弁護士280名,学者18名,合計298名) 
韓国語版 http://justice.skr.jp/kstatement.html

英語版  http://justice.skr.jp/estatement.html

 

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終わらない氷河期〜今を生き抜く ■第1回

生活保護のシングル女性 結婚もあきらめ 「何をしたいという希望もない」
https://mainichi.jp/articles/20190729/k00/00m/040/142000c

毎日新聞2019年7月31日 07時00分(最終更新 8月14日 00時26分)

Texts by 牧野宏美

 バブル経済崩壊後、企業が大幅に採用を手控えた「就職氷河期」(おおむね1993〜2004年)。当時、多くの若者が社会人への玄関口で足止めをくらい、将来への希望を奪われた。彼らは現在、30代半ばから40代後半。今も多くの人が、非正規の仕事を繰り返したり、ひきこもりを経験したりするなどし、苦悩を抱えながら生き抜いている。第1回は、非正規雇用を繰り返し、今は仙台市内で生活保護を受けながら、仕事探しを続けるシングル女性の人生をたどる。

相談場所で鶏肉のクリーム煮 「これで何とか生き延びられる」

 令和が幕を開けたばかりの5月4日夕方。10連休のためカップルや家族連れでにぎわう仙台の街を、山川美香さん(40)=仮名=は空腹を抱え、ふらふらと歩いていた。所持金は1200円。この2週間はフードバンクでもらったカップラーメンで食いつないできた。交通費節約のため1時間以上かけ、たどり着いたのは、生活困窮者向けに食事を提供する相談場所だった。温かい鶏肉のクリーム煮を口に入れると、久しぶりに人のぬくもりを感じた。「これで何とか生き延びられる」。ほっとした。

 山川さんは4月下旬、派遣会社から百貨店での衣料品販売の仕事を紹介され、生まれ育った県外の町から仙台市内の6畳一間と台所だけのアパートに引っ越した。「非正規雇用から抜け出すために、今度こそキャリアアップしたい」と考えたからだ。折り合いの悪い家族からも離れたかった。ところが、転居した直後に「求人がなくなった」と告げられ、やむを得ず始めた短期のアルバイトも10連休はシフトに入れなかった。蓄えがない中で収入が途絶え、たちまち追いつめられた。相談場所で勧められて生活保護を受け、新しい仕事を探そうとしていた矢先に心身の疲労がたまり体調を崩した。現在も入院中で、「生活保護を受けるのも申し訳ない。一日も早く退院して働きたい」といたたまれない気持ちでいる。

〔写真〕山川さんが大型連休中に駆け込んだ支援団体の相談場所。撮影時には、ボランティアが生活困窮者の男性(手前)から話を聞いていた。支援団体は「大人食堂」と名付け、無料で食事を提供する活動をしている=仙台市青葉区で2019年6月30日、牧野宏美撮影

卒業時には十分わからなかった氷河期の「つらさ」

 99年に短大を卒業し、大学の就職支援課に勧められるまま地元の小さな観光関連会社の試験を受け、採用された。順調に思えたが、上司から毎日のように会議室に呼び出され、「制服のサイズが合っていない」「パンプスのヒールの音がうるさい」などと理不尽な理由で怒鳴られ続けた。パニック障害になり、1年余りで退職。手に職をつけようと美容師を目指して上京したが、交通事故に遭ったのを機に地元に帰り、生活のために01年から衣料品販売のアルバイトを始めた。長い非正規の生活が始まり、卒業時には十分にわからなかった氷河期のつらさを知ることになる。

 最初のバイトでは途中から賃金が払われなくなり、翌年から別の店で契約社員として働いた。販売の仕事は楽しく、陳列方法や接客を工夫するうちに売り上げは正社員の店長を超えるようになった。「正社員にしてほしい」と何度も要望したが、聞き入れられなかった。他店からの誘いや不況による閉店などさまざまな理由でその後も1〜3年のスパンでショッピングモールなど勤務先が変わり続けた。どこも手取りは月12万〜13万円程度。サービス出勤や残業が多かった。人手が足りず、1人で店を切り盛りする「ワンオペ」も珍しくなかった。接客の時以外は「ほとんど走っていた」といい、10年に体調を崩して退職を余儀なくされた。

 しばらく休養し、翌年、より待遇のいい仕事を求めて携帯電話ショップの契約社員になった。給料や労働環境もよくなり半年ほど勤めたが、実家の祖父母が相次いで倒れ、母親に「助けてほしい」と強く頼まれて退職。2年ほど介護や農業を手伝った。

 14年に再び働こうと職探しを始めた。35歳になっていた。衣料品販売は体力的にも厳しいと感じ、携帯電話ショップやホテルなど少しでも待遇のいい職種に応募したが、どこにも採用されなかった。募集の多くは「35歳まで」。衣料品販売しか経験のない女性にとって、上限年齢で他業種に行くのはハードルが高かったという。結局、再び衣料品販売の契約社員に。「即戦力と重宝されるが、いつまでも非正規。いくら販売成績を上げても認めてもらえないし、正社員にはしてくれない。ステップアップもないし、給料も上がらない」。販売は独学で、研修を受ける機会もほとんどなかった。いつの間にか周囲は自分より若いスタッフが多くなったが、待遇はほぼ同じ。「お客様に喜んでもらえるのだけが楽しみで続けていた」

仙台の町並み。山川さんは、希望を抱いてこの町に来たが、今も仕事が得られないままだ=ゲッティ

「正社員にならないか」打診は白紙に…「やっぱりか」

 18年6月から派遣会社に登録し、ファミリー向けの店で働き始めて転機が訪れた。仕事ぶりが評価され、「正社員にならないか」と打診を受けた。「やっとまともな仕事につける」と喜び、初めて実家を出て、通勤のため近くに家賃4万1000円のアパートを借りた。その翌日、「社員化は白紙になった」と連絡を受けた。理由は不明だが、派遣会社と派遣先との間で契約の金額などが折り合わなかったようだという。納得がいかなかったが、あきらめる癖がついたのか「やっぱりか。そんなにうまくいかないよね」とも思った。生きるため、働き続けるしかなかった。就職したばかりの頃に夢見ていた結婚も、いつしかあきらめていた。

 派遣会社から仙台での仕事の話が来たのは、19年春。ちょうど心機一転したいと思っていたころで、故郷を離れる決断をしたが、より苦境に陥ってしまった。

 山川さんは20〜30代が主流の衣料品業界で、40代の自分が今後も同じように非正規の仕事を続けていける自信がないという。店の販売代行という形での独立も考えるが、経験者から簡単ではないと聞き、動き出せないでいる。「十数年こんな生活を続けて、すりきれてしまった。搾り取られてかすかすな状態です」

 政府は就職氷河期世代30万人の正社員化を掲げて就労支援策を打ち出すが、職業訓練を想定しているのは運輸や建設、ITなどの分野だ。女性の同業者の間では「自分たちは関係ないよね。いつまでたっても救われないよね」と冷めた声が多いという。

 「これからどう生きますか」と尋ねると、時折涙ぐみ、声を震わせながら答えた。「何をしたいという希望もないし、長く生きたいとは思わない。50歳ぐらいまででいい。死んだ時は友人に火葬してもらうことになるので、その費用とお礼のお金ぐらいは用意しておかないと」【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

非正規シングル女性

 就職氷河期を経験してその後も苦しむ人たちの中でも、正規の職につけないシングルの女性たちの状況は一層深刻だ。総務省の労働力調査によると、35〜44歳の非正規かつシングルの女性は2018年で47万人で、統計を開始した02年の17万人から3倍近くに増加。横浜市男女共同参画推進協会などが30〜50代の非正規シングル女性を対象に実施した15年の調査では、6割が不本意ながら非正規職にあり、7割が年収250万円未満だった。8割が収入の少なさを悩みに挙げ、仕事が継続されるか不安があると訴える人も6割いた。

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 2019年8月6日 全国労働組合連絡協議会

安倍政権の韓国に対する輸出規制・「ホワイト国」除外に抗議し、日韓労働者・市民は連帯して暴挙阻止を闘う声明
 
 安倍政権は韓国に対する輸出に関わる優遇措置、いわゆる「ホワイ処遇を取り消すことを8月2日、閣議決定した。7月1日、半導体関連三品目の輸出規制措置に続くものである。この措置は、韓国政府はもとより労働者市民の大きな怒りを呼び起こした。日本製品の不買運動や大規模集会など、安倍政権への抗議の声と行動が大きく拡がっている。
 
 安倍政権はこの輸出規制措置は韓国の輸出管理の不十分さを理由としているが、この決定は韓国最高裁が認めた元徴用工が三菱重工などの日本企業へ未払い賃金など賠償を求め、それを是認した判決に対する報復であることは明らかだ。
 
 安倍首相は日本軍国主義が韓国・朝鮮の人々にもたらした悲惨な歴史を一貫してねじ曲げようとしてきた。日本軍慰安婦に対する謝罪の意を明らかにした1993年の河野談話や日本帝国による朝鮮半島への植民地支配と侵略行為を謝罪した1995年の村山談話に対する不快感を露わにしてきた。そして、第二次安倍政権発足以降は戦後レジームの総決算として憲法9条を改悪するためにアジアの人々に対する蔑視と排外主義によって日本のナショナリズムを煽り、社会に分断をもたらしてきた。こうした分断が、ヘイトスピーチが日常に溢れる社会を作り出してきたのである。
 
 今回の「ホワイト国」からの除外決定は、徴用工判決への報復であると同時に、国内の排外主義を煽り、改憲に向けての安倍政権の支持率確保をも目的としたものである。韓国の人々の憤りは当然であり、安倍政権打倒は我々と共通の闘いである。
 
 全労協は1989年の結成以来、韓国の労働者と連携を積み重ねてきた。朝鮮戦争特需で成長を遂げた日本企業は、朴軍事政権下で民主化が遅れ経済発展途上だった韓国へ進出し、安い労働力と特区など韓国政府や自治体の優遇税制等を受けて利益を拡大してきた。ところが日本企業の理不尽な労務政策は多くの労働争議を引き起こしてきた。韓国の労働者は争議解決を求め来日し、長期の遠征闘争を闘い、解決を求めなければならなかった。1988年の韓国スミダ、アジアスワニー闘争以来、シチズンやオムロンなど、2017年には韓国サンケン労組の闘いを日韓労働者は連帯して闘ってきた。こうした労働者の勤労権・生存権を掛けた闘いに全労協の仲間は全力で連帯し支援をしてきた。これらの争議は日韓労働者の連帯を育み、隣人として文字通り、労働者の国際連帯を実現してきた。さらに韓国をはじめアジアの人々の日本政府や企業に対する戦後賠償を求める闘いに連帯してきた。
 
 安倍政権が強行した今回の輸出規制が、日韓両国の経済へ大きな打撃をもたらすものになることは明らかである。韓国の労働者市民の労働と生活、日本の労働者市民にも深刻な影響をもたらすことは明らかであろう。安倍首相は直ちに韓国への輸出規制処置を撤回し、過去の加害の歴史をしっかり直視し、本来の外交を行い、友好協力関係の構築を行わなければならない。
 
 
 全労協は韓国の労働者市民と連帯して、安倍政権の暴挙阻止、退陣に向けて闘い抜く。
 
以上
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着ぐるみ熱中症死亡 元スタッフが告発「すぐに脱いでいれば……人命よりも夢という環境」

大阪「ひらかたパーク」アルバイト死亡事故#1
「週刊文春」編集部 2019/08/05
 
source : 週刊文春
 
 関西を代表する猛暑の街、大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」にて7月28日、スタッフ・山口陽平さん(28)が、着ぐるみショーの練習後、熱中症で死亡した。
 
 救護にあたった消防局関係者が話す。
 
「20時03分に119番通報、脱水症状で意識、呼吸なしという報告を受けた。20時12分救急隊員が現地到着。関係者が蘇生をおこなっていたが、脈も無かった。すぐに近所の医療センターに運んだが間に合わなかった」
 
 
「国内最古の遊園地」で起きた悲劇
 山口さんは既婚者で、昨年12月からダンサー、着ぐるみ、MC、キャラクターのエスコートなどをする営業チーム・エンターテイメント担当のアルバイトとして働いていた。
 
「業界としては未経験だが、昔から夢だった仕事で必死に働いていました。『結婚もしていますし、一日でも早く一人前になりたい』って……」(同園関係者)
 
 ひらかたパーク、通称“ひらパー”は1912年に開業。継続して営業している遊園地としては「国内最古」として知られている。
 
「毎年100万人以上来場する地元で人気のテーマパークです。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)が進出した2001年以降、赤字が続き、来場者数も一時80万人まで低迷しました。が、ブラックマヨネーズの小杉竜一(46)やV6の岡田准一(38)がイメージキャラを務める『ひらパー兄さん』『超ひらパー兄さん』の影響でV字回復。昨年の来場者数は130万人を超えています」(テーマパーク関係者)
 
〔写真〕幼少期には「ひらかたパーク」で遊んだという枚方出身の岡田准一 ©文藝春秋
 
この記事の画像(4枚)
 山口さんが入っていた着ぐるみは、パークのマスコットキャラクター「ノームのなかまたち」の「トランプ」という全身緑色の巨大なトロールで、着ぐるみの総重量は15キロ。28日は2度装着したという。
 
山口さんの死は“炎天下の不幸”ではなかった
 同園の広報担当者が話す。
 
「(山口さんは)お昼ごろに出社して、グリーティング(着ぐるみで接客)の対応をしていました。その後、バックヤードで軽装に着替え、ショーの練習をした後、19時から再び着ぐるみの準備をして、19時30分からリハーサルの通し練習をしました。
 
 リハ中はいつもと変わった様子もなく、19時50分に終わり、バックヤードに戻っていく途中の通路で体調が急変したと聞いています。最初はフラフラとしたので一人スタッフが駆け寄り、それでも歩けないのでもう一人が駆け寄った。支えられながら辿りついた控え室で、救命措置を施されながら救急車を待っていたと聞いています」
 
〔写真〕山口さんが入っていたというトロールの着ぐるみ「トランプ」(同園ポスターより)
 
 実は山口さんは前日に体調を崩し、風邪薬を服用していたという。一見、炎天下での不幸が重なった事故とも見えるこの事案。だが、情報提供サイト「文春リークス」には複数の元パーク従業員から情報が寄せられ、運営への不信感を告白した。
 
「いつか起きると思っていました……」
 
 そう話すのは、数年前に2年ほど同園でキャラクターの着ぐるみに入っていたA子さん(30代)だ。
 
ひらパーの着ぐるみは頭をガンガン、ダンスもキレッキレ
「ひらパーは、時間管理が他のテーマパークに比べてとにかく杜撰なんです。ショーが終わってからほとんど休憩もなく、急いで着替えて閉園のお見送りのグリーティングに行かされる。他のテーマパークでは夏場のグリーティング時間が半減され、15分になったりするのですが、ひらパーはどんなに暑くてもきっちり30分やらされます。
 
 
 着ぐるみに入る以外の仕事も多く、ハードな上に時給が安いことが業界では有名です。私が働いていた当時の時給は900円以下で、大阪府の最低賃金でした(※現在大阪府での最低賃金は936円、ひらかたパークは最低時給940円)。年に何回か昇給のチャンスはありましたが、それも10円程。それでも夢だったステージに立つために皆必死に働きました」(A子さん)
 
数年前に「ひらかたパーク」で着ぐるみに入っていたA子さん(30代) ©文藝春秋
 
 パークのショーは通常土日のみの開催とされており、全員が出勤している土日の閉演後、園内を使ってショーのリハーサルをするのが通例となっているという。山口さんが死亡した日も8月から始まるショーのリハーサルが行われていた。
 
「当時からリハーサルは、キャスティング権限を持つB氏という男性社員が見て、次回のショーに出演できるメンバーを選定するというシステムでした。パークの着ぐるみパフォーマンスは、表現力よりも、とにかく頭をガンガン動かしたり、ダンスもキレッキレに踊るのが良しとされる風潮がありました。
 
 夜間のリハーサルでは、日中働いてどんなに疲れていたとしても、みんな必死にキレッキレに動いてアピールするのが常識になっていました。そんな雰囲気ですから、体調に異変を感じてもすぐに言い出せるような環境ではありません」(A子さん)
 
「リハーサル中でも部外者に素顔をさらすのは禁止」
 現場責任者のB氏は絶対的な権力を握っていたという。
 
「エンターテイメント部はB氏を含めて社員は2人のみで、他のスタッフ30人は皆アルバイト。B氏は昔ながらの職人気質なんです。赤字だったエンターテイメント部門をテコ入れして、ゼロから人気ショーをつくった実力者ですが、何かと根性論で推し進める。体育会系で、しょっちゅう厳しい声が飛び、パワハラまがいのこともあった。山口さんもB氏の期待に応えようと、体調が悪い中で必死だったんだと思います」(同前)
 
 別の告発者であるC子さん(20代)は2年ほど前、1シーズンほど同部署で働いた。
 
「山口さんが着ていた『トランプ』はとても大きくて、女の子が2人くらいいても持てないような重さ。1人での着脱は無理です。B氏も着る人がいないときは自身が代打で入ることもありましたが、終わった後、ゼーゼーと息が上がっていました。
 
 体調が悪い状態で入るのは自殺行為です。水分を摂るよう上からよく言われていましたが、着ぐるみは一度着ると脱ぐことができず、トイレにも行けないため、たくさんは飲めないんです。たとえ、閉演後のリハーサル中でも部外者に素顔をさらすことは絶対に禁止とされています」(C子さん)
 
ヘッドをとらないのは「業界の“鉄の掟”」
 同園の広報担当者に着ぐるみ着脱のルールについて聞いたが、「緊急時はハンドサインが決められており、着ぐるみの着脱は認めている」と説明する。だが、A子さんやC子さんは「業界の“鉄の掟”がそうはさせない」と強く否定する。
 
「常識で考えたら着ぐるみをはずせばいいじゃんって思うかもしれませんが、変なプロ意識もあって外でヘッドをとるのは一回も見たことありませんし、暗黙で禁止されている。たとえ閉演後であっても飲食店のスタッフとかもいるし絶対脱げない。報道で(山口さんが倒れたのは)園内から控え室に向かうところだったと書かれてましたが、そこまでなんとか辿り着いたんだと思います。
 
 きつければ声をだせばいいじゃんとも言われます。たしかに、頑張れば声も出せるのですが、これも業界あるあるなんですけど、声を出すのは基本動作として駄目で、たとえバックヤードでもキャラになりきってジェスチャーをしてしまう。人命よりも夢を守るという考え方なんです、この業界は」(A子さん)
 
©文藝春秋
 
オリンピックを前に変わらなければいけない
「着ぐるみは脱げないです。エンターテイメント部の人の前以外では同じパーク従業員の前でもNG。バックヤードの部屋に行くまではずっとキャラクターのままでいくのが鉄則。サインはキャラクターごと、担当者ごとに決めています。例えば1とか2とか3とかハンドサインがあり、ほんとに駄目なときは手をクロスします。
 
 でも本番はショーが終わってから撮影会があり、皆気力で乗り切っている。ショーの期間、救急セットを常に持ち歩いてるスタッフもいてそこに保冷剤とか大量に入っているのですが、これも着ぐるみの中の子は戻ってからになります。私はひらパーをやめて今はフリーランスでやっているんですが、業界はどこも同じ、着ぐるみ業界はオリンピックもありますし、今後変わらなければならないんだと思います」(C子さん)
 
 府警は熱中症の原因は不十分な熱放散環境下での行動とみており、業務上過失致死の疑いも視野に慎重に捜査を進めていくという。
 
【関連記事】
ひらパーで男性バイト、着ぐるみ練習中、熱中症で死亡 (7/29)
 

 

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 (目次)

〇ヤマハ英語教師ユニオン結成(ブログ)
〇ヤマハ英語講師ユニオンが 結成されました!(1/15) 清水亮宏弁護士
〇ヤマハ英語教室の女性講師が労組結成 待遇改善求める(1/20)
〇ヤマハ音楽振興会
ヤマハ音楽教室システム講師募集 条件・制度・待遇

□ ヤマハ英語教師ユニオン結成

https://ameblo.jp/ad20192020/

「あなたは労働者じゃない」保険適用外のヤマハ英語講師に衝撃 ヤマハ英語教室
2019-03-05 04:03:00
 
「あなたは労働者じゃない」保険適用外の英語講師に衝撃
 専門家によると、契約上は個人事業者などとされた人たちが企業内組合をつくるのは異例。実際には企業に雇用された労働者と同じ働き方をしているケースは様々な業界で広がっているとみられるが、実態把握は進んでいないという。
 
 組合の名称は「ヤマハ英語講師ユニオン」。昨年12月6日に結成した。組合によると、講師は同社と1年更新の委任契約を結び、講師はレッスンを任される形式で働いている。契約上は個人事業者となるため、ヤマハが雇用した社員とは異なり社会保険が適用されず、残業手当や有給休暇などもないという。
 
 だが、組合結成を支援した岩城穣弁護士によれば、講師はレッスンでヤマハの教材を使うよう同社から指示を受けている。また月1回、教室で開かれるヤマハ担当者との会議も原則出席が義務づけられており、実際には個人の裁量で働くことができないという。
 
 女性たちは昨年8月、会社側に直接雇用などを求める要望書を提出。同社から明確な回答がないことから組合結成を決めた。全国約1500カ所の教室で約1400人いるとされる講師たちに加入を呼びかけ、ヤマハ側に待遇改善を求めていくという。
 
「あなたは労働者じゃない」保険適用外のヤマハ英語講師に衝撃 ヤマハ英語教室
2019-03-05 04:03:00
 
「あなたは労働者じゃない」保険適用外の英語講師に衝撃
 専門家によると、契約上は個人事業者などとされた人たちが企業内組合をつくるのは異例。実際には企業に雇用された労働者と同じ働き方をしているケースは様々な業界で広がっているとみられるが、実態把握は進んでいないという。
 
 組合の名称は「ヤマハ英語講師ユニオン」。昨年12月6日に結成した。組合によると、講師は同社と1年更新の委任契約を結び、講師はレッスンを任される形式で働いている。契約上は個人事業者となるため、ヤマハが雇用した社員とは異なり社会保険が適用されず、残業手当や有給休暇などもないという。
 
 だが、組合結成を支援した岩城穣弁護士によれば、講師はレッスンでヤマハの教材を使うよう同社から指示を受けている。また月1回、教室で開かれるヤマハ担当者との会議も原則出席が義務づけられており、実際には個人の裁量で働くことができないという。
 
 女性たちは昨年8月、会社側に直接雇用などを求める要望書を提出。同社から明確な回答がないことから組合結成を決めた。全国約1500カ所の教室で約1400人いるとされる講師たちに加入を呼びかけ、ヤマハ側に待遇改善を求めていくという
 
□ヤマハ英語講師ユニオンが 結成されました!(1/15)
民主法律協会HP2019年01月15日
 
弁護士 清水 亮宏
 
1 ヤマハ英語講師ユニオン結成!
 
2018年12月、ヤマハミュージックジャパン(以下、「ヤマハ」)に所属する英語講師十数名が労働組合を結成しました。今後、労働条件の改善を求めてヤマハと団体交渉を行う予定です。ぜひ、会員の皆様からの応援・支援をお願いいたします。
 
2 ヤマハ英語講師の働き方
 
ヤマハは、いくつかの楽器店と契約し、音楽教室や英語教室の運営を委ねています。創設された英語教室のレッスンを担当する英語講師は、ヤマハと契約を締結しており、形式上の契約形態は委任契約となっています。
 
しかし、レッスンで使用する教材やレッスンのカリキュラムなどはヤマハから指定されており、教室の備品等も楽器店がヤマハから購入するものが多くあります。業務内容の定期報告を求められるほか、講師会議や研修への参加を実質的に強制されるなど、英語講師は従属的な立場にあります。講師の報酬は、英語教室のコース内容や指導経験年数等によって変動しますが、基本的には担当するレッスンに対応したものであり、労務との関係が高いものです。
 
加えて、ヤマハは、税務上、英語講師を給与所得者として扱っています。ヤマハの説明では、英語教室を始めた当初は英語講師を個人事業主として扱っていたが、税務署から指導を受けたため、給与所得者として扱うようになったとのことです。
 
このようなヤマハの英語講師の働き方の実態をみると、ヤマハ英語講師は労働者であるといえるでしょう。契約形態が委任契約となっているために、労基法等が(形式上)適用されない扱いを受ける、社会保険に加入できないなどの問題が生じています。
 
加えて、々峪娉餤帖Ω修などの業務に対する報酬が支払われない、◆聞峪佞諒鷭靴受講生徒数によって変動し)生徒数が1人のみの場合には報酬額が最低賃金を下回るような額となる、E斃貌や日曜日の出勤に対する手当がない、ぅ譽奪好鷸間前後の保護者対応や報告書の作成などの様々な業務に対する報酬が支払われていないなどの問題も生じています。
 
3 労働組合結成の経緯
 
このような問題について疑問を抱いた講師の一人が、2018年4月に労働基準監督署に相談したところ「あなた方は労働者ではない」と門前払いされてしまいました。しかしその後、思いを同じくする英語講師が集まり、既存の労働組合や労働弁護士と繋がり、労働組合の意義や役割について学習会を行い、夜中にわたるまで議論した末、労働組合を結成することができました。結成に当たっては、岩城穣弁護士、音楽ユニオン、大阪労連北河内地区協議会、総合サポートユニオン、川西玲子さんなど、様々な方の支援を受けることができました(私もサポートに加わりました。)。
 
現在、「雇用によらない働き方」が注目を集めていますが、実態が労働者であるにもかかわらず請負や委任と扱われる問題や、過重労働・低報酬の問題などが指摘されています。労働組合を通じた交渉は、これらの問題の解決手段として有効ですが、そのことが十分に社会に共有されていない状況にあります。今回のヤマハ英語講師の行動を通じて、労働組合を通じた働き方の改善の意義について社会的に発信していきたいと考えています。
 
2019年1月に1回目の団体交渉が行われる予定です。ヤマハに労働者性を認めさせ、付随する様々な問題の改善を図るため、会員の皆様方からもご支援いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
□ヤマハ英語教室の女性講師が労組結成 待遇改善求める(1/20)
朝日新聞デジタル 大貫聡子 2019年1月20日16時59分
]
 楽器販売「ヤマハミュージックジャパン」(東京都)が運営する英語教室で働く講師の女性14人が労働組合をつくった。女性たちは契約上は個人事業者とされて社会保険などが適用されないが、「実態はヤマハ側の指示で働く労働者だ」として、直接雇用や社会保険の適用などの待遇改善を求める団体交渉を同社側に申し入れているという。
 
「あなたは労働者じゃない」保険適用外の英語講師に衝撃
 専門家によると、契約上は個人事業者などとされた人たちが企業内組合をつくるのは異例。実際には企業に雇用された労働者と同じ働き方をしているケースは様々な業界で広がっているとみられるが、実態把握は進んでいないという。
 
 組合の名称は「ヤマハ英語講師ユニオン」。昨年12月6日に結成した。組合によると、講師は同社と1年更新の委任契約を結び、講師はレッスンを任される形式で働いている。契約上は個人事業者となるため、ヤマハが雇用した社員とは異なり社会保険が適用されず、残業手当や有給休暇などもないという。
 
 だが、組合結成を支援した岩城穣弁護士によれば、講師はレッスンでヤマハの教材を使うよう同社から指示を受けている。また月1回、教室で開かれるヤマハ担当者との会議も原則出席が義務づけられており、実際には個人の裁量で働くことができないという。
 
 女性たちは昨年8月、会社側に直接雇用などを求める要望書を提出。同社から明確な回答がないことから組合結成を決めた。全国約1500カ所の教室で約1400人いるとされる講師たちに加入を呼びかけ、ヤマハ側に待遇改善を求めていくという。
 
 ヤマハの広報担当者は組合結成通知を受け取ったことを認め、「講師の方々とは丁寧に話し合いを進めていきたい」としている。(大貫聡子)
 
□ヤマハ音楽振興会
 
・ヤマハ音楽教室システム講師募集
条件・制度・待遇
 
講師の立場
 ヤマハシステム講師は、自ら独立して事業をおこなう「個人事業主」として、ヤマハ音楽振興会と「ヤマハ音楽教室講師委任契約」を取り交わし、その契約により「生徒を教える役割」を任されます。
 会社員のような「雇用契約」ではありません。従って、法令で定められた国民健康保険や国民年金への加入、確定申告などは各自でおこなう必要があります。
 
条件・待遇
 原則として、2020年5月より契約となります。
 資格取得試験に合格された方には、契約前に「講師研修」を受講していただきます。
 所定の講師研修を修了し、指導者として適任と認められた方に、ヤマハ音楽教育システム講師として生徒を指導する役割を委嘱(委任契約)させていただきます。
 講師研修ではネットワークを利用した研修プログラムを受講していただくほか、講師として稼働を開始してからも、インターネットを介してレッスン報酬の請求手続き等をおこなっていただくため、資格取得試験に合格された際には、インターネットに接続できるパソコン及び、ご本人のメールアドレスの用意をお願いいたします。
 レッスン報酬は担当生徒数・取得グレード・ライセンス等に基づき、毎翌月25日にお支払いいたします。
 「ヤマハ講師共済会」(講師全員が加入する会員相互の扶助組織)、「ヤマハ講師総合保障保険」(任意加入)を用意しており、講師として長く安心して仕事のできる環境を整備しています。
 
既卒合格者の待遇に関する特別措置
 既卒で資格試験に合格された方については、音楽力に関する自己研鑽の状況、及び卒業後のキャリアに応じて以下の対応を行う場合があります。
 
 稼働前、後の研修については指導経験に応じて免除、もしくは別内容で実施します。
 指導経験に応じて稼働開始から基本教科以外の教科、コースの担当も可能とします。
 ヤマハ講師ライセンス制度に基づく所定のライセンスを稼働開始時に付与します。
 
講師活動サポート
 インターネットによる講師活動サポート
 ヤマハ音楽振興会では、講師活動をサポートするサイトとして「RAPPORT(ラポート)」「Oui-We!(ウィ・ウィ)」を用意しています。
レッスンの参考になる情報や動画の視聴、レッスンで使用するエレクトーンデータのダウンロードなどができます。
 レッスン報酬の請求手続きや各研修の案内などもインターネットを通じておこなっているほか、講師としてレッスンを開始するまでにネットワークを利用した研修プログラムを受講していただくため、講師資格取得試験に合格された方には、インターネットに接続できるパソコンを必ず準備いただくことになります。
 
RAPPORT
 レッスン報酬・交通費の請求
 各種研修などの案内・出欠確認
 稼働規定などの情報閲覧 など
Oui-We!
 エレクトーンデータのダウンロード
 各コース情報閲覧
 相談室・Q&A
 講師研修の情報閲覧
 映像資料の動画視聴(映像資料ライブラリー)
 研修による講師活動サポート(受講費無料・交通宿泊費ヤマハ負担)
 稼働前研修
 音楽教室の教材を使用し、幼児期コース・児童期コースの指導スキルはもちろん、レッスン構成についてや、保護者との関わりなど、実際にレッスンを行う際に必要な内容をもれなくお伝えします。
 教具であるエレクトーンについても、自信を持ってレッスンしていただけるよう、操作方法から丁寧にお教えしますので、初心者でも安心です。
 集合研修の他にも、自宅で学べるネットコンテンツ(映像視聴)も多数。先輩講師の具体的なレッスン風景を直に見学することもできるなど、安心してお仕事をしていただけるよう、充実の研修をご用意しています。
 
稼働後研修
 稼働開始後もさまざまな研修をご用意しています。課題や疑問を相談したり、よりスキルアップいただける内容となっており、講師としてより専門的なスキルを磨くことができます。
 
ヤマハ講師ライセンス制度
 ヤマハシステム講師は、講師として音楽力/指導力を研鑽していくことを通じて以下のライセンスを取得する必要があります。
ライセンスの取得に応じて、報酬や稼働を継続できる年数が変わります。
 
※年次・年齢・取得グレード・レッスンの指導内容・指導活動と成果に応じて、7種類のライセンスを付与する制度です。
※各ライセンスで稼働できる年齢に期限が定められています。
B(ベーシック)ライセンス
<B1>3年次に契約更新する時点で、所定の条件を満たす場合に付与(※)
<B2>5年次以上の講師が契約更新する時点で、所定の条件を満たす場合に付与
 
A(アドバンス)ライセンス
<A1>10年次以上のB1、B2ライセンス取得者が契約更新する時点で、所定の条件を満たす場合に付与
<A2>15年次以上のA1ライセンス取得者が契約更新する時点で、所定の条件を満たす場合に付与
 
S(スペシャル)ライセンス
<S1>15年次以上のA1、A2ライセンス取得者が契約更新する時点で、所定の条件を満たす場合に付与
<S2・S3>S1・S2ライセンス取得者で、極めて指導者として高い資質を持ち、継続的に高い指導成果をあげている場合に付与
 
※3年次に契約更新する時点でB1ライセンスを取得できなければ稼働が継続できなくなります。B1ライセンスの取得には、定められた期限までにグレード5級認定(ピアノまたはエレクトーン演奏グレード5級+指導グレード5級を取得)が必須となります。
 
レッスン報酬
 ヤマハシステム講師のレッスン報酬は、担当する生徒の数と担当するコース、取得グレードやライセンスにもとづいて計算されます。
 
 生徒数×コース単価=月額報酬
 
※コース単価は、コース・講師の取得グレード・ライセンス等によって異なります。
※講師としての経験年数や取得グレードの級が上がることにより、担当できるコースが増えていきます。
 
講師共済会
 各種給付金の給付
 冠婚葬祭時には、祝い金や見舞金が支払われます。病気などで長期間レッスンを休んだ場合には、規定に応じた給付金が支払われます。貸付金制度もあります。
 
リゾート施設
 法人加入しているリゾート施設を会員料金で利用できます。
 
ヤマハ講師健康ダイヤル
 「電話健康相談」「メンタルヘルスカウンセリング」など、こころとからだの健康相談を利用できます。
 
ヤマハ講師保険
 任意で加入する講師総合保障保険です。「休業補償」「傷害補償」「死亡保障」「医療補償」「がん保険」「自動車保険」などがあります。
 

 

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産休代替派遣・育休代替派遣の仕事は地雷!?

https://haken-news.com/sankyu-daitai/ 

派遣ニュース 2019年8月5日

 

産休代替派遣・育休代替派遣は出来れば避けたほうがよいようです。

SNSや掲示板を見ると産休代替派遣経験者の愚痴がけっこう書かれています。(愚痴というよりは恨みに近い。)未経験者にはわからない辛さがあるようです。

 

具体的に産休代替派遣のデメリットを上げてみます。産休代替派遣を考えている人は下記を踏まえて、よく考えて決めたほうよいでしょう。

 

 

 

1.就業期限が決まっている

産休代替派遣だと、あくまで産休を取っている方の代行となりますので就業期間も長くて1年ぐらいに限られます。短期とも長期ともいえない微妙な期間です。

長く働くつもりなら、最初から長期間働ける仕事に就業したほうが自身のためにはいいでしょう。

 

逆に引っ越しとかであらかじめ1年ぐらいしか働けないとわかっている場合などはぴったりだと思います。

 

 

 

2.前任者が産休中のため仕事を聞く人がいない場合がある

前任者の方が産休で休んでいるため仕事の引き継ぎが出来ていないと苦労することになりそうです。上司も実地は把握していなく聞ける人がいないケースがあるそうです。

 

 

 

3.派遣先でのフォローが期待できない

派遣の中でも短期の派遣ほど職場で軽く扱われる傾向があります。産休代替派遣も期限が限られているためその傾向が強いようです。

1年後にはどうせいなくなる人と派遣先から見られ、仕事のフォローや信頼するされるの人間関係が期待出来ないかもしれません。

産休代替派遣が辛い・辞めたい理由としてはこれが一番大きいようです。

 

 

 

産休代替派遣はこうしたデメリットがあるため避けられ、派遣会社も人集めに苦労しているようです。

そのため派遣会社は派遣社員には産休代替派遣であることを黙って、就業後にはじめて産休代替派遣と明かすこともあるようです。

 

産休代替派遣を希望しない方は、あらかじめ「長期の就業希望なので産休代替派遣は希望しません。」と派遣会社に断っておいたほうがよいでしょう。


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「時間外年960時間超の医師がいる」病院は半数弱、日病調査

第69回日病学会シンポ、「労働基準法を守りたいけれど、守れない実態がある」
2019年8月6日 橋本佳子(m3.com編集長)
 
 8月1日に札幌市で開催された第69回日本病院学会のシンポジウム「病院の働き方改革アンケートまとめと先進事例の紹介」で、高松市立みんなの病院名誉院長の塩谷泰一氏は、日病が会員病院を対象に実施した「勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査」の結果を報告。過労死水準を超える時間外労働の医師を抱える病院は45%と半数近くに上るものの、労働時間の管理は自己申告で行うなど十分ではない実態が浮き彫りとなった。
 
〔グラフ〕時間外勤務月80時間・年960時間を超える医師は…
(提供:塩谷氏)
 
 宿日直許可を得ていても、救急医療等の通常労働が頻繁に行われているケースも少なからずあり、「宿日直許可の取り消し」を認識している病院は80%。「宿日直許可基準は実態とかけ離れており、見直すべきだと思うか」との問いに、64%が「思う」と回答。この7月、厚生労働省は宿日直や自己研鑽についての通知を発出した(『医師の宿日直、3条件かつ「十分な睡眠」で許可、厚労省通知』を参照)。塩谷氏は、「労働基準法を守りたいけれど、守れない実態がある」と指摘した上で、今回の通知で宿日直の解釈が多少分かりやすくなったが、曖昧な点が残ると述べた。
 
高松市立みんなの病院名誉院長の塩谷泰一氏
 
 36協定を結ばなかったり、36協定を超える時間外労働に対し、過去に労基署から是正勧告を受けたことがある病院は50%だった。
 
 「時間外労働の上限規制が地域医療の崩壊を招く危険があるか」との質問には、「はい」が60%で多数派だったが、「いいえ」も12%。どのような影響があるかについては「救急医療からの撤退」89%、「外来医療の制限・縮小」64%、「病院経営の破綻」64%などが挙がり、病院経営者の危機感は強い(複数回答)。
 
 医師の働き方改革に取り組んでいる病院は多いものの、32%の病院は、「勤務医不足」や「労基法を遵守すれば、必要な診療体制を維持できない」などの理由で、「医師の労働環境は改善しないと思う」と回答。
 
 塩谷氏は、「医師の働き方改革を実現するには、提供する医療を減らすか、医師を増やすしかない。それができなければ、病院の再編・統廃合が必要になる。医師の働き方改革の目的は、医師の健康確保と地域医療の確保を両立させることにあるが、病院を減らして、勝ち組ばかりの病院を残すことが政府のもくろみではないか」との考えを披露。
 
 さらに塩谷氏は、厚労省が進める「三位一体改革」について次のようにコメントした。「三位一体改革に異論はないが、地域医療構想はどんづまりで新たな進展が見られない。医師偏在対策は、人口(患者)減少を待つしかない。医師の働き方改革も、『言うは易し、行うは難し』だ。では日本の医療はどこに行くのか、どこに持っていこうとしているのか。理念、哲学がない中で、働き方改革を進めてもうまくいかない。医療の哲学を考える医療基本法が必要ではないか」。
 
〔図〕「医師の働き方改革」を実現するためには
(提供:塩谷氏)
 
 「医師の意識の低さ」が時間管理のネック
 調査は、2018年10月12日から12月28日にかけて、日病会員2478病院を対象に実施。413病院(回答率16.7%)から回答を得た。国公立143病院、公立90病院、医療法人125病院、その他55病院という内訳だ。
 
 調査でまず明らかになったのは、2018年秋から年末にかけての調査だが、いまだ医師の労働時間の管理が徹底されていない実態だ。
 
〔グラフ〕医師の労働時間管理
(提供:塩谷氏)
 
 労働時間の管理方法は、「出勤簿」55%、「時間外勤務記録」47%、「自己申告」36%というアナログな手法がトップスリー(複数回答)。一方、「ICカード等の活用」28%、「タイムカード」24%にとどまり、これらの病院でも「出退勤時刻を全て適切に管理できている」のは50%にとどまった。「適正な管理のための課題」として、「医師の意識の低さ」69%、「管理職の意識の低さ」34%などが、「客観的な記録のための機器不足」33%などを上回った(複数回答)。
 
〔グラフ〕労働時間概念
(提供:塩谷氏)
 
 複数の業務について、「労働時間」に当たるかどうかを尋ねた質問では、院長と医局長の意識の違いも明らかになった。違いが大きかったのは、「救急外来における仮眠時間」と「オンコール待機時間」で、院長の方が10ポイント低い結果だ。塩谷氏は「宿日直に関する通知で多少は分かりやすくなったが、これで全てクリアできるわけではない。曖昧な点も残る」と語った。宿日直等に関する院内でのルールづくりが必要なことが示唆される。
 
〔グラフ〕宿日直
(提供:塩谷氏)
 
 従来の宿日直に関する通知では「宿直は週1回、日直は月1回を限度とする」とされていた。38%はこの基準を遵守できておらず、32%は「宿日直勤務中に救急医療等の通常業務が頻繁に行われている」と回答。「(宿日直許可基準と現実との乖離があるため)不適切と認識」88%、「宿日直許可の取消を認識」80%といずれも高率だった。
 
 過去に行った類似の調査との比較では、「月平均の宿日直回数」が減少するなど、宿日直の軽減に取り組んでいる実態が明らかになったものの、塩谷氏は、「宿日直許可の取り消しの可能性を認識しつつも、基準を遵守したら、地域医療が守れなくなる。労基法を守りたいけれど、守れない実態がある」と指摘した。
 
 労基署からの是正勧告、年々増加
 時間外労働が月80時間、年960時間を超える医師がいる病院は45%。病床規模が大きいほど「月80時間、年960時間超」に該当する医師は多い一方、「20%以上いる」との回答は、99床以下の病院で27%に上った(冒頭の図を参照)。
 
〔グラフ〕労働基準監督・労働基準法
(提供:塩谷氏)
 
 過去に労基署から是正勧告を受けた病院は増加傾向にあり、今回の調査では50%だった。その内容は、36協定を結ばずに法定の週40時間を超えて労働させた「32条違反」、救急対応が常態化しているなど宿日直に該当しないにもかかわらず、宿日直手当のみで割増賃金を支払っていない「37条違反」、時間外労働時間が36協定を上回っていた「36条違反」が多い。
 
 ただし、「日本の医療は労基法違反を前提として成り立っていると思うか」との質問には、「思う」45%、「覆わない」21%とやや意見が分かれた。
 
  「連続勤務時間の上限設定」や「勤務間インターバルの導入」は進まず
 
〔グラフ〕医師の時間外勤務時間縮減
(提供:塩谷氏)
 
 「医師の働き方を見直したか」の質問には、63%が「はい」と回答。その内容は、「医師事務作業補助者の増員」65.2%、「チーム医療の推進」44.0%など、従来から行われてきた施策が上位に(複数回答)。
 
 一方で、「連続勤務時間の上限設定」5.2%、「勤務間インターバルの導入」3.6%、「宿直回数の上限設定」2.8%、「救急受け入れの制限」1.6%などは低率だった。
 
 「労基法32条(法定労働時間)と医師法19条(応召義務)は、矛盾しているか」との質問には、「思う」が79%で、2013年2月に実施した類似の調査での「思う」58%よりも増加していた。
 
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<くらし調査隊> 外国人にも労災権利
中日新聞 2019年8月3日
 
 
 トラック運転手の過労を取り上げた連載企画「モノ運びの陰で」(六月十七日、二十四日、七月一日付生活面)。記事を知った日系ブラジル人の運転手から、過労で倒れ、労災申請した際に会社側から取り下げを促されたとの声が寄せられた。社会保険は外国人労働者も受けられるが、原則申請が必要なのに加え、言葉の壁がある。内容を十分理解できないまま、適切な給付を受けられない可能性もあり、注意が必要だ。
 
 愛知県内の日系ブラジル人の男性(47)は五年前の夏、勤務先で脳出血を発症。左半身まひの障害が残り、車いす生活となった。
 
 二十四時間操業の工場に、二交代で部品を届ける。運んだ部品の空き箱整理のため拘束時間は毎日十二時間を超え、残業が恒常的に月八十時間、多い時には百時間に上る日々が数年続いていた。
 
 男性は「過労が原因」として労災保険を申請。認められれば、医療費が全額保険から支払われるほか、休業補償や障害に応じた障害補償年金なども支給される。ただ、脳卒中のように業務に起因するのか、すぐに分からないようなケースでは決定までに時間がかかることもある。
 
 一方、会社は男性に労災保険ではなく、健康保険の「傷病手当」を受けるよう勧めた。「手続きが二週間ほどで終わり、労災よりも早く支給される」と説明されたため、男性は従い、いったん労災保険の申請を取り下げた。
 
 ところが、ブラジル人仲間との話の中で、健康保険は業務に起因しない私傷病が対象で、傷病手当は最長一年半で打ち切られることなど、労災保険の方が補償が手厚いことを知った。労災保険を申請し直し、その後認定された。
 
 業務に起因する病気やけがは労災保険の対象で、私傷病に対応する健康保険を利用することはできない。ただ、原因がよく分からないときには、いったん健康保険を利用しながら療養し、労災認定されれば、健康保険で受給した傷病手当などを返還するといった運用も行われている。
 
 男性は日本で二十年以上働くが、日本語は十分理解できず「そんな仕組みは知らなかった」と話す。
 
 労災保険は外国人も含め全従業員の保険料を会社側が負担。労災が続くと、保険料率が上がる可能性がある。また、労基署の立ち入り調査を受け、労務管理の不備などが見つかることもあり、それらをおそれて「労災隠し」をする会社も後を絶たない。
 
 さらに労災保険を含め、社会保障の多くは申請主義。利用者が仕組みを理解し、申請する必要がある。ただ、制度が複雑なのに加え、外国人は言葉の壁もある。労災保険の概要を外国人向けに英語やポルトガル語などで説明したパンフレットを国が作成しており、活用したい。
 
 外国人労働者の相談にも応じている労組「名古屋ふれあいユニオン」(名古屋市)にも、妊娠が分かると、育休が利用できることを知らせずに、雇い止めにされたという外国人の相談も少なくない。
 
 浅野文秀副委員長(63)は「日本人と同じ権利があっても、十分に利用できずに『差別』という思いを強く持つ外国人も多い」と指摘する。
 

 (三浦耕喜) 

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□ 京アニ事件、被害の従業員に労災適用の可能性 京都労働局が見解印刷用画面を開く

〔写真〕放火で死傷者が出た京都アニメーションのスタジオ近くに置かれた花束
 
 京都アニメーションの放火殺人事件で、京都労働局の南保昌孝局長は30日、従業員は就業中に被害に遭ったとみられることから、「労働災害として補償などの給付対象となる可能性が高い」と定例会見で述べた。
 
 一般的に、労災の認定は事件の事実関係や受給資格などを調査して判断される。同局によると、管轄の京都南労働基準監督署(伏見区)を中心に、従業員や遺族からの請求に迅速な対応ができるよう備えているという。
 
【 2019年07月30日 20時24分 】
 
京アニ放火は「労災」 申請出れば「迅速対応」 京都労働局が見解
毎日新聞2019年7月31日 18時15分(最終更新 7月31日 18時49分)
 
放火された「京都アニメーション」第1スタジオ=京都市伏見区で2019年7月24日午後1時43分、本社ヘリから
 京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオで起きた放火殺人事件で、京都労働局は「就労中の災害にあたるとみられ、労災申請が出されれば迅速に調査、対応したい」との見解を示した。死傷した従業員や遺族が補償の対象となる。
 
 既に京都南労働基準監督署が京都府警などと事件現場の調査に着手して…

□京アニ事件、労災の対象に 京都労働局長「迅速に対応」 京アニ放火

朝日新聞デジタル 2019年7月30日18時21分
 
 京都労働局の南保(なんぽ)昌孝局長は30日の定例会見で、京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件について、「多くの方が就業中に被災された可能性が高い」と述べ、今回の事件が労災にあたり、亡くなった従業員の遺族や、負傷した従業員が補償の対象になるとの見通しを明らかにした。
 
 京都南労働基準監督署が労災の観点からすでに調査に着手し、今後、遺族や本人から請求があれば、迅速に対応する方針だという。南保氏は「35人もの方が亡くなられ、心を痛めている」と話した。
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