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Uber Eatsが4年で流通総額8700億円、課題山積でも急成長の内実
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2019/10/18(金) 6:01配信 ダイヤモンド・オンライン

Uber Eatsが4年で流通総額8700億円、課題山積でも急成長の内実
ber Japan執行役員でUber Eats 日本代表の武藤友木子氏 Photo by Yuhei Iwamoto

 フードデリバリーサービスの「Uber Eats」。配達員のトラブルなどの課題も山積だが、グローバルで見ると、4年で流通総額80億ドルにまで拡大した。9月に開催されたカンファレンス「FOODIT TOKYO 2019」のセッションには、Uber Japan執行役員でUber Eats 日本代表の武藤友木子氏が登壇。サービスの「核心」を語った。(フリーライター こばやしゆういち)

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● 4年で売上8000億円、レストラン数22万店にまで拡大

 Uber Eatsは2015年、カナダのトロントでサービスをスタートした。わずか4年で流通総額は80億ドル(約8700億円)、稼働レストラン数は22万店を超えるという(いずれも2018年実績)、世界最大のフードデリバリーサービスに成長した。

 日本では2016年9月にサービスを開始。東京2区の150店舗からはじまったが、1年後には1000店舗、2年後には3500店舗、3年を待たずに1万店舗を超えるまでに成長している。

 さらに、今年10月には消費増税があったが、食品のテイクアウトやデリバリーは軽減税率の対象となり、税率は8%に据え置き。デリバリーの需要はさらに高まるという予測もある。Uber Eatsにとっては本来であれば追い風となるタイミングだ。

 9月25日に開催された、飲食業界向けカンファレンス「FOODIT TOKYO 2019」のパネルディスカッション「飲食店の機能拡張〜デリバリーやソーシャルダイニングは飲食店をどのように変えるのか?〜」には、Uber Japan執行役員でUber Eats 日本代表の武藤友木子氏と「ソーシャルダイニング」サービスを提供するキッチハイクの共同代表・COOの山本雅也氏が登壇。飲食店の機能を広げる新しいビジネスの可能性と未来を話し合った。

 パネルディスカッションのなかで武藤氏は「出前の文化が昔から根付いている日本だが、そこにはさまざまな制約があった」と、次のように指摘している。

 「日本全体で飲食店は約60万店。しかし、そのなかで出前を行っているお店は3万店ほどでしかありません。人材の確保が難しく、出前をしたくてもできない。あるいは、かつて出前をしていたけれど、もう人を抱えられなくなって出前をやめざるを得なくなったというお店もあります。ようするに、配達人を自前で抱えておくのが前提だったゆえに出前ができなくなっているわけです」

● デリバリーで来店客は減らない、追加売り上げになる

 Uber Eatsは、その母体でもある配車サービスUberの仕組みを活用することで、自転車やバイクに乗った「配達バートナー」を街中に配置し、いつ・どこで発生するか分からない飲食ニーズと飲食店、そしてそれらを効率よく繋ぐ配達パートナーをマッチングすることで「配達人不足」を解消。出前をしたくてもできないという飲食店の制約をクリアしたばかりか、新たな出前需要を掘り起こすことにも繋がったと説明する。

 「登録店舗のなかには、いままでの来店客が出前を取るようになって、結局は売り上げが伸びないのではないかという不安を持つ飲食店さんが少なくありません。しかし実際には、デリバリーが追加売り上げになっています」

 Uber Eatsのユーザーは「いわゆる『おひとりさま』が大多数」だが、その一方で、これまで出前を取ることが少なかった「ファミリー層やパーティの需要が伸びている」と武藤氏は言う。

 「これまで飲食店の売り上げは、テーブルや椅子の数、営業時間が”キャップ”になっていました。いくら売り上げを増やそうとしても、こうしたキャップを超えることは不可能だったんです。デリバリーは、これらの制約を取り払うことができます。それこそが飲食店の機能拡張ということだと思います」

 たしかにデリバリーだと、店内が満席でも出前注文は受けられる。中食市場の拡大に伴って拡大しつつある「おひとりさま需要」はもちろん、パーティ需要などさまざまな出前ニーズに対応することができるため、単純に売り上げが上乗せされるということだ。

 サービス設計面では、ユーザーの利便性がクローズアップされているが、飲食店サイドにとっても「シンプルで簡単」なことにこだわるだけではなく、おいしい料理を提供したいという飲食店の「思い」にも応えられるような設計を心がけているという。

 「デリバリーの場合、せっかくの料理が冷めてしまうんじゃないかと思われがちです。しかしUber Eatsは、注文から配達完了までを30分で実現しています。30分のうちには調理時間も含まれていて、料理を作り終わってからの配達時間だけでいうと10分強。この『10分強』を実現するため、つねにアナリストが計算して、配達パートナーの配達範囲を需要に応じてコントロールしているんです」

● 将来的にはドローンでのデリバリーも

 Uber Eatsが掲げるミッションは「豊かな食生活をいつでも誰にでも」。このため、ただデリバリーを代行するだけではなく、飲食店とユーザーの双方が満足できるサービスづくりを目指していると語った。

 「いま、わたしたちは、飲食店が本来のホスピタリティや料理のクオリティ向上に専念できるような状況をサポートするための開発を進めているところです。その一方、ドローンを活用したデリバリーで遠隔の方にも都心と同じような料理を提供していけるような仕組みも研究中。もちろん、いますぐに実現できるものではありませんが、将来的に必ず実現したいと考えています」

● SNSではトラブル報告、労組立ち上げなど課題も山積

 登壇はここで終了したが。直近にはUber Eats関するトラブルがSNSで話題を集めた。あるフリーランスライターが、30分ほど注文の遅れた商品を受け取り拒否したところ、配達員が商品をマンション共有部分に投げ捨てた。これに対してUber Eatsのサポートに問い合わせたところ、「(配達員が)個人事業主だから関与できない、勝手に警察に連絡しろ」と回答したという騒動があった。

 本件についてあらためてUberJapanに問い合わせたところ、「ビジネスモデルが新しいという実情はありますが、Uberは市場とお客さまに責任を持って運営をしています」と回答。サービスの品質維持のため、「悪質だと客観的に判断される行為についてはパートナー・お客さまへの警告など必要な措置を取っています」とした。また、今回の騒動について、「このような事態に対し深刻に捉えております」として、ガイドラインの再周知を含めた取り組みを進めるという。

 これと並行してUber Japanは9月30日では労災保険の適用されない配達員向けに保険制度(対象は配達員がスマートフォンのアプリで配達の注文を受けて食事を届けるまでの期間。医療見舞金は25万円、死亡見舞金は1000万円を上限とする)を発表。一方では10月3日には、Uber Eats配達員の有志が、労働組合ウーバーイーツユニオンを立ち上げている。

 サービスは拡大する一方で、制度作りにはまだ課題が見えるUber Eats。今後の成長に向けた同社の手腕が問われる状況だ。

こばやしゆういち

 

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Uber Eats配達員の商品投げ捨て事件に、ベテランからは「気の毒」の声も
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191017-00219523-bizspa-bus_all&p=1
2019/10/17(木) 8:47配信bizSPA!フレッシュ

Uber Eats配達員の商品投げ捨て事件に、ベテランからは「気の毒」の声も
※画像はイメージです(以下、同じ)
飲食店の宅配代行サービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の配達員らが10月3日、労働組合「ウーバーイーツユニオン」を結成したと発表した。

 Uber Eatsはアメリカのウーバーテクノロジーズ(以下、Uber)が提供するサービスで、ユーザーが専用アプリを利用し注文をすると、配達員が飲食店へ商品を取りに行き、配達を行うものだ。

 一方で、注文者と配達員間でのトラブルも起きている。2019年10月5日、Twitterにて、とある注文者の投稿が波紋を呼んだ。2016年のサービス開始当初から配達を行うベテラン配達員、“たけ”こと尾崎浩二氏(Twitter:@tktk2ub)に話を聞いた。

「商品投げ捨て事件」に見る課題
投稿者によると、商品は予定時間から約30分も遅れて到着し、スープが溢れるなど崩れた状態だったという。投稿者が受け取りを拒否したところ、マンションの共用部分に投げ捨てられ、投稿には破れた紙袋から無残にも放り出された商品の写真が添えられていた。

 この件について、尾崎氏は「配達員が商品を投げ捨てた行為は、まったく肯定できるものではない」と前置きした上で、Uber側にも問題があると指摘する。

「投稿者がUberのカスタマーセンターに連絡した際の『配達員は個人事業主だから関与できない。自分で警察に連絡してほしい』という対応に怒ったお客さんがTwitterに書き込み、炎上につながった。今回のケースはUberのシステムや、サポート体制の根本問題が表面化したに過ぎず、この配達員にすべての責任があるとされてしまうのは気の毒だと感じます」

 また、アプリ側の不具合やお客さんの入力ミスで、配達員の意志とは関係なく、すぐに商品を配達できないケースもあるという。

「目的地と違うところにピンが立っていることがあります。そうすると、あちこちまわって10分、15分があっという間に過ぎてしまう。あとは到着しても、シャワー浴びている、寝ているとかで、いくらインターフォンを押しても出てこなかったりすることもあります」

 そのためUber側が定めた“10分ルール”というものがある。「配達場所に着いているのにお客さんと連絡が取れないとき、そこで10分間待機して、それでもまだ連絡が取れずに手渡せなかった場合は廃棄になります。この場合、配達員への報酬は入ります」(尾崎氏、以下同)。

Uber Eats配達員の“リアルな1日”
そもそも配達員はどのようなスケジュールで、何件の配達をこなし、平均的な収入はどのくらいなのだろうか。

「毎日30件ほど配達しています。アプリは朝8時〜深夜1時までオンライン(稼働状態)にできるため、人によって異なりますが、そのうちの8時間は働いています。1日1万2000円くらいは稼げるので、月20日間の稼働で24万円(1万2000円×20日)ほどは稼げます。それ以上稼いでいる人も多くいますが、平均的にはこれくらいだと思います」

 Uber Eatsの公式サイトによると、合計の運転時間が12時間の上限に近づくと、安全機能によってアプリが一定間隔で通知を発信。さらに配達時間が上限に達すると、その後の6時間は自動的にオフラインになるという。

Uber Eats配達員の商品投げ捨て事件に、ベテランからは「気の毒」の声も
UberEats配達員の“たけ”こと尾崎浩二氏
1日に、より稼ぐコツとは?
また、配達の依頼が多くなるのは12〜13時のランチタイム、18時半〜20時半のディナータイムだが、配達員自身の食事や、休憩はどのように取っているのか。

「基本的にピークタイムを避けた15〜17時に一時的にアプリをオフラインにして、ラーメンなどをサクッと食べに行く人が多いです。私は時間がもったいないので、オンラインのままコンビニのパンやおにぎりで済ませることが多いです。注文が多い雨の日は、比較的注文が少なくなる時間帯にオフラインにして意識的に休憩を取ろうとすることもあります」

 そんななか、尾崎氏には配達件数を効率よくこなすコツがあるという。

「お店でバッグにすばやく積み込むようにしたり、届ける際には、自転車なら近道を使うなどして急いで運ぶことで、分単位でロスを削ることを心がけています。また待機も依頼が入りやすいような場所でするようにしています。経験や研究によってだんだんわかります」

雨天時には「インセンティブ」
10月12日、13日にかけて日本列島を直撃した台風19号のように、荒天時の配達はどのようなものなのだろうか。

「今回のような大型台風など、明らかに危険な場合はUber Eats自体のサービスが一時的にストップされますが、普段、雨や風が強い日は基本的に依頼が増えます。また、配達員もスリップなどの危険から配達を控える人が多く、Uber側が『雨の日に10件配達したら1500円』などのインセンティブを付けてくれることがあるため、いつもの倍稼げたりする“稼ぎ時”と捉える人も多いです」

 そんななかUber Eatsは10月1日より三井住友海上火災保険と共同で傷害補償制度をスタート。これまで対人・対物賠償責任保険を用意していたが、配達員の怪我に対する補償はなかった。配達員はUberと雇用関係になく、個人事業主として働くため、労働法による保護や社会保険の範囲外となるからだ。

 しかし、この制度では、配達中の事故により配達員自身が傷害を負った場合、医療費や入院費などの「見舞金」が補償される(医療費は最大25万円、死亡した場合は最大1000万円)。この制度がスタートしたことについて、尾崎氏は「本当に嬉しい」と話す。

傷害補償制度は嬉しい半面、不信感も…
「Uber Eatsは3周年になるんですが、スタートからやっていた身としては、初期の段階から補償がないっていうのはわかっていた。ただ、個人事業主とは言っても実質は雇用のような形態なので、配達中の怪我の医療費は負担してほしいな、とも。配達員仲間とUberに働きかけようとしたり、良い保険を他の配達員に紹介したり、個人的にも動いたりしていたので、大きな一歩だと感じています」

 Uber側が三井住友海上に保険料を支払うため、配達員に金銭的負担はないとされているが、不信感もあるという。

「2019年5月ごろ、配達員の間で『走行距離に対して、いつもより数十円配達料を安くされているような……』っていう声が1か月間ほど相次いだんです。ちょうどユニオンができるという話が出ていた時期だったのですが、結果的にUberはアプリの不具合と認めた上で謝罪をして、差額が後日振り込まれました。Uber側が勝手に報酬を操作できてしまうので、そこはユニオン含めて、配達員個人でも注意深く見ていく必要があると思っています」

 傷害補償制度のスタートなど、配達員の労働環境改善に一歩踏み出したUber Eatsだが、まだまだ課題も残るようだ。“自由に働ける”というUberならではのメリットを残しつつ、配達員が安心して働ける環境が整えられることを願いたい。

<取材・文/鴨居理子>

bizSPA!フレッシュ 編集部 

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第288回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07305.html

令和元年10月16日 (照会先)
職業安定局需給調整事業課
課長補佐  清水 達哉  
(代表) 03-5253-1111(内線5747:調整係)
(直通) 03-3502-5227

議事次第
(1)労働者団体からのヒアリング(公開)
(2)派遣先企業からのヒアリング(非公開)

資料一覧
資料
資料1 労働力需給制度部会委員名簿[PDF形式:71KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000557303.pdf
資料2 連合ユニオン東京提供資料[PDF形式:32KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000557304.pdf
資料3 UAゼンセン人材サービスゼネラルユニオン(JSGU)提供資料[PDF形式:
161KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000557305.pdf
 

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第15回過労死等防止対策推進協議会資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07295.html

令和元年10月15日
【照会先】
労働基準局 総務課(過労死等防止対策推進室)
課 長 久知良 俊二
企 画 官 小城 英樹
課長補佐 山崎 琢也(内線5586)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)3103

1 開会
2 議題 ・令和元年版過労死等防止対策白書について ・令和元年度の取組状況・予定について ・令和2年度概算要求について
3 閉会

<資料>

資料1 過労死等防止対策白書(概要) 過労死等防止対策白書(本文) ‥‥机上配布

資料2 「過労死等防止対策推進法」及び「過労死等の防止のための対策に関する 大綱」に基づく施策の実施状況(平成 27 年度〜)

資料3 厚生労働省における令和元年度の過労死等の防止対策の実施状況

資料4 人事院における令和元年度の過労死等の防止対策の実施状況

資料5 内閣人事局における令和元年度の過労死等の防止対策の実施状況

資料6 総務省における令和元年度の過労死等の防止対策の実施状況

資料7 文部科学省における令和元年度の過労死等の防止対策の実施状況

資料8 過労死等防止対策の推進(令和2年度概算要求の概要)

参考資料 過労死等防止対策推進協議会委員名簿(令和元年 10 月 16 日現在)

<資料> 全体版資料[PDF形式:6.1MB]
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000557088.pdf

 

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事例紹介 福井地裁 長時間過重労働で自殺の新任教師の裁判原告勝訴

 福井地裁安全配慮義務違反で町と県に支払い命じる
地公災福井支部も2016年に公務災害認定

働くものの健康 第169号(2019年10月10日)6頁

 2019(令和元)年7月10日、福井地方裁判所(武宮英子裁判長)は、2014(平成26)年10月に自死した新任教師の嶋田友生さん(当時27歳)の死亡は長時間過重労働による精神疾患が原因で,校長が安全配慮義務を怠ったためとし、若狭町と福井県に対し,約6530万円(請求は1億130万円)の支払いを命じました。
町と県が控訴せず、判決が確定しています。
〇−〇−〇
嶋田さんは4年間の臨時職員を経て2014(平成26)年4月に新採用され、福井県若狭町上中中学校に赴任し、1年生の学級担任、社会と体育の授業、そして野球部副顧問を務めていました。
4月の着任後に恒常的な時間外勤務を余儀なくされた嶋田さんは、6月頃にはうつ病など何らかの精神疾患を発症していたとみられています。
パソコンの使用履歴や学校の警備記録などから判明した嶋田さんの8月を除く459月の時間外労働時間数は、月128〜158時間で、9月は169時間にも及んでいました。
また嶋田さんは初任者研修での上司からの厳しい指導や生徒指導・保護者対応など、強い心理負荷 にもさらされ、同年10月、「疲れました。迷惑かけてすみません。」と書き残し、自動車内で練炭自殺を図って亡くなりました。
〇−〇−〇
地方公務員災害補償基金福井県支部は2016(平成28)年9月、長時間労働による精神疾患が自殺の原因として公務災害と認定しました。
〇−〇−〇
裁判で証人尋問に応じた当時の校長は、嶋田さんが長時間学校にいたことを認識していたとした上で、「少しでもよい授業にするために工夫、改善するための自主的なものだと考えていた。早く帰るように伝えていた。」と述べ、命令はしていないと主張しました。また学校主任を同じ社会科の教員にして相談しやすいように配慮するなどし、定期面談も行っていたが、「悩みは話していなかった。」とも述べました。
また初任者研修の指導担当者は、「父親のような深い愛情と厳格さをもって指導しており、パワハラはない」と証言しました。
しかし判決は、担当授業の準備、 部活動指導, 初 心者研修の準備、保護者 対応などの業務について、「勤務時間外に行わざるを得なかった。自主的に従事していたとは言えず、事実上、校長の指揮監督下で行っていた」としました。そして「校長は、嶋田さんが保護者対応や授業の進め方に苦心していたことの報告を受けていた。 過重な業務が心身の健康 状態を悪化させることは 認識できた」と指摘し、そ れにもかかわらず業務内容の把握や変更を行わず、 早い帰宅を促すなどの口頭指導にとどまったことに対し、「安全配慮義務を怠ったと言わざるを得ない。自殺との因果関係も認められる。」と断じました。
〇−〇−〇
若狭町と福井県は7月12日、控訴しないと発表 しました。町長は同日記者会見し、控訴しない理由を「司法の判断や若く有望な教員を失ったことを非常に重く受け止める必要がある。学校現場の働き方改革に力を注ぐことが重要であると判断した」と述べ、賠償金も町が全額負担することを報告しました。
しかし県教委が2018(平成30)年9月に行った調査では、中高教員の4人に1人が月80時間を超えて時間外労働を行っていました。また同年、福井市立の小学校では、100時間を超える残業申告を、教頭が無断で過小に書き換えたことも発覚しています。
教員の数を増やし業務を減らすなど、実効性のある対策が急務です。

【関連情報】
注目のニュース - 「長時間労働軽減 怠った」新任教諭自殺で賠償命じる 福井地裁 (7/10)
http://hatarakikata.net/modules/hotnews/details.php?bid=886
 

 

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2019年の暴力とハラスメント条約(第190号)
https://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/WCMS_723156/lang--ja/index.htm

〔ダウンロード〕2019年の暴力とハラスメント条約(第190号)‎pdf - 0.3 MB‎
https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---asia/---ro-bangkok/---ilo-tokyo/documents/normativeinstrument/wcms_723153.pdf

正 式 名(仮訳):仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約(正式な日本語公定訳は政府が国会に提出する際に作成されますが、今回は多数のご要望にお応えするものとして、ILO駐日事務所で仮訳を作成しました。したがって、名称を含み、訳文は今後変わる可能性がありますので、あくまで参考訳としてご利用下さい)
(第108回総会で2019年6月21日採択。未発効。最新の条約)

日本の批准状況:未批准 ◆批准国一覧(英語)

条約の主題別分類:未定  条約のテーマ:未定

[ 概 要 ]
仕事の世界における暴力と嫌がらせ(ハラスメント)を扱う初の国際労働基準。

 仕事の世界における暴力とハラスメントは「人権侵害または虐待になり得ること、機会の平等を脅かす許容できないものであり、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と相容れないもの」であることを認めている。また、家庭内暴力が仕事の世界に影響を与え得ることも留意されている。条約は、「暴力とハラスメント」について、「単発的か反復的なものであるかを問わず、身体的、精神的、性的または経済的な害悪を与えることを目的とした、またはそのような結果を招くもしくはその可能性が高い」一連の許容できない態度及び行為またはその脅威と定義し、加盟国に対しては、その存在を「一切容認しない一般的な環境」を促進する責任があることに注意を喚起し、仕事の世界における暴力とハラスメントの防止・撤廃のための性差に配慮した包摂的かつ総合的な取り組みを、第三者が関与する場合があることも考慮に入れた上で採用することや、仕事の世界における暴力とハラスメントを定義し禁止する法令の制定などを通じて暴力とハラスメントのない仕事の世界に対するあらゆる人の権利を尊重、促進、実現することを批准国に求めている。

 包摂性に重点を置くこの条約は、契約上の地位にかかわらず、あらゆる労働者及び仕事の世界におけるその他の人々を保護することを目指しており、インターンや見習いを含む訓練中の人、雇用が終了した労働者、ボランティア、求職者、応募者なども含むものとしている。さらに、「使用者の権限、義務、責任を行使している人」も暴力やハラスメントの対象になり得ることを認めている。

 暴力やハラスメントの発生場所に関しても、職場内のみならず、賃金が支払われる場所や休憩・食事の場所、トイレやシャワー室、更衣室、仕事に関連した出張・研修・行事・社交活動中、電子メールなども含む仕事に関連した連絡・通信の過程、使用者の提供する居住設備、通勤中も含むものと規定されている。

 条約を補足する同名の勧告(第206号) が同時に採択されている。

 第108回総会ではまた、「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する決議 」と題する付帯決議も採択された。決議は、第190号条約の批准及び第206号勧告の実施を加盟国に呼びかけると同時に、ILO理事会に対し、第190号条約の幅広い批准と条約・勧告の効果的な実施に向けた包括的な戦略の策定をILO事務局長に求めるよう提案している。

(W) 以下は、ILO駐日事務所が作成した仮訳(pdf)ファイルをテキスト化したものです。


ILO駐日事務所仮訳
https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---asia/---ro-bangkok/---ilo-tokyo/documents/normativeinstrument/wcms_723153.pdf

仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約(第190号)

 国際労働機関の総会は、
理事会によりジュネーブに招集されて、2019年6月10日にその第108回(創設100周年)会期として会合し、
フィラデルフィア宣言が、すべての人間は、人種、信条又は性にかかわりなく、自由及び尊厳並びに経済的保障及び機会均等の条件において、物質的福祉及び精神的発展を追求する権利をもつと確認していることを想起し、
国際労働機関の基本条約の関連性を再確認し、
世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する国際条約、全ての移住労働者及びその家族の構成員の権利の保護に関する国際条約、障害者の権利に関する条約など他の関連する国際的文書を想起し、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含む、暴力とハラスメントのない仕事の世界に対するあらゆる人の権利を認識し、
仕事の世界における暴力とハラスメントは人権侵害または虐待の一形態であり得ること、また機会均等に対する脅威であり、容認できず、かつディーセント・ワーク と相容れないものであることを認識し、
暴力とハラスメントを防止するための相互の尊重と人間の尊厳に基づいた仕事の文化の重要性を認識し、
暴力とハラスメントの行為及び慣行の防止を促進するため、加盟国には暴力とハラスメントを断固として容認しない環境を全面的に整備する重要な責任があること、並びに仕事の世界に関わる全ての当事者が、暴力とハラスメントを自制し、防止し、これに対処しなければならないことを想起し、
仕事の世界における暴力とハラスメントは、個人の精神的、身体的および性的な健康、尊厳、並びに家族及び社会環境に影響するものであることを認め、
暴力とハラスメントは、公共および民間のサービスの質にも影響し、人々、とりわけ女性が労働市場に参入し、残留し、またその中で昇進するのを妨げる可能性があることを認識し、
暴力とハラスメントは持続可能な企業の促進と相容れず、仕事の組織、職場の関係、労働者のエンゲージメント、企業の評判及び生産性に否定的な影響を与えることに留意し、
ジェンダーに基づく暴力とハラスメントは、女性と女児に不均衡な影響を与えることを認め、仕事の世界における暴力とハラスメントに終止符を打つためには、ジェンダーに基づく固定観念、複合的及び横断的形態の差別、ジェンダーに基づく不平等な力関係を含む、根本的原因及びリスク要因に対処するための、包摂的で、統合され、かつジェンダーに配慮したアプローチが必須であることを認識し、
ドメスティック・バイオレンスは、雇用、生産性、健康及び安全に影響を与え得ること、また政府、使用者団体及び労働者団体並びに労働市場に関する制度においてドメスティック・バイオレンスの影響力を認識し、他の諸措置の一環として、それに対応し及び対処するための支援を可能にすることに留意し、
会期の議事日程の第 5 議題である、仕事の世界における暴力とハラスメントに関する提案の採択を決定し、
その提案が国際条約の形式をとるべきであることを決定して、
次の条約(引用に際しては 2019年の暴力とハラスメント条約と称することができる。)を2019年6 月21日に採択する。


 I 定義

第1条
1 この条約の適用上、
(a) 仕事の世界における「暴力とハラスメント」とは、単発的か反復的なものであるかを問わず、身体的、精神的、性的又は経済的害悪を与えることを目的とした、またはそのような結果を招く若しくはその可能性のある一定の許容できない行為及び慣行またはその脅威をいい、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含む。
(b) 「ジェンダーに基づく暴力とハラスメント」とは、性またはジェンダーを理由として、直接個人に対して行われる、または特定の性若しくはジェンダーに不均衡な影響を及ぼす暴力およびハラスメントをいい、セクシュアル・ハラスメントを含む。
2 本条第1項(a)及び(b)に影響を与えることなく、国内法令においては、単ーの概念または別々の概念として定義することができる。

 II 範囲

第2条
1 この条約は、国内の法律及び慣行により定義される被用者、契約上の地位にかかわらず働く人、インターン及び見習いを含む訓練中の人、雇用が終了した労働者、ボランティア、求職者及び応募者、並びに使用者の権限、義務または責任を行使する人を含む、労働者及び仕事の世界における労働者以外の人を保護する。
2 この条約は、民間か公共か、都市におけるものか地方におけるものかを問わず、公式経済及び非公式経済の双方におけるすべての産業部門に適用する。

第3条
この条約は、仕事の過程において、または仕事に関連して若しくは起因して生じる、以下に掲げる仕事の世界における暴力とハラスメントに適用する。
(a) 仕事を行う場であって、公的及び私的な空間を含む職場
(b) 労働者が賃金を支払われる場所、休憩または食事をとる場所、若しくは労働者が利用する衛生、洗面所及び更衣設備
(c) 仕事に関係する出張、移動、訓練、行事または社会活動中
(d) 情報通信技術により可能となるものを含め、 仕事に関係する連絡を通じたもの
(e) 使用者が提供する住居、及び
(f) 往復の通勤時

III 基本原則

第4条
1 この条約を批准する加盟国は、暴力とハラスメントのない仕事の世界に対するあらゆる人の権利を尊重、促進及び実現する。
2 加盟国は、国内の法律及び事情にしたがい、かつ、代表的な使用者団体及び労働者団体と協議の上、仕事の世界における暴力とハラスメントの防止及び撤廃のための包摂的で、統合され、かつジェンダーに配慮したアプローチを採用する。そのようなアプローチは、該当する場合には、第三者が関係する暴力とハラスメントを考慮するとともに、次に掲げる事項を含むべきである。
(a) 暴力とハラスメントの法律上の禁止
(b) 関連する政策における暴力とハラスメントへの対処の確保
(c) 暴力とハラスメントを防止しこれと闘うための措置の実施に向けた包括的な戦略の採用
(d) 執行及び監視の仕組みの確立または強化
(e) 被害者の救済利用及び支援の確保
(f) 制裁の規定
(g) 必要に応じた、利用可能な形式における、手段、指針、教育及び訓練の確立並びに意識啓発、及び
(h) 労働監督機関または他の権限を有する機関 を通じたものを含め、暴力とハラスメントの事案の監督及び調査のための効果的な手段の確保
3 本条第2項に規定されるアプローチの採用及び実施にあたり、加盟国は、政府、使用者、労働者及びそれらの団体の異なる補完的な役割及び機能を、それらの責任の性質及び範囲の多様性を考慮に入れて、認識する。

第5条
仕事の世界における暴力とハラスメントを防止及び撤廃する観点から、加盟国は、労働における基本的原則及び権利、すなわち、結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認、あらゆる形態の強制労働の禁止、児童労働の実効的な廃止並びに雇用及び職業における差別の排除を尊重し、促進し、かつ実現し、またディーセント・ワークを促進する。

第6条
加盟国は、女性労働者、並びに仕事の世界における暴力とハラスメントによって不均衡に影響を受ける一または二以上の脆弱な集団または脆弱な状況に置かれている集団に属する労働者及び他の人のためのものを含む、雇用及び職業における平等及び無差別の権利を確保する法令及び政策を採用する。

 IV 保護及び防止

第7条
第1条に影響を及ぼすことなく、またこれに適合するように、加盟国は、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含む、仕事の世界における暴力とハラスメントを定義及び禁止する法令を制定する。

第8条
加盟国は、次に掲げる事項を含む、仕事における暴力とハラスメントを防止するための適切な措置をとる。
(a) 非公式経済の労働者の事案における公的機関の役割の重要性の認識
(b) 関係する使用者団体及び労働者団体との協議の上、及び他の手段を通じた、労働者及び関係する労働者以外の人が暴力とハラスメントに暴露しやすい産業部門または職種及び働き方の特定、及び
(c) かかる人々を効果的に保護する措置

第9条
加盟国は、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含む、仕事の世界における暴力とハラスメントを防止するために、使用者に対し、その支配の程度に応じた適切な措置を採るとともに、とりわけ、合理的に実行可能な範囲で、次に掲げる事項を行うことを要求する法令を採用する。
(a) 労働者及びその代表者との協議の上で、暴力とハラスメントに関する職場方針の採用及び実施
(b) 暴力とハラスメント及び関連する心理社会的リスクについての職業上の安全及び健康の管理の側面における考慮
(c) 労働者及びその代表者の参加の下での、暴力とハラスメントの危険の特定及びリスクの評価、並びにそれらを防止及び管理するための措置、及び
(d) 本条(a)で規定する方針に関連した、労働者及び他の関係者の権利及び責任を含め、特定された暴力とハラスメントの危険及びリスク、並びに関連する防止及び保護措置に関する情報及び訓練の、必要に応じた利用可能な形式での、労働者及び他の関係者に対する提供

 V 執行及び救済

第10条
加盟国は、次に掲げる事項のための適切な措置を行う。
(a) 仕事の世界における暴力とハラスメントに関する国内法令の監視及び執行
(b) 次に掲げるような、仕事の世界における暴力とハラスメントの事案における、適切かつ効果的な救済の容易な利用並びに安全、公正かつ効果的な通報及び紛争解決の制度と手続きの確保
(i) 申立及び調査手続、並びに適当な場合における、職場レベルの紛争解決制度
(ii) 職場外の紛争解決制度
(iii) 裁判所または裁決機関
(iv) 申立人、被害者、証人及び通報者に対する加害または報復からの保護、及び
(v) 申立人及び被害者のための法的、社会的、医療的及び行政的支援制度
(c) 可能な範囲かつ適当な場合には、関係者となった個人のプライパシーの保護及び秘密保持、並びにプラ イバシー及び秘密に関する要請が悪用されないことの確保
(d) 適切な場合における、仕事の世界における暴力とハラスメントの事案における制裁の規定
(e) 仕事の世界におけるジェンダーに基づく暴力とハラスメントの被害者が利用できる、ジェンダーに配慮した安全かつ効果的な申立及び紛争解決の制度、支援、サービス及び救済の提供
(f) ドメスティック・バイオレンスの影響の認識、及び合理的に実行可能な範囲での仕事の世界における影響の緩和
(g) 労働者が、暴力とハラスメントにより生命、健康または安全に緊急かつ重大な危険があると信ずるに足りる合理的な根拠がある仕事の状況から、報復若しくは不当な結果を被ることなく、また管理者にこれを報告する義務を負うことなく離脱する権利の確保、及び
(h) 労働監督官及び他の関連する機関が、適当な場合には、法律によって定められることのある司法機関または行政機関に対するあらゆる上訴権に服する、即時の強制力のある措置を要求する命令、及び生命、健康または安全への差し迫った危険がある場合に仕事を停止させる命令を発することを含む、仕事の世界における暴力とハラスメントに対処するための権限が与えられていることの確保

 VI 指針、訓練及び意識啓発

第11条
各加盟国は、代表的な使用者団体及び労働者団体と協議の上、次に掲げる事項を確保する。
(a) 職業上の安全及び健康、平等及び無差別並びに移民に関する政策を含め、関連する国内政策における仕事の世界における暴力とハラスメントへの対処
(b) ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含む、仕事の世界における暴力とハラスメントに関する指針、資源、訓練または他の手段の、必要に応じた利用可能な形式における、使用者、労働者、それらの団体及び関係機関への提供、及び
(c) 意識啓発キャンペーンを含む取組みの実施

 VII 適用手段

 第12条
この条約の規定は、国内法令または労働協約によって、また暴力とハラスメントを対象に含めるための既存の職業上の安全及び健康上の措置の拡大若しくは適合及び必要な場合には特別の措置の策定によることを含む、国内慣行に適合する他の方法により適用される。

 VIII 最終条項

 第13条
この条約の正式な批准は、登録のため国際労働事務局長に通知する。

 第14条
1 この条約は、加盟国であって自国による批准が国際労働事務局長に登録されたもののみを拘束する。
2 この条約は、二の加盟国の批准が事務局長に登録された日の後12か月で効力を生ずる。
3 この条約は、その効力が生じた後は、いずれの加盟国についても、自国による批准が登録された日の後12か月で効力を生じる。

 第15条
1 この条約を批准した加盟国は、この条約が最初に効力を生じた日から10年を経過した後は、登録のため国際労働事務局長に通知する文書によってこの条約を廃棄することができる。廃棄は、登録された日の後1年間は効力を生じない。
2 この条約を批准した加盟国であって1項に規定する10年の期間が満了した後1年以内に本条に定める廃棄の権利を行使しないものは、更に10年間拘束を受けるものとし、その後は、新たな10年の期間の最初の年に、本条に定める条件にしたがってこの条約を廃棄することができる。

 第16条
1 国際労働事務局長は、国際労働機関の加盟国から通知を受けたすべての批准及び廃棄の登録についてすべての加盟国に通告する。
2 国際労働事務局長は、通知を受けた2番目の批准の登録について加盟国に通報する際
に、この条約が効力を生じる日につき加盟国の注意を喚起する。

 第17条
国際労働事務局長は、国際連合憲章第102条の規定による登録のため、前諸条の規程にしたがって登録されたすべての批准及び廃棄の完全な明細を国際連合事務総長に通知する。

 第18条
国際労働機関の理事会は、必要と認めるときは、この条約の運用に関する報告を総会に提出するものとし、また、この条約の全部または一部の改正に関する問題を総会の議事日程に加えることの可否を検討する。

 第19条
1 総会が、この条約を改正する条約を新たに採択する場合には、その改正条約に別段の規
定がない限り、
(a) 加盟国によるその改正条約の批准は、その改正条約が自国について効力を生じたときは、第15条の規定にかかわらず、当然にこの条約の即時の廃棄を伴い、
(b) この条約は、その改正条約が効力を生ずる日に加盟国による批准のための開放を終了する。
2 この条約は、これを批准した加盟国であって1項の改正条約を批准していないものについては、いかなる場合にも、その現在の形式及び内容で引き続き効力を有する。

 第20条
この条約の英文及びフランス文は、ひとしく正文とする。
 

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アジアの労働者が日本で働いてくれなくなる日 少子化が急速に進むベトナム
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57899
2019.10.15(火)川島 博之

〔写真〕ベトナム・ホーチミンの夜景(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)

 ベトナムは「労働研修生」などという言葉と共に思い浮かぶ国である。現在、日本に滞在するベトナム人は約33万人。その数は中国、韓国についで多く、近年急速に増加している。
ベトナム人は真面目でよく働くと言われて、日本での評判は概して良い。多くが大乗仏教徒であり、日本での生活において宗教的な違和感が少ない。イスラム教徒が多いインドネシアなどとは異なり、食事についても特段の注意を払う必要がない。
そんなベトナムの人口構成はどうなっているのだろう。今回はベトナムの人口について調べてみた。

TFR(合計特殊出生率)が急速に低下
ベトナムの人口は現在9700万人。2040年に1億800万人になるとされる(国連人口予測)。まだ増えてはいるが、その増加率は急速に低下している。
図1に日本とベトナムにおけるTFR(合計特殊出生率)の推移を示す。1970年頃にベトナムでは1人の女性が6人から7人の子供を産んでいた。しかし、図に示すように2015〜2020年は2.06にまで低下した。

図1 ベトナムと日本のTRF(合計特殊出生率)https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/4/3/500/img_43b8d49609b29445f095b9b549519ddb38027.jpg
2020年以降は中位推計(出典:国連人口予測)

 なぜ、TFRがこのように急速に低下したのであろうか。1つの理由として1988年に導入した「二人っ子政策」がある。人口爆発を危惧したベトナム政府は人口抑制政策をとった。しかし、中国でもそうであったが、人口抑制政策を始める前にTFRは減少し始めていた。
図1には参考のためにタイのTFRについても示した。二人っ子政策を行わなかったタイでも、TFRはベトナムに似た形で低下している。タイの2015〜2020年のTFRは1.53である。同時期の日本は1.37だから、タイでは日本並みに少子化が進行している。
ベトナムのTFRはタイほど低下することなく2.0程度で底を打ったように見える。この傾向を受けて、国連はベトナムのTFRは今後も2.0程度で推移するとしている。

変化するベトナム人の価値観
だが、ベトナムのTFRは本当に底を打ったのだろうか。
ベトナムでは二人っ子政策は廃止された。そもそもベトナムの二人っ子政策は、公務員が3人目の子供をつくると左遷や減給の対象になる程度で、法的な拘束力はなかった。これまでのところベトナム人は概して早婚で、家族を大事にする伝統があるために、結婚してすぐに子供をつくっていた。しかし、当地に滞在していると、そのような傾向がこれからも続くとは限らないと感じる。
中国で一人っ子政策を緩和してもTFRが向上しないように、ベトナムでも経済発展に伴って、TFRが今より低下する可能性が高い。それはハノイやホーチミンなど大都市で働く高学歴の女性がなかなか結婚しないケースが増えてきているからだ。
アジアはコメを作ってきた。コメ作には多くの労働力を必要とする。そんな農村では労働力や後継を確保する必要があったために、「女は早く結婚して、子供をたくさん持つことが幸せ」との考えが支配的であった。20世紀に入って農村でも衛生状況が改善され、医療が普及すると、幼児死亡率が減少した。これが人口爆発を招いた。
しかし、そんなアジアの国でも経済発展が始まると社会は大きく変貌する。人口の都市への移動が始まる。若い女性が働き場所を求めて都市部に移り始める。そうなるとTFRは急速に低下する。これはわが国では年号が昭和になった頃に始まった現象である。ベトナムでも同様の現象が生じている。

 このように考えると、ベトナムのTFRが今後も2.0付近で推移する保証はどこにもない。ベトナムもタイや日本と同様に少子化に悩む日が、遠からず訪れる。

ますます減少する若年層
図2に2020年におけるベトナムの人口構成を示す。ベトナムの人口構成はちょっと変な形をしている。これは1986年に始まった「ドイモイ」と呼ばれる経済改革が1990年代に入って軌道に乗り、若者が都市に移動し始めたからである。その結果、1990年代生まれが少ない。

図2 2020年のベトナム(縦軸5歳刻み、横軸の単位は1000人)https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/a/6/600m/img_a6679edfdadce32f14fb01b13d54e45a47020.jpg

 しかし1980年代に生まれた人が多かったために、団塊ジュニアとも言える現在0歳から10歳に相当する層が多い。今後は親となる世代が減少することから、新生児の数も減少する。それは図3に示す2040年の人口構成を見るとよく分かる。ベトナムも日本のように団塊世代と団塊ジュニアが出現する。

図3 2040年のベトナム(中位推計による予測)https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/4/7/600m/img_471cf1d51684a0172eb105b527a2915055109.jpg

これはTFRが中位推計で推移することを前提にしているが(注:推計は高位、中位、低位のそれぞれのパターンで推移することを想定して行う)、これまで述べたように、今後TFRは、より低下する可能性が高い。その結果、0歳から20歳の層は、この図に見られる以上に減少するだろう。

アジアから日本に来る労働者はいなくなる?
1990年代からベトナムでは順調な経済成長が続いている。現在の1人当たりGDPは2700ドル程度とされているが、推定法に問題があったとして現在校訂中である。新たに公表されるGDPは3000ドルを超えると言われる。
現在のベトナムは1970年頃の日本に相当しよう。そこら中で土木工事が行われている。このような状態が続けば、2030年頃には1人当たりのGDPは1万ドル近辺になろう。それは現在のマレーシアの水準であり、先進国の入り口に差し掛かるといっても良い。
ここで考えなければならないのは、日本の労働者の受け入れ政策である。一昔前には韓国から大勢の人が働きに来ていた。しかし、現在では飲み屋やコンビニで韓国人を見かけることはなくなった。いつしか中国人に変わり、その中国人も現在減少している。それは急速に経済が成長しているからであり、ベトナムについても韓国や中国と同じことが言えよう。
文化が似ているアジアから労働者を受け入れることができる時間は、あと20年ほどと考えていた方がよい。早ければ10年後には、「日本に来てほしい」と言ってもアジアから日本に来る労働者はいなくなってしまう。ここには示さなかったが、インドネシアなどもベトナムとそれほど変わらない状況にあるからだ。

 アジアの人に日本語を覚えてもらって、介護の手伝いをしてほしい。だが、それは虫のいい話である。あと10年もすればベトナムをはじめとするアジアの国々は少子高齢化社会の入り口に立つ。そうなれば日本の老人の世話をする余裕などなくなる。
どうも、この頃の日本の政策は国家100年の計を考える視点に欠ける。10年程度しか有効でない政策ばかり考えている。目先のことしか考えられない。それは日本社会が本当に老い始めたからなのかも知れない。 

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高齢者の安全対策で助成金|「ちょっと言わせて」
https://note.mu/rodoshimbun/n/n5379627d75dd
労働新聞社 〜経営、人事・労務の専門情報紙〜
2019/10/15 16:59

厚生労働省では今年度、高齢者の特性に配慮した安全衛生対策を行う中小企業を対象にした助成金を新たに創設することになりました。
令和2年度予算概算要求に盛り込まれたもので、「高齢者の特性に配慮した安全衛生対策を行う企業への支援」という実に分かりやすい名称です。
段差をなくすためのスロープや手すりの設置、滑りにくい床への整備の取組み、腰痛予防のためのトレーニングの実施、体操の講習会の開催などハード、ソフト面での対策を支援するもので、1件当たり最大100万円(補助率2分の1)を上限に支給すると考えられています。

いわずもがな、わが国は少子高齢化社会となりました。
労働力人口が減少していくなかで経済を維持していくには、国内の若者以外に頼らざるを得ません。
具体的には、高齢者、女性、外国人の活躍が期待されていますが、とりわけ高齢者は今まで培ってきたスキルを生かせることから、大きな期待が寄せられています。
その一方で、懸念されるのが加齢による身体機能の低下が原因の労働災害です。なかでも転倒災害は型別で最も多く、安全対策上の大きな課題になっています。
どんな人でも年齢を重ねると、ちょっとした段差やつまずきで転ぶことが多くなります。
産業現場では問題は深刻化しており骨折はもちろん、頭を打ったことにより死亡災害となった事案も報告されています。
新しい助成金は、今後ますます増えていく高齢労働者に対し支援を厚くするもので、効果が期待されます。
今号、特集2でも紹介しているビルメンテナンス業は、特に高齢化が進んでいる産業。
アウトリガー付きの脚立や耐滑性のある靴の使用など改善活動が進んでいますが、助成金の創設は心強いことでしょう。
安全スタッフ編集長 高野健一
 

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公共部門正規職転換どこまできたか

毎日労働News 編集部 承認2019.09.27 08:00

http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=160660

(W)韓国では、公共部門の非正規職の正規職転換が文在寅政府の基本方針として実施されてきました。毎日労働Newsに著名な論者がその評価をめぐる意見を述べています。注目すべき内容だと思い、試訳してみました。試訳文責・脇田滋。

 文在寅大統領は、就任後初めての訪問地として仁川国際空港を選択し、公共部門非正規労働者に会った。非正規職ゼロ時代を開くと言った。政府は、1段階から3段階まで正規職転換計画を立てて時刻表を作って推進した。転換対象者の絶対多数が正規職になったという自画自賛もあるが、転換排除や子会社をめぐる論議が絶えない。文在寅政府が任期折返し点を回っている。公共部門正規職転換、どこまで来て、どこへ行かなければならないのだろうか。

困惑している政府 政策で転落したようだ

イ・ビョンフン中央大教授(社会学)

 公共部門非正規職の正規職転換政策を文在寅政府が初めて試みたわけではない。参加政府はもちろん、李明博・朴槿恵政権でも非正規職問題に対応する政策の一つとして公共部門の正規職転換カードを書いた。文在寅政府は、大統領が強い意志を見せてガイドラインとして以前の政府より転換対象の幅を拡大した点で前向きな側面が明確にある。ただ、履行のための条件を事前に緻密に準備できずに推進して見たら、各種の問題が発生した。公務職と無期契約職が過去より多く量産されて処遇改善問題が膨らみ、子会社に関連した葛藤〔=対立〕も出てきている。

 公共部門における正規職転換を民間に拡散するという計画も全く進行されずにいる。政権の序盤期、不法派遣のような民間部門で発生した事件を中心に雇用労働部が介入する象徴的な姿があることはあった。ところが、前任の金榮珠長官が推進した、このような姿は今の労働部に探してみることが難しい。準備できずに推進して見たら、正規職転換が政府としては困惑する政策イッシュー〔課題〕に転落しているように思う。公共部門民間委託の正規職転換は、労働政策の全般的基調が後退してうやむやになった。12段階政策のような強力な推進を期待することが難しいならば、民間委託が無分別に拡散することを防いで、処遇を改善をする方式の政策が必要である。公共部門正規職転換政策全般について惜しまれると表現・評価するだけでは現れた問題点が少なくない。 

転換以後、公共部門労使関係・人事管理総合計画樹立必要

ノ・グァンピョ韓国労働社会研究所所長

  文在寅政府の労働政策は、公共部門非正規職の正規職化から出発し、この政策は労働界と国民から大きなく共鳴〔호응, 呼応〕された。ところで最近、韓国道路公社と韓国鉄道公社の非正規労働者たちの闘争で、政府の政策は非難の対象になっている。過去2年間、推進された正規職化事業(20196月末基準)で公共部門正規職転換対象のうち90.1%である185千人の正規職転換が決定され、この中の84.9%である157千人が実際に正規職に転換された。したがって、政府の正規職化政策は規模や推進状況を見るとき成功的といえる。公共部門で約20万人の非正規労働者たちが正規職に転換されて雇用不安から抜け出し、不足はあるが処遇も改善された。だが、一部子会社転換事業場の否定的な事例は、政府の政策意志を傷つけて効果性を落としている。尻尾が胴を揺さぶることを防がなければならない。この政策の最終目標は、民間部門の非正規職濫用規制と差別緩和にある。公共部門非正規職政策が民間部門の呼び水にならなければならない。政府はいまや転換された労働者たちの処遇改善・人事管理・団体交渉方案に対する総合計画を樹立しなければならない。

子会社運営関連の統一的指針作らなければならない

チョン・フンジュン韓国労働研究院副研究委員

  現在、進行中の3段階である民間委託事務正規職化の場合、生活廃棄物・電算メンテナンス・コールセンターは、特別な理由がなければ正規職に転換しなければならない。上水道検針は、1段階に分類され無条件に正規職に転換しなければならない。これだけでも規模がかなり多い。だが、個別機関がとても消極的ということが問題である。上水道検針と生活廃棄物は地方自治体所管であるが、びくとも動かない。労働部が地方自治体を管掌できないから、行政安全部とともに総合的対策を作って最後まで整備しなければならない(챙겨야 한다)。

 公共部門非正規職正規職転換で最も大きな問題は子会社であろう。子会社に転換して用役会社〔용역회사, 人材供給下請〕のようにしないために、昨年12月、政府合同で出したのが「望ましい子会社運営モデル案」である。だが、実行されないままである。政府が各機関に対して特にどのようにするという言葉がない。これだから子会社労働者は当初の約束と違う、数ヶ月過ぎて見ると、用役会社のようだ。直接雇用より駄目だという認識をすることになる。子会社運営と関連して統一的な指針が必要である。本当に用役会社のようになれば、正規職転換の意味が毀損される。

 最後に、非正規職正規職化規模も重要だが、雇用の質と持続可能性が重要である。正規職転換したが、また非正規職を採用して〔뽑다, 選んで〕はならない。正規職に転換された労働者に対する処遇改善と元・下請交渉のような措置が必要である。

公共機関が率先して危険・死の外注化問題 解決せよ

 イ・サンユン労働健康連帯代表

  外注化は、労働者安全と健康の危険を高める。私たちは様々な死亡事故を通じて危険の外注化、死の外注化がどんなに残酷な結果を産むのか、既によく知っている。ある事業場内の特定業務が外注化されて様々な業者が存在するとき、業務が分離されてコミュニケーション問題が発生して事故の危険が高まる。外注業者労働者は、請負業者の物理的環境、業務進行慣行、組織文化などになじまず、危険を知ることもできないまま働くことになる。多数の外注企業等は、労働力供給業者、人材派遣業者水準を越えない場合が多く、労働者の健康、安全管理能力がなく労働者たちを危険に放置する。労働者たちを死ぬことに追い込んでいる外注化問題を今こそ解決しなければならない。外注業者の力量を向上させることでは解決しない。請負業者が子会社を作って子会社の正規職として雇用するが、労働者の健康、安全問題解決には役に立たない。いくら子会社でも「業者」が違えば、業務分離化、コミュニケーション断絶、管理の非効率性などの問題は解決されないからである。今まで韓国の公共機関も競争導入、経営効率化という名目で多くの業務が外注化された。いまや問題解決のために公共機関が模範を示すときである。危険の外注化、死の外注化の行列を断ち切るために公共機関が「望ましい使用者」として自身の役割を尽くさなければならない。公共機関事業場で働く、すべての労働者の生命と健康を保障することは、そのような役割の中で最も基本的なものである。

直接雇用で外注化の弊害を正そう

キム・チョル社会公共研究院先任研究委員

 民主労総が、この7月、公共部門非正規職ゼネストなど強力な共闘を通じて正しくなされた正規職転換を要求したのにもかかわらず、政府はこれに対する明確な措置を全く取らないまま公共部門正規職転換政策を終えようとしている。だが、派遣・用役労働者の正規職転換1段階は、まだ36.6%が未完了の状況で、転換決定された場合も、公共機関だけ確かめてみれば子会社転換人員が56.2%である。今でもガス公社・発電会社・政府出資機関など、数多くの公共機関が使用者の子会社への固執で膠着状態に陥っていて、正規職転換がなされた以後にも依然として差別問題が解消されないでいることは皆が知っている。さらに、民間委託の正規職転換は推進さえされなくなっている。労働界も序盤には、正規職転換が正規職と非正規職すべての課題だったが、今は非正規職転換単位だけの問題に転落した感じがある。

 これを解決するために、まず正規職転換1・2段階の場合、年内に転換が終えられるように労政間の交渉を進める必要がある。正規職労組は賃金・団体協約に正規職転換を含んで年内に差別のない直接雇用のために共同するという点を明確にしなければならない。また、ソウル大病院派遣・用役非正規職の直接雇用合意が示したように、子会社方式正規職転換でない元・下請構造をなくす直接雇用を通じて外注化の弊害を根本的に解決しなければならない。もちろん転換労働者の場合、最大限に既存正規職と差別のない労働条件を適用しなければならない。

編集部labortoday

【関連文献】
脇田滋(2018)「韓国における国・自治体の非正規職問題」KOKKO32号 https://bit.ly/2li87wt

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役所の無責任・非効率に憤る30歳公務員の嘆き
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191014-00304636-toyo-soci
2019/10/14(月) 5:30配信東洋経済オンライン

役所の無責任・非効率に憤る30歳公務員の嘆き

市役所勤めといっても、長時間労働や改善されることない業務の非効率などが横行し、過酷な労働環境に憤りを感じているという藤田正樹さん(筆者撮影)
孤独死やうつ病、リストラなど中年を取り巻く問題はメディアでも毎週のように取り沙汰される。しかし、苦しいのは中年だけじゃない。10代、20代の死因の最たるものが自殺である事実が示すように、「生きづらさ」を抱えているのは若い世代も同じだ。本連載ではライターの吉川ばんびが、現代の若者を悩ます「生きづらさの正体」について迫る。

 「とにかく人手が足りません。給与が安いので人が集まらないですし、ただでさえ人員が少ないのに、作業効率の悪い働き方が常態化しているんです」

 地方公務員の藤田正樹さん(仮名・30歳)は、自身の職場環境について苦言を呈した。

 藤田さんは大学院を卒業後、正規職員の技術採用枠で市役所へ入所。その後、部署異動もないまま今年で3年目を迎えた。現在の主な仕事内容は、「厚労省が提示した条件」に該当する特定の家庭や事業所へ訪問し、住民の任意のもとにインフラ設備の改修工事を行うことだ。費用はすべて公共料金で賄われるので、住民が負担することはない。

 とはいえ、改修工事の際には住民に立ち会ってもらう必要があり、一時的にライフラインが使えなくなることから、住民からの反発もしばしばあるという。また、改修工事には強制力はなく、該当の住居一軒一軒に事情を説明して同意を得るのは、かなり地道で骨が折れる作業だ。

■役所でも「不正打刻」が蔓延

 忙しい時期だと、22時頃までの残業が2〜3カ月続くこともある。基本的に、担当しているエリアの業務はすべて1人で行うことになっているという。慢性的な人員不足により、それぞれが「自分にしかわからない仕事」を膨大に抱えているためだ。

 属人的な業務がほとんどなので、部署内で仕事をまんべんなく分担しようにも、引き継ぎをする時間も、コストも足りない。業務の効率化うんぬんよりも、とにかく今ある仕事をさばくために、手を動かし続けるしかないのだ。

 藤田さん曰(いわ)く「残業は22時まで」というのは、実は表向きの決まりであるそうだ。22時以降になると給与形態が切り替わるため、タイムカードは必ずそれまでに打刻するよう、上から指示されているのだという。

 定時にタイムカードを押した後にサービス残業をさせる「不正打刻」は、民間企業でも広く横行している問題だ。私自身、会社員時代に残業時間の調整のため、不正打刻を強要された経験がある。けれども、行政機関でも同じようなことが堂々と行われているというのは、少々意外であった。

 「実際は、何時頃まで残業をしていたのですか」と聞くと、藤田さんは「いやあ、23時頃には退勤してましたし、終電を逃すようなことはありませんでしたから。激務の会社に勤めている友人たちに比べると、大したことないです」と笑った。それから、「でも」とこう付け加えた。

 「1人きりで毎日遅くまで残業していた時期は、いろいろ思うことはありました。比較的早い時間に帰れるのが、公務員の魅力だと思っていたので……」

■まるでサウナ…真夏の過酷な労働環境

 藤田さんは謙遜していたが、一般的に、繁忙期とはいえ22時や23時までの残業が連日、しかも数カ月にわたって続くのは、決して「健全な労働環境」だと言えないだろう。実際、中には無理がたたって精神を病んでしまう人もいたという。担当している案件で何か問題が起これば、責任が自分1人に降りかかる分、プレッシャーもかなり大きい。

 公的組織の性質なのか、とにかく責任の所在を事前に明らかにしたがる傾向にある。何かするためには、いちいち書面にサインをして「誰がOKを出した、誰が発議した」と証拠を残さなければならない。万が一不都合や問題が発生した際は、書面に名前が書かれている人間が責任を負う、というわけだ。

 定時の17時半になると、サーバールームを除く市役所の全館で、空調設備の電源が自動的に落とされる。職員が自由に操作できるものではないため、とくに真夏は、まるでサウナのような室内での作業を余儀なくされている。

 例外的に、気温が35℃を上回ったときだけ冷房の使用が許可されるが、「35℃を超えた時点」でしか申請ができないシステムとなっており、なおかつ許可が下りるまでタイムラグがあるので、すぐに冷房が使えるわけではない。申請から2〜3時間経って、ようやく冷房がオンになるということも多い。当然、そんな過酷な環境下では、残業中に熱中症で倒れる人も続出する。

 藤田さんは「これが大活躍してます」と、私に電池式のミニ扇風機を見せてくれた。ないよりはマシ、なのかもしれないが、室温が高い中でミニ扇風機を使用しても生ぬるい風に当たることしかできず、きっと気休め程度にしかならないだろう。

 保冷剤を扇風機に取り付けて空気を冷やすという手も思いついたが、そもそも保冷剤を冷やしておける設備もないので、これは使えなさそうだ。職員がこのような環境で働かざるをえない背景には、「厳しい市民の目」があった。

 市役所などの行政機関には、市民から「どこにいくら税金が使われているのか」を問われた際に、開示する義務がある。電気代1つを取っても「今月は電気を○Kw(キロワット)使用した」と説明する必要があるため、市民に「税金の無駄遣いだ」と言われかねない使い方はできない。だからこそ、上層部は残業時に空調設備を使用することを嫌がるというわけだ。

■「俺たちが払っている税金で…」

 そこまでしなくても、と思うが、実際にこうしたクレームを入れる市民は存在するようだ。

 藤田さんは「年齢で人をくくることはできないと思うのですが」と前置きをしたうえで、「俺たちが払っている税金で……」という内容の苦情は40代以上の人から寄せられることが圧倒的に多い、と話した。

 藤田さんは業務上、窓口ではなく訪問先での対応がほとんどであるため、作業中に「どうせ涼しいところで仕事しているんだろう」「大した仕事してないくせに」などといった言葉を投げかけられることも多い。どんなに腹が立っても、怒ることはできない。

 ときに、「藤田さん個人」に向けた攻撃を受けることもある。感情を殺して笑顔で対応するようにしているが、藤田さんの左手の結婚指輪を見た市民から「お前みたいなやつが結婚しているのか」と罵声を浴びせられたことは、今でも傷になって心の中に残っているという。

 また、外回りをしている際は作業着に市役所の紋章が入ったバッジを身に着けているので、職員たちはつねに市民の目を気にしなくてはならない。移動中、自動販売機で飲み物を買っただけで、市役所にクレームの電話が入る。昼休憩中に飲食店に入るなんて、もってのほかだ。

 どうしても外で昼食をとらなければならないときは、コンビニで人目を気にしながら、急いで買い物を済ませる。それ以外は、コンビニにもほとんど立ち寄ることはできない。上司からは「市民の目に付くような行動は慎んでほしい」と言われるだけだったという。

 「おそらく、そういう人たちの中では『公務員像』が歪んでいるんだと思います。僕たちにも国民の義務があるので、みなさんと同じように働いて、税金を納めています。僕たちだって生きている人間なのに、この仕事に就いてから、そう思わない人たちもたくさんいるんだと知りました」

 終始、穏やかでやわらかかった藤田さんの口調が、このとき一瞬だけ、少しだけ強くなったように思った。

■公務員の働き方は「ぬるま湯」

 一方で、藤田さんは公務員の働き方については「ぬるま湯にどっぷり浸かっているようなもので、生産的でない人が多いと感じる。効率化を促すために制度を変えていくべきだ」と厳しく指摘する。

 公務員が「安定している職業」だと言われるのは、平たく言えば、リストラされる心配がないためだ。死に物狂いで働いても、何もしなかったとしても給料は変わらず、よほどの問題を起こさないかぎり懲戒処分になることはない。組織が潰れる心配もなく、目標も設定されないため、職員のモチベーションにはばらつきがあるという。

 「行政はとにかく変化を嫌うので、いまだに書面やハンコ文化に依存しています。せめて、役所内の仕事をスムーズにするためにシステムを導入してくれれば、業務量は圧倒的に減るはずなんですが……」

 新たなシステムを導入すれば仕事が効率化するかもしれないが、自治体の「収入」が増えるわけではない。そのため、上としては変革に対して後ろ向きで、予算をかけたがらないのが現実だ。

 また、短いスパンで突然人事異動が行われるので、システムを理解している担当者がまったく違う場所に異動になれば、引き継ぎができない可能性もある。行政がいつまでも非生産的で古い慣習を若者たちに押し付け続けるのには、こうした事情があるようだ。

■なぜ「非生産的な体制」が続く? 

 公務員・会社員を問わず、当たり前のように受け継がれている業務内容に対して「無駄が多すぎる」と感じている若者は決して少なくないだろう。日本は今、少子高齢化の一途をたどっている。長時間労働が社会問題になる一方で、労働生産性は非常に低く、G7では1970年から現在まで48年連続で最下位を維持しているのだ(公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2018」)。

 今回取材を受けてくれた理由について、藤田さんは「これから新卒で入ってくる人には、僕たちと同じような思いをしてほしくないんです」と話してくれた。

 組織の体制が変わることに不安を覚える人や、異論を唱える人は多い。「これまで自分たちが組織を作り上げてきた方法は間違っていない」という自負はもちろん、体制を変えたことで起こるかもしれない問題に対して、誰も責任を取りたくないのだ。

 しかし、こうした上層部の「見て見ぬふり」は必ず組織の下層部、つまり若者たちにしわ寄せが行く。藤田さんのように、しわ寄せをくらった若者から「効率化」を目指す声が上がり始めるいま、非生産的な体制に依存する組織は、次第に淘汰されていくのではないか。

吉川 ばんび :フリーライター
 

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