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情報資料室 - 「あす入管に連れて行く」外国人実習生、制度変更の余波

「あす入管に連れて行く」外国人実習生、制度変更の余波

2017/12/26 17:15
朝日DIGITAL 2017年12月25日

https://digital.asahi.com/articles/ASKDH51Z5KDHULFA01C.html

ベトナム人実習生が支援団体に相談したやりとりの一部。この後、突然荷物をまとめるよう社長から通告されたという

 劣悪な労働環境への批判が絶えない外国人技能実習生の保護強化策を盛り込んだ技能実習適正化法が先月施行されたが、制度変更のあおりでビザの更新ができない実習生が出るという皮肉な事態が起きている。受け入れ先の監理団体のずさんな対応が主な原因。帰国を余儀なくされた実習生もいる。

 「明日、組合が入国管理局に連れて行くから、荷物をまとめておくように」

 12月初旬、関西地方の繊維会社で実習生として働く20代のベトナム人女性は、社長から突然こう切り出された。実習生ビザの期限が切れる直前だった。

 日本に来て約2年。来年も働き続けるつもりで、ビザ更新の申請書類を11月に渡していた。何度理由を聞いても、社長は「ビザの手続きができなかったら、そのまま帰国することになる」と言うだけだった。

 技能実習制度では、主に事業協同組合や商工会が監理団体として実習生を受け入れ、中小・零細企業で実習させるのが一般的。監理団体が届け出制だった旧制度では原則、届け出た団体は実習生ビザを更新できたが、新制度では、新設された「外国人技能実習機構」から適切な団体と認められ、実習生の受け入れを「許可」されないとビザ更新を申請できなくなった。

 機構は6月から申請を受け付け、11月に許可を出し始めたが、許可が出るまでに約3〜4カ月かかる。約1900団体が申請し、12月20日時点で1027団体が許可を受けたが、ベトナム人女性を受け入れた協同組合は実習生を受け入れる許可が出ていなかった。

 国は制度変更に伴い、11月から来年1月の間に在留期限を迎える実習生を対象に、10月末までにビザを申請すれば旧制度での更新を特例で認めていた。だが機構によると、「申請を忘れていた」などの理由で特例期間中にビザ更新を申請せず、10月までに機構に許可の申請もしなかった監理団体が数十あったという。そのあおりでビザを更新できなくなった実習生は、来年1月までに約100人にのぼるとみられる。

 法務省は11月中旬、監理団体から相談があれば、実習生に90日間の短期滞在ビザを取得できると伝えるよう全国の入国管理局に指示した。ただ、実習生は短期滞在ビザでは働けない。機構の許可がいつ出るかも分からないため、費用を抑えようと実習生を一時帰国させる監理団体が多いという。一度帰国すると、再入国できる保証はない。

 実習生を支援する愛知県労働組合総連合(愛労連)の榑松(くれまつ)佐一議長は「多額の借金をして入国している実習生が多く、ビザの更新ができないのは死活問題。最悪の場合、帰国を嫌がって失踪しかねない」と危機感を募らせる。

 愛労連には11月下旬以降、関東や関西の実習生から同様の相談が3件寄せられた。入管に掛け合って短期滞在ビザがとれたケースもあるが、一時帰国した実習生もいる。榑松氏は「監理団体や実習先の企業は責任をもって、実習生が生活できるよう対応するべきだ。国や機構もしっかり指導してほしい」と話す。(贄川俊)
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