情報資料室 - 自ら命を絶った息子「お父さんの会社、入ってよかった」

自ら命を絶った息子「お父さんの会社、入ってよかった」

2017/12/30 0:00
朝日DIGITAL 2017年12月29日

https://digital.asahi.com/articles/ASKDX7QZQKDGPTIL025.html

「大輔の死を無駄にしないでほしい。望むのはそれだけです」。亡くなった木村大輔さん(当時28)の父・孝夫さん(66)は、取材にそう声を絞り出した。

過労で命絶った28歳 訴訟を経ず遺族と会社側が和解

孝夫さん自身も長くナブコドアに勤め、大輔さんが亡くなった当時は顧問の立場にあった。「お父さんの会社、ええ会社。入ってよかった」と聞かされ、なんとなくうれしかった。

大輔さんはほどなくして結婚。2人の子が生まれ、順調に暮らしているように思っていた。しかし、亡くなる前年の夏ごろから大型商業施設担当となり、多忙に。帰宅は深夜で、休日出勤も続いた。材料入荷が遅れるトラブルが起きたこともあり、家族に「だるい」「しんどい」と口にすることが多くなったという。

大輔さんの死から数日後、会社が遺族に示した報告書には、大輔さんについて「大型物件を担当すると失敗する」「任せる仕事はレベルに応じたものにしたつもり」などとする上司の言葉が引用されていた。孝夫さんは「十分な支援もなく20件以上の現場を任せ、さらに本人の能力のせいにするような言葉に憤りを感じた」と振り返る。

ナブコドアの労働組合にも過重労働問題への対応を尋ねたが、委員長代行名の謝罪の手紙が届いたものの、確たる返答はないという。朝日新聞は労組に取材を申し入れたが、関係者は「組合として受け止め、色々やっているが、(外部に)お話しするようなことではない」と話した。

孝夫さんは「交渉の末に会社と合意に至り、ほっとする気持ちが半分、それでも悔しい思いが半分」と語り、涙をにじませた。「親として最後にできることはやり尽くした。後は、会社がきちんと約束を果たしていくのかを見届けたい」(阪本輝昭、荻原千明)
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