情報資料室 - 絶句… “意識低い系国家ニッポン”の実態、14カ国比較調査の衝撃的な内容とは? (10/2)

絶句… “意識低い系国家ニッポン”の実態、14カ国比較調査の衝撃的な内容とは? (10/2)

2019/10/2 14:53

絶句… “意識低い系国家ニッポン”の実態、14カ国比較調査の衝撃的な内容とは?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191002-00037020-biz_plus-bus_all&p=1
2019/10/2(水) 7:10配信 ビジネス+IT

絶句… “意識低い系国家ニッポン”の実態、14カ国比較調査の衝撃的な内容とは?
日本のビジネスパーソンはやる気がない? その背景にある原因とは(Photo/Getty Images)

 パーソル総合研究所が行った、ビジネスパーソンの意識調査が「衝撃的な内容だ」と話題になっている。諸外国と比較して、日本人の仕事に対する意識があまりにも低いという結果が出ているのだが、これは何が原因だろうか。

【詳細な図や写真】(出典:パーソル総合研究所「APACの就業実態・成長意識調査(2019年)」)
https://www.sbbit.jp/article/cont1/37020#image66613

●「管理職になりたい」意思が突出して低い

 人材大手パーソルグループの調査会社パーソル総合研究所は2019年8月27日、アジア太平洋地域における就業意識調査の結果を発表した。日本人ビジネスパーソンは、あらゆる面において仕事に対する意識が最下位という衝撃的な内容であり、日本が直面している厳しい現実を浮き彫りにする結果となった。

 この調査は、アジア太平洋地域で働くビジネスパーソンを対象としたもので、国ごとに1000人を抽出して行われた。主な調査項目には、上昇志向、学習、ダイバーシティ(職場における多様性)、転職などがある。

 まず上昇志向についてだが、日本人ビジネスパーソンの中で「管理職になりたい」と考える人の割合は21.4%となっており、14カ国中最も低かった。「会社で出世したいか」という似たような質問項目でも、日本は最下位となっている。


一般に、仕事に対する意識調査では、成長著しい新興国ほど前向きになり、成熟した先進国は結果が低めに出ることが多い。本調査でも、その傾向ははっきり見て取ることができ、日本の次に出世意欲が低かったのはニュージーランド、次いでオーストラリア、シンガポール、香港、台湾と続いている。1位となったのはインド、2位はベトナムなので、新興国ほど前向きになるというのはほぼ間違いないだろう。

 だが注目すべきなのは順位ではなく数値である。

 日本人の中で管理職になりたいと考える人の割合は21.4%と述べたが、ニュージーランドにおいて同様に考える人の割合は41.2%と日本の2倍近くもある。日本の14位とニュージーランドの13位は、順位的には近いかもしれないが、数値には相当な開きがあるのだ。


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●ほとんど学習しない日本人

 自己研さんについても、かなりショッキングな結果となっている。勤務先以外での学習や自己啓発について「何も行っていない」という人の割合は、日本人は46.3%となっており、各国の中で断トツに高い。何も行っていないという人の割合が高めだったオーストラリアやニュージーランドでも20%台なので、ここでも日本人だけが突出した状況となっている。


日本人の学習意欲が低いことは、ほかの調査結果からも明らかなので、ほぼ間違いないと思って良いだろう。一部からは、企業内での研修が充実しているので学習する必要がないという反論も聞こえてくるが、この話も事実ではない。

 労働経済白書によると日本企業における人的資本への投資はマイナスが続いている。2006年から2010年にかけて、米国は平均3%、ドイツは2%程度の人的資本投資の増加率があったが、日本はマイナス10%と教育投資を大きく減らしている。企業内で学べているので問題はない、という議論はまったく成立しない。

 調査対象となったビジネスパーソンの属性について見てみると、日本人の正社員比率は47.3%と他国に比べてかなり低い。平均年齢は44.4歳と他国とほぼ同じだったが、既婚率は55%と異様に低い。


日本では正社員と非正規社員との間には大きな断絶があり、職場の環境や賃金があまりにも違い過ぎる。現実問題として、日本において非正規社員として就業してしまうと、昇進や昇給の見込みがほとんどゼロという状況になるため、仕事に対する意欲は高まりにくい。

 この調査はサンプル調査なのだが、日本の非正規社員比率が高く出ているということは、いわゆるホワイトカラーの職場においても、相当な数の非正規社員が働いていることを意味している。

 諸外国の場合、日本の非正規社員に相当する契約で働く人たちは、あくまで補助的な作業か、期間限定の業務に従事している可能性が高い。だが、日本の場合、コスト削減の一貫で、仕事の内容を変えないまま契約だけ非正規に移行した人も多く、結果として仕事に対する意欲に深刻な影響を与えている。

 日本人の既婚率が低いのも賃金が安いことが原因と考えられるが、この状況で高い意欲を持てという方が難しいだろう。ちなみに日本全体では非正規労働者の数は2120万人で、全従業員の約4割に相当する。

●今の職場にはいたくないのに、転職の意思は薄い

 出世について異様なまでに後ろ向きということが分かったが、今後のキャリアについてはどう考えているのだろうか。現在の勤務先で働き続けたいと考えている日本人は52.4%しかなく、やはり14カ国中最低となっている。


日本は終身雇用制度が大前提となっており、同じ会社で一生働くのが当たり前というカルチャーだったはずである。一方、諸外国に終身雇用の制度はなく、短期で仕事を変えるのが当然とされてきた。ところが、実際に働いているビジネスパーソンの意識はまるで逆ということになる。

 では日本人は転職に積極的なのかというとそうではない。ほかの会社に転職したいと考えている人の割合は25.1%しかなく、14カ国中最低で、しかも突出して低い数字である。当然のことだが、会社を辞めて起業したいという人の割合も14カ国中最低だった。


日本人は、今の会社にはいたくないと強く考えているのに、転職や独立起業には極めて後ろ向きという、分裂ぎみの回答となっている。ここまで矛盾した状況になっているのは、かなり深刻な事態ではないだろうか。職場の環境があまりにも劣悪で、キャリア形成などについて考えをめぐらす余裕すらないのかもしれない。

 ちなみに、この調査には何歳まで働きたいかという質問もあるのだが、これに対する回答だけは日本人が断トツのトップになっている(63.2歳)。言うまでもなく、将来の生活が不安なので、高齢になっても働かざるを得ないということなのだろう。


●女性上司、年下上司もいやだ? 外国人にも抵抗感…日本の多様性はここまで遅れている

 これまでのデータを見ただけでも、深いため息が出てくるが、驚愕(きょうがく)の調査結果はまだ続く。職場の多様性に関する結果を見ると、さらに重苦しい気分になるはずだ。


調査では「女性の上司のもとで働くことについて抵抗はない」「外国人と一緒に働くことに抵抗はない」「年下の上司のもとで働くことに抵抗はない」という項目が用意されているが、すべての項目において、日本人は最下位もしくは下から2番目であった。数字を見ると、特に外国人と働くことや、年下の上司のもとで働くことに対する抵抗感が極めて強いようだ。

 日本は他国に比べて職場の多様性は進んでおらず、年下の上司や外国人の同僚を経験するケースは少ないはずだ。現時点においても、勤務先に対する満足度は極めて低く、このままの状況で職場のダイバーシティが進んだ場合、さらに満足度が下がることも考えられる。これは戦慄(せんりつ)すべき事態といって良いだろう。 

 ここまでひどい結果を見せられてしまうと「文化の違いなので仕方がない」といったレベルでは到底、済ませられるものではない。日本の雇用制度、組織、キャリア形成のあり方など、あらゆる面において抜本的な見直しが必要であることを調査結果は示している。

経済評論家 加谷珪一 

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