情報資料室 - 文政権の公共部門正規雇用転換計画が目標の90%を達成 (2019/10)

文政権の公共部門正規雇用転換計画が目標の90%を達成 (2019/10)

2019/10/3 8:36

文政権の公共部門正規雇用転換計画が目標の90%を達成
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2019/10/korea_02.html?mm=1529
カテゴリー:非正規雇用、労働条件・就業環境、多様な働き方
JIL 国別労働トピック:2019年10月

文在寅政権は、公共部門で常時・持続的な業務に従事する非正規雇用労働者20万5,000人を正規雇用に転換する計画を進めている。2019年6月末現在、正規雇用への転換が決まった公共部門の非正規雇用労働者数は、目標の90.1%に当たる18万5,000人であった。正規雇用への転換に当たっては、福利厚生費支給の拡充等の処遇改善にも取組んでいる。

非正規雇用20万5,000人の正規雇用転換計画を策定
文大統領は就任3日目の2017年5月12日、仁川国際空港公社を訪問し、「任期中に公共部門の非正規雇用労働者ゼロ時代を開く」と宣言した。最大の使用者である公共部門が率先して非正規雇用問題に取り組み、その流れを民間企業に波及させることを目指していた。

雇用労働部は2017年7月20日、公共部門の非正規雇用労働者を正規雇用に転換するためのガイドラインを発表した。ガイドラインでは、常時・持続的な業務に従事する相当数の非正規雇用労働者を正規雇用、すなわち無期契約労働者に転換する方針を示した。正規雇用転換の対象となる労働者の範囲には、有期契約労働者のほか、人材派遣・請負企業労働者も含まれる。また、正規雇用に転換した無期契約労働者の処遇を改善するための対策を講じることとした。

雇用労働部は2017年10月25日、実態調査の結果に基づき、公共部門で働く非正規雇用労働者20万5,000人を2020年までに正規雇用に転換する具体的な計画を発表した。公共部門(853の公共機関)で働く非正規雇用労働者31万6,000人のうち、ガイドラインに記載された例外(育児休業の代替要員や季節雇用、60歳以上の高齢者、医者などの高度技能者、期間限定で特技などを活用する運動選手など)を除く17万5,000人(有期契約労働者7万2,000人、人材派遣・請負企業労働者10万3,000人)に、定年後の継続雇用が望ましいとされた60歳以上の清掃員・守衛3万人を加えた合計20万5,000人(64.9%)を正規雇用に転換する方針である。

計画では、正規化される非正規雇用労働者(60歳以上の清掃員・守衛を除く)17万5,000人のうち、7万4,000人(有期契約労働者5万1,000人、人材派遣・請負労働者2万3,000人)を2017年中に、残りの有期契約労働者を2018年中にそれぞれ正規雇用に転換し、残りの人材派遣・請負企業労働者を2020年の早い時期までに正規雇用に転換することとしていた。

2019年6月末までに、18万5,000人の正規雇用転換を決定
雇用労働部は、2019年6月末現在、正規雇用への転換が決まった公共部門の非正規雇用労働者数は、目標の20万5,000人の90.1%に当たると18万5,000人であったと2019年7月23日に発表した。このうち、15万7,000人は実際に正規雇用への転換が完了し、残りの2万8,000人は、派遣や請負の契約期間が残っているため、それが満了次第、正規雇用に転換される予定である。

公共部門の非正規雇用の正規雇用転換に当たっては、雇用の安定化とともに処遇改善にも取組み、福利厚生費を正規雇用と差別なく支給することにより月20万ウォン以上の賃金引き上げ効果があったという。

また、非正規雇用の採用慣行をなくしていくため、新しい人材を採用する際に必要性の有無を厳格に審査することで採用を抑制する「非正規雇用採用事前審査制」を実施することとした。2018年12月時点の調査結果によると、公共部門の862機関のうち、502機関(58.2%)がこの制度を導入し、5,400件の審査を実施したという。この制度を通じて、常時・持続的な業務に正規雇用を採用する慣行が定着していくことが期待される。

ガイドラインにおいて、非正規雇用を正規雇用に転換する方式は、直接雇用が原則であるが、派遣・請負労働者の場合、当該労働者を直接雇用する子会社を設立する方式も許容できるとされた。2019年6月末時点の転換方式は、直接雇用が大部分であったが、派遣・請負労働者を子会社方式に切り替えた機関も46(公共機関43、地方企業3)あり、当該機関で切り替えが完了した労働者数は3万人(正規雇用転換完了者全体の19%)であった。

部門別にみると、中央行政機関、自治体教育機関は99.6%が直接雇用であり、公共機関、地方企業では直接雇用の割合が61.1%(4万7,000人)、子会社方式に移行した割合が38.8%(3万人)であった。

正規雇用への転換が完了した労働者の採用方法をみると、既存の労働者がそのまま正規雇用に転換した場合が82.9%、競争採用を経て正規雇用に採用された労働者が17.1%であった。特に公共機関の場合は、競争採用の割合が24.9%と他の部門に比べて高かった。

イ・ジェガプ雇用労働部長官は、「過去2年間の公共部門の正規雇用転換政策の成果をもとに、公共部門の正規雇用転換が支障なく推進されるよう注意深く見ていく」「正規雇用転換者の処遇水準については、関係省庁と協力して、持続的に改善されるよう努力し、正規雇用転換に伴う紛争が労使の対話と妥協を通じて円満に解決するよう、労使間の交渉などを積極的に支援する」と述べた。


参考
・雇用労働部ウェブサイト
・徐侖希(2018)「文在寅政権の公共部門における雇用拡大政策」『労働法律旬報』2019年3月25日号
・脇田滋(2018)「韓国における国・自治体の非正規職問題―ソウル市と文在寅政府の正規職転換政策」『KOKKOU』2018年8月号
https://bit.ly/2li87wt

 

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