情報資料室 - 市民も大迷惑…「働き方改革」で警察大パニックのヤバすぎる事態 (10/7)

市民も大迷惑…「働き方改革」で警察大パニックのヤバすぎる事態 (10/7)

2019/10/7 11:06

市民も大迷惑…「働き方改革」で警察大パニックのヤバすぎる事態
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2019/10/7(月) 8:01配信現代ビジネス

市民も大迷惑…「働き方改革」で警察大パニックのヤバすぎる事態 写真:現代ビジネス https://rdsig.yahoo.co.jp/RV=1/RU=aHR0cHM6Ly9oZWFkbGluZXMueWFob28uY28uanAvYXJ0aWNsZT9hPTIwMTkxMDA3LTAwMDY3NjE1LWdlbmRhaWJpei1zb2NpLnZpZXctMDAw;_ylt=A2RADekcnJpdKFMAP7k_RfB7

 2019年4月から順次施行がはじまった働き方改革法案。生産性を向上し「一億総活躍社会」の実現を目指した労働環境の全体的な改善が柱となっているが、大企業の残業時間削減が下請け企業の負担を増大させてしまうなど、弊害を指摘する声も少なくない。

 だが、法整備が進められ「法律の規制でこれ以上は残業できない」と言われれば、やむなく当日の業務を打ち切るか、もしくは会社にバレないように「隠れ残業」に勤しむしかない。そして、警察組織もまた「働き方改革の弊害」に悩んでいる。

市民も大迷惑…「働き方改革」で警察大パニックのヤバすぎる事態
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残業ありきの公務員の給料
来年度に就職を控えた学生たちからも、依然として公務員への人気が集中している。
与信管理支援ASPを提供するリスクモンスター社がおこなった調査では、2020年卒業予定の就活生が希望する職業の1位が地方公務員(31.6%)、2位が国家公務員(18.0%)となった。

 公務員に対して「残業なしで人並みの給料」というイメージを持っている方は少なくないだろう。だが、このイメージは大間違いだ。

 公務員といえども残業はある。窓口対応が夕刻に終了しても、残務や書類の作成など「どうしても今日中にやるべき仕事」はたくさんあるのだ。例えば、自治体の選挙になると、選挙管理委員会の職員は自宅に帰れない日も珍しくないほど多忙になるという。

 公務員の給料は、職階の責任度によって区分される「級」と職務年数によって区分される「号」に割り当てられた給料表で決定される。インセンティブなど存在しない公務員の社会では、基本給と手当だけだと十分な額に達しないため「はだかの給料」などと揶揄されるくらいだ。

 同年代の会社員と同程度の収入を得ようとすれば、残業代で上積みするしかない。
希望して残業する職員が存在していたほど、公務員の給料は残業代によって支えられていたのだ。

働き方改革で給料7万円減
ある現職の警察官から聞いた話だ。

 2019年4月の本格施行を前に、警察組織でも2018年度から強行的な残業カットが指示されたという。40歳で警部補の彼は、一般企業でいうところの係長〜課長代理あたりの職階にいるが、働き方改革が進められる以前と現在とでは、給料が7万円も下がったそうだ。

 刑事のなかでもエリートが集う「特捜」の捜査員である彼は、1ヵ月あたりの残業が平均で100時間程度だった。ところが、現在では厳しい残業規制を受けて1ヵ月あたり30時間程度に抑えられている。

 70時間分もの捜査量が埋められるはずもなく、「やるべきこと」は山積みになる一方だ。だが、上司からは勤務時間が終了するとすぐに帰宅するよう厳しく注意されるため、やむなく帰宅する。機密情報が多いため仕事を自宅に持ち帰ることはできず、捜査も手薄になる。

 司法制度は厳しくなる一方だというのに、捜査する時間は削られているのだから、いずれは捜査力の低下につながるのではないかと懸念していた。

「3ヵ月残業ゼロ」を強行した警察署は…
ある警察署の朝礼で、署長が「3ヵ月間、全署員の残業をゼロにする」と指示した。
中核都市の警察署で、業務量は他の警察署よりも圧倒的に多いなか、残業ゼロという強硬策を断行したのだ。

 最初のうちは、署員たちも「残業ゼロだから」と笑いながら帰宅していたらしい。
だが、1週間、2週間と時間が経つにつれて、定時どおりに帰宅することに不安を覚えはじめる。

 交通課では事故処理の書類がデスクに山積みとなり、生活安全課では許認可の決裁が滞るようになった。刑事課では事件処理が終わらないまま次の事件が発生し、下積みの基礎捜査もできないまま事件発生の書類ばかりが増えていった。

 「残業ゼロ」の指示が下達されて1ヵ月が過ぎたころには、すでに取り返しがつかない状態となっていた。警察が受け持つ行政サービスは完全に遅延し、残業ゼロどころの話ではなくなっていたのだ。1ヵ月分の遅れを取り戻すために100時間を超える残業を必要とする署員が続出し、あっという間に残業ワースト1の警察署へと成り下がった。

 1ヵ月分の債務を取り戻すために警察官が頑張るのは勝手だが、迷惑を被ったのは管轄区域の市民だ。通常なら1週間程度で取得できるはずの事故証明が手に入らず保険金請求に遅れが生じた、といったケースもあったらしい。

 残業をどれだけ抑えられたのかが幹部の評価だとすれば、たかが幹部の評価のために市民に迷惑をかけたことを真摯に反省しなければならないだろう。

市民も大迷惑…「働き方改革」で警察大パニックのヤバすぎる事態
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残業のさせすぎで左遷された刑事課長
「刑事の仕事に定時はない」「残業100時間を切るヤツはクビだ」

 この時代錯誤も甚だしい言葉は、私が刑事になりたてのころ、刑事上がりの幹部が刑事課に入ってきて大声で怒鳴っていたものだ。

 たしかに、刑事の仕事に定時はない。事件は規定の時間内に起きてくれるわけではないし、重大事件は発生直後から大量の捜査員を投入できるかが解決の肝となる。

 筆者も、巨額の振り込め詐欺事件で受け子を逮捕し、首魁を突き止めて逮捕した事件などでは、3ヵ月連続で月の残業が230時間を越えたことがあった。そんな事件が連続で発生するのだから、残業を100時間で抑えられるなんて夢のような話だった。

 2018年春、ある警察署に、事件解決にのみエネルギーと人員を注ぐ刑事課長が着任した。わいせつ事件が続発する管内だったため、有事即応で大量の捜査員を動員し、刑事課員の残業は軒並み100〜130時間となった。

 この状況を知った県警本部は、ただちに刑事課長を呼びつけて残業カットを命じたが「事件解決こそが刑事の使命」と主張し、体制を変更しなかったという。

 1年後、刑事課長は警察本部の通信指令室へと異動を命じられた。通信指令室とは、有事の110番通報を受理して警察署やパトカーに司令を伝える部署で、完全交代制の勤務であるため残業はほとんどない。

 刑事畑一本で課長まで昇りつめ、2018年中は管内のわいせつ犯・窃盗犯の検挙率が飛躍的にアップしたにもかかわらず、働き方改革に逆行したため「捜査という名の翼」をもがれたのだ。職階こそ変わらなかったが、刑事課長にとってこの人事は左遷に値する。

 個人の素行などでよほどの問題でも起こさない限り、刑事課長が左遷人事を受けることなど滅多にない。ところが、捜査員に100時間程度の残業を課すことは左遷の対象となるという前例ができたものだから、各署の刑事課長は「やりすぎたら飛ばされる」と戦々恐々だ。

 働き方改革が進められる現代では、刑事ドラマに登場する熱血刑事や粘り強く捜査する刑事など求められていない。定時にパソコンをログアウトさせて、スマートに帰宅する残業ゼロ刑事こそが理想なのだろう。刑事ドラマでよく描写される「深夜の張り込み」までもがフィションの世界となる時代がすでに到来しているのだ。

公務と働き方改革のミスマッチ
働き方改革は、労働条件を向上させることで働きやすい環境を整備し、生産性を向上させるというお題目のうえで進められている。しかし、労働環境の改善と生産性の向上という歯車が噛み合わない仕事が存在する。「公務」がまさにその代表例だ。

 公務は厳格でなくてはならない。省力化することもできず、手続きや管理を簡素化させることもできない。行政サービスなのだから、公務所の思惑ひとつで業務量がコントロールできるわけでもない。

 しかし、働き方改革は厳格であるべき公務に“穴”を生じさせている。その穴によって損害を被るのは公務所ではなく、公共の利益であり国民だ。

 公務所でも働き方改革が推し進められているなか、警察組織も「我関せず」では済まされない。法を遵守するという立場も相まって、強引な残業カットを断行してみたまでは良かったが、そのしわ寄せは確実に国民に襲いかかる。

 仮に、今年度の犯罪事件の検挙率が下がったとしよう。間違いなく、警察庁長官はその責めに遭い国会で理由を問われることになるが、まさか「働き方改革の推進で捜査員を残業させられなかった」という答弁で国民の理解が得られるわけもないだろう。

 働き方改革元年となった2019年も残すところあとわずか。労働環境の改善によってどのような成果が得られたのかが統計上の数値として示される日は近づいている。警察組織の処理能力の低下が露呈したとすれば、働き方改革元年の取り組みは「失敗だった」と酷評せざるを得ないだろう。

鷹橋 公宣
 

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