情報資料室 - ポン・ジュノ監督が述べた映画界の「標準労働契約」とは何か (2019/05/28)

ポン・ジュノ監督が述べた映画界の「標準労働契約」とは何か (2019/05/28)

2020/2/11 8:49

ポン・ジュノ監督が述べた映画界の「標準労働契約」とは何か
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/33551.html
ハンギョレJapan 登録:2019-05-28 08:06 修正:2019-05-28 15:14

「標準労働契約を守って『パラサイト』を撮影した」と明らかにして話題に
ポン・ジュノ監督が映画『パラサイト』で25日(現地時間)、フランス・カンヌで開かれた第72回カンヌ映画祭で最高賞のパルムドール賞を受賞した後、写真撮影をしている=カンヌ/EPA・聯合ニュース
映画『パラサイト』で第72回カンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞したポン・ジュノ監督が「標準労働契約を守って『パラサイト』を撮影した」と明らかにし、話題になっている。映画界は、2014年の作品『国際市場で逢いましょう』を皮切りに導入された映画スタッフの標準労働契約書作成が、今回のポン監督の発言で拡大することを期待する雰囲気だ。
ポン監督は先月「シネ21」とのインタビューで、10年前の映画『母なる証明』の撮影時と変わった点として「標準労働契約書」の導入を挙げ、「(標準労働契約による撮影スケジュールが)とても良かった。年を取って体力が落ち、標準労働契約でなければどうなっていたかと思う」と話し、「『スノーピアサー』と『オクジャ』を経て米国式の組合規定に従って撮ることを体得した。この8年間がトレーニングとなり、今回標準労働契約に合わせて撮影するのが楽だった」と述べた。
彼はスタッフに対し、最低賃金と週52時間制などを担保することによって発生する制作費上昇の懸念については「良い意味での上昇」だと評価し、「もう米国や日本のスタッフ(の給与)に後れを取っていない。私は雇用関係では彼らにとって(甲乙の)“甲”ではないが、彼らの労働を率いて芸術的な位置で”甲”の立場にいるため、私の芸術的な判断で労働時間と仕事の強度が高くなるのがいつも負担だった。やっと『正常化』していけると思う」と付け加えた。
映画振興委員会(映振委)が調査した「2016映画スタッフの労働環境実態調査」によると、2016年基準で全体映画スタッフの年間平均所得は1970万ウォン(約182万円)で、月平均164万ウォン(約15万円)に止まった。同年の4人家族基準の最低生計費の月175万6547ウォン(約16万2200円)にも及ばない金額だった。長時間労働も深刻だった。彼らの1週間の平均労働日は5.45日、一日の平均労動時間は12.8時間だった。調査対象の69.4%は「休暇を使った経験が全くない」と答えた。
映画スタッフの低賃金・長時間労働問題は、制作会社がスタッフを労働契約ではなく請負契約の形態で雇用する慣行から始まっている。この場合、スタッフは労働基準法上、労働者と認められない。使用者が最低賃金と法定労働時間を守らなくても法の保護を受けることができない。
映画界標準労働契約書は、このような現場の問題を解消するため、4大保険への加入、超過勤務手当支給、契約期間の明示などが盛り込まれた労働契約書だ。2005年に設立された全国映画産業労働組合が、労働契約の締結と4大保険への加入、全ての労働時間を毎日記録しようという運動を展開し、必要性が知られ始めた。その後、2011年5月に映画界の労使政委員会である「映画産業協力委員会」(映画振興委員会・映画産業労組・映画祭作家協会)が初めて作成し発表したが、費用負担による制作会社の回避で導入は困難となった。しかし、2015年4月の労働契約締結と労働条件の明示(3条4項)、賃金未払いや標準労働契約書未作成の場合、映画発展基金の財政支援事業から排除(3条8項)する内容を盛り込んだ「映画およびビデオ作品の振興に関する法律」改正案が可決され、標準労働契約書を作成した作品数(映振委資料)は2015年の調査対象の36.3%、2016年は48.4%、2017年は75.4%、2018年は77.8%と、毎年増えている。
問題は、調査対象から純制作費4億ウォン(約4千万円)以下(2018年から10億ウォン(約1億円)に上方調整)の低予算映画とIPTV用成人映画、ドキュメンタリー・アニメーションが抜けている点だ。標準労働契約書の締結が現実的に難しい映画たちだ。映振委の「2018年標準契約書活用現況の実態調査結果」によると、2018年の一年間で652本の映画が公開されたが、このうち調査対象映画は63本であり、映画スタッフが標準労働契約書を作成した映画は49本に過ぎなかったのが現実だ。2017年には43本(調査対象60本)、2016年には30本(73本)、2015年には29本(89本)の映画が、スタッフと標準労働契約書を作成したことが分かった。主に大企業系列の投資配給会社が参加した映画だ。
イ・サンギル全国映画産業労働組合首席副委員長は「請負・サービス契約ではなく労働契約書を作成して、賃金未払い被害を受けるスタッフが大きく減り、経歴の浅いスタッフが最低賃金以上の給与を受け取れるようになった」とし、「法を守らなければならないのでスタッフの声が高まり、労働時間も減り始めた。ポン・ジュノ監督の発言が、映画界に標準労働契約が拡大する肯定的な影響となって返ってくることを期待する」と述べた。
ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/895471.html
韓国語原文入力:2019-05-27 20:15
訳M.C
 

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