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(W) ネットで大きな反響を呼んでしいるタニタ社長の発言です。

タニタ社長「社員の個人事業主化が本当の働き方改革だ」

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00005/071800034/

庄司 容子 日経ビジネス記者 日経ビジネス 2019年7月18日

 

 体脂肪計で国内シェア首位の健康機器メーカー、タニタ(東京・板橋)は2017年に新しい働き方の制度を導入した。タニタの社員が「個人事業主」として独立するのを支援するというものだ。独立した人には、従来のタニタでの仕事を業務委託し、社員として得ていた収入を確保する。こうすることで働く時間帯や量、自己研さんにかける費用や時間などを自分でコントロールできるようにするのが狙いだ。副業としてタニタ以外の仕事を受け、収入を増やすこともできる。

 発案者であり、制度設計を主導した谷田千里社長は、「働き方改革=残業削減」という風潮に疑問を抱いていたという。働きたい人が思う存分働けて、適切な報酬を受け取れる制度を作りたいと考え、導入したのがこの「社員の個人事業主化」だ。開始から2年半がたち、手ごたえを感じているという谷田社長に話を聞いた。

タニタの「個人事業主」制度の概要

 対象はタニタ本体の社員のうち、希望する人。退職し、会社との雇用関係を終了したうえで、新たにタニタと「業務委託契約」を結ぶ。独立直前まで社員として取り組んでいた基本的な仕事を「基本業務」としてタニタが委託し、社員時代の給与・賞与をベースに「基本報酬」を決める。基本報酬には、社員時代に会社が負担していた社会保険料や通勤交通費、福利厚生費も含む。社員ではないので就業時間に縛られることはなく、出退勤の時間も自由に決められる。

 基本業務に収まらない仕事は「追加業務」として受注し、成果に応じて別途「成果報酬」を受け取る。タニタ以外の仕事を請け負うのは自由。確定申告などを自分で行う必要があるため、税理士法人の支援を用意している。契約期間は3年で、毎年契約を結びなおす。

 2017年1月から始めた8人の場合、平均の収入は28.6%上がった。この中には、従来会社が支払っていた社会保険料が含まれ、独立した社員は任意で民間の保険などに加入する。一方、会社側の負担総額は1.4%の増加にとどまった。3年目に入った現在、26人の社員が独立した。

「残業削減だけでいいのか」という疑問

「社員の個人事業主化」を支援する制度を導入した背景は何ですか。

谷田千里氏(以下、谷田氏):働き方改革が残業の削減や有給休暇の取得だけに焦点を当てられてきたことに違和感を持っていました。もちろん、過労死を招くような長時間労働は絶対に無くすべきです。ですが、全員が1日8時間できっちり仕事を切り上げることが、日本経済にとっていいことなのかという疑問がありました。

 

谷田千里社長は現状の働き方改革に疑問を持っていたという(写真:竹井 俊晴)

 問題は、たくさん働きたい人に対して、きちんと報いる仕組みがないことではないか。例えば仕事を始めたばかりで、早く覚えるためにもたくさん仕事をしたいという若い人がいて、会社もその人を応援したくても、残業規制によって与える仕事を抑制せざるを得ない。それは両者にとっていいこととは言えません。それを解決する1つの策として考えたのが、社員に個人事業主になってもらって、タニタの仕事を継続してやってもらうという仕組みです。日本全体に広がってほしいという願いを込めて、「日本活性化プロジェクト」と名付けました。

 

 個人に業務委託することで、上下のある会社の雇用関係という人間関係から、フラットで働ける組織になります。新しい時代の組織はこういうフラットなものであるべきではないか。「働き方改革って、こういうものじゃない?」と問いかけたいと考えています。

 

働き方改革が叫ばれる前から、谷田社長の頭の中に構想はあったそうですね。

谷田氏:2008年に社長に就任して以降、もしまたリーマン・ショック級の危機が起きたとき、どうすればそこから脱せるだろうかと考えていました。おかげさまでそういう危機は起きていませんが、自分の経営能力が不安だったんですね(笑)。答えは「優秀な社員が数年でも残ってくれれば、乗り越えられる」。ではどうしたら彼らが残ってくれるのか。

 

 優秀で、タニタの危機を救える社員は、本来は会社に残りたいと思ってくれると思います。でも、経営危機になれば賞与を払えなかったり、給与を下げたりしなければいけなくなるかもしれません。そうなったとき、タニタの仕事をしながら、ほかの会社の仕事もできる仕組みであれば、社員の手取りは減らず、タニタの再建に尽力してくれることになります。今回タニタが導入した「会社が社員の個人事業主化を支援する仕組み」はこういう考えが起点でした。

2017年1月から始めて、今26人が個人事業主になったそうですが、どんな変化がありましたか。

谷田氏:26人の中には、30代から60代までいます。会社から受け取る報酬は全員が増えました。社員時代に会社が払っていた社会保険料や通勤交通費は報酬に含めて払っています。あくまで現時点での試算ですが、タニタの厚生年金と同じ水準の民間の保険に入った場合の支出を加味しても、独立した人の手取りは増えました。

 

 

谷田社長は「優秀な人に残ってもらうための制度」と話す(写真:竹井俊晴)

 なぜなら、制度の狙い通り、社外からの仕事を請け負ったり、従来、自腹で受けていたスキルアップの講座などを経費扱いにできたりすることが手取りの増加に寄与したからです。

 

 当社から新たな仕事を頼むときは、明らかにこれまでの業務と違えば「いくらくらいで追加業務としてお願い」というやり取りが行われています。これまでは残業で対応するなど、無理をしてやっていたものに対して、きちんと報酬が出るやり方が浸透し始めています。

 

 仕事を頼む方からすると、残業が必要になるなどの事情で社員に頼めない業務を、きちんと報酬を提示したうえで個人事業主に頼むことができるようになりました。また、そういう新たな業務は、本当に必要か、第三者に頼んだ方が安いんじゃないかといった仕事の見直しにもつながるのです。仕事の価格の相場観を持つことにもつながります。

 

 

事業だけでなく働き方でも革新を目指す

人員削減のための制度ではない

ですが、1年目は前の年にやっていた業務を続けるとしても、時がたつにつれ受託していた業務そのものがなくなったり、ほかの人がやることになったりと、個人事業主の仕事がなくなることはないのでしょうか。

谷田氏:会社には仕事がたくさんあります。従来の仕事が減ったとしても、上司に当たる人が新しい仕事を委託することになるし、本人から「この仕事をやりましょうか」と提案することもできる。主体的に働くことになるのも、この制度の目的の1つです。

 

人員削減の手法だと受け取られませんか。

谷田氏:そう感じる人もいるでしょうが、違います。だって、それが目的ならこんな回りくどいやり方はしません。

 

社外の反響はいかがですか。

谷田氏:6月にこのテーマで本を出版し、知人や取引先の経営者に配っているのですが、驚きました。私としては、「こんな組織の活性化の方法がある」というふうに受け止めてもらえるかなと思っていたのですが、まず勤怠管理をきちんとしていないから、残業削減すらまだしていない企業が多かった。私は、世の中はもうそんなことは当たり前に取り組まれていて、次の段階として組織活性化が課題だと思っていたのですが、現状はそうではなかったようです。残業削減を訴えるお役所は正しかったんだと思いました(笑)。

 

 でも、間違いなくこれからは残業削減だけでいいのか問われると思います。その1つの方策として、私たちはチャレンジを始めました。今のところ、うまくいっていると私は思っています。2021年春に入社する新入社員は、全員が個人事業主になることを前提として採用するつもりです。その頃には、この制度の白黒がつくでしょう。


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厚労省 派遣労働者の同一労働同一賃金について
 
トピックス 労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」の施行に向けて 働き方改革実行計画 労働政策審議会での議論について 中小企業・小規模事業者に対する支援
派遣労働者の同一労働同一賃金の実現に向けてページを開設しました。
 
今後、随時リーフレット等を掲載していきます。
 
トピックス
2019年7月8日 令和2年度の「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」を公表しました。
2018年12月28日 パンフレット「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」を掲載しました。(2019年1月17日一部修正)
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労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について
働き方改革関連法による改正労働者派遣法により、派遣元事業主は、
1「派遣先均等・均衡方式」(派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保)、
2「労使協定方式」(一定の要件を満たす労使協定による待遇の確保)
のいずれかの待遇決定方式により派遣労働者の待遇を確保することとされ、令和2年4月1日に施行されます。
このうち、2「労使協定方式」については、「同種の業務に従事する一般労働者の賃金」と同等以上であることが要件となっています。
 
◎同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(令和2年度適用)
平成30年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)https://www.mhlw.go.jp/content/000526706.pdf(局長通達別添1)
職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)https://www.mhlw.go.jp/content/000526707.pdf(局長通達別添2)
平成30年度職業安定業務統計による地域指数https://www.mhlw.go.jp/content/000526708.pdf(局長通達別添3)
退職手当制度 https://www.mhlw.go.jp/content/000526709.pdf(局長通達別添4)
局長通達本文 https://www.mhlw.go.jp/content/000526710.pdf(令和2年度の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第30条の4第1項第2号イに定める「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」」等について)
 
 
(参考:第14回同一労働同一賃金部会で示した一般賃金との比較入り)
(比較入り)平成30年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)https://www.mhlw.go.jp/content/000526712.pdf
(比較入り)職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)https://www.mhlw.go.jp/content/000526714.pdf
(比較入り)平成30年度職業安定業務統計による地域指数別ウィンドウで開く
(比較入り)退職手当制度 https://www.mhlw.go.jp/content/000526716.pdf
 
※派遣労働者の同一労働同一賃金の内容は、パンフレットや不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアルもご覧ください。
  
◎Q&A ※準備中です 
  
◎独自統計 
賃金構造基本統計調査で把握できる職種と派遣労働者が実際に行う業務との間に乖離がある場合などは、一定の要件を満たす民間統計(独自統計)の活用を認めることとしてしています。
調査を実施する場合などは、厚生労働省への協議を必要としています。
 申請様式(1 自ら統計調査を行う経済団体、労働組合、業界団体等)
 申請様式(2 1の統計調査を活用する派遣元事業主)
 申請様式(3 既に公表されている統計調査を活用する派遣元事業主)
 変更様式
 通知 https://www.mhlw.go.jp/content/000526846.pdf(労使協定方式における独自統計の協議について)
 
 職業安定局需給調整事業課均等待遇係(内線5327)
 

 

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東京商工会議所「最低賃金に関する最近の論調に対する見解について」(7/9)

 
2019年7月9日
           東京商工会議所
           産業政策第二部
 最低賃金に関して最近、様々な論調がありますので、主な論調に対する東京商工会議所の見解を申し述べます。
 
最低賃金に関する最近の論調に対する見解(pdf)
                          以上
 
【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
産業政策第二部
担当 杉崎、須田
TEL 03-3283-7940
 
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仕事の未来のためのILO100周年宣言、2019

 
〔解説〕 2019年6月、ILO第108次総会は、「仕事の未来のためのILO100周年宣言、2019年(ILO Centenary Declaration for the Future of Work, 2019)」を採択しました。関連した論文原稿を作成する準備として、日本語訳を探していましたが、ILO日本事務所やJILのHPなどで見つけることができませんでした。公式の訳または仮訳を待つことができませんので、拙い英語力ですが、宣言文を試訳してみました。日本で、労働者の権利をめぐる議論にとって基礎になる文書だと思います。
 他方、宣言が生まれる過程についても調べています。安全で健康的な労働条件の保障が、今回の宣言では、基本原則から外されたことなどの指摘を見つけましたが、その理由は分かりません。ハラスメント条約採択の関係や、今年、詳しい報告書が出されたことなどから、基本原則に含まれなかった理由は何か、いまところ納得できていません。
 なお、十分に意味がとれない箇所や適当な日本語訳が見つからない語句もあります。もし、誤訳などについて、ご指摘、ご教示をいただければ幸いです。試訳の対象となる原文(英文)は、下記のurlから入手しました(https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---ed_norm/---relconf/documents/meetingdocument/wcms_711674.pdf)。
         (2019年07月14日22時 文責・試訳 脇田滋)
 
【試訳】(Ver.001_20190714)

 仕事の未来のためのILO100周年宣言、2019
 
 ILO100周年を迎えてジュネーブで開かれた第108次ILO総会は、過去100年の経験から、継続的かつ協調ある労使政の活動が社会正義、民主主義並びに普遍的かつ永続的平和促進に必須であるという確信が得られたことを考慮し、
 そのような活動が、より人間的な労働条件をもたらした経済的社会的進歩を歴史的に促進させたと認め、
 合わせて、世界の多くの部分において、持続する貧困、不平等、不正義、紛争、災難その他の人道主義的な危険が、そのような促進を威嚇し、すべの人々に対する繁栄の共有と人間らしい労働(decent work)を威嚇していると考え、
 ILO憲章と1944年フィラデルフィア宣言で定められた目標、目的、原則と任務を想起して再確認し、
 職場における基本原則と権利に対する宣言(1998年)および公正なグローバル化のための社会正義に対する宣言(2008年)の重要性を強調し、
 100年前にILOを誕生させた社会正義の責務(imperative)と、ILOを活性化させILO設立のビジョンを実現し仕事の未来を形作るのは全世界の労使政にかかっているという確信によって動かされ、
 社会的対話が、全社会を結集することに寄与し、機能的で生産的な経済をに極めて重要であることを認識し、
 また、雇用創出および技術革新と人間らしい雇用(decent work)の促進者として持続可能な企業の役割が重要であることを認識し、
 労働は商品でないことを再確認し、
 暴力とハラスメントがない仕事の世界を作るために全力を傾け、
 特に、私たちが望む仕事の未来を形作るのに、また、仕事の世界の課題に対処するのに多国間主義(multilateralism)の促進が重要であることも強調し、
 ILOのすべての関係者に、1919年と1944年に合意した社会的正義と普遍的かつ永続的な平和を達成するための揺るぎない献身を再確認し、その努力を再活性化することを呼びかけ、そして
 すべての地域の公正な代表性を確保し、加盟国間の平等原則を確立することによって、ILOのガバナンスを民主化することを強く望み、
 本日2019年6月20日、仕事の未来のためのILO100周年宣言文を採択する。
 
 
 総会は次の通り宣言する。
 A. ILOは、技術革新、人口動態の変化、環境と気候変動、そしてグローバリゼーションがもたらす仕事の世界における変革的変化の時代に、また、仕事の性質と未来および、そこにいる人々の立場と尊厳に大きな影響を与える持続的不平等の時代に百周年を迎えた。
 B. すべての人に完全かつ生産的で自由に選択された雇用と、人間らしい労働(decent work)がある、公正かつ包容的で確実な仕事の未来を作るために、機会をとらえて迅速に行動し、挑戦することを表明しなければならない。
 C.そのような仕事の未来は、貧困を終わらせ、誰をも置き去りにしない持続可能な開発の基礎である。
 D. ILOは、労働者の権利と、すべての人々の必要、願望、権利を、経済、社会、環境政策の中心に置く仕事の未来への人間中心アプローチをさらに発展させることにより、社会正義に対する憲章上の負託を不断に果たし、次の世紀へと前進しなければならない。
 E. 過去100年を超えて全世界に加盟国を広めたILOの成長は、社会正義が世界のすべての地域で達成される可能性があることを意味し、また、この努力に向けたILO構成員の完全な寄与が、完全、平等、民主的な参加と、三者構成ガバナンスへの平等かつ民主的参加によってのみ保障され得ることを意味している。
 
 
 総会は次の通り宣言する。
 A. ILOは、憲章上の負託を果たすには、仕事の世界における重大な変革を考慮に入れて、そして、仕事の未来への人間中心のアプローチをさらに発展させ、次のことに努力を向けなければならない。
 (i)経済的、社会的および環境的側面において持続可能な開発に貢献する仕事の未来への正しい移行を確実にすること、
 (ii)社会的対話を通すこと含めて、尊厳、自己実現およびすべての人への利益の公正な分配を確保する人間らしい労働(decent work)と持続可能な発展を達成するために技術進歩および生産性成長の最大潜在力を活かすこと(hareness)
 (iii) 以下のことをするために、政府と社会的当事者の共同責任として、全労働生活を通して、すべての労働者が技術、力量、資格の習得を促進すること
   - 現在の技術と予想される技術の格差に対処すること
   - 仕事の進化を考慮しながら、教育訓練システムが労働市場の需要に対応できるようにすることに特に注意を払うこと。また
   - 人間らしい労働(decent work)の機会を利用できる労働者の力量を高めること
 (iv)すべての人に、完全かつ生産的で自由に選択された雇用と人間らしい労働(decent work)の機会を生み出す目的で、特に、青年が仕事の世界に効果的に統合されることに焦点を合わせて、教育と訓練から仕事への移行を促進する目的で、効果的な政策を開発すること。
 (v)高齢労働者が、その退職まで高い質の生産的かつ健康的条件で働き、活動的な高齢化を可能にする機会を最適化して、その選択肢を拡大する措置を支援すること。
 (vi)結社の自由および団体交渉の権利を授権的権利(enabling right)として実効あるものと認識することに焦点を当て、包括的かつ持続可能な成長を達成するための主要素として労働者の権利を助長すること。
 (vii)進行を定期的に評価して、次のような変革的アジェンダを通じて職場における性平等を達成すること
  -男女に対する平等な機会と平等な参加、平等な待遇、同一労働に対する同一賃金を保障する
  家族責任のより均衡のとれた分かち合いを可能にする
  労働者と使用者が、それぞれのニーズと利益を考慮して、労働時間を含めた解決策について合意することで、ワークライフバランスを改善する余地を提供する。 そして
  -ケア経済(care economy)に対する投資を促進する。
 ()仕事の世界において、障害を持つ人々をはじめ脆弱状態(vulnerable situations)にある人々にも平等な機会と待遇を保障する。
 (ix) 人間らしい労働、生産的雇用およびすべての人々の生活水準の向上を生み出すために、起業家精神および持続可能な企業、特に中小企業ならびに協同組合および社会的連帯経済のための可能な環境を促進することによって、経済成長および雇用創出の主な源として民間部門の役割を支援する。
 (x)重要な雇用主であり、質の高い公共サービス提供者としての公共部門の役割を支援する。
 (xi) 労働行政および労働監督を強化する。
 (xii)国内および世界的サプライチェーンを含む、多様な形態の作業方式、生産、企業モデルが、社会経済進歩のための機会を活用して(leverage)良質の雇用を提供し、完全で生産的であり自由に選択された雇用に導く(conductive)ことを保障する。
 (xiii)強制労働および児童労働を根絶し、すべての人のための人間らしい労働(decent work)を推進し、国際的な統合の高い分野または分野を含む、国境を越えた協力を促進する。
 (xiv)農村部に十分な注意を払いながら、非公式経済から公式経済への移行を促進する。
 (xv)適切かつ持続可能で、仕事の世界の発展に適応した社会保護システムを開発し強化する。
 (xvi)構成員のニーズに応えて、国際的労働力移動に関する作業を深め、拡大し、労働力移動における人間らしい労働(decent work)において指導的役割を果たす。
 (xvii)以下の認識に沿って、政策の一貫性を強化する目的で多国間システム内における関与と協力を強化する。
   - 人間らしい労働(decent work)は持続可能な開発の鍵であり、所得不平等に取り組み、貧困を終わらせ、紛争、災害、その他人道的緊急事態に陥っている地域に特に注意を払う。そして
   - 世界化の状況において、ある国で人道的労働条件を採用できないことが、かつてなく他のすべての国々において進歩を妨げる障害物になっている。
 
 B. 団体交渉や三者間協力を含む社会的対話は、ILOの全活動の根本的基盤を提供し、加盟国における政策と意思決定の成功に寄与する。
 
 C. 労働組合の役割を損なわない方式での効果的職場協力は、団体交渉とその成果を尊重し安全で生産的な職場を保障するのに役立つ手段である。
 
 D.安全で健康的な労働条件は人間らしい(decent work)の基本である。
 
 総会は、すべての加盟国に、各国の事情を考慮し三者間および社会的対話に基づいて、またILOの支援を受けて、以下のことによって、仕事の未来への人間中心アプローチをさらに発展させることを要請する:
 
 A. 仕事の世界の変化という機会を享受できるように、次のことを通じて、すべての人々の力量を強化する。
 (i)機会と処遇における両性平等の効果的実現。
 (ii)全員にとって効果的な生涯学習と良質の教育。
 (iii)包括的かつ持続可能な社会的保護への普遍的アクセス。 そして
 (iv)職業生活を通じて直面する変化を通じて人々を支援するための効果的な方策。
 
 B. 非公式〔労働〕の広がりと、公式化への移行を達成する効果的活動を保障する必要を認識する一方、すべての労働者を適切に保護するために〔公的〕労働機関を強化し、そして労働者に〔雇用〕安定性と法的保護を提供する手段としての雇用関係の継続的関連性(relevance)を再確認すること。すべての労働者は、人間らしい労働アジェンダに適合する保護を享受しなければならない。
 (i)労働者の基本的諸権利を尊重する。
 (ii)法定または交渉による適切な最低賃金
 (iii)労働時間の上限、そして
 (iv)職場における産業安全
 
 C. 持続的、包括的かつ持続可能な経済成長、完全で生産的な雇用およびすべての人に対する人間らしい労働(decent work)を促進すること。
 (i)このような目標を中心目標とするマクロ経済政策
 ()良質の雇用を促進して、生産性を強化する貿易、産業及び部門別政策
 (iii)仕事の世界における変革的変化の推進者となるインフラと戦略的部門に対する投資
 (iv)持続可能かつ包括的な経済成長、持続可能な企業の創出と発展、非公式から正式な経済への移行を促進し、本宣言の目的に沿ったビジネス(business)慣行の整合性(alignment)を促進する政策およびインセンティブ、そして
 (v)適切なプライバシーと個人情報保護を確保し、プラットフォーム労働を含む労働のデジタル変換に関連する仕事の世界における挑戦と機会に対応するための政策と手段。
 
 総会は次の通り宣言する。
 
 A. 国際労働基準の設定、促進、批准および監督は、ILOにとって根本的に重要である。このためにILOは、国際労働基準を明瞭かつ強固で最新のものにし、透明性をさらに高める必要がある。国際労働基準はまた、仕事の世界の変化するパターンに対応して労働者を保護し、持続可能な企業のニーズを考慮に入れ、権威ある効果的監督の対象となる必要がある。ILOは、加盟国が基準を批准し、効果的に適用することを支援する。
 
 B.すべての加盟国は、ILO基本条約の批准および実施に向けて取り組み、雇用主および労働者団体と協議しながら、他のILO基準の批准について定期的に検討するべきである。
 
 C. ILOは、以下の目的で(政労使)三者構成員の力量を強化する義務がある。
 (i)強力で代表性のある社会的パートナー組織の発展を奨励し、
 (ii)国境内および国境を越えて、労働市場制度、プログラムおよび政策を含めて、すべての関連プロセスに介入し、 そして
 (iii)そのような代表性と対話が社会の全体的結束に寄与し、公益の問題であり、十分に機能する生産的な経済にとって極めて重要であると確信し、強力で影響力のある包括的な社会対話メカニズムを通して、職場における、必要に応じてあらゆるレベルにおける、すべての基本原則および権利に取り組む。
 
 D. ILOが加盟国および社会的パートナーに、特に開発協力を通じて提供するサービスは、その使命と一致し、拡大した南南および三角協力によることを含め、その多様な状況、ニーズ、優先順位および開発レベルを十分に理解し、また、注意を払うことを基礎としなければならない。
 
 E. ILOは、根拠に基づく政策助言の質をさらに強化するために、最高レベルの統計、研究および知識管理の力量と専門知識を維持しなければならない。
 
 F. その憲章上の義務に基づき、ILOは、他の組織との協力を強化し、制度的整備arrangementsを発展させて、社会、貿易、金融、経済および環境政策間の強くて複雑かつ決定的な相互関連を認識し、仕事の未来への人間中心のアプローチを追求することによって政策の一貫性を推進するために重要な役割を果たす必要がある
 
 

 2019年仕事の未来のためのILO100周年宣言決議
 2019年の第108回セッションで会合した国際労働機関総会は、
 
 仕事の未来のためのILO創立100周年宣言を採択し、理事会が、ILO創業100周年宣言の実施のフォローアップと定期的な見直しを確実にすることを要請する。そして、
 1.ILOの仕事における基本原則と権利の枠組みに、安全で健康的な労働条件を含めるための提案をできるだけ早く検討するよう理事会に要請する
 2. (総会は)理事会が、事務総長に宣言を適切に考慮して、2020年から21年にかけての内容と構造において、(宣言の)優先順位を反映させること、また、将来の計画と予算の提案のために、適切なリソースをこれらに割り当てて、理事会が検討できるように要請することを勧告する。
 3. ILO理事会の機能と構成を明確に民主化するために、できる限り早い時期に、1986年のILO憲章改正文書の批准プロセスの完了を要求する。 そして
 4.理事会に対し、多国間システム内での一貫性の向上を目的とした提案を理事会に提出するよう事務総長に要請するよう勧告する。
 
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第8回「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」資料

 
令和元年7月9日(火)
10:00〜12:00
AP虎ノ門 I+J会議室
 
議事次第[PDF形式:57KB]
資料1 「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」報告書(案)[PD
F形式:385KB]
参考資料1 第7回検討会における委員の主なご意見[PDF形式:402KB]
 
【関連コメント】
 
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 勤続36年「名ばかり」管理職に 「女性活躍」の現実とは?

2019/7/9(火) 14:00配信 毎日新聞
 
勤続36年「名ばかり」管理職に 「女性活躍」の現実とは?
 
 参院議員会館内で開かれた女性の労働環境改善に向けての意見交換会で国会議員や厚生労働省、内閣府の担当者らを前に話す長迫忍さん(中央)
 
 安倍政権が女性活躍施策を打ち出して6年になる。今では、7割以上の女性が働く時代だ。しかし実は、女性の賃金は、男性よりもかなり低い。米国や欧州では女性の賃金は男性の8割以上だが、日本はフルタイム労働者の平均月給で女性は男性の7割だ。女性の過半数は非正規職で、労働者全員の平均時給でみると、女性は男性の65%台となる。なぜ女性の時給は安いのか?
 
最高裁、男女の「差別」認めず
 部下のいない「係長」。勤続39年目を迎える彼女のポストだ。
 
 中国電力で営業職として働く長迫忍さん(56)は2017年10月、55歳で初めての管理職についた。肩書は「係長」。入社から36年間は一般職だった。
 
 長迫さんは08年、女性ゆえに賃金や昇進で差別を受けたとして、賃金差額1200万円などを求め、中国電力を提訴した。
 
 人事考課では業績面の「仕事の成果」などは5点の満点。ところが能力面の「協力関係向上力」「指導力」で、5段階中3点という低評価で、13年間、主任2級に据え置かれた。一方、同期男性は05年までにほぼ全員が主任1級に昇格し、09年には管理職に昇進。同期の平均年収は男女間で100万円以上の差があった。また、01年時点で、同期118人のうち、賃金の高い方から54人は男性、55番目に女性1人を挟んで再び男性が続き、76番以降は女性が大半だった。
 
 しかし2審・広島高裁は賃金、昇進の男女格差を認める一方、「差別」とは認めなかった。「男女が層として明確に分離しているとはいえない。また女性従業員に管理職を敬遠する傾向があった」「(原告は)職場の一体感やチームワーク向上能力を備えていないと評価されていた。人事は広く企業の裁量権に委ねられる」と判断した。最高裁は上告を棄却。15年、敗訴が確定した。
 
係長に昇進も部下ゼロ
 
 長迫さんが管理職に昇進したのは、その2年後。だが、ふたをあけると、部下ゼロの「名ばかり」管理職。同期男性は、すでに課長や副所長の地位にある。
 
 18年度の査定では「営業成績では実績が出ているが、組織的なところが欠ける」と評価説明を受けたという。「成果を上げるほど『謙虚さに欠ける』『協調性がない』とされる。最初から査定は決まっている。私が男性なら、こんな扱いを受けたか……」
 
 女性活躍推進法に基づき、中国電力は16〜20年度で女性管理職を15年度の1.5倍にすると目標を定める。しかし19年3月時点で管理職全体の女性割合は1.3%。係長級で4%だ。日本の民間企業平均(18年で課長級11.2%、係長級18.3%)にも及ばない。
 
 働く女性の数だけは、欧米並みに増えた。でもそこに「働きがい」はあるだろうか? 実際、男女の給与はどの程度違うのか、見ていこう。
 
時給 女性は男性の6割強
 
 日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国で、韓国、エストニアに次いで3番目に格差が大きい。
 
 厚生労働省は毎年「賃金構造基本統計調査」で、6月分の給与を調べ、フルタイム労働者(正規・非正規職含む)の所定内労働時間の月給で男女格差を公表する。女性が男性の7割台に達したのは11年。13年に女性活躍施策が始まったが、18年でも男性33万7600円、女性24万7500円と、73.3%にとどまる。
 
 この調査では、パートタイム労働者の時給は反映されていない。シカゴ大の山口一男教授(社会統計学)によると、05年のデータで、フルタイムの月給を1時間あたりの時給に換算し、労働者全員の男女別平均時給を出すと、女性は男性の61.7%だった。
 
 18年ではどうなるか。そこで記者は山口教授と同じ方式で計算してみた。すると男性1962円、女性1371円。女性は男性の69.8%だ。
 
 さらにフルタイム労働者の「年間賞与など特別給与」をみると、男性108万8100円、女性63万9100円と差が大きい。特別給与をひと月あたりに換算し、6月の労働時間で割って、再び全労働者の平均時給を計算すると、女性は男性の65.2%となった。
 
勤続36年「名ばかり」管理職に 「女性活躍」の現実とは?
 
賃金比較
働く女性の過半数が非正規
 賃金格差の理由のひとつは、男性は8割が正規職だが、女性は過半数が非正規かパートであることだ。
 
 現在は共働き世帯が主流だが、家事・育児時間は女性が男性の7倍ともいわれる。第1子出産前後の女性の半数は離職し、再就職では非正規職に就くケースが多い。
 
 連合が17年に20〜59歳の非正規女性1000人を対象として行った調査では平均年収は140万円で、7割が自分の収入が主な家計収入と回答。また5割は初めて就いた仕事から非正規だった。
 
 山口教授は「女性は『出産、育児で離職する』『家計補助的な仕事をするもの』という偏見が根強い」と指摘。女性の多い保育や福祉の専門職や一般事務職は、男性の作業職やサービス労働職よりも平均賃金が低いという。実際、東京都内の外資系銀行で派遣の事務職として働いた女性(46)は時給1800円だったが、IT系技術職の男性は時給3000円と知り、驚いた経験があるという。資格や語学力も求められるが、「軽く見られている」とこぼす。
 
低待遇「女性が望んでいる」から?
 
 正社員同士の男女格差も大きい。山口教授は「国や企業は労働時間や勤続年数が主な理由とするが、一番大きな理由は、40歳以降の男女で職階差があるからだ。年齢、学歴、年数が同じでも男女の昇進率が大きく違う」と解説する。
 
 中国電力の訴訟は、この実態を浮き彫りにしたとも言える。山口教授はこの裁判で賃金データを分析し「明らかに女性差別的基準で昇給が定められている。差別の意図がなくても、性別間で大きな格差を生むメカニズム自体が、間接的な性差別だ」とする意見書を提出している。
 
 米国では管理職の半数、英国では4割近くが女性だ。山口教授は「日本の企業慣行では、能力よりも、残業できるか否かが昇進への踏み絵。女性が望んでというより、そう選択せざるを得ない状況に追い込まれている。賃金格差は男女同等の機会が与えられていない結果だ」と強調する。
 
改善へ賃金公表を
 背景には、長時間労働がある。浅倉むつ子・早稲田大名誉教授(労働法)は「働き方改革での時間外労働時間の上限規制は過労死認定ラインだ。ワーク・ライフ・バランス確保のため、より厳しい制限が必要」と指摘する。また、日本企業の多くが採用する「職能資格給制度」は年功序列につながりやすく、熱意や協調性など主観が作用する査定項目が並ぶ。「男性主体の職場では女性は不利だ。仕事や職務を基準とした客観的な賃金制度に転換すべきだ」と訴える。
 
 労働政策研究・研修機構の内藤忍副主任研究員は「賃金格差を把握している企業は1割もなく、差別に無自覚。管理職登用だけでは、女性間の格差を広げる危険もある。英独仏のように、女性活躍推進法で企業に賃金公表や是正を義務づけるべきだ」と提案する。
 
 国際金融グループのゴールドマン・サックスは4月に発表した女性活躍政策検証リポートで「日本の人口構造は危機的状況。女性の雇用拡大は、政治と社会の最優先事項。最大15%のGDP(国内総生産)押し上げが見込まれる」とした上で、「賃金格差が女性の就労意欲をそいでいる。配偶者控除などの税制も就労を抑制している」と指摘した。政府が掲げる「すべての女性が輝く社会」を真に実現するには、どんな政策が必要なのか。参院選では、女性活躍の視点からも候補者の公約をチェックしてみてはいかがだろうか。【中川聡子】
 
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労働組合、組合員数の減少傾向続く。減少理由は引き続き「定年退職」7割

excite news エコノミックニュース 2019年7月5日 07:13 0
 
労働組合、組合員数の減少傾向続く。減少理由は引き続き「定年退職」7割
 厚労省が昨年12月に公表した平成30年労働組合基礎調査の概況によれば2018年6月時点での全国の労働組合員の数は1007万人で前年比0.9%の増加であった。しかし、被雇用者数に占める組合員数の比率である組織率は17年17.1%のから18年の17.0%と一貫して減少傾向で推移している。
 
 労働組合員数のピークは94年の1970万人で、その後は減少傾向で推移し10年には1000万人を割り込んでほぼ横ばいで推移している。こうした推移の中でパートタイム労働者の組合員数は増加傾向で全組合員に占める割合は15年には2ケタ台となり18年は13.0%までに至っている。
 
 6月27日、厚労省が全国の組合員数30人以上の民間労働組合を対象にして行った「平成30年労働組合活動等に関する実態調査」の結果の概況を公表している。
 
 15年6月時点と比べた組合員数の変化を聞いた結果では、組合員数が「増加した」と答えた労働組合の割合は33.5%で前回調査の34.1%より減少している。「変わらない」は24.1%で前回の22.2%より増加し、「減少した」との回答は42.2%で前回調査41.7%より増加した。全体として中期的な組合員数の動向は横ばいから僅かに減少傾向で推移しているようだ。就業者数の増加に比例し被雇用者数は増加傾向で推移しているため組織率の減少傾向が下げ止まらない状況だ。
 
 産業別に「減少した」と回答した組合の割合を見ると電機・ガス・熱供給・水道業が74.8%と7割を超え最も多く、次いで情報通信業が56.8%と半数を超え6割近くに達している。
 
 「組合員が減少した理由」を複数回答で答えてもらった結果では、「組合員の退職」が最も多く、中でも「定年退職」が67.8%と最も多く、次いで「自己都合退職」が65.4%と6割超えとなっている。「正社員採用の手控え」も3分の1にあたる33.7%存在する。
 
 組織拡大を重点課題として取り組んでいる労働組合の割合を見ると、「取り組んでいる」が29.8%で前回調査の31.9%から減少し、「取り組んでいない」が70.0%と前回調査66.0%より増加している。「取り組まない理由」を複数回答で答えてもらった結果を見ると、「ほぼ十分な組織化が行われているため」が50.7%と半数を超え、「組織が拡大する見込みが少ないため」が21.1%の順となっている。
 
 労使関係の状況については「安定的」が91.3%とほとんどの組合が「労使安定」と答えており、組織拡大への必要性が低くなっているのかも知れない。(編集担当:久保田雄城)
 
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 ソウル市が、2019年6月から日雇労働者・自営業者にも「有給病休」支援制度導入

 
 ソウル市は、今年6月から勤労脆弱階層に年間最大11日の有給病休を支援することになりました。ソウル市は、勤労基準法(=労働基準法)上、有給病休を受けることができない日雇い労働者と、零細自営業者などに、家計の一部を支援する「ソウル型有給病休支援」制度を6月1日から施行しました。
 
 「ソウル特別市ソウル型有給病休支援に関する条例案」では、
 その提案理由が、次のように述べられています
 
 ○病気でも休むことができない勤労所得者及び事業所得者が、入院治療期間に最小限の家計を維持できるようにして、適正な時期に適切な治療を受けられるように「ソウル型有給病休」手当を提供しようと思う。
 ○脆弱階層に分類される低所得勤労所得者と零細自営業者は、正規職及び常用職に比べて低い所得水準にもかかわらず、医療費支出が高く、疾病による失業など所得喪失につながる状況であり(正規職に比べて零細自営業者は2倍、日雇いは1.7倍の医療費支出)疾病と貧困の悪循環状態に置かれる可能性が高い。
 ○これに対し「ソウル型有給病休」制度導入を通じて、疾病治療などで所得喪失が発生するのに支援策がない非正規職、零細自営業者に対する医療保障制度死角地帯を解消しようと思う。
 
 これに伴って、ソウル市民の中で、「基準中位所得100%以下」=2019年基準で4人世帯461万ウォン(≒46万円)の給与所得者や事業所得者は、1日8万1180ウォン(≒8100円)を受けることができます。健康診断1日と入院10日を含め、1年に最大11日までの手当を受けることができます。
 
 とくに、一部の建設労働者と縫製業従事者など、複数の事業者と契約を結び、雇用主(使用者)を特定するのが難しい場合にも支援を受けることができます。
 
 ただ、勤労者(=労働者)の場合、入院した日の前月まで1ヶ月間10日以上の就労3ヶ月間があることが要件となり、事業者の場合にも、入院した前月まで3ヶ月間事業場を維持していることが必要となります。
 
 住民登録で住所地がソウルである市民であれば、給与所得者でも事業所得者でも住所地を管轄する「洞住民センター」(=区役所)と保健所で申請することができます。
 
 4大保険の中で、国民年金、雇用保険、産災(労災)保険に加入していない場合でも申請できますが、「国民健康保険地域加入資格」は必須です。
 
 ソウル市は、2019年に事業を推進してから、検討を経て対象者を拡大する方針です。
 
 【参考】聯合ニュース2019年5月29日など
 (試訳、文責:脇田滋)
 
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ILO総会ハラスメント条約を委員会で採択 6月21日(金)に本会議で投票予定

 連合ニュース 2019年06月21日 https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/news_detail.php?id=1525
 
 6月20日(木)、第108回ILO総会基準設定委員会は、「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約案および勧告案の採択を行いました。
 #MeToo運動をはじめ、世界中でハラスメントの根絶が求められる中、ILO創立100周年の記念総会において、ハラスメントに特化した初めての条約案をまとめ上げることができたのは、委員会の大きな成果と言えます。採択の歴史的瞬間には、政労使の参加者が総立ちで拍手し、喜びを分かち合いました。
 2018年の第107回ILO総会から始まった委員会の議論は、委員会報告の採択をもって閉会となりました。
 
 今後は、21日(金)のILO総会本会議において、委員会報告が行われ、条約および勧告それぞれについて各加盟国の政労使が投票を行います。
 各加盟国は、政府2票、使用者代表1票、労働者代表1票ずつ投票権があり、出席者の3分の2の賛成で採択となります。
 
以 上
委員会報告(条約案・勧告案)
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第108回ILO総会

第108回ILO総会閉幕:条約、勧告、宣言などを採択
記者発表 | 2019/06/21
 
第108回ILO総会閉会式模様
 2019年6月10日にジュネーブで開幕した第108回ILO総会 は、21日に2週間の日程を終えて閉幕しました。日本を含む187加盟国から約6,300人の政府、使用者、労働者の代表に加え、多数の国内・国際非政府組織(NGO)のオブザーバー、国家元首・政府首脳級のハイレベルゲストの出席がありました。
 
 総会は最終日に仕事の世界における暴力とハラスメント(嫌がらせ)と戦う条約と付属する勧告、そして人間中心の仕事の未来に向かう道を定める宣言を採択しました。
 
 変化する仕事の世界の中でILOに付託された任務の重要性と妥当性を再確認する「2019年の仕事の未来に向けたILO創立100周年記念宣言 」は、ILO自身の行動を示す行程表であるだけでなく、動員を呼びかけ、その意図を強く表明する文書となっています。仕事の未来を人間中心のレンズを通して見るこの宣言は、全ての労働者の十分な保護の確保を目的とした仕事に係わる制度機構の強化、そして持続可能で包摂的かつ持続的な経済成長並びに生産的な完全雇用の促進を通じて、人々が仕事の世界における変化から利益を得られるようにすることに強く力点を置いています。
 
 宣言が定める具体的な行動分野には以下のようなものが含まれています。◇機会及び待遇における男女平等の実効的な実現、◇効果的な生涯学習と全ての人への良質な教育、◇全ての人に開かれた包括的で持続可能な社会的保護の機会、◇労働者の基本的な権利の尊重、◇十分な最低賃金、◇労働時間の上限、◇労働安全衛生、◇ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進し、生産性を高める政策、◇適切なプライバシーと個人データの保護を確保し、プラットフォーム労働を含み、仕事のデジタル変容に関連した仕事の世界の機会と課題に対応する政策と措置。
 
 宣言について、ガイ・ライダーILO事務局長は、「仕事の未来とはすなわち私たちの組織の未来であり、今日採択したものは行程表、この組織の未来において私たちを前進に導く羅針盤」と表現しています。
 
 創立100周年の記念すべき年に当たる今年の総会には、アントニオ・グテーレス国連事務総長 を始め、40人あまりのハイレベル・ゲスト が出席し、ILO、そしてILOに付託された任務である社会正義を支持する強いメッセージを発しました。グテーレス事務総長は、「100年前に点された、ILOが掲げ進んでいるたいまつは、政府、使用者、労働者が意思決定の卓に共につき、包摂性のモデルを土台とし、社会正義を基礎とした新たな世界の構築を助けるもの」と評した上で、宣言について、「世界中の人々に、より明るい未来に至る扉を開く歴史的な機会を印すもの」と評価しました。そして、ILOがその付託された任務を次の100年間に提供する基盤を定める100周年記念宣言について、野心的ながら、望みや意図の声明以上のものであり、開発についての私たちの見方のパラダイム転換」を提案する文書との理解を示しました。
 
 グテーレス事務総長はまた、「2019年の暴力・ハラスメント条約(第190号)」及び同名の付属する勧告(第206号) の採択を歓迎しました。仕事の世界における暴力とハラスメントは「人権侵害または虐待となり得、平等な機会に対する脅威であり、許容できず、ディーセント・ワークと相容れない」と認識する条約は、「暴力とハラスメント」について、「心身に対する危害あるいは性的・経済的に危害を与えることを目的とするか、そのような危害に帰する、あるいは帰する可能性が高い」行動様式及び行為またはその脅威と定義し、加盟国に対しては「全く容赦しない一般的な環境」を促進する責任があることに改めて注意を喚起しています。新しい国際労働基準は、契約上の地位にかかわらず、あらゆる労働者及び従業員を保護することを目指し、これには研修生やインターン、見習い実習生、雇用契約が終了した労働者、ボランティア、求職者、求人広告への応募者なども含むものとしています。さらに、「使用者の権限、義務、責任を行使している個人」も暴力やハラスメントの対象となり得ることを認めています。
 
 暴力やハラスメントの発生場所に関しては、基準は職場のみならず、労働者がそこに存在することによって支払いを受ける場所や休憩場所、食事休憩を取っている場所、洗浄・衛生設備や更衣設備を用いる場所、出張中や研修中、行事・社交活動中、情報通信技術(ICT)経由の場合を含む、仕事に関連したコミュニケーションの過程、使用者の提供する宿泊設備、通勤中も含むものと規定しています。また、第三者が関連する場合もあることを認めています。
 
 ライダー事務局長は次のように述べて、採択を歓迎しました。「新しい基準は、暴力とハラスメントから自由な仕事の世界に対する一人一人の権利を認めています。次の段階は、男女双方により良い、より安全で働きがいのある人間らしい労働環境を形成するために、この保護を実践に移すことです。この問題に関して見られた協力と連帯、そして行動を求める一般の人々からの要求に鑑みると、迅速で幅広い批准と実施のための行動が期待できます」。
 
 条約は批准国を法的に拘束するのに対し、勧告は拘束力のない指針として用いられます。宣言とは、加盟国による決議であり、権威ある公式な声明を行うために用いられます。
 
 総会の基準適用委員会 は条約の適用に関する個別事例24件を取り上げ、結論を採択しました。
 
 会期中には国連機関その他多国間機関のトップや政労使ハイレベル代表が参加する、仕事の未来に関するテーマ別討議 も複数行われました。
 
 総会の議長を務めたスイス連邦経済省経済事務局のジャン=ジャック・エルミジェ国際労働局長は、総会の成果は「世界の平和を支え、社会正義に向けた公約を永続させる力をILOに与えるもの」と評価し、「この総会は歴史に名を刻むものとなろうことを認めようではありませんか」と呼びかけました。副議長にはアンゴラの政府代表、ケニアの使用者代表、ブルガリアの労働者代表がそれぞれ選出されました。
 
 第108回ILO総会の討議資料や議事録、採択文書、投票結果などは、総会のウェブサイト でご覧になれます。ハイレベルゲストの演説を含む本会議やテーマ別フォーラムの模様は録画動画 でご覧になれます。
 
 以上はジュネーブ発英文記者発表 の抄訳です。

 

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