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 職場のセクハラ防止条約関連記事・声明 目次

〔1〕JIL セクハラ禁止、初の条約化採択 ILO総会、各国の対策後押し/来年に詳細持ち越し
〔2〕2018年6月8日 日経新聞_職場でのセクハラ防止条約、19年制定へ 
〔3〕20180610 朝日新聞 セクハラ国際条約制定へ 防止義務だけの日本、変わる?
〔4〕連合事務局長談話 2018年6月14日 ILO総会「仕事の世界における暴力とハラスメント」基準設定委員会報告の採択に関する談話
〔5〕日本労働弁護団 職場のハラスメント防止法を作ろう!集会アピール
〔6〕自由法曹団 実効性ある包括的ハラスメント禁止法の制定を求める
 
〔1〕JIL セクハラ禁止、初の条約化採択 ILO総会、各国の対策後押し/来年に詳細持ち越し[海外]
 
 国際労働機関(ILO)は年次総会最終日となる8日、セクハラや暴力など、職場での迷惑行為を禁止する初の国際条約制定を求めた委員会報告を採択した。性的被害を告発する「#MeToo」運動が広がる中、拘束力のある条約を目指す方針で一致し、各国のセクハラ対策を後押しする。
 ただ、「労働者」として保護すべき対象の範囲などについて各国で折り合いがついておらず、条約案の詳細は来年の総会での採択に持ち越された。
 関係筋によると、日本政府は条約制定にはおおむね賛成なものの、実際に批准できるよう、各国の実態に即した内容とすべきだと主張している。
 委員会報告は、通勤時や休憩中も含めた業務中に「身体的、心理的、性的、経済的に損害を与える」恐れのある行為を「絶対に許容しない」ことや、予防措置の導入を提言。求職者や被解雇者も対象にすべての労働者を保護する必要があるとしている。
 委員会のパトリー議長は「世界が注目しており、もはやこの問題を無視できない」と強調。一方で、「保護対象の定義が非常に曖昧」(英企業団体代表)と雇用者側の負担を懸念する声や、「文化の違いがあり、禁止行為を一律に決めるのは難しい」(ウガンダ政府代表)などと否定的な意見も相次いだ。
 条約が成立しても、各国が国内法との整合性などを理由に批准しないことは可能。これまで採択された189のILO条約のうち、日本が批准したのは49にとどまる。
(ジュネーブ時事)
2018年6月8日
 
〔2〕2018年6月8日 日経新聞_職場でのセクハラ防止条約、19年制定へ 
 
2018/6/8 17:51 (2018/6/8 20:46更新)
 
 【ジュネーブ=細川倫太郎】国際労働機関(ILO)は、2019年にも職場でのセクハラや暴力を防止するための条約を制定する方針を決めた。拘束力を持つ初めての国際基準になる見通し。被害者が性的暴力の被害を自ら訴える「#MeToo」(「私も」)運動が世界的に広がる中、各国のハラスメント対策を後押ししそうだ。
 ILOはスイス・ジュネーブで5月28日から始まった年次総会で、たたき台となる草案を協議してきた。最終日の8日に草案の報告書を承認し、国際基準の策定へ一歩前進した。
 条約では職場でのあらゆる暴力やセクハラを含めたハラスメントの防止を目指す。条約を補完するために、詳細内容を示した勧告も作成する。
 具体的には暴力やハラスメントを精神的、性的、経済的危害などを引き起こす許容しがたい一連の行為などと定義。被害対象者にはボランティアやインターン実習生も含んだ。加害者は雇用主や同僚だけでなく取引先や顧客も対象で、職場や通勤時間中、メールやチャットでの会話など幅広い場面で適応する。
 ILOは今後、加盟国の意見をさらに聞いて、具体的な条約と勧告の中身を詰めていく。19年の年次総会で再び討議し、条約制定を目指す。
 もっとも、今回の総会での議論は一筋縄では進まなかった。欧州連合(EU)や中国などが条約制定に賛成した一方、米国はすべての国や地域への一律適用を疑問視。「各国が使える文章にすべきだ」とし、勧告にとどめるべきだと主張した。国内でも関連法が未整備の日本は「定義が広すぎる」と態度を保留した。
 労働者の権利保護を巡っても当初、LGBT(性的少数者)も対象者に含まれていたが、同性婚を認めていない国が多いアフリカ諸国が強く反対。一時、会場から退出するなど議論は紛糾し、結論を先送りするテーマも少なくなかった。
 各国で社会規範や労働形態が異なるため、今後の議論も曲折が予想される。パワハラひとつとっても指導かハラスメントなのかは個別案件によるところが大きく、線引きは難しい。最終的にどこまで条約と勧告に明記するかに注目が集まる。
 日本では男女雇用機会均等法でセクハラの防止措置をとる義務を企業に課しているが、セクハラの定義は定まっていない。ILOが80カ国の現状を調査したところ、仕事に関する暴力やハラスメントを規制する国は60カ国で、日本は「規制がない国」に分類された。国際的にみて取り組みは後れを取っている。
 ILO総会は加盟187カ国の政府、労働者、使用者の代表が一堂に会し、労働問題について協議する。ILOのライダー事務局長は「職場からすべての暴力やハラスメントを完全になくす必要がある」と条約制定に強い意欲を示している。
 
〔3〕20180610 朝日新聞 セクハラ国際条約制定へ 防止義務だけの日本、変わる?
 
三島あずさ、山本奈朱香、村上晃一 2018年6月10日15時36分
 
■職場で受けた・見聞きしたハラスメント
 スイス・ジュネーブで8日まで開かれていた国際労働機関(ILO)総会で、セクハラなど働く場での暴力やハラスメントをなくすための条約をつくる方針が決まった。初の国際基準ができることで、日本の現状は変わるのか。専門家やセクハラ被害者らは「国内法を整備する原動力になれば」と期待する。
 8日に採択されたILOの委員会報告では、来年の総会で法的拘束力のある条約という形で国際基準の採択をめざし、働く場での暴力やハラスメントの根絶に向けた基本理念と罰則を備える、とした。
 加藤勝信厚生労働相は同日の衆院厚労委で「世界各国で効果的なハラスメント防止の取り組みが可能となるよう、引き続き議論に積極的に参加したい」と述べた。
 
 職場でのハラスメントは日本でも深刻な問題だ。
 連合(日本労働組合総連合会)が昨年、18〜69歳の仕事をもつ男女各500人に聞いた調査では、約56%の人が、職場でハラスメントを受けたり見聞きしたりしたことがあると答えた。
 最も多かったのがパワハラ(45・0%)で、セクハラ(41・4%)、女性(男性)にのみ特定の仕事を押しつけるなどのジェンダーハラスメント(25・4%)、マタハラ(21・4%)が続いた(複数回答)。ハラスメントを受けた人は、仕事や健康、日常生活に深刻な支障をきたしていることも浮き彫りになった。
 
〔4〕連合事務局長談話 2018年6月14日 ILO総会「仕事の世界における暴力とハラスメント」基準設定委員会報告の採択に関する談話
 
2018年6月14日
 
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸
 
1.条約採択に向けて大きな前進、国内法整備に期待
 6月8日、国際労働機関(ILO)は、スイス・ジュネーヴで開かれていた第107回総会において、条約と勧告による補完を内容とする「仕事の世界における暴力とハラスメント」基準設定委員会の報告を採択した。#MeToo運動が日本にも広がりを見せ、世界共通の課題としてハラスメントの根絶が求められる中、今回の委員会報告採択は、来年のILO総会における条約採択に向けた大きな前進として評価するとともに、日本国内の法整備がめざす方向性として期待できる。
 
2.ハラスメントと労働者の定義、禁止規定などが盛り込まれる
 委員会では、2016年に実施されたILO調査や専門家会議報告、2017年の加盟国政労使の意見聴取などにもとづき策定された結論案をたたき台に、議論が行われた。採択された報告は、「文書の形式」を条約と勧告による補完とした上で、「暴力とハラスメント」を身体的、精神的、性的または経済的危害を引き起こす許容しがたい行為などと定義し、対象となる「労働者」に契約上の地位にかかわらず働く人々も含め、「加害者および被害者」には取引先や顧客などの第三者が盛り込まれた。また、加盟国は仕事の世界における暴力とハラスメントを禁止するための国内法令を採択するべきとしている。
 
3.包括的な内容を評価しつつ、LGBT等のリスト削除は遺憾
 連合を含めた労働側は、必要な内容が適切に盛り込まれた結論案を支持しつつも、より多くの政府の支持が得られるように柔軟性を持った対応で議論に臨んだ。その結果、ハラスメントや労働者の定義について、包括的な内容が確認されたことは評価する。また、ハラスメント禁止規定が盛り込まれたことは日本の国内法整備の前進につながるものとして期待したい。一方で、「条約の内容」から、LGBTを含めハラスメントの影響を受けやすいグループのリストが削除されたことは極めて遺憾である。
 
4.あらゆるハラスメントの根絶をめざして、条約採択と国内法整備を
 今後、ILOは、加盟国政労使の意見聴取を経て、その結果にもとづき修正された草案を来年のILO総会で議論し、3分の2の賛成で条約採択となる。連合は、引き続き国際労働組合総連合(ITUC)とともに「STOP!仕事におけるジェンダーに基づいた暴力」キャンペーンを展開し、ILO条約採択と批准に向けた国内法整備を求めていくとともに、あらゆるハラスメントの根絶に向けた取り組みを強化していく。
以上
 
〔5〕日本労働弁護団 職場のハラスメント防止法を作ろう!集会アピール
2018/11/24
 
職場のハラスメント防止法を作ろう!集会アピール
 職場のハラスメント(職場のいじめ・嫌がらせ)は、深刻な社会問題である。本日の集会でも、各当事者や団体の報告から、パワハラ、セクハラ、サービス業における顧客からのカスタマーハラスメントなど、職場におけるハラスメントの凄惨な実態が明らかとなった。
 現在、厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会では、職場のパワーハラスメント対策等についての議論が行われており、本年11月19日の審議会において、事務局案として、「女性の活躍の推進及びパワーハラスメント防止対策等の在り方について(取りまとめに向けた方向性)」が提示された。
この中で、事業主に対して職場のパワーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務付けるとの方向性が示されたことは、一歩前進である。しかし、カスタマーハラスメント等の第三者からのハラスメントは除外され、セクハラに関する行為禁止規定の創設についても消極的な方向性にとどまるなど、その内容は全く不十分である。
 本来、「職場のハラスメント」とは、セクハラ、マタハラ、パワハラといったカテゴリーに明確に分類しうるものではなく、例えばLGBTを理由とするハラスメントや顧客等の第三者からのハラスメントなど、多様な事案を含むものであり、それら全体を防止し、規制することが必要である。また、職場のハラスメントが許されない行為であることを社会的に明確に周知し、労働者が職場のハラスメントを受けることなく就業することが権利であることを明らかにするためには、独立の「職場のハラスメント防止法」の立法が必要である。その中には、雇用、就業形態に関係なく職場で働くすべての労働者が保護対象とした上で、事業主の措置義務規定に加え、事業主、上司、同僚はもちろん、取引先、顧客、患者などの第三者も対象としたハラスメント行為禁止規定、ハラスメントのない環境で働く労働者の権利を確認する規定を設けるべきである。
 来年のILO総会では、極めて広範なハラスメントを対象とした「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する基準が「勧告に補完される条約」として採択される予定である。世界的にも仕事の世界における暴力とハラスメント禁止が大きな流れになりつつある今こそ、日本においても職場のハラスメントに対する規制立法に真摯に取り組むべきである。
 私たちは、職場におけるあらゆるハラスメントの根絶に取り組むことを宣言するとともに、職場のハラスメント防止法の早期立法を強く求める。
 
2018年11月22日 集会参加者一同
 
〔6〕自由法曹団 実効性ある包括的ハラスメント禁止法の制定を求める
 
声明
実効性ある包括的ハラスメント禁止法の制定を求める
 
 1 事業者にハラスメント防止措置義務を定めた「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」(いわゆる女性の活躍推進法の改正案、以下「内閣提出法案」)の審議が昨日衆議院厚生労働委員会で始まった。初日から参考人質疑を開始し、本日も終日審議するという異例の速さで審議が進められようとしている。
 2 この参考人質疑の中でも、内閣提出法案にはハラスメント禁止規定がないため行政が違法行為の認定をできない、ハラスメント行為者に対して勧告ができない、措置義務違反を指摘する労働局側の人員が不足している、セクハラは2006年から措置義務の定めがありながら減少していないなど、ハラスメントの予防について実効性がないとの指摘があった。また、女性のセクハラ被害の実態は深刻であり、労働者だけでなく就職活動を行う学生(就活生)や業務委託従事者が被害を受ける場合、職場だけでなく営業先、顧客などから被害を受ける場合等、多岐にわたっていることや、強制性交に至る深刻なもの、報復を恐れて誰にも相談できないケースなど様々な実態も紹介された。
 3 参考人の中には、セクハラを含めハラスメントを禁止すべきか今後中長期的に検討すべきであるという意見もあったが、昨年の労働政策審議会の議論でも、ハラスメントは人格権の深刻な侵害、すなわち人権侵害であることを前提に議論していた。また、ハラスメント相談は労働局の受ける相談で最も件数が多くなっており、もはや放置できない人権侵害であることは明白で、中長期の検討に委ねることなど許されない。ハラスメントという現に発生している人権侵害を直ちに禁止し、その実効性ある救済を図る必要があることは明白である。
 4 ハラスメント行為により、労働者が出社できなくなったり、うつ病に罹患したりして職業生活から遠ざかる例、ひいては自死に至る例もあるのであるから、立法府が実効性のない措置義務を事業者に課すにとどまるなら、立法不作為の責任も問われることとなろう。
 5 自由法曹団は、ハラスメントや差別のない人間性豊かな職業生活を送る権利は、憲法13条に保障された幸福追求権の一内容であることに鑑み、セクハラを含むハラスメントを防止し人権救済を図る必要から、内閣提出法案に対し、.魯薀好瓮鵐板蟲蘇分につき、「労働者」に就活生、業務委託従事者、「職場」に営業先、顧客などを含む規定に修正すること、何人もハラスメントを行ってはならないという包括的禁止規定を法案に盛り込むこと、ハラスメント行為が民事罰の対象となることを明記すること、つ環笋砲いては、調停案を受諾しない場合にはハラスメント認定をした上であっせん案を公表できる制度を加えること、ゥ札ハラの定義については、人事院規則の内容を定義として採用して、何人にも禁止し、セクハラ行為が民事罰の対象となるとの定めを加えること、との修正を行うよう求める。
 
6 本年6月のILO総会で採択予定のハラスメント禁止条約は、包括的なハラスメント禁止条約であり、内閣提出法案のような実効性もなくハラスメントを包括的に禁止していない法律案は、ILOハラスメント禁止条約案とあまりにもかけ離れている。
  よって、自由法曹団は、内閣提出法案について、実質的にILOハラスメント禁止条約案の水準に達するように、ハラスメントを包括的に禁止する実効性のある「ハラスメント禁止法」に修正することを要求するものである。
 
2019年4月17日
                  自由法曹団 団長 船尾 徹
 

 

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 『国際労働基準 ILO条約・勧告の手引き2019年版』(発行日 2019年4月16日)

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◆「目次」は、次の通りです。ILO条約・勧告の概要を知るのに便利です。
 
はじめに ···································· 1
国際労働基準−ILOの条約・勧告とは ··········· 3
条約・勧告ができるまで ······················ 5
国際労働基準関連手続きの流れ ················ 7
基準設定に関する理事会の方針 ················ 8
条約・勧告の廃止・撤回 ······················ 10
条約・勧告の採択後は ························ 12
条約適用の監視機構 ·························· 14
条約勧告適用専門家委員会 ····················· 15
基準適用総会委員会 ·························· 16
憲章第24条及び第25条に基づく申立 ·············· 17
憲章第26〜29条及び
第31〜34条に基づく苦情申立 ··········· 17
結社の自由に関する実情調査調停委員会 ·········· 18
理事会の結社の自由委員会 ····················· 19
国際労働基準の効果 ·························· 20
批准条約の効果 ······························ 20
未批准条約の効果 ···························· 20
条約の解釈問題 ······························ 21
労働における基本的原則及び
権利に関するILO宣言 ················· 22
公正なグローバル化のための社会正義宣言 ······ 22
参考文献 ···································· 24
主要な条約・勧告の解説 ······················ 29
加盟国別にみた条約批准数 ··················· 100
条約別にみた批准数及び索引 ················· 104
ILO勧告の一覧表 ···························· 109
 
◆この中で、62頁には、パートタイム労働について、次のような説明がありました。
 
パートタイム労働(1994年 第175号条約)
正式名は「パートタイム労働に関する条約」。
 
 パートタイム労働者の労働条件が、比較可能なフルタイム労働者と少なくとも同等になるよう保護すると同時に、保護が確保されたパートタイム労働者の活用を促進することを目的とする条約。本条約は、パートタイム労働者を、通常の労働時間が、比較可能なフルタイム労働者(当該パートタイム労働者と同一形態の雇用関係を有し、同一または類似のタイプの労働または職業に従事し、同一事業所、同一企業または同一業種に雇用されている者)のそれより短い労働者と規定するが、関係の労使団体と協議の上、特定の労働者・事業所への適用除外を認める。
 団結権、団体交渉権、労働者代表として行動する権利、労働安全衛生、雇用及び職業における差別といった基本的権利に関しては、パートタイム労働者に比較可能なフルタイム労働者と同一の保護を、基本給、職業活動に基づく法定社会保障制度、母性保護、雇用の終了、年次有給休暇と有給公休日、疾病休暇に関しては、同等の条件を与えること、さらにフルタイム・パートタイム間の自発的な相互転換に向けた措置をとることなどを求める。
 補足する同名の勧告(第182号)は条約適用の指針となる細則を示す。
 批准=17
 
◆日本は、まだ、この条約を批准していません。日本では、1993年、この条約が採択される前年に「パート労働法正式名 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」が成立しました。この条約が求めるフルタイム労働者との同一待遇や、フルタイム・パートタイム間の自発的転換などの規定は含まれていません。条約が採択されてしまう前に、条約内容とはかけ離れた内容・低水準の法律を駆け込みで成立させたと考えざるをえません。「日本的パートタイム労働」は、ILO条約が予定する「パートタイム労働」とは全く違うことが分かります。(W)
 
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  政府(国土交通省)と建設業界労使が話合いを通じて「建設キャリアアップシステム」を作りました。この4月から本運用が始まっています。

 建設業界は、低賃金・不安定雇用、厳しい労働環境など、多くの問題を抱えており、とくに若い労働者から敬遠されて、深刻な労働力不足の状態になっていました。その改善となるのか、新システムが、労働者が人間らしく働ける民主的な職場になるためのシステムとして有効に機能するのか、注目すべき動向だと思います。
 韓国でも類似の「改革」が進んでいます。今後、関連した情報を集めて、エッセイなどに書きたいと思っています。(W)
 
□国土交通省
説明資料
 
□建設キャリアアップシステム
 
□全建総連(全国建設労働組合総連合)
建設キャリアアップシステム
〇建設キャリアアップシステムを創った目的
 日本全体の就業者人口が減少する中、全ての産業で担い手の確保が共通した課題となっています。
 特に建設業は他産業に比べて高齢化が進んでおり、60歳以上の技能労働者が約4分の1を占め、10年後にはその大半の引退が見込まれます。これから建設業を支える29歳以下の割合も全体の約10%程度、新規入職者数はこの20年でピーク時の約半分(H7:7.8万人→H27:4.0万人)に減少するなど、若年入職者の確保・育成、担い手の確保が喫緊の課題となっています。
 賃金についても建設業の現場労働者の賃金カーブのピークは製造業の生産労働者よりも早く到来する傾向があり、30代後半でピークの水準に到達していることから、現場の管理、後進の指導等のスキルが適切に評価されていない可能性があります。
 また、技能者個々の能力を統一的に評価する業界横断的な仕組みがなく、技能者のスキルアップが処遇(賃金)の向上につながっていかない構造的な問題があります。
〇システムの概要
〇システム利用によるメリット
〇システムを活用した政策展開
〇登録申請
〇建設キャリアアップシステムの質問、問い合わせ
リンク先
・建設業振興基金
・国土交通省/建設キャリアアップシステム
 
□全京都建築労働組合
建設キャリアアップシステム 京建労本部でも申請受付
2019年3月28日
 建設キャリアアップシステム(CCUS)の全国登録数は1月末現在で技能者が9300件、事業者が6500件となっています。
 3月1日から建設業振興基金のホームページにも「認定登録機関」として掲載され、組合外からの申請も受け付ける窓口として機能しています。今後、組合内では技能評価での具体化先行職種である鉄筋、とび、型枠などへの登録よびかけを本格化していきます。
 「技能者」「事業者」の登録問わず、CCUSに関するお問い合わせは京建労本部までお電話ください。
【建築ニュース1140号(2019年4月1日)】
 
□東京土建一般労働組合
2019年4月から本格運用開始の「建設キャリアアップシステム」は、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する仕組みです。
このシステムの活用により技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、将来にわたって建設業の担い手を確保することを目的としています。
 
□横浜建設一般労働組合
建設キャリアアップシステムが建設業を変える!
 
□埼玉土建一般労働組合
 
「建設キャリアアップシステム」が始まります
産業の民主化のたたかい
「建設キャリアアップシステム」が始まります
ICカードを利用して、労働者の技能と就業実績を管理。適正な評価と処遇をめざすシステムが秋から本格稼働します。
ICカード発行には手数料が必要ですが、2018年4月1日現在30歳未満の方限定で、動画配信による説明を視聴すると、登録料が無料になるキャンペーンを実施中です。
 
建設現場の外国人「処遇改善」で日本人と大差
建設キャリアアップシステムで何が変わるか
千葉利宏・ジャーナリスト 東洋経済オンライン 2019/04/15
 
 
 
 
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 第9回「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会」資料

 
【議事次第】第9回雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会
【資料1】マッチング支援(第8回資料)
【資料2】主に御議論いただきたい点(第8回資料)
【資料3−1】雇用類似の働き方の者に関する調査・試算結果等(速報)
【資料3−2】雇用類似の働き方の者に関する調査・試算結果等(速報)本調査(実態調査)
【資料4】これまでの議論等の整理
<参考資料1>第8回「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会」における委員からの主な御指摘
<参考資料2>参照条文(第8回参考資料)
<参考資料3ー1>「雇用類似の働き方」について(第3回資料)
<参考資料3ー2>契約条件の明示、契約内容の決定・変更・終了のルールの明確化等(
第3回資料)
<参考資料3ー3>報酬額の適正化等(第4回資料)
<参考資料3ー4>就業条件(第4回資料)
 
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社説[働き方改革法施行]労働環境是正の一歩に
2019年4月8日 05:00
 
 働き方改革関連法が施行された。事実上の青天井だった時間外労働に罰則付きの上限を設け、「同一労働同一賃金」が原則として正社員と非正規社員の間にある不合理な待遇の是正などを盛り込んだ。
 
 時間外労働の上限が定められたのは1947年の労働基準法制定以来初。「長時間労働」や「待遇格差」などに代表される日本の労働の価値観を変える第一歩である。
 
 時間外労働の上限は、大企業は今年4月1日から、中小企業は来年4月1日から適用される。残業時間を年間、単月、2〜6カ月間ごとに細かく規制し、これらを超過すれば6月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性がある。曖昧な労務管理は許されない。繁忙期に時間外労働に頼っていた企業では、雇用のあり方そのものを変える必要に迫られる。
 
 ただ上限は単月100時間、2〜6カ月平均80時間となるなど過労死ラインぎりぎりだ。企業の取り組みによっては長時間労働の解消につながらない危険性もある。
 
 柱の一つである一定の年収以上の人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」は、長時間労働の抜け穴となる危険性もある。安倍晋三首相は国会で「この制度は本人の同意が必要で、望まない人には適用されない」と答弁したが、その担保となる歯止めが必要だ。
 
 関連法は、過労死の根絶を求める世論の高まりに押されて実現した。企業や経営者は同法が意図するところをしっかりと認識し、労働環境の改善に努力してほしい。
 
    ■    ■
 
 同一労働同一賃金の厳格化は大企業で来年4月1日から、中小企業は2021年4月1日から適用される。
 
 国内の非正規社員は、働く人の4割を占める。一方、非正規の賃金は正社員の6割程度にとどまっている。県の調べでは県内の観光産業を支える宿泊・飲食サービス業に携わる女性従業員の8割が非正規という。非正規社員の待遇改善は格差社会の是正につながる喫緊の課題だ。
 
 ただ、具体的な内容は厚生労働省が作成する指針に基づいて労使交渉で決められる。格差解消のため、正社員の待遇が引き下げられる懸念も出ている。
 
 厚労省は指針の中で待遇引き下げによる格差是正は好ましくないとするが、関連法の理念を実現するには、安易な引き下げを食い止める実効性のある対策が求められる。
 
    ■    ■
 
 初の罰則規定とともに効力を発揮しそうなのが、労働基準関連法令に違反した企業名の公表制度だ。対象となるのは悪質な違反を繰り返したり、労働基準監督署が書類送検した企業(中小零細企業を除く)で、厚労省は「社会への啓発が目的」とする。
 
 人手不足による倒産は18年度、過去最多の400件だった。
 
 長時間労働や低賃金を前提とした雇用のあり方は、物づくりやサービスなど人の手で生み出されるあらゆる「商品」に密接に関わっている。国はもちろん、労使ともに不断の努力で働き方を見直さなければならない。
 

 

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経団連、この恐るべき同質集団  編集委員 西條都夫

日本経済新聞 電子版2018/6/21

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31995500Q8A620C1X12000/

 日本経済新聞の朝刊コラム「経営の視点」で経団連の正副会長について分析したところ、かなりの反響があったので、その続きを書いてみよう。

 経団連といえば経済界の司令塔であり、正副会長は会社でいえば取締役に相当する存在だ。5月末に就任した中西宏明会長(日立製作所会長)と、それを支える18人の副会長の経歴を調べることで、日本経済を引っ張るパワーエリートの横顔を浮き彫りにしたい。

前回の記事では、正副会長の出身母体の企業は平成元年に比べると、ずいぶん裾野が広がり、30年前の製造業一辺倒から金融や運輸、商社などに多様化した、と評価した。

 会長に就任し記者会見する経団連の中西会長(5月31日、東京・大手町)

ところがそれとは対照的に、人の属性の多様化は全く進まず、(1)全員男性で女性ゼロ(2)全員日本人で外国人ゼロ(3)一番若い杉森務副会長(JXTGエネルギー社長)でも62歳。30代、40代はおろか50代もいない――という「超同質集団」であると指摘した。

加えて経営者としてのカテゴリーでも、全員がいわゆるサラリーマン経営者。かつて副会長に名を連ねたソニーの盛田昭夫氏やダイエーの中内功氏のようなアントレプレナー(起業家)が姿を消し、いわゆるプロ経営者もいないのは物足りない、とも書いた。

その後、いろいろ調べると、さらに同質性を補強するような材料を見つけた。19人の正副会長全員のだれ一人として転職経験がないのだ。別の言い方をすれば、全員が大学を出て今の会社の門をたたき、細かくみれば曲折があったにせよ、ほぼ順調に出世の階段を上ってきた人物であるということだ。

年功序列や終身雇用、生え抜き主義といった日本の大企業システムの中にどっぷりとつかり、そこで成功してきた人たちが、はたして雇用制度改革や人事制度改革、あるいは「転職が当たり前の社会」の実現といった目標に本気で取り組めるものなのだろうか。

19人の出身大学も調べてみたが、やはりというべきか、圧倒的な1位は東大で、中西会長以下12人が東大卒。次いで一橋大が3人、京大、横浜国大、慶応大、早稲田大が各1人だった。

地方創生が叫ばれるなかで、首都圏以外の大学を出たのは山西健一郎・三菱電機取締役相談役ただ1人(京大工卒)というのも、どうか。

誤解のないよう急いで付け加えると、「東大卒がダメ」とか「転職経験がないからダメ」と言いたいわけではない。むろん「男性はダメ」「60歳を超えているとダメ」というのでもない。

問題は正副会長が19人もいて、似たような経歴の人しかおらず、ダイバーシティー(多様性)に欠けることだ。「老壮青」や「老若男女」といった姿からは大きく乖離(かいり)している。

日本企業がかつて躍進したのは社員の同質性が高く、それがチームワークの良さにつながり、品質の改良などに威力を発揮したからだ。だが、近年は同質性より異質性が重要になった。異なるモノの見方や経験がぶつかり合うことで、そこにイノベーションが生まれる。

移民や外国人の活躍する米シリコンバレーの繁栄がその証しであり、逆に同質性を色濃く引きずる日本企業は失速した。

中西会長自身が3年前の筆者とのインタビューで多様性の重要性を強調し、「どれほど優秀な外国人に日立に来てもらえるかが経営の勝負どころ」「女性の起用に数値目標を導入するのは賛成。多少無理をしてでも女性の役職を引き上げることで、組織に新風が吹き込まれ、よりイノベーティブな企業風土に生まれ変わるだろう」と述べている。

日立の再生で発揮した剛腕を経団連でも振るうことを新会長には期待したい。

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NPO法人働き方ASU-NET10年のあゆみ

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朝日DIGITAL 2018年5月30日
https://digital.asahi.com/articles/ASL5Y5FWPL5YULFA01R.html

写真・図版;高度プロフェッショナル制度(高プロ)に反対の声を上げる(右から)連合の神津里季生会長、立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎共同代表=2018年5月29日午後5時20分、東京都港区、池田良撮影(省略)

写真・図版:高度プロフェッショナル制度(高プロ)に反対の声を上げる連合の神津里季生会長=2018年5月29日午後5時19分、東京都港区、池田良撮影(省略)

 連合は29日、働き方改革関連法案に盛り込まれた高所得の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」に反対する初の全国一斉行動を各地で実施した。昨夏、一時的に「容認」に傾いて反発を招き、これまで活動は抑えめだったが、ここにきて「高プロ反対」を浸透させようと懸命だ。

 「高プロという、とんでもない内容をもぐり込ませるから、だめだと言っている」。連合の神津里季生(りきお)会長は29日夕、東京・新橋駅前で200人ほどを前に訴えた。高プロの削除を求める立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎・共同代表も参加。野党との連携もアピールした形だが、この日予定されていた法案の衆院通過に事後的に抗議するため、やっと設定された全国行動だった。

 連合は昨夏、働き過ぎ対策を見直す条件つきで高プロを容認する動きを見せ、組織内外から強い反発を浴びた。結局、高プロ反対に立場を戻したが大きな顔はできず、これまでは国会内などで小規模集会を数回開くにとどまっていた。幹部は「昨夏の騒動で傷を負った。あれがなければもう少し動けていた」と話す。

 法案にセットで盛り込まれた残業時間の罰則付き上限規制などが、連合の望みであることも立場を難しくしている。神津会長は、野党が審議を拒否していた4月の会見で「重要な法案の審議すらできないのは極めて問題」と不満を述べた。ある副会長は「残業規制は連合の悲願。徹底反対で法案がつぶれるのが最悪のシナリオ」と、法案全体への対決姿勢には野党と足並みをそろえられない事情を説く。

 今月17日には神津会長が菅義偉官房長官を訪ね、残業規制などの早期実現を要請。これを菅長官が会見で「国会で議論を深掘りすることが重要と意見が一致した」と法案審議を後押しする要請と紹介する場面もあった。神津会長は29日の演説で、残業規制などは「早くスタートしなきゃいけない」としつつも「高プロなんかだめだと、私たち連合はこだわりを持って訴えたい」と強調した。(土屋

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 日本共産党の山下芳生副委員長・働かせ方大改悪阻止闘争本部責任者は11日、国会内で記者会見し、「『働かせ方』大改悪をやめさせ、まともな働き方改革を実現するために」と題した「労働基準法等改正大綱」を発表しました。笠井亮政策委員長、高橋千鶴子衆院議員が同席しました。

山下氏は、政府が審議入りを強行した「働き方改革」一括法案は「長時間労働を増大させ、過労死を促進するなど財界の要求に沿った“働かせ方大改悪”といわざるをえない」と指摘。「労働時間データをねつ造し、野村不動産の過労自殺を隠してきた安倍内閣に、

『働き方』改革を語る資格はない。野党や労働組合など諸団体、広範な市民と力をあわせて、法案阻止に全力を尽くす」と表明しました。

党として「8時間働けばふつうに暮らせる社会」の実現へブラック企業規制法案などを提案してきたことを紹介し、今回の大綱は政府の一括法案への対案だと説明しました。

大綱では、政府案の「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)は労働時間規制を適用除外し、過労死を促進・合法化するとして削除します。

裁量労働制についても、何時間働こうが事前に決めた時間を労働時間とみなすため、長時間労働の温床になっていると指摘。違法な適用が広がる企画業務型は廃止し、要件と運用を厳格化します。

残業時間の上限は、政府案では「月100時間未満」など過労死水準を法的に容認しているとして現行告示の週15時間、月45時間、年360時間を労基法に明記。終業から始業まで休息を確保する11時間の「インターバル規制」を明記します。

使用者に実労働時間の正確な把握・記録を義務付け、「サービス残業」は残業代を2倍にします。

パワハラ規制では、企業に対し厚労省が助言、指導、勧告、企業名公表を実施。セクハラについても規制を強化し、「被害者の人権とプライバシーを守る企業の責務」などを定めます。

山下氏は、「大綱を各党や労組、市民にも届け、共同を広げて、一括法案を必ず阻止する力にしていきたい」と語りました。

共産党案のポイント

○高度プロフェッショナル制度の削除。企画業務型の廃止など裁量労働制を見直す

○残業時間上限を月45時間、年360時間とし、連続11時間の休息時間を確保

○実労働時間を正確に把握・記録させ、サービス残業代は2倍にする

○パワハラ・セクハラへの規制強化

○同一労働同一賃金と均等待遇を明記し、正規と非正規、男女の格差をなくす

○雇用対策法改定案から「生産性の向上」「多様な就業形態の普及」を削除し、雇用対策法を変質させない

「働かせ方」大改悪をやめさせ、まともな働き方改革を実現するために 日本共産党の労働基準法等改正大綱

2018年5月11日 日本共産党国会議員団

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-12/2018051204_07_1.html

 11日、発表された「『働かせ方』大改悪をやめさせ、まともな働き方改革を実現するために……日本共産党の労働基準法等改正大綱」は次の通りです。

 政府は、「残業代ゼロ」法案と「残業時間の上限規制」法案を「一本化」した労働基準法改定案など8本の法律を一括改定する「働き方改革」一括法案を国会に提出し、野党と広範な団体・市民の反対を押し切って、審議入りを強行しています。労働時間規制を完全

になくしてしまう「高度プロフェッショナル制度」(「残業代ゼロ」制度)を導入し、過労死水準の残業を合法化するなど、「働かせ方」大改悪法案です。

日本共産党はこの間、8時間働けばふつうに暮らせる社会を実現するために、ブラック企業規制法案や派遣労働者保護法案、パート・有期労働者均等待遇法案、長時間労働解消緊急提案などさまざまな立法・政策提案をおこなってきました。政府一括法案の国会提

出にあたり、これに焦点をあてて労働基準法等改正大綱を発表します。

(1)「高度プロフェッショナル制度」を削除し、企画業務型裁量労働制の廃止をはじめ裁量労働制を抜本的に見直します

 政府の「働き方改革」一括法案に盛り込まれている「高度プロフェッショナル制度」(「残業代ゼロ」制度)は、労働時間規制を全面的に適用除外にする制度です。週休2日にあたる年間104日さえ休めば、24時間労働を48日間連続させても違法にならず、過労死を促進・合法化する制度です。8時間労働制を根底からくつがえすこの制度を法案から削除します。

実際に働いた時間と関係なく事前に定めた時間を働いたものとみなす「みなし労働時間制」は、世界にほとんど例をみない異常な制度です。この制度を認める国際労働機関(ILO)条約は存在しません。

裁量労働制は、「みなし労働時間制」を採用しているために、実労働時間の把握が事実上不可能であり、長時間労働の温床になっています。とりわけ企画業務型裁量労働制は、事実上、違法な営業職や一般職にも広がっています。野村不動産では違法に企画業務型裁

量労働制が適用されていた営業職の労働者が過労自殺しています。こうしたなか、三菱電機はことし3月、「長時間労働の抑制・健康確保等の観点から労働時間をより厳正に管理する」ために企画業務型裁量労働制を廃止しました。

ホワイトカラーを際限のない長時間労働に追いやる企画業務型裁量労働制は廃止します。専門業務型裁量労働制については、真に専門的な業務に限定し、その要件と運用を厳格化します。事業場外みなし労働時間制についても、その要件と運用を厳格化します。

(労働基準法第38条の2、3、4関係)

(2)残業時間の上限を月45時間、年360時間とし、連続11時間の休息時間(勤務間インターバル)を確保します。

 政府案は、「月100時間未満」「2〜6カ月平均で月80時間」という過労死水準の残業時間を法的に容認しています。過労死促進・合法化法案です。

残業時間の上限基準としては、週15時間、月45時間、年360時間が定められています(労働省告示154号)。これに法的拘束力をもたせます。この上限時間を労働基準法に明記し、例外なくすべての労働者に適用します。残業時間の青天井を容認する三六協定の特別条項を廃止します。

割増賃金が残業抑制という本来の役割を発揮できるように、1日2時間、週8時間を超える残業の割増率を50%にします。また、3日連続で残業させたら4日目からの割増率を0%にします。

法定休日について、労働基準法は、4週間をとおして4日の休日をあたえる4週・4休制を認めています。最大48日連続勤務を可能にしています。このために休日を与えない違法な連続出勤が表面化しにくい状態を生んでいます。連続出勤を規制し、毎週休めるようにするために、7日ごとに1日の法定休日を保障します。

(労働基準法第35条、第36条、第37条関係)

 EU(ヨーロッパ連合)は、一日の労働が終わり、次の労働がはじまるまでのあいだに連続11時間の休息時間(勤務間インターバル)を確保することを法制化しています。勤務間インターバル規制は、一日の労働時間規制にもつながる重要な制度です。労働基準法に連続11時間の勤務間インターバルを明記します。例外は、必要最小限にとどめます。

(労働基準法に第34条の2を新設)

(3)ただ働き残業(サービス残業)をなくすために、実労働時間を正確に把握・記録し、「サービス残業」が発覚したら残業代を2倍にします

 長時間労働是正の土台は、実労働時間の正確な把握と記録です。各事業場ごとに労働時間管理台帳を作成し、管理職をふくめた全労働者の実労働時間を正確に把握・記録することを使用者に義務づけます。職場から労働時間をチェックすることによって、長時間・ただ働き残業をなくし、「追いつめられている」労働者を救済することができるように、本人はもとより、本人の同意があれば職場の労働者や家族・友人も、労働時間管理台帳と賃金台帳を閲覧できるようにします。

労働時間管理台帳を作成・記録・保存をしない事業主に対する罰則を設けます。

(労働基準法に第107条の2および第108条の2を新設、第120条関係)

 労働基準法に違反するただ働き残業(「サービス残業」)が後を絶ちません。企業に罰則を科すとともに、「サービス残業」が発覚したら、労働者に支払う残業代を2倍にします。「サービス残業」が企業にとって「割に合わない」ものにすることで、長時間労働の抑止力とします。

(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法に第15条を新設)

(4)パワハラ・セクハラへの規制を強化します

 達成できないノルマを課して精神疾患や過労死・過労自殺に追い込んだり、「追い出し部屋」に隔離し、繰り返しの面談で退職を強要するようなパワハラをやめさせます。また、退職を希望する労働者に「違約金」を請求して辞めさせないようにする違法行為をきびしく取り締まります。さらに、お客が店員に土下座を強要するなど、第三者からの過大なクレームも規制の対象とします。

パワハラ行為を防止するために、厚生労働省は企業にたいして助言、指導、勧告をおこないます。勧告に従わない企業名を公表します。パワハラの是正指導を労働局に求めた労働者に対する不利益とりあつかいを禁止します。

職場でのセクハラをなくすために、企業への助言、指導、勧告と勧告に従わない企業名の公表などを定めた男女雇用機会均等法の現行のセクハラ規制を強化し、被害者の人権とプライバシーを守る企業の責務などを定めます。

(労働安全衛生法に第71条5、6、7、8を新設、第97条関係、男女雇用機会均等法第11条関係など)

(5)同一労働同一賃金と均等待遇を法律に明記し、正規と非正規、男女の格差をなくします

 政府は同一労働同一賃金を実現するといいます。しかし、政府案には同一労働同一賃金が明記されていないばかりか、能力、業績、企業への貢献、「人材活用の仕組み」などによる賃金格差を法的に容認するものとなっています。

同一労働同一賃金と均等待遇を実現するために両原則を労働基準法や労働契約法、パート労働法、労働者派遣法などに明記します。

また、福利厚生施設の利用などについても、正規と非正規の格差をなくします。

(労働基準法第4条関係など)

(6)雇用対策法改定案から「生産性の向上」と「多様な就業形態の普及」を削除するなど、雇用対策法を変質させません

 政府案は、雇用対策の「目的」に「労働生産性の向上」を持ち込んでいます。これは、憲法27条が保障する労働権を実現するという雇用政策の役割を変質させるものです。政府案からこの文言を削除します。また、政府案の「国の施策」に明記された「多様な就業形態の普及」は、労働者保護法の適用を受けない労働者を大量につくろうとするものです。政府案からこの文言を削除します。また、政府案は、法律の名称から「雇用対策」の文言をなくし、第一条の「目的」に明記されていた「雇用」を「労働」という文言に置き換えています。法律の名称および目的に雇用対策を明記するようにします。

 

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 業務上の過労やストレスで発病し、死亡したり重度の障害を負ったりした場合の労災補償について、無料で相談に乗る「過労死110番」が今春、30周年を迎えた。昭和63年4月、全国に先駆けて大阪で始まった取り組み。最初の相談者となった平岡チエ子さん

(75)=大阪府藤井寺市=は、偶然目にした新聞記事で110番の開設を知り、2カ月前に亡くなった夫のことを聞いてほしいとスタートの日を指折り待って、受話器を握った。「電話口の相手に分かってもらえた」。110番で安心感を得た平岡さんはその後、労災認定を得て、勤務先を相手取った訴訟で和解を勝ち取り、その活動は海外で「karoshi」と取り上げられる契機にもなった。

働き盛りの夫の死

 「夫が救急車で運ばれたときはもう遅くて、心不全といわれたが、そうじゃない。会社に殺された」

今年4月12日夜、大阪過労死問題連絡会が大阪市内で開いた過労死110番の開設3W0周年記念シンポジウム。登壇した平岡さんはこう切り出し、かけがえのない夫を失った日のことを語り始めた。

昭和63年2月23日。夫の悟さん=当時(48)=は午後9時半ごろに仕事から帰宅。その後、急性心不全で亡くなった。晩酌をしながら夕食を取り、長男とプロ野球の話などをし、家族それぞれが自分の用事をしていた、わずかな時間のことだった。

悟さんは大手企業の工場に勤め、ベアリングの生産ラインの現場で約30人の部下をまとめる班長をしていた。定員を割り込む人手不足の状態の中、自らも生産ラインに立った。亡くなるまでの51日間は休みがなく、連続勤務だった。「フル操業で機械さえ故障するのに、人間が健康に生きられるはずがありません」

指折り数えた開設日

 悲しみに暮れる日々だったが、約2カ月後の4月、新聞記事が目に留まった。その日の夜に大阪市内で開催される「過労死シンポジウム」の告知。働き盛りのサラリーマンが脳出血や狭心症で急死したと伝えていた。

「『過労死』の3文字が夫の死と重なり、衝撃を受けた。このときから生活が一変した」。これが転機となった。

最寄り駅を降りてたどり着いた会場には、大勢の人が集まっていた。後方の席に座って話に耳を傾けた。そこで4月23日に「過労死110番」が初めて開設されるのを知った。偶然にも開始日の4月23日は、悟さんの2度目の月命日。開始時刻の午前10時ちょうどに電話をかけた。

「今となっては内容は覚えていない。だが、きっと長い時間だったと思う」

誰にも話せず、胸の内にとどめていた感情を打ち明けることができ、受話器の向こうには受け止めてくれる人がいた。「わかってもらえたことは、たとえようのない安心感だった」。

この日に寄せられた相談は18件で、うち16件が過労死関連だった。ほとんどが、平岡さんと同じ妻からの電話だった。

米紙が「karoshi」と掲載

 110番での相談で勧められたこともあり、平岡さんは同年7月、労働基準監督署に労働災害を申請。悟さんの勤務実態を理解してもらうために、子供2人と手書きで作成したグラフも提出した。こうした活動は反響を呼び、同年11月、米紙シカゴ・トリビューンが「karoshi」の言葉とともに、悟さんのことを報じた。

労基署は翌年5月、悟さんについて労災認定した。過労死110番が関係した事案の初めての労災認定でもあった。「やっと夫も休める」。胸のつかえが取れたように感じたが、会社は「本人が自発的に働いた。会社が指示したのではない」と責任を認めなかった。

こうした会社の姿勢に、平岡さんは企業の責任を追及する民事訴訟に踏み切ることを決意。平成2年5月に大阪地裁に提訴した。

その甲斐あってか、裁判では、労務部長が「青天井の三六協定を労働組合と結んでいた」と証言するなど、長時間労働や休日労働が常態化していた実態が明らかになった。そして6年11月、和解が成立した。和解にあたり会社の謝罪は勝ち取ったが、「最後まで労働組合や職場の人の協力がなく、職場が見えてこなかった」と悔しさも味わった。

「話せない気持ち分かってもらえる」

 「開設当時、過労死という言葉は定着していなかったが、(過労死110番の)反響は大きく、全国に呼び掛けた」

はじめて過労死110番を実施した大阪過労死問題連絡会の初代事務局長を務めた松丸正弁護士(大阪弁護士会)はこう振り返る。

過労死110番の取り組みはやがて全国に広がっていった。毎年6月に無料電話相談を行っているが、昨年は32都道府県で実施された。常設で相談を受け付ける窓口もでき、これまでに寄せられた相談は約1万2千件にのぼる。

一方、厚生労働省によると、平成28年度に過労死で労災認定されたのは107人、未遂を含む過労自殺は84人だった。過労死や過労をめぐる問題が相次ぐ中、過労死110番は大きな役割を果たしている。平岡さんは、過労死110番について「誰にも話せないような気持ちを分かってくれる場所。これからも駆け込み寺として頑張ってほしい」と期待している。

                   ◇

 大阪過労死問題連絡会は平日(午前9時半〜午後5時半)と奇数週の土曜日(午前9時半〜午後0時半)に「常設過労死・過労自殺

110番」((電)06・6364・7272)を行っている。
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