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教員に「変形労働時間制」、反対署名が3万超 現場からは「夏休み前に倒れる」の声 (10/8)

2019/10/9 5:36

教員に「変形労働時間制」、反対署名が3万超 現場からは「夏休み前に倒れる」の声
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191008-00010218-bengocom-soci
2019/10/8(火) 20:20配信 弁護士ドットコム

教員に「変形労働時間制」、反対署名が3万超 現場からは「夏休み前に倒れる」の声

〔写真〕会見を開いた西村さん(左)と工藤さん(2019年10月8日、東京都、弁護士ドットコム撮影)

公立学校に「一年単位の変形労働時間制」の導入が検討されている。忙しい時期の定時を延ばして、夏休みなど閑散期は勤務時間を短くし、教員がまとまった休みを取れるようにするというものだ。

これに対し、岐阜県の公立高校教員、西村祐二さんと公立中学校の教員だった夫を過労で亡くした工藤祥子さんが10月8日、参議院議員会館で集会を開き、「拙速に結論を出すのではなく、十分審議した上で導入について考えてもらいたい」と訴えた。

今後、2人は「一年単位の変形労働時間制」の撤回を求める署名3万1830筆と「給特法」の改正を求める署名3万8760筆を請願書とともに萩生田光一文部科学大臣らに提出する予定。西村さんは「できれば大臣に面会して署名を手渡したい」と話した。

●「統計上の残業時間が減り改革が進まなくなる」

西村さんは9月16日、インターネット署名サイト「change.org」で「一年単位の変形労働時間制」に関する署名活動「変形労働時間制は撤回して下さい!」を始めた。

署名ページでは、「一年単位の変形労働時間制」の導入で、(1)統計上の残業時間が減り改革が進まなくなる、(2)延長した定時に合わせて仕事が増える、(3)夏休み前に倒れてしまう、(4)子育て・介護世帯が働きづらくなる、(5)残業は結局「自発的」なので規制が働かない、(6)部活顧問の強制が強まる、(7)年休を使う機会が失われる、(8)夏に休める保証はないーーなどが懸念されると訴えている。

●「導入の目的は何か」

西村さんは2016年8月からツイッターでの発信を中心に、「斉藤ひでみ」という仮名で活動してきたが、今回名前と顔出しに踏み切った。

顔出しについて「どこの誰か分からない人が発信しているよりも、個々の教員が自分の思いとして『やめてほしい』と伝える必要があると思った」と話す。他の教員に対して「顔を出して訴えてもいいんだ」というメッセージも込めている。

「一年単位の変形労働時間制」については「導入の目的は何か」と問いかける。

「仮に夏休みにまとめて休みをとるなら、すでに岐阜市がやってるように閉庁日を設ければ十分。それが現場の実感だ。業務量に合わせて勤務時間を伸ばすよりも、業務削減して8時間で帰れる職場を作っていきたい」

工藤さんは12年前に40歳で他界した夫を引き合いに、今回の署名に対する思いを語った。教職の仕事が大好きでいつもいきいきとしていた夫が、なぜ死ななければならなかったのか。「働き方がおかしかったのではないかと、声をあげなかったことを後悔している」と振り返る。

工藤さんは学校の働き方改革に関する動きについて、「現場の思いが国に届いていないが、国の思いも現場に届いていない」と指摘する。

「国にはもっと現場の先生が働きやすくなったという実感が持てるように、丁寧に働きかけて欲しい。現場の先生には、理解できなければ疑問を投げかけたり、直接声を届けていただきたい。保護者や地域の皆さんには、過労死ラインで働く先生に子供を預けて大丈夫なのか、自分ごととして考えてもらいたい」

●「閑散期を作った上で導入を」

今の制度では「一年単位の変形労働時間制」は地方公務員への導入が認められていないため、実施する場合には給特法の改正が必要となる。この秋の臨時国会で、文科省は給特法改正案を提出する予定だ。

中教審が2019年1月25日に取りまとめた答申では、導入の前提として、文科省や教育委員会が、長期休業期間中の部活動の時間を減らしたり、部活動の大会のあり方を見直しを検討するよう働きかけたりすることが必要としている。

また、育児や介護などの事情で難しい人については「一年単位の変形労働時間制」を適用しない選択も確保し、「段階的に全体としての業務量を削減し、学期中の勤務が現在より長時間化しないようにすることが必要」とまとめている。

名古屋大学大学院の内田良准教授は、「閑散期を作った上で導入しなければならない」と「一年単位の変形労働時間制」の拙速な導入に待ったをかけた。

内田准教授は、国が毎月の労働時間統計は取っていないことを指摘した上で、「エビデンスがない中での制度改革だ。これまで取得していた夏休みの年休の行き場を確保し、毎月の労働時間が大幅に減るまで導入すべきではない」と指摘した。

日本大学の広田照幸教授も、「制度導入で統計の見かけ上の残業時間は減るが、実質的には減らず、教員の忙しさは変わらない」として、定時が伸びることで数字上は残業時間が削減したように見えることへの懸念を示した。

弁護士ドットコムニュース編集部 

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