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今、欲しいものはと問われれば、睡眠時間 青年教員は自死した 福井 遺族 変形労働制に厳しい目 (12/4)

2019/12/4 12:38

今、欲しいものはと問われれば、睡眠時間 青年教員は自死した 福井 遺族 変形労働制に厳しい目
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-12-04/2019120401_04_1.html
しんぶん赤旗 2019年12月4日(水)

(写真)5月13日の日記

 全国の公立学校で毎年5千人の教員が精神疾患で休職に追い込まれ、自ら命を絶つ事件も後を絶ちません。参院文教科学委員会は3日、公立学校教員に1年単位の変形労働時間制を導入する法案を可決。過労死で家族を失った遺族は「これでは長時間労働はなくならない。命を守る環境の整備こそ必要」と厳しい視線を注ぎます。

 訴えるのは、福井県若狭町立上中中学校の教員をしていた息子の友生さん=当時(27)=を過労自死で失った嶋田富士男さん(59)です。

(写真)嶋田富士男さん(左)と海道宏実弁護士

 4年間の臨時教員生活を抜け出し、友生さんが正規教員として働きだしたのは2014年4月。「臨時教員時代は休み時間に必ず友生の周りに生徒がいて、笑顔で会話をしていたといいます。念願かなって正規での採用が決まり、意気揚々とした姿に、親として頼もしさを感じていました」(富士男さん)

 しかし、友生さんの健康は赴任直後から急速にむしばまれていきます。1年の担任のほか、1〜3年の社会科や2年2組の体育も担当。難しい保護者トラブル、初任者研修での厳しい指導、交通安全指導係、経験のない野球部の副顧問などが降りかかり、時間外勤務は4月から160時間を超えました。

 「今、欲しいものはと問われれば、睡眠時間とはっきり言える。寝ると不安だし、でも体は睡眠を求めておりどちらへ進むも地獄だ」(5月13日の日記)

ますます過労死増やす
必要なのは長時間勤務なくすこと

嶋田友生さんは6月になると帰宅しても2階の自室まで上がれなくなり、居間で寝るように。「過労死」という言葉が口から漏れるようになりました。8月以降はさらに指導教員の厳しい指導に思い悩むようになり、10月7日、「疲れました。迷惑をかけてしまいすみません」との走り書きが最後の言葉となりました。

「自主的活動」
息子はなぜ死なねばならなかったのか。事実の解明を求め嶋田富士男さんは17年2月、校長が安全配慮義務を怠ったとして若狭町と福井県を福井地裁に提訴。町と県は、教員の時間外勤務を超勤4項目(校外実習、学校行事、職員会議、非常災害)に限定した教員給与特別措置法(給特法)の仕組みを盾に、時間外勤務は「自主的活動」だったので安全配慮義務違反はなかったと主張しました。

 「自主的活動」論は、長時間労働による公務災害が公立学校で起きるたびに繰り返され、異常な長時間労働を放置する要因となってきました。政府は、給特法改定案の国会審議でも、時間外勤務は「自主的活動」だと答弁しています。

 政府の改定案は、教員の定数増や不要不急の業務の削減など長時間労働をなくす抜本的対策を講じないまま、変形労働時間制(変形制)を導入するもの。4月、6月、10月の「繁忙期」の所定労働時間を延ばし、その分、夏季休暇に休みをまとめ取りできるようにすると説明します。

 嶋田さんの代理人を務めた海道宏実弁護士。変形制が公立学校に導入されれば、長時間労働の犠牲者をさらに増やしかねないと警告します。

 「友生さんの公務災害認定で専門医は、4月以降の長時間労働が原因で6月に何らかの精神障害を発症したと認定しています。そして亡くなったのは10月。政府がやるべきは、『繁忙期』の勤務時間を変形制で延ばすことではなく、『繁忙期』を無くすことです」

給特法の現状
安全配慮義務違反を問うた裁判で福井地裁は今年7月、「明示的な勤務命令はないが、自主的に従事していたとはいえない」「事実上、校長の指揮監督下(にあった)」との判断を下し、町や県の主張を退けました(町・県とも控訴せず)。公立学校の教師の長時間労働を理由に過労死した事案で損害賠償を認めた全国初の判決となりました。

 海道弁護士は「判決は、職務命令を出していないから自主的活動だという従来の解釈を完全に否定し、安全配慮義務違反の文脈ではあるが時間外勤務を労働時間だと言い切った。給特法改正の必要性を指摘した」と強調します。

 異常な働き方が当然の職場環境。事件後の同僚への聞き取りでは、生前の友生さんの異常に気付いたと答えた教師は1人もいませんでした。

 富士男さんは、給特法の現状について、子どもたちを「人質」にとることで成り立っていると語ります。

 「友生は生前『目の前の子どものために自分がなにができるか』と語っていました。教師が疲弊している状況で、教育のあるべき姿が達成されるのか。時間外勤務を労働時間として認めるなど、給特法を実情に合った法律に見直すべきです」

(佐久間亮) 

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