注目のニュース - 【働き方改革】残業規制、「繁忙期」焦点に 政府案に連合早くも反発

【働き方改革】残業規制、「繁忙期」焦点に 政府案に連合早くも反発

2017/2/11 16:15

 SankeiBiz  2017.2.5
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/170205/ecd1702052127001-n1.htm

 
 政府は今月1日の働き方改革実現会議から長時間労働是正に関する本格的な議論を始めた。法定化する罰則付きの残業時間の上限について、政府は月60時間、年720時間とした上で、繁忙期は一時的に月100時間まで認める方針だが、連合からは繁忙期の扱いに異論が出ている。3月末の実行計画取りまとめに向け調整が難航する可能性もある。

現行の労働基準法では、労働時間を原則として1日8時間、週40時間と定めているが、労使で労基法36条に基づく「三六(さぶろく)協定」を結ぶと法定時間を超える残業が可能になる。三六協定の残業にも大臣告示で月45時間、年360時間などの上限が定められている。労使で三六協定に特別条項を設ければ、年6カ月まで上限なしに残業を青天井で延ばすこともできる。
 
 残業規制には例外が多数ある。企業の管理職や機密を扱う秘書、農業・漁業従事者などはそもそも残業規制がない。労使で三六協定を結ぶ必要があるが、大臣告示の上限規制がないのが建設作業員やトラック運転手、新技術・新製品の研究・開発者など。このほか、労使で決めた時間を働いたものとみなして一定の残業代を支払う「専門・企画業務型裁量労働制」という仕組みもあり、デザイナーや記者、企業の企画職などにだけ認められている。
 
 労基法で労働時間の上限が規定されているにもかかわらず、さまざまな例外があり、これらの“抜け穴”が長時間労働を招く温床になっているとの批判は少なくない。電通の女性新入社員の過労自殺問題で世論の関心も高まっており、政府は14日に開く働き方改革実現会議で残業上限の規制強化案を示す。
 
  政府案では、現在は大臣告示で定める三六協定の残業上限を労基法に明記し、罰則も直接この条項を根拠とする。特別条項については「月60時間、年720時間」の上限を新たに設定する。1日の勤務時間が午前9時〜午後6時(休憩1時間を含む)で月20日間勤務のモデルケースの場合、1日平均で午後9時までの3時間の残業が上限になる。
 
 ただ、経済界から「繁忙期の残業を考慮してほしい」との要望が強いため、一時的な上限超過を認める。「1カ月100時間超または2〜6カ月の月平均80時間超」の「過労死ライン」と呼ばれる過労死の労災認定基準を踏まえ、年720時間(月平均60時間)の年間上限の順守を前提に「過労死ライン」の範囲内での残業を可能とする。
 
 
 モデルケースに当てはめると、1日平均で午後11時まで5時間残業できる月が出てくる。しかし、年720時間の年間上限を守るためには、別の月の残業を20時間まで減らさなければいけなくなり、残業は1日平均1時間、午後7時までとなる計算だ。
 
 さらに、三六協定の例外となっている建設作業員やトラック運転手については、猶予期間を設けて、他の業務と同様の残業上限規制をかける。研究・開発者は裁量労働制に移行させる方向だが、裁量労働制でも、労使で設定するみなし労働時間に他の業務と同じ上限時間を設定する。
 
連合は平成25年の政府の規制改革会議の分科会で、年750時間の残業上限を提案したことがあるが、神津氏は1日の実現会議の中で「過労死基準(ライン)との距離感を明確にすべきだ」と述べ、繁忙期の残業上限を月100時間より引き下げるよう示唆した。
 
 さらに、全国中小企業団体中央会の大村功作会長は1日の実現会議で「建設業や運転業務などの例外を本格的に見直すならば、十分な時間的余裕が必要」と主張。政府の規制改革推進会議の議長代理も務めるフューチャーの金丸恭文会長兼社長は働いた時間ではなく成果で賃金を決める「高度プロフェッショナル制度」の創設を含む労基法改正案(国会で継続審議)とセットでの制度設計を求めた。
 
 新たな残業上限設定に伴い、サービス残業や責任・権限のない「名ばかり管理職」、偽装請負が横行することも懸念されている。実現会議では、規制逃れを厳格に取り締まるため、労働基準監督署の監督指導の強化についても議論されることになりそうだ。
                                                                               (桑原雄尚)
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