注目のニュース - 働き方改革 時間外労働や非正規処遇はどう変わる

働き方改革 時間外労働や非正規処遇はどう変わる

2017/3/30 0:16

NHKニュース3月28日 19時23分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170328/k10010927971000.html

政府は、働き方改革実現会議で、長時間労働の是正などに向けた実行計画を取りまとめました。実行計画で、時間外労働や非正規労働者の処遇がどう変わるのか、見ていきます。

時間外労働 上限規制の原則

実行計画には、長時間労働の是正に向けて、労働基準法を改正し、罰則付きの時間外労働の上限を定めることが盛り込まれています。

具体的には、現在は強制力のない厚生労働大臣告示で定められている、月45時間、年間360時間の上限を法律で定めたうえで、「36協定」を締結すれば時間外労働がここまで認められることを明確にします。このため月45時間、年間360時間の上限を超えれば罰則が科されるというのが原則となります。

年間360時間の上限は、週休2日が確保されている場合、時間外労働は1日当たり1時間20分余りとなります。仮に1月から上限ぎりぎりの45時間、毎月、時間外労働を続けたと仮定すれば、9月以降は時間外労働が一切できなくなります。

時間外労働 特別な場合の上限規制

また、臨時的に特別な事情がある場合に「特別条項付き36協定」を結ぶことで、年間6か月まではさらなる時間外労働を認めることも法律で定めることにしています。ただ、「特別条項付き36協定」を締結する場合にも、年間720時間・月平均60時間を上限とすることを法律に明記します。年間720時間の上限は、週休2日が確保されている場合、時間外労働は1日当たり2時間40分余りとなり、仮に年間を通じて毎日3時間残業すると、上限を超えることになります。

さらに繁忙期については、時間外労働と休日労働を合わせた時間に対する上限規制が導入されることになりました。具体的には、時間外労働が年間720時間を超えないことを前提に、休日労働を含めて、最大で月100時間未満、2か月から6か月のいずれの期間の平均も80時間を上限とすることを法律で定めます。この結果、仮に毎月上限ぎりぎりまで働くことを想定した場合、例えば1月に時間外労働と休日労働を合わせて100時間ぎりぎりまで働けば、2月は60時間まで、3月は80時間まで、4月は80時間までなどと制限されます。

平成25年に厚生労働省が実施した調査によりますと、「36協定」だけを締結している事業所は全体の32.8%で、「特別条項付き36協定」を締結している事業所は全体の22.4%となっています。また、中小企業の事業所などが多くを占める、残る44.8%は労使協定を締結していないため、法的には時間外労働や休日労働をさせることができないことになっています。

時間外労働 適用外の業務は

自動車の運転業務、建設業などについては、業務の特殊性などが考慮され、現在は、厚生労働大臣告示で定められている、月45時間、年間360時間などといった時間外労働の上限規制が適用されていません。ただ政府は、自動車の運転業務や建設業についても、猶予期間を設けながら、例外とせずに上限規制を適用する方向で業界団体などとの調整を進めてきました。

この結果、実行計画では、自動車の運転業務について、改正法の施行から5年後に、時間外労働の上限を年間960時間・月平均80時間とする規制を導入し、将来的にはほかの業種と同じ規制を適用することが盛り込まれました。

また、建設業については、改正法の施行から5年後にほかの業種と同じ規制を適用するとしています。ただ、復旧や復興に関わる場合に限っては、休日労働を含めて最大で月100時間未満、2か月から6か月のいずれの期間の平均も80時間を上限とする規制は適用しないとしています。

一方、自動車の運転業務や建設業と同様に、現在、上限規制が適用されていない研究開発職については、医師による面接指導などの健康確保措置が義務化されるものの、引き続き規制を適用せず、例外として残すことになりました。さらに、現在はほかの業種と同じ上限規制が適用されている医師については、患者から診察などを求められた場合に正当な理由がないと拒むことができない「応召義務」があるという特殊性を考慮し、2年後までをめどに規制の在り方を検討し、改正法の施行から5年後をめどにその規制を適用するとしています。

非正規労働者の処遇改善は

政府は去年12月、非正規の労働者の処遇改善を図るためのガイドライン案を取りまとめました。ガイドライン案では、同じ企業や団体の中で、正社員と非正規労働者の間にある不合理な待遇差を是正することを目的としていて、基本給や手当、福利厚生などに分けて、基本的な考え方と具体例を示しています。

このうち基本給について、同じ企業や団体で働く正社員と派遣労働者を除く非正規労働者の間では、職業経験や能力、業績や成果、勤続年数によって金額が変わることを容認しながらも、不合理な差を認めないとしています。そのうえで、非正規労働者にも原則として昇給を行い、賞与を支払うことを前提に、昇給のうち職業能力の向上に応じて支払われる部分や、賞与のうち会社の業績などへの貢献に応じて支払われる部分は不合理な差を認めないと明記しています。また、時間外や深夜・休日手当、通勤手当や出張旅費、単身赴任手当、慶弔休暇、病気休職などについては、原則として正社員と非正規の間で差を設けることを認めないと打ち出しています。

派遣労働者については、派遣元と派遣先双方との関係をそれぞれ考慮する必要があることから、有期雇用やパートの非正規労働者とは区別されていて、派遣先の労働者と職務内容などが同じであれば、派遣元の事業者は、基本給などの賃金、それに福利厚生などの待遇を同じにする必要があるとしています。

非正規労働者処遇改善 ガイドライン案の実効性担保

今回の実行計画では、ガイドライン案の実効性を担保するため、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の3法を改正し、ガイドライン案で基本的な考え方や具体例が示されていない場合でも、非正規労働者が正社員との間の不合理な待遇差の是正を求める場合、裁判に訴えられるようにするための規定を設けるとしています。

ただ、非正規労働者が裁判に訴える場合、待遇の決定の在り方などについて情報がないと判断できないため、企業や団体に対し、非正規労働者と正社員との間に設けられた待遇差の理由などについて説明する義務を課すとしています。

また、非正規労働者が実際に裁判に訴えるとなると経済的な負担もかかることから、政府が裁判を行わずにトラブルを解決に導く「ADR」=裁判外紛争解決手続きを整備し、無料で利用できるようにするとしています。加えて、派遣労働者については、派遣先の労働者が比較対象となることから、派遣先の企業や団体の賃金体系などの情報を派遣元に対して提供する義務を課すとしています。

ただ、派遣労働者は派遣先の労働者に待遇を合わせる必要があることから、同一労働同一賃金を徹底すれば、派遣先が変わるたびに賃金水準が変動し、生活が不安定になる可能性もあります。このため、派遣労働者の賃金を同じ業種の正社員と同等以上にするなど要件を満たした場合に限って、派遣労働者が派遣元との間で労働協約を締結し、同一労働同一賃金の適用を除外できるようにしています。
 

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