森岡孝二の連続エッセイ - 第306回 平和系も労働系も新たらしい若者運動は“民主主義”が原点!

第306回 平和系も労働系も新たらしい若者運動は“民主主義”が原点!

2016/3/18 13:35

3月16日夜、エルおおさか(府立労働センター)で、「未来を切り開く連帯〜若者たちの運動から学びあう〜」と銘打って、いま注目を集めている7つの若者団体の代表的メンバーが語り合うつどいがあり、145名が会場を埋め尽くしました。参加者は声を上げ行動する若者に時代の息吹を感じ、元気をもらいました。参加団体と登壇者を紹介しておきます。

・労働相談に取り組んでブラック企業を社会問題化してきたNPO法人POSSEの坂倉昇平さん。
・自由で民主的な社会を守るアクションに立ち上がったSEALDs KANSAIの寺田ともかさん。
・戦争法に反対し民主主義を守ろうと街頭での対話活動に取り組むSADLの中村研さん。
・堺市のスーパー前などで戦争法反対のデモや署名活動を行っているANTSの磯田圭介さん。
・アルバイト学生を組織し団体交渉も行っている関西学生アルバイトユニオンの北村諒さん。
・最低賃金の1500円以上への引き上げを掲げ活動しているAEQUITAS京都の橋口昌治さん。
・個人加盟労組として団体交渉で成果を上げてきた地域労組おおさか青年部の北出茂さん。

第1部では7つの若者団体の代表的メンバーから、各団体の結成時期、主な活動、訴えたいことなどを報告していただきました。第2部のリレートークでは、岩城穣ASU-NET代表理事(弁護士)の司会のもとで、各団体がどんな苦労に直面しているのか、またどんな展望を持っているのかを話してもらいました。

1〜2部を通して、どの団体も若々しく生き生き活動していることがわかりました。デモのサウンド一つをとっても古い世代とはずいぶん違いますが、多様な若者団体が柔軟で創意的な活動を多様なかたちで展開していることも知りました。

このつどいは、発言し行動する若者団体が自らの運動の課題や困難や展望を語り合った点でも、また日頃ほとんど交流や連絡のない団体がはじめて一堂に会した点でも、画期的な意義があると言えます。つなぎ役をしたASU-NETの寄与も評価されてよいと思います。

今回登壇した7つの団体は平和系と労働系に色分けすることもできます。報告と討論を通じて明らかになったことですが、どの団体も若者が主権者として声を上げなければならないという意識をもち、その意味で「民主主義」を原点に活動しています。憲法9条(戦争放棄)を守れという声は、憲法13条(幸福追求権)や憲法25条(生存権)を保障してまともな働き方を実現せよという声に通じていると感じました。

若者運動が起きはじめた時期は、平和系より労働系のほうが早かったようです。若者が一人でも入れる労働組合をいち早く立ち上げたのは、2000年に結成された首都圏青年ユニオン(東京公務公共一般労働組合青年一般支部)ではないでしょうか。労働NPOの先駆けといえるPOSSEが活動を開始したのは2006年だそうです。若者団体とはいえませんが、NPO法人働き方ASU-NETの前身である働き方ネット大阪がスタートしたのも同じく2006年でした。

非正規労働者の割合が3割に達したのは、15歳〜24歳の若者では1997年、全年齢層では2002年でした。学生や若者の間で「ブラック企業」という言葉が使われ始めたのは2005〜2006年、広がったのはリーマンショック不況が起きた2009年以降でした。いまでは120万人を超す学生(高校生、大学生など)がアルバイトに従事しています。こういう時代背景のもとに、若者が小さなグループではあるけれでも声を上げはじめ、学生労働者が労働組合を作ってブラックバイト問題で団体交渉をして、使用者側に労働条件を改善させるという成果をあげるようになってきたのです。

雇用の非正規化が進むなかで若年労働者の賃金(年収)は大きく下がってきました。学生の親の家計も苦しくなって仕送りが減り、アルバイトを小遣い稼ぎではなく、生活費や学費をまかなうためにせざるをえなくなっています。その上、卒業までに数百万円の学生ローンを抱える学生も少なくありません。若者が労働系の団体を作り声を上げ始めたのは、学生が労働者化し、若者が非正規労働者化してきた結果でもあります。

そういう状況が広がっているなかで、東日本大震災のあった2011年3月11日、東京電力福島第一原発でメルトダウンの過酷事故が起こり、それこそ燎原の火のように、原発ゼロを求める大規模な集会やデモが広がり、声を上げる学生や若者が増えてきました。また2015年9月には安倍内閣は、国民の半数以上が反対しているにもかかわらず、国会の数(自公)力で、戦争をする国へ突き進む安保関連法(戦争法)を強行採決しました。平和憲法をかなぐり捨て、民主主義をないがしろにしろにするこの暴挙に反対する集会やデモにも、大勢の若者が組織動員ではなくSNSで呼び掛けあって参加しました。そのなかで大きな役割を演じたのが平和系の若者団体でした。この夏の参議院選挙に向けては反アベの野党共闘も呼び掛けています。

労働系も平和系もまだ大きなうねりにはなっていませんが、若者たちの社会運動の新しい波が起きていることは確かです。そのことを実感させる今回のつどいでした。

つどいの模様はhttp://hatarakikata.net/modules/topics/details.php?bid=680

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