森岡孝二の連続エッセイ - 第333回 書評 竹信三恵子著『正社員消滅』朝日新書

第333回 書評 竹信三恵子著『正社員消滅』朝日新書

2017/9/2 22:34

 竹信三恵子著『正社員消滅』朝日新書、760円+税

2017年4月23日 「しんぶん赤旗」

安心・安定が消える働き方の実相

著者は労働現場を取材してきた元朝日新聞記者。今は大学で現代社会を教えている。

書名の「正社員消滅」には二つの意味がある。ひとつは非正社員化による文字通りの消滅。もうひとつは正社員の「安心・安定」の消滅。

第一の意味の消滅なんてありえないと思うかもしれないが、今では正社員が消えた職場が多い。パートが基幹労働力になって、スーパーやコンビニでは、店長もパートという店舗が増えている。

雇用形態が多様化して、➀中核正社員、⊆辺正社員、2鮓曚靴笋垢じ堕蠕擬勸(職務、勤務地、労働時間の限定)、ぅ僉璽肇織ぅ猩働者、ゥ▲襯丱ぅ範働者、Ψ戚麩働者、派遣労働者、┯朕誉蘇蚣働者などの雇用身分に分化している。

読み進んでいくうちに、日本の雇用が酷い状態になっていることに驚かされる。30年前に雇用の行方について考えたとしても、ここまで劣化するとは誰も予想しえなかったのではないだろうか。

正社員の追い出しや転職も今ではビジネスである。労働移動支援助成金をもうけのタネにした「リストラ指南」が繁盛し、公共職業安定所(ハローワーク)の情報の人材会社への提供も、政府の胆入りで始まっている。派遣会社の転職支援で辞めた会社に「派遣で戻る」という例もある。

これが「非正規という言葉をこの国から一掃する」と豪語した安倍首相の「働き方改革」の実相である。

政府は残業規制の名の下に過労死ラインの残業を法認ししようとしている。それが長時間残業とパート就労に及ぼす影響を考えるうえでも一読に値する本である。

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