森岡孝二の連続エッセイ - 第340回 韓国で「過労死予防センター」が開設されました

第340回 韓国で「過労死予防センター」が開設されました

2017/11/10 23:12
 レーバーネットは、本年9月12日の記事で、韓国で民主労組、過労死予防センター、健康権実現のための保健医療団体連合など30団体が集まり「過労死・過労自殺共同対策委員会」が発足したことを伝えています。

このなかの過労死予防センターは、弁護士、社労士、職業環境医学などの専門家、労働組合関係者などの活動家、過労死家族などで構成され、過労死・過労自殺の相談、予防、救済などに取り組む市民団体です。11月8日午後3時から、ソウルで同センターの開所式とシンポジウムがありました。

シンポでは、昨年、過労死防止学会第2回大会で報告されたイム・サンヒョク先生(労働環境健康研究所医師)の司会のもとに、はじめに私が「日本の過労死問題の現状と過労死防止法」について通訳付きの講演をしました。そのあとガン・スドル高麗大教授が「過労を奨励する韓国社会の問題点」を報告し、つづいて現場からの以下の4報告がありました。

ドラマ産業労働者の労働実態 ―― 青年ユニオン

ゲーム開発の労働者の過労死 ―― 対策委

集配労働者の過労死 ―― 対策委

馬管理士の過労自殺 ―― 公共運輸労組

最初のドラマ産業労働者の過労自殺事件は、韓国で大きなニュースになりました。韓国ドラマのケーブルテレビtvNの制作現場で働いていた新人アシスタント・ディレクターのハンさんは、2016年10月26日、過労自殺しました。遺書には、1日20時間を超える労働でくたくたになっている。これは私が最も軽蔑していた生活だという主旨のことが書かれていたといいます。

2番目のゲーム開発部門では、この1年余りの間に青年労働者(20〜30代)3人が亡くなっています。

2016. 7.13 マイヤーズ「ギルド・オブ・オナー」ゲーム開発労働者(37歳) 急性心停止で過労死。

2016.10.21 ネットマーブルゲームズ労働者投身自殺(36歳) 過労自殺。

2016.11.21 ネットマーブルネオのゲーム開発労働者(28歳) 心臓動脈硬化で過労死

最後のネットマーブルの青年は,死亡1ヶ月前の10月の第1週は95時間55分、第4週は83時間4分の時間外労働を行い、10月1〜2週は無休で12日、10月4週〜11月1週は連続13日働いていました。

3番目の集配労働者と4番目の馬管理士を含め、四つの事例報告に共通しているのは、日本と同様に、韓国でも若者のあいだで相次いで過労死・過労自殺が起きていることです。いまひとつは日本と違って、韓国では青年ユニオンをはじめとして労働組合が真相究明と再発防止に取り組み、労組の活動家を中心に対策委員会が作られて関係企業や政府に改善を求めて働きかけていることです。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)新大統領は労働時間の短縮に積極的に取り組む政策を打ち出していることもあり、韓国における過重労働と過労死に対する運動の盛り上がりから目が離せません。

詳しい情報は以下のサイトに出ています。

http://safedu.org/pds1/114426 과로사예방센터 토론회_웹용.pdf


 
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