トピックス - 長時間労働是正など 働き方改革の実行計画まとまる

長時間労働是正など 働き方改革の実行計画まとまる

2017/3/30 0:09

NHKニュース 3月28日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170328/k10010927931000.html

政府は、働き方改革実現会議で、長時間労働の是正などに向けた実行計画を取りまとめ、残る焦点となっていた時間外労働の上限規制を適用しない業種に研究開発職を明記したほか、医師は2年後までをめどに規制の在り方を検討するとしています。一方、運輸や建設は猶予期間を設け、将来的には例外としないことになりました。

政府は、総理大臣官邸で働き方改革実現会議を開き、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現への法改正の方向性などを盛り込んだ実行計画を取りまとめました。

それによりますと、長時間労働の是正に向けて労働基準法を改正し、繁忙期などには時間外労働が年間720時間を超えないことを前提に、休日労働を含めて、最も忙しい月では最大月100時間未満、2か月から6か月のいずれの期間の平均も80時間を上限とするなどの規制を導入するとしています。

これに関連し、年間720時間の上限に休日労働が含まれておらず、規制の抜け穴になりかねないという指摘があることについて、政府は、休日労働を継続的に強いる労使協定は現実的ではなく、そのような懸念はあたらないとしています。

また残る焦点となっていた上限規制を適用しない業種について、業界団体などとの調整の結果、研究開発職を明記したほか、医師は2年後までをめどに、規制の在り方を検討するとしています。

一方、運輸と建設は5年間の猶予期間を設け、将来的には例外としないことになりました。

医師を別枠にした理由について、政府は、患者から診察などを求められた場合に正当な理由なく拒むことができない「応召義務」があるという特殊性を考慮した結果だと説明しています。

さらに、退勤から次の勤務開始までに一定の休息時間を設ける勤務間インターバル制度の導入に向けた企業の努力義務を課すことを、労働時間等設定改善法を改正して盛り込むことも明記しました。

また同一労働同一賃金の実現に向けては、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の3法を改正し、非正規労働者が正社員との間の不合理な待遇差の是正を求めたい場合、裁判に訴えられるようにするための規定を設けるなどとしています。

政府は、4月にも、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会での審議を始め、改正法案の策定を急ぐことにしています。

首相 働き方改革の歴史的な一歩

安倍総理大臣は、働き方改革実現会議の最後に、「実行計画の決定は、日本の働き方を変える改革にとって歴史的な一歩だ。後世において振り返れば、2017年が日本の働き方が変わった出発点として、間違いなく記憶されるだろうと確信している」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「実行計画は最初の一歩にすぎない。関係大臣には、実行計画に丁寧に書き込まれた内容に忠実に従って、関係審議会の審議を終え、早期に法案を国会に提出してほしい。安倍政権は法案の成立に全力を傾注していく」と述べました。

経団連会長 労使の協議重ねての合意に意義

政府の働き方改革実現会議に出席した、経団連の榊原会長は記者団に対し「時間外労働の上限規制については、当事者である労使が協議を重ねて合意に達したことに重要な意味がある。今後の法案の策定や国会審議では、労使の合意を重く受け止めて法案に反映し、審議をして決定してもらいたい」と述べました。

連合会長 政労使が努力し実効性担保を

連合の神津会長は記者団に対し「大きな一歩であり、70年の労働基準法の歴史の中でも最大の節目になりうるものだ。政労使が、それぞれの立場で努力をして、実効性を担保したものにしなければならないが、その土台を作ることができたのはよかった」と述べました。

一方、神津会長は、実行計画の中に、国会で継続審議となっている、働いた時間ではなく成果で報酬を決める、新たな労働時間制度を導入するための労働基準法の改正案の早期成立が盛り込まれたことについて「長時間労働をむしろ助長するのではないのかという懸念があるので、連合としては反対した」と述べました。

どう進む?働き方改革実現の法改正

政府は、来月にも、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会での審議を始め、改正法案の策定を急ぐことにしています。

そして、秋の臨時国会が開かれれば、それまでに長時間労働の是正に向けた、労働基準法や労働時間等設定改善法、それに同一労働同一賃金を実現するための労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の改正案を提出し成立を図りたい考えです。

ただ政府は、新たな制度を導入するにあたっては、中小企業を含めた企業活動への影響も大きいことから、十分な準備時間を確保する必要があるとしており、政府関係者は「改正法の施行までには、少なくとも2度の春闘を経る必要がある」と話しています。

このため法律が成立したとしても、改正法の施行までには一定の準備期間が設けられることも予想されます。

高橋まつりさんの母親 過労死遺族として納得できない

過労のため自殺した、電通の元社員の高橋まつりさんの母親の幸美さんは、実行計画について「納得できない」とするコメントを文書で寄せました。

この中で、幸美さんは「働く人の視点に立った働き方改革だったというのに、『繁忙期はほぼ100時間の時間外労働を認める』ということには、過労死遺族の1人として全く納得できません。過労死に至る労働時間を認めるのでしょうか」と述べています。

そのうえで、「これまで日本で何人もの人が亡くなっています。このままでは何も変わらないのではないかと危惧します。日本政府は働く人の健康と命を守るために、過労死や過労自殺を予防するための法律改正をおこなってください」などと訴えています。

専門家 評価できるも出発点

実行計画について、日本総合研究所の山田久チーフエコノミストは「同一労働同一賃金や労働時間の上限規制に踏み込んだ点は労働者の保護の観点から評価できるが、雇用の在り方をどこまで変えていくのか全体の展望がまだ不十分だ。あくまで出発点であり、今後、働き方改革を個別の労働者や企業まで浸透させていくことが必要だ」と指摘しています。
そのうえで「計画に実効性を持たせるには企業の生産性を上げる必要があり、労働者が能力を発揮するための人材育成の仕組みづくりが重要だ。社会全体で働き方や産業の在り方を見直す動きにつなげていくべきだ」と話しています。

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