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 毎日新聞2017年9月9日 東京朝刊

https://mainichi.jp/articles/20170909/ddm/003/010/027000c

「働き方改革」関連法案の要綱を提示した労働政策審議会分科会=東京都港区で8日」(写真省略)

  高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」。その導入を含む「働き方改革関連法案」の要綱が8日、厚生労働相の諮問機関「労働政策審議会」で示され、審議がスタートした。高プロには連合と民進、共産両党などが猛反対している。この対決法案を巡って、政府・与党は秋の臨時国会の論戦にどう臨むのか。【早川健人、真野敏幸】

 8日の労政審の労働条件分科会は、要綱の細部を巡って、労使双方の代表委員が厚労省の担当者に確認する場面が目立った。ただ、これに先立つ8月30日と今月4日の分科会では、高プロについて双方の委員が激しく対立している。

過去2回の分科会。「残業代ゼロで働かされ、過労死を誘発する」「働く者の命と健康を守る残業規制と、労働時間の規制を外す高プロは趣旨が違う。法案一本化に反対する」。連合が推薦する労働者代表委員らが次々と意見を述べた。一方、使用者代表委員は「柔軟な働き方が選べなければ、生産性は向上しない。国際競争にも勝てない」などと主張した。

多くの仕事は月給制で、法定の労働時間(1日8時間・週40時間)を超える場合は、企業に残業代の支払い義務が生じる。これに対し、高プロは「年収1075万円」以上の為替・証券ディーラーやアナリスト、コンサルタント、研究開発職など一部の専門職が対象で、企業はこの義務が免除される制度だ。

 

経団連の榊原定征会長は、昨年9月の記者会見で「自由な裁量で働く環境や制度を作ることは、働き方改革にも大きなプラス。欧米では一般的な制度だ」と述べ、早期導入に期待感を示している。

政府は2000年代にも同様の制度導入を目指していた。「ホワイトカラー・エグゼンプション」と呼ばれ、最終的に法案提出を断念した経緯がある。05年6月には経団連が提言を公表。「労働時間の長さと成果が比例しない頭脳労働に従事するホワイトカラーに対し、工場労働をモデルとした労働時間規制を行うことは適切とはいえない」と指摘し、制度対象として「年収400万円以上」などとしている。

ホワイトカラー・エグゼンプションと比べ、高プロは一部の専門職に限定。年収要件「1075万円」は国会審議の不要な省令で定められるが、法案にも「平均給与額の3倍を相当程度上回る水準」とし、「歯止め」を掛けた形になってはいる。

だが、ある連合幹部は「制度ができてしまえば政府と財界の意向で職種はどんどん広がり、対象年収を引き下げることも可能だ」と話す。対象範囲が広がれば、高プロは経営側にとって人件費圧縮の「強い武器」となり、「残業代ゼロ」を地でいく経営者が出てくるかもしれない、と警戒感を隠さない。

別の労組関係者は、こんな見方を示す。「生むのは大変なので、『小さく生んで大きく育てる』つもりではないか」

政府「強行突破」は困難

高プロを盛り込んだ労働基準法改正案は2015年4月に国会に提出されたが、実質審議に入れない状況が続いていた。このため、政府は、残業時間の上限規制という労働者保護策と抱き合わせることで実現を図ろうと準備を進めてきた。だが、その前提には「安倍1強」があり、政権支持率が急落した今、「強行突破」は難しい状況だ。政府・与党は野党側の出方をみながら慎重に対応する構えだ。

民進党の山井和則国対委員長代行は8日、毎日新聞の取材に「過労死を促進させかねない高プロと長時間労働規制の相反する法案の一本化は前代未聞だ。切り離さないと審議には入れない」とけん制した。

民進党最大の支持団体である連合は一時、高プロ容認に傾いた。その要因の一つが、与党の圧倒的な数の力だ。連合の神津里季生会長は政府側に高プロの修正を申し入れた後、記者団に「(政府案のまま)成立してしまうのは耐えられない」と述べている。

だが、政権の体力低下を背景に、連合は容認を撤回。7日に神津氏と会談した民進党の前原誠司代表は記者団に「長時間労働規制には賛成だが、高プロは絶対にのめない」と述べ、高プロと残業規制を切り離して議論すべきだとの考えを表明した。神津氏も「国会審議で鋭く追及してもらいたい」と応じた。

ただ、連合は8月25日の中央執行委員会で「労政審での重要な局面では、三役会、中執で協議、確認をはかる」とも決めており、今後の政府との妥協に余地を残したとも受け止められている。

民進党は高プロを10月の衆院3補選の争点の一つに据え、与党側を揺さぶる考えだ。

これに対し、政府・与党側は、一本化した法案のまま採決に踏み切れば強硬姿勢を取らざるを得ず、3補選前の採決は避けたい考えだ。その後も支持率の回復をにらみながらの国会運営が強いられそうだ。
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 臓器移植や救急など高度医療を担う国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)が、勤務医や看護職員の時間外労働を「月300時間」まで可能にする労働基準法36条に基づく労使協定(36(サブロク)協定)を結んでいたことが、弁護士による情報公開請求でわかった。国の過労死認定基準(過労死ライン)の「月100時間」の3倍にあたる長さで、国循は今後協定内容を見直す方針という。

過労死の看護師の母「悲しみ再び誰かに…」国循労使協定

府内の主要病院が労働基準監督署に届け出た36協定の開示を、過労死問題に取り組む松丸正弁護士(大阪弁護士会)が国に請求。国循の36協定(2012年4月1日付)では、非常勤を含む勤務医や一部の看護師、研究職ら約700人について、特別な事情がある場合、「月300時間、年間2070時間」まで時間外の労働時間を延長できる(年6回まで)内容となっていた。

 病院側と「労働者過半数」の代表とが取り交わしたもの。ほかの病院は上限100時間前後までの協定が多かった。

 国循は取材に、実際の勤務は「(36協定の上限時間までに)十分余裕はある」と説明。長時間労働の場合は所属長に勤務の分担を求めたり、職員に産業医との面談を勧めたりしているとした上で、「国で議論されている(働き方改革の)内容を踏まえ協定内容を見直す予定だ」と明らかにした。

 国循の36協定は、国の機関から独立行政法人に移った10年以降、労使で毎年結んでおり、時間外の上限は変わっていないという。

 現行法制での36協定は、雇い主と労働者側が合意すれば、時間外労働の上限を青天井で設定できる。国の過労死ラインは、時間外労働が「1カ月100時間、または2〜6カ月の月平均80時間」で、政府は、これを超えるような時間外労働を罰則付きで規制する労働基準法改正案などを今秋の国会に提出する方針。ただ、医師は特殊性を踏まえて適用が5年猶予される。

 過労死問題に詳しい森岡孝二・関西大名誉教授は「国循は一般病院では対応できない高度医療も担っており、労働時間が長くなる背景があるが、『月300時間』は健康を維持できる限界を超えている。社会全体で医療現場の勤務実態把握と負担軽減を考える時にきている」と話す。(阪本輝昭、荻原千明)

    ◇

 〈36(サブロク)協定〉 労働基準法36条に基づき、労使が時間外・休日労働に関して取り交わして労働基準監督署に届け出る協定。法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて雇い主が従業員を働かせる場合に必要になる。時間外労働について、厚生労働省は告示で週15時間、月45時間などの上限を設けているが、特別な事情があれば延長可能で、事実上の青天井となってきた。
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  運転手の2割が違法残業 最長197時間

日本経済新聞 2017/9/5

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFD04H5A_U7A900C1CN8000/

 厚生労働省愛知労働局は4日、複数の事業所での違法な長時間労働で是正指導したにもかかわらず、その後も改善しなかったとして、名古屋市の運送会社「大宝運輸」の社名を公表し再度、是正指導した。月80時間を超す違法な時間外・休日労働が同社のトラック運転手の約2割、計84人で確認された。うち74人は月100時間超で、最長197時間のケースもあった。

■愛知労働局、基準厳格化後で初の社名公表

厚生労働省は今年1月、電通の新入社員の過労自殺問題を受け、違法な残業をさせた企業の社名公表基準を拡大。従来は従業員10人以上で月100時間超の残業が確認さた場合などを対象にしていたが、「月80時間超」などに厳格化した。基準拡大後、社名公表は同社が初めて。

大宝運輸の本社(4日、名古屋市中区、画像省略)

同労働局によると、昨年12月〜今年2月の同社への立ち入り調査で、2事業所の運転手54人が月80時間超の違法残業をしていたことが判明。うち50人が月100時間超で、最長197時間に及んだ。12月に是正指導し、2月にも経営幹部を呼び出して指導した。

同労働局が改善状況の確認のため7月に立ち入り調査したところ、別の2事業所で運転手30人について月80時間超の残業を確認。うち24人は100時間を超えていた。状況が改善していないとして、同労働局は是正指導するとともに社名を公表することにした。

同社のトラック運転手は約400人で、少なくとも約2割が違法残業をしていたことになる。

同日、愛知労働局の木暮康二局長が大宝運輸の小笠原忍社長に是正を要請する指導書を渡した。木暮局長は「企業トップが主導し抜本的に改善を図ることが必要だ」とするコメントを発表。「長時間労働は取引先との関係によるところもあり、発注元も配慮していただきたい」と業界全体での取り組みも求めた。

同社は愛知県内が地盤の、主に食品を輸送する中堅輸送会社。2017年3月期の売上高に相当する営業収益は88億円。

■社長「改善を断行」 背景に深刻な運転手不足

大宝運輸の小笠原忍社長は4日、名古屋市内で記者会見し「深くおわび申し上げる」と陳謝した。「経営の最優先課題として、早急に長時間労働の改善を断行していく」と表明。社長がトップの委員会を設け、運転手の採用活動の強化や取引先の削減を進めるとした。

記者会見で説明する大宝運輸の小笠原忍社長(4日、名古屋市中区)

違法残業が続いた背景には、深刻な運転手不足があったと説明した。実際、運輸業界の人手不足は慢性的だ。愛知労働局によると、7月の「輸送・機械運転」の同県内の有効求人倍率は3.09倍と、全職種平均(1.59倍)の約2倍の水準だった。

同社は2015年にも愛知、三重両県の労働基準監督署から長時間労働で指導され、一部の取引先を減らすなどしてきた。しかし「仕事を減らしきれなかった」(小笠原社長)。

4月には大口顧客との取引をやめて1事業所を閉鎖し、所属する運転手33人を別の事業所に振り分けたという。さらに40〜50代の経験者17人を中途採用した。ただ7月までに29人が退職したこともあり、違法残業を減らせなかったという。
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 毎日新聞 2017年9月3日 東京朝刊

https://mainichi.jp/articles/20170903/ddm/001/040/179000c

 企業と雇用契約を結ばずフリーランスとして働く人々について、公正取引委員会は労働環境の改善に向けた実態調査を始めた。フリーランスは独占禁止法と労働基準法の間のグレーゾーンとされ、企業側が引き抜き防止を定めたり、不利な取引条件を押しつけたりといった懸念が指摘されている。公取委は独禁法の適用で防ぐことができないか、調査や検討を進めている。

 近年、インターネットの普及と就労形態の多様化に伴い、企業と対等な関係で仕事を受けるフリーランスが急増。クラウドソーシング大手のランサーズ(東京都渋谷区)によると、過去1年で雇用とは別に仕事で報酬を得た人の数は推計で約1122万人。副業タイプの増加が目立つが、プログラマーやエンジニアなど専門性の高い人や個人事業主らも約390万人に上り、法的位置付けがあいまいなまま「企業による人材獲得競争が過熱している」(公取委幹部)という。

 米国ではIT系の人材を巡る引き抜き防止協定が問題視され、連邦取引委員会と司法省がガイドラインを作成するなど対策が進んでいる。

 日本の公取委も、フリーランスの法的位置付けを整理する有識者検討会(座長=泉水文雄神戸大大学院教授)を8月、始動させた。米国の取り組みを参考にするなどし、国内で起きている問題を調べている。IT技術者のほか、同じように移籍・独立を巡るトラブルが多いとされる芸能人やスポーツ選手の契約実態も含まれており、芸能事務所やスポーツ団体からも聞き取りを行っている。

 公取委の杉本和行委員長は7月の記者会見で「芸能界やスポーツ界に独禁法を適用できるのか(という問題)は、グレーエリアで対応していなかったが、適用すべきか議論していく」と述べた。検討会は年度内に報告書をまとめることを目指している。【渡辺暢】
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 2ORICON NEWS 2017-08-31

http://www.oricon.co.jp/article/292345/          

運転しながら食事、午前3時帰宅…コンビニ担当のトラック運転手死亡、労災認定 

一由貴史弁護士(左)と川人博弁護士(写真省略)

長野県の運送会社に勤務していたトラック運転手の男性(当時43)が今年1月、急性大動脈解離で亡くなったのは、業務が原因だったとして、長野労働基準監督署が労災認定していたことが8月31日、分かった。遺族側の代理人が厚労省記者クラブで会見を開き、明らかにした。認定は8月24日付。

代理人らによると、この男性は複数の会社をへて、2016年3月に信濃陸送(長野県千曲市)に入社。長野市内の営業所に所属し、上田市の大手コンビニエンスストアへの配送を担当していたという。

同居の母親に「運転しながら食事せざるを得ない」と話すほど忙しく、毎日正午前後に出社し、午前3時ごろに帰宅していた。2017年1月6日、配送先のコンビニの駐車場で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。

労基署が認定した残業時間は、死亡直前の1か月が114時間。直前6か月で見ると、もっとも短い月でも96時間で、最長は135時間だった。ほとんどの月で労使で定めた残業時間の上限を超えていた。

また、厚労省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)によると、男性のようなドライバーの場合、(1)1日の拘束時間は基本13時間まで、(2)1カ月の拘束時間は原則293時間まで、が基準とされている。しかし、代理人によると、男性の場合、ほとんどの日・月で両方とも違反していたという。

過労死白書によると、道路貨物運送業はもっとも過労死が多い業種だ。しかし、政府が導入を目指す、残業時間の罰則付き上限規制の対象からは外れている。

代理人の川人博弁護士は、「政府の姿勢は過労死を助長するもの。交通事故の原因の大きな1つでもあるので、公共的な観点からもこのような異常な状況は1日も早く改善しないといけない」と、政府の対応を求めていた。

母親は代理人を通じ、「常に疲れた様子でいましたし、表情も暗かったことを覚えています」「寡黙でしたが、働き者で、やさしい性格でした。息子に二度と会えないと思うと残念でなりません」などとするコメントを発表した。

信濃陸送は「亡くなったことを真摯に受け止め、資料の提供などで対応している。現在、会社の労働時間の管理等についても、進めているところだ」とコメント。労基署からの指導を受けており、現時点で入社時からの未払い残業代200万円弱を遺族に支払う意思もあるという。

一方で、人手は足りているかと聞いたところ、「言い訳にはならないが、4〜5年前に比べて人が来ない。特に若手離れを感じる」と苦しい事情も明かした。

(弁護士ドットコムニュース)

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 労働基準監督官増員へ

2017年08月22日 共同通信配信

来年度100人、概算要求

厚労省、長時間労働是正で

政府が、長時間労働や賃金未払いなどを調べる労働基準監督官を来年度、100人増員する方針を固めたことが22日、分かった。厚生労働省が来年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。政府は働き方改革の一環として罰則付きの残業規制を設ける方針で、違法な長時間労働の取り締まりに向け体制を強化する。

厚労省によると、2016年度末、監督官の定員は計3241人。大手広告電通の違法残業事件などを受け、17年度も50人増員した。ただ、全国の事業所は400万カ所超で、監督を実施するのは毎年全体の3%程度にとどまり、慢性的な人員不足が指摘されている。

厚労省は15年、東京、大阪の労働局に監督官で構成する過重労働撲滅特別対策班(通称・かとく)を設置して電通などを立件、対策を進めてきた。だが、最長で「月100時間未満」などとされる残業時間の上限規制が導入されれば、企業に対してよりきめ細かい監督や指導が求められる。

監督機能の強化を巡っては、政府の規制改革推進会議が今年5月、監督官の業務を補完するため、業務の一部を民間に委託する提言をまとめている。対象業務として、実態把握のため労働時間上限の順守状況などに関する調査票を各事業所に送って回収することなどが検討されている。

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朝日DIGITAL 2017年8月23日

http://digital.asahi.com/articles/ASK8Q6FFBK8QIIPE02L.html

亡くなった男性の仏壇に手を合わせる妻

2015年12月に自殺した、小樽掖済(えきさい)会病院(北海道小樽市)の臨床検査技師の男性(当時34)は、直前の1カ月間の時間外労働が188時間だった。遺族の申請を受けた小樽労働基準監督署が労災認定。遺族は今年2月、損害賠償を求めて提訴した。遺族は「責任の所在をはっきりさせたい」と言う。

病院職員の過労自殺、労災認定 時間外が月188時間

訴状によると、男性は2005年に同病院に就職。15年7月ごろから、病院の新築移転に伴って導入される電子システムの構築作業などを任されて残業が常態化した。うつ病を発症し、同年12月に病院の屋上から飛び降りて自殺した。

小樽労基署の認定では、自殺直前の半年間で時間外労働が100時間を超えた月が4回あった。

遺族は今年2月、病院を運営する一般社団法人日本海員掖済会に約1億2566万円の損害賠償を求め札幌地裁小樽支部に提訴した。訴状で、原告側は「被告は過酷な長時間労働を把握していながら放置し、業務量を調整する安全配慮義務を怠った」と主張している。

小樽掖済会病院は取材に「労災認定を受けたことは真摯(しんし)に受け止めており、残業時間を短縮するなど労働環境の改善を進めている。詳細な主張などは係争中のためコメントできない」としている。



月188時間にのぼった時間外労働。過酷な勤務で次第に食欲をなくし、やつれていく様子を妻(32)は見ていた。普段は弱音を吐かないのに、「仕事を辞めたい」と漏らしたこともあったという。幼い子ども2人を残し、自ら命を絶つまで追い詰められたのはなぜなのか。「裁判で責任の所在をはっきりさせたい」と妻は話す。

真面目で優しい夫だった。列車ではお年寄りに席を譲り、子どもが夜泣きをしたときは必ず起きてきて面倒をみてくれた。「責任感が強く、任された仕事を断れなかったのかもしれない」と思う。

帰宅はどんどん遅くなり、入浴中に寝てしまうこともあった。食事を残すようになり、ほおはこけていった。

子どものことをいつも一番に考えていた。夢は成長した息子と2人でキャンプに行くこと。テントも買っていたが、かなわなくなった。夫の棺とともに帰宅すると、自宅に手紙が届いた。夫からで、「結婚して子どもが生まれて幸せだった」「ごめんね。今までありがとう」と書いてあった。

自殺の数週間後、息子を叱ると、「パパー」と声をあげて泣き続けた。夫はもういないと実感し、悲しみがこみ上げた。「ごめんね」と息子を抱きしめた。

病院から謝罪はないという。「優しい夫が大好きで、ずっと一緒に生きていくと思っていた。幸せな時間だったのに奪われてしまった。とにかくその責任を取ってほしい」(布田一樹)
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 厚労省「ブラック企業リスト」を更新、401社に HISや水道局も

産経ニュース 2017年8月16日

http://www.sankei.com/economy/news/170816/ecn1708160021-n1.html

厚労省の「ブラック企業リスト」


厚生労働省は8月15日、労働基準関係法違反の疑いで送検された国内企業のリストを更新した。5月に初公開し、電通・パナソニック・日本郵便など大企業も名を連ねる「ブラック企業リスト」として話題を呼んでいた。

8月に追加された企業は、アスベストの有無を事前調査せずに建物の解体作業を指示した建設事業者(秋田県)、労働者1人に約16万円の賃金を支払わなかった食品事業者(長野県)など。

公開当初の掲載企業は332社だったが、8月の更新で計401社に増えている。

●過去には電通支社、HIS、死亡事故発生の水道局も追加

5月末の更新では、電通の関西支社(大阪府大阪市)、京都支社(京都府京都市)、中部支社(愛知県名古屋市)がリスト入り。3社は従業員に「36協定」の延長時間を超える違法な長時間労働を課したとして、労働基準法違反で書類送検されていた。

7月の更新では、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)がリスト入り。同社も東京都内の2事業所で従業員に「36協定」の延長時間を超える違法な長時間労働を行わせたとして、労働基準法違反で書類送検されていた。

また、7月には宇部市上下水道局(山口県宇部市)が、公営企業として初めてリスト入りした。手すりの設置など転落防止措置を講じないまま、従業員に汚水処理槽の水質検査作業を行わせたとして、労働安全衛生法違反で書類送検されていた。

同局では2016年9月に、採水作業中の男性職員が水深4メートルの曝気槽(ばっきそう、汚水を処理する池)に転落し、死亡する事故が発生していた。

企業名がリストに掲載されるのは、各都道府県の労働局による公表から1年間。厚労省は今後も、同リストを定期的に更新していく方針だ。

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 23歳の現場監督が過労自殺に追い込まれた新国立競技場(東京都新宿区、渋谷区)の建設現場。2020年の東京五輪・パラリンピックでメイン会場にするため事件発覚後も工期を優先した異常な働かせ方がまかりとおっています。現場の状況を追いました。(田代正則)

写真:早朝6時半の新規入場者教育を是正するよう求める東京土建の人たち=7月24日、東京都新宿区(省略)

 午前6時、新国立競技場の建設現場に労働者が続々と入っていきます。関係者によると、安全などの現場ルールを教える新規入場者の教育が午前6時半ごろから行われるため、通常の建設現場より業務開始が早いといいます。

 早すぎる開始時刻の是正を求めている東京土建一般労働組合の松本久人賃金対策部長は指摘します。「普通の建設現場では、朝礼後の午前8時ごろから新規入場者教育が行われる。午前6時半開始では、夜明け前の4時に自宅を出ないと間に合わないと、労働者から悲鳴があがっている」

 元請けの大手ゼネコン・大成建設(東京都)は、本紙の取材に、新規入場者教育は「午前7時ごろ」だと早朝の実施を認めています。他方、教育は「(最初の)1回のみ」であり、「公共交通機関の制約がある場合は、実施時間を調整するなど柔軟に対応している」としています。

 しかし、工事現場は駐車場の少ない都心です。「同僚と車を乗り合いで来るので、1人でも新入りがいれば、全員が早出を強いられる」という不満も出ています。

 現場労働者から話を聞くと、「工程管理がめちゃくちゃだ。先に完成しているはずの作業が終わっておらず、仕事がすすまない」と嘆きの声が起こっています。

 1次下請けの現場監督の男性は、「工期が圧迫されているというのは共通認識だ。下請けはしわ寄せの圧力を受けている」と語ります。

 「過労自殺のことはうわさになっている。自分たちもいつ犠牲になるか」と声をひそめる職人もいます。

迫る工期 下請け疲弊

「現場退出後も事務」

遺族 “過労自殺二度と”

写真

(写真)新国立競技場の建設現場=1日、東京都新宿区

23歳の現場監督の過労自殺事件が発覚した5月中旬以降、新国立競技場の建設現場は、原則午後8時までに全員退出となりました。しかし、仕事量が減ったわけではありません。

 ある現場監督は、「書類作成などの事務作業で、現場退出後の午後10時まで働いていた。朝早くから夜遅くまで働いて、五輪会場をつくる誇りも感じられない」と証言します。

 新国立競技場は、工事費のずさんな膨張で旧計画が白紙撤回となり、現行計画は当初予定の1年余遅れで着工しました。

 新国立競技場は、独立行政法人「日本スポーツ振興センター(JSC)」が事業者で、大手ゼネコンの大成建設が元請けです。

 旧計画を費用や工期の面から批判していた建築エコノミストの森山高至氏(1級建築士)は指摘します。「入札のライバルだった竹中工務店の案がスピードアップを前提としていたことと比較して、大成建設の現行案では予算と工期が最適化できていなかった。下請けに無理に頑張らせていたのではないか」

 大成に下請けで起こった過労自殺の責任はないのか。森山氏は「元請け企業は、企業倫理として下請けの労働環境にも責任を持つべきです」と強調します。

 東京五輪にかかわる事業では、大会組織委員会が長時間労働の禁止を明記した「持続可能性に配慮した調達コード」を作成。元請けは下請けにも守らせるよう求められていました。

 ところが、過労自殺した男性の遺族によると、男性は早朝4時半ごろに起床し、帰宅は深夜0時半から1時ごろ。2〜3時間しか眠れませんでした。労働時間の記録では、亡くなる前1カ月で早い日には午前6時16分始業。終業が午後10時より早かったのは5日だけ。徹夜も3回に及びました。

 亡くなった男性の両親は、「今後、息子と同じように過労で命を落とすような人を出したくないという思いでいっぱいです」と労災申請にあたってコメントしています。
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 毎日新聞 2017年8月10日 北海道朝刊

https://mainichi.jp/articles/20170810/ddr/041/040/004000c

 東京都内の総合病院産婦人科に勤務していた30代の研修医の男性が2015年に自殺したのは、長時間残業で精神疾患を発症したのが原因だったとして、東京労働局品川労働基準監督署が労災認定したことが分かった。男性の両親の代理人を務める川人博弁護士が9日、都内で記者会見して明らかにした。認定は今年7月31日付。

 男性は15年7月12日に自殺。労基署の決定などによると、直前1カ月の残業は約173時間で過労死ライン(直前1カ月100時間)を大幅に超えていた。

 弁護士によると、電子カルテへのアクセス記録などを集計したところ、直前2〜6カ月の残業は月約143〜209時間だった。電通の新入社員で15年12月に過労自殺した高橋まつりさん(当時24歳)の場合、三田労基署の認定は直前1カ月の残業が105時間で、川人弁護士が電通本社ビルの入退館記録を基に算出すると、最長で月130時間だった。

 産婦人科の医師は約10人いたが、長時間残業と休日勤務が常態化していて、男性は直前6カ月で5日間しか休んでいなかった。月に4回程度の当直勤務のほか、連続30時間以上拘束されることもあった。病院近くの寮に住み、妊婦の急変などで休日に呼び出されることも頻繁だったという。

 両親は弁護士を通じ、「息子は激務に懸命の思いで向かい、業務から逃げることなく医師としての責任を果たそうとした」「医師も人間であり、労働者。労働環境が整備されなければ、不幸は繰り返される」とコメントした。一方、病院の管理課長は取材に「何も話せない」と答えた。【早川健人】

働き方改革例外「撤回を」

昨年1月に亡くなった新潟市民病院の女性(当時37歳)に続き、研修医の過労自殺が労災認定された。医師は政府の働き方改革で残業時間に上限が設けられた後も例外扱いが5年間続く。川人弁護士は会見で「医師の過労死を放置、促進する。撤回すべきだ」と強調した。政府は今秋の臨時国会に労働基準法の改正案を提出する。施行後、一般の職業の残業は単月100時間未満、2〜6カ月で月平均80時間以内、年720時間以内が上限となるが、正当な理由なく診療を拒めない「応招義務」がある医師への適用は5年間猶予される。

 厚生労働省によると、過労死や過労自殺(未遂含む)で16年度に労災認定された医師は4人に上る。【早川健人】
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