関西大学不当解雇事件 申立人最終意見陳述(大阪府労働委員会)2020年2月27日

関西大学不当解雇事件・(大阪府労働委員会平成30年(不)29-49・30-34関西大学事件)に関して

 2020年2月27日(木)大阪府労働委員会にて最終審問が行われ、結審しました。多くの労働組合、働き方ASU-NET、他私学教員、職場の同僚の傍聴支援をいただきました。ありがとうございました。最後に申立人から最終の意見陳述を行いました。
全文を掲載します。
(最終意見陳述全文)
大阪府労働委員会に申し立てを行って以来、2年以上の丁寧な審理がおこなわれ、本日最終審問を迎えました。粘り強く審査し、労働者の意見を聞いていただいた委員会の方々に感謝いたします。
私たちは、互いの主張の中で関西大学から私の自宅待機と解雇理由が具体的に明らかになる、と考えていました。しかし、被申立人の準備書面をいくら読んでも解雇の合理的理由はまったく明らかにならず、解雇がこじつけであることが明らかになりました。
2017年の茨木労基署の是正勧告の際に、関西大学池内理事長は労働基準法を遵守する姿勢がなく、団体交渉でも交通違反に例えるなどしており、北田労務担当理事は、労基法は時代遅れなどと労基法を軽視していました。先日の高岡総務局長は証言でも、同じ関西大学の併設校に対し、未だに残業代を全く支払っていないと認めていました。尋問で労基法違反を堂々と証言する、厚顔無恥としか言いようがありません。支払わねばならない残業代を支払わない関西大学の体質が全く変わっていないことは明らかです。
私は、解雇後も組合規約に則って組合執行委員として労基署に相談し、申告をかさね、関西大学の職場環境を改善する努力を重ねています。その結果、2017年度以降の関西大学初中高における残業代は2億円近くにおよびました。労働組合の仲間とともに行ってきた運動が正しいことはその金額の大きさからもあきらかです。
関西大学が私の解雇について合理的理由を示せなかったことから、自宅待機当時、関西大学が保護者の申し出を奇貨としたことは火を見るよりも明らかです。まさに牽強付会としか言いようがありません。こうまでして私を組合活動から排除したかったのだろう、と改めて認識しました。
解雇後に行われた団体交渉に私が出席した際には、池内理事長は自ら把握している組合規約で全く問題がないにも関わらず、「解雇したのに、団体交渉にいてもらったら困るな」というような発言を行いました。語るに落ちた、労働組合の執行委員として関西大学の違法経営の実態を厳しく告発してきた私を嫌悪し、解雇し排除しようとしたことは明らかです。
 自宅待機を受けていた2018年3月、担任学級の生徒が、私を自宅に突然訪ね、卒業式で担任として名前を読んでほしいと懇願しました 私は、「自宅待機を命じられている」ことを丁寧に説明しました。それでも生徒たちは「卒業式がダメなら、高等部への入学式にどうしても出席してほしい」と懇願しました。しかし、入学式への出席はついに叶いませんでした。
昨年末より高槻駅前での争議支援宣伝の活動もはじめました。その際に、保護者や生徒からわざわざ声をかけてもらえ、「卒業式までに戻ってきてほしい」「頑張ってください」など励まされています。
また、多くの職場の仲間・市民・労働組合・過労死被害家族の方々から支援をいただき、大阪地裁へ提出する公正判決を求める署名」では、団体・個人2000筆以上の署名をいただきました。今も署名は届いています。
 関西大学総務局長である高岡局長は、事務折衝の中で、他の私学関係者から残業代を「関大さん払わんといてな」と言われたと言っていました。私達関西大学初等部中等部高等部教員組合の残業代告発の問題は、全国の私学教員の声を代表するものであり、悪徳私学経営者の告発の象徴的な事件です。
 これまでに明らかになった関西大学の不当解雇、労組潰し、このようなことが許されれば、全国の私学教員は声を挙げられなくなります。
 職場では、「いつ解雇されるかわからない」という不安が教員の中に生じていると伝え聞きます。理不尽な命令に対し、注文を付ければ報復措置があるのではないか、と萎縮しています。また、関西大学による労働基準法違反行為、例えば2016年度以前の賃金台帳不記載、2019年度の36協定残業時間上限違反、違法な就業規則の放置、サービス残業の放置など、私の不当解雇以降も反省なきブラック経営を関西大学は続けています。公的教育機関でこのような違法経営が許されてはいけません。
 天網恢恢疎にして漏らさずと申します。
 全国の私学教員の悲痛な叫びとともに私達の声が届き、救済命令が出されることを確信しています。

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