毎日新聞朝刊で、労働者派遣法:改正案めぐり野党にミゾ と報道
労働者間の格差是正を目的とする労働者派遣法改正案が、野党4党の共闘態勢に亀裂を生みかねない火種となっている。日雇い派遣禁止などを定めた民主党案に対し、共産、社民、国民新の3党が「不十分」として協議を求めているためだ。民主党は「調整は不可能」とみて単独で法案提出に踏み切る構えで、会期末を2週間後に控え、波乱要因となりそうだ。
「民主党案はガラス細工のようなもので、協議の場に出せない」。民主党の鳩山由紀夫幹事長は5月28日、社民党の重野安正幹事長が派遣法改正案を巡る野党協議を促したのに対し、こう釈明した。
社民党など3党は、派遣対象業務を専門職種に限定するなど、民主党案よりもさらに規制の強化を主張している。しかし民主党内には、規制強化による雇用の硬直化への懸念や「アルバイトよりは権利が保護される」との派遣労働是認論があり、法案に「健康保険などが適用されない2カ月以下の派遣契約禁止」を盛り込むのが精いっぱいだった。
民主党政調幹部は「他党の意見を入れると民主党内がもたない」として、3党に対する説明の場は設けるが協議はせず、6月上旬にも法案を衆院に提出する方針。秋の臨時国会で予想される政府案提出をにらみ、修正協議の材料とする思惑だ。
こうした民主党の姿勢に対する共産、社民両党の不満は5月30日、別の法案審議を巡っても表面化した。野党4党で共同提出した後期高齢者医療制度廃止法案で、共産、社民両党が十分な審議時間をかけるよう要求。「参院では早期採決」の方針である民主党の山岡賢次国対委員長が「与党を利することになる」と反論する一幕があった。野党共闘態勢もまた「ガラス細工」の様相を呈している。【田中成之、小山由宇】 毎日新聞2008年5月31日18時38分
全労連、大阪労連は、こうした動きが水面下であったことから、民主党に対象業務の限定、派遣期間の制限などを要請する手紙作戦などを取り組んできましたが、可能な限り、民主党本部へのメールや手紙を送る取り組みが緊急に必要となっています。