中国新聞　不信任案、今夕に否決　自民、棄権方針を決定

中国新聞　2012年8月9日
 
衆院は９日夕の本会議で、新党「国民の生活が第一」など中小野党が提出した内閣不信任決議案を採決する。自民党は午前の役員会で、８日夜の野田佳彦首相と谷垣禎一自民党総裁らの３党首合意を受け、棄権する方針を決めた。公明党も否決に協力する方針のため、反対多数で否決される見通しだ。
 
一方、参院議院運営委員会理事会は９日午後、消費税増税を柱とした社会保障と税の一体改革関連法案を採決する参院本会議の10日開催を決める。特別委での締めくくり質疑と採決を経て、続く本会議で民自公３党などの賛成多数により成立する運び。
 
中小野党が参院に提出している首相問責決議案は、議運委の協議により本会議採決は見送られる方向だ。
 
不信任案採決に関し、自民党は本会議での長崎原爆犠牲者への黙とうに出席し、不信任案採決前に途中退席する方針。石原伸晃幹事長は役員会後の記者会見で「今回の不信任案は、民主党からの離党者の賛同があって初めて提出された。民主党の内輪もめにはタッチしない」と述べた。
 
公明党は午後の常任役員会で出席して反対するか、棄権するかを決定する。
 
不信任案を提出した「国民の生活が第一」の東祥三幹事長は９日午前の会合で、自民、民主、公明３党が一体改革関連法案の成立で合意したことを踏まえ「８日からの動きは国民不在の民主、自民両党による政治ごっこだ。消費税増税への反対の声はどこに代弁されているのか」と批判した。
 
衆院の不信任案採決では、消費税増税に反対する民主党議員の一部が造反して賛成に回る可能性もある。