NHKニュース オスプレイ配備計画撤回を 沖縄県民大会

NHKテレビ9月9日 18時16分

アメリカ軍の新型輸送機オスプレイの配備が計画されている沖縄県で、これに反対する県民大会が開かれ「配備は容認できず、これ以上の基地負担は断固拒否する」として配備計画の撤回などを求める決議を行いました。

オスプレイの配備に反対する県民大会は、配備が計画されている普天間基地を抱える沖縄県宜野湾市の会場で開かれました。

大会には、沖縄県の仲井真知事が「市民運動と行政実務とは役割が違う」として欠席しましたが、県内41の市町村のほとんどの代表や170を超える団体のメンバーら、主催者側の発表で10万人を超える人が参加しました。

大会では、地元を代表して、宜野湾市の佐喜真淳市長があいさつし「安全性に担保のないオスプレイを、世界一危険な普天間基地に持ち込もうとしていることに強い憤りを感じざるをえない」と述べ、配備の見直しを訴えました。

このあと、大会では、オスプレイの配備計画の撤回と普天間基地の閉鎖を求める決議を採択しました。

沖縄県でこうした大会が開かれるのは、政権交代後のおととし、普天間基地の県外や国外への移設を求めた大会以来だということです。.

宜野湾市長“政府は真摯に行動を”

県民大会の終了後、宜野湾市の佐喜真淳市長は「県民の意思が示された大会となり、成功だった。地元の市長として、参加者に感謝したい。これまでは配備ありきの状況だったが、きょうを境に日本政府が地元の意向をくみ取って、配備の見直しを含めて真摯(しんし)に行動してほしい」と述べ、大会を受けて配備計画を見直すべきだという考えを示しました。

参加した県民は

沖縄県北部の名護市から県民大会に参加した28歳の男性は「きょうの大会が、県内だけではなく、本土に伝わることが大切だと思う」と話していました。

同じく名護市の64歳の女性は「県民の代表である知事が参加していないのはおかしいと思う。何よりも優先して参加すべきだった」と知事の欠席を残念そうに話していました。

また、那覇市から参加した家族は、6歳の男の子が「沖縄の空にアメリカのヘリコプターが飛ぶのはおかしい。アメリカの飛行機はいらない」と話したのに続き、36歳の母親は、「子どもたちにも沖縄が抱える課題や現実を知ってもらえたので、きょうは参加してよかったです」と話していました。

友人4人で那覇市から参加したという28歳の会社員の男性は「これだけ反対の声を上げても日米両政府が配備を進めるのであれば残念だ。もっと地元の声に耳を傾けてほしい」と話していました。

仲井真知事 配備反対の姿勢を改めて強調

「市民運動と行政の実務は違う」として、県民大会を欠席した沖縄県の仲井真知事は「日曜日に多くの人たちが集まったことは、オスプレイの配備計画の見直しに対する強い関心の現れだと思う。準備した人たちや参加された皆さんに対して敬意を表したい」と述べました。

一方、みずからの欠席について、仲井真知事は「いろいろな意見があると思う。不満はあると思うが、特に私から言うことはない」と述べるにとどめました。

そのうえで、仲井真知事は「今後もオスプレイの配備の見直しをしっかりと訴えていきたい」と述べ、オスプレイの配備に反対する姿勢を改めて強調しました。

また、オスプレイが今月6日、アメリカ南部のノースカロライナ州で、市街地の空き地に緊急に着陸していたことについて、「やはり事故が起こりやすいのか。論理的に不思議なのは、操縦に問題はあるが、機械は問題ないから安全だという点で、なぜそれで安全なのか。逆じゃないかと思う」と不快感を示しました。

 

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