過労死した研修医の遺族が、時間外労働(残業)分を計算に入れないまま補償金額を決めたのは違法だとして、地方公務員災害補償基金の算定やり直しを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は19日までに、基金側の上告を退ける決定をした。不算入を違法とした一、二審判決が確定した。17日付。
二審判決によると、奈良県立三室病院(同県三郷町)で臨床研修医をしていた男性=当時(26)=が2004年に死亡。両親が請求した公務災害が認定されたが、病院は時間外手当を支払っておらず、基金は遺族補償一時金を決める際、「残業時間を特定できない」と算定基礎額に加えなかった。