世界の富の半分 1%が占有 経済格差拡大 国際援助団体が報告

しんぶん赤旗 2014年1月22日

 国際援助団体オックスファムは20日、世界経済フォーラム(ダボス会議)を前に報告書を公表しました。経済格差が多くの国で急速に拡大していると指摘し、世界の富の半分を最も豊かな1%の人々が占有し、残りの99%の人々には半分の富しか分配されていないと強調しました。

 ダボス会議は昨年11月に発表した報告書で、所得格差の拡大を世界が抱える危機要因の第2位に挙げ、「世界の進歩に重大な危機をもたらしている」と指摘しています。オックスファムはこのことに言及し、そのような状態が放置されると、政治制度が崩壊し、政府は普通の人々を犠牲にして経済エリートの利益に奉仕するものになると警告しました。

 その上で次のような事実を挙げています。

 ▽世界の最も豊かな1%の人々の財産は110兆ドルに達し、世界人口の貧しい半分の人々の財産の65倍に達している。

 ▽下層半分の財産は、世界の最も豊かな85人の財産と同じ。

 ▽10人に7人が過去30年間に経済格差が拡大した国に住んでいる。

 ▽米国では最も豊かな1%の人々が2009年以降、経済・金融危機後の成長の95%を獲得し、下層90%の人々はより貧しくなった。

 またオックスファムが世界の6カ国で行った世論調査で過半数が、法律は豊かな人々の利益のためにゆがめられていると回答しています。

 報告書はダボス会議に対し、富裕層が自分たちの利益のために政治に影響を及ぼすのを規制することなどを求めています。 (夏目雅至)

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 オックスファム 英国で1942年に創立した国際援助団体。当時、ナチスの支配下にあったギリシャ国民の飢餓救済を求めたオックスフォード大学関係者やクエーカー教徒らが設立。現在、90カ国以上に展開し、貧困や不正の撲滅、政策提言に取り組んでいます。日本での拠点、オックスファム・ジャパンは2003年に設立。

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