「残業代ゼロ」法案要綱、労政審が答申

http://www.asahi.com/articles/ASH3243M3H32ULFA00L.html
朝日新聞 2015年3月3日
 
 長時間働いても残業代などが払われない新しい働き方をつくる労働基準法改正案の要綱について、厚生労働省の労働政策審議会は2日、「おおむね妥当」として、塩崎恭久厚労相に答申した。8年前に同様の制度を断念した安倍政権は、来年4月の実施に向けて今国会で改正案の成立を目指す。

 「高度プロフェッショナル制度」と呼ばれるこの働き方に対し、「『残業代ゼロ』になり働きすぎを助長する」と労働組合は批判する。2日の審議会でも、答申には「いまの制度でも成果と報酬を連動させることは可能」などと労組代表の反対意見が併記された。

 似た制度は、2006〜07年の第1次安倍政権でも「ホワイトカラー・エグゼンプション」として検討された。この時は管理職手前の労働者が対象だったが、「過労死を招く」と世論が猛反発。夏の参院選を前に与党議員からも反対の声が出て、法案提出は見送られた。

 安倍首相は先月20日の衆院予算委員会で「グローバルに活躍する高度専門職に絞っている。今度のは全く別物だ」と強調。働き手の同意を得ることや、働き過ぎを防ぐ仕組みを強化したことも挙げ、批判をかわそうとする。

 しかし、民主党や共産党などの野党は「成果が出るまで働かされ、長時間労働につながる」などと批判を強める。厚労省は3月下旬に労働基準法などの改正案を提出する予定だが、国会での審議は難航が予想される。(平井恵美)

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