関西中心に中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市)の男性社員(27)が5日、長時間業務で鬱病(うつびょう)を発症し、休職に追い込まれたとして、同社を相手取り約2300万円の損害賠償を求め、京都地裁に提訴した。
訴状によると、男性は約10カ月のアルバイト期間を経て、平成22年1月から京都府南部の店で正社員として勤務。スタッフ数が少ない調理場やメニューを考案する担当などを掛け持ちし、精神的な負担を強いられ、23年4月から休職した。同月に医師から鬱病と診断された。
男性が店長に退職を申し出た同年1月までの過去6カ月間の平均残業時間は厚労省が定めた過労死基準を上回る約135時間で、24年2月には京都南労基署が労災認定した。
弁護側は、鬱病の発症は長時間の過重労働に起因すると主張。王将側は「事実確認ができておらず、現状では何も答えられない」としている。