毎日新聞 2013年10月18日
衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングなどが、週刊文春の記事や単行本で名誉を傷付けられたとして、発行元の文芸春秋に計2億2000万円の賠償や単行本の発行差し止めを求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、請求を棄却した。土田昭彦裁判長は「内容は真実と認めるのが相当」などと述べた。
争われたのは、週刊文春が2010年5月に「ユニクロ中国『秘密工場』に潜入した!」との見出しで掲載した記事と、記事を執筆したフリージャーナリストの横田増生氏が11年3月に文芸春秋から出した「ユニクロ帝国の光と影」の内容。
ユニクロ側は▽「仕事が終わらないと午前0時や朝3時まで働く」との中国人従業員の証言▽「月300時間以上働いていた」とする国内店舗の店長の証言−−などについて虚偽と主張。だが、判決は「具体的で信用性は高い」などとして退けた。【川名壮志】
ファーストリテイリングの話 判決は遺憾。今後の対応を慎重に検討する。
文芸春秋の話 記事が正しいことが認められた。