時事ドットコム 2014/01/25
アクリフーズ群馬工場製の冷凍食品からは、フライ、ピザ、コロッケの9点から農薬マラチオンが検出された。9点は種別ごとに別々の部屋に仕切られたラインで加工後、仕切りのない包装室で包装されていた。逮捕された契約社員阿部利樹容疑者(49)は、このうちピザの製造ラインを担当。県警は、どのようにして担当外のラインの製品にまで農薬を混入させることができたのか、他の関与者の有無も含めて捜査を進める。
同社などによると、群馬工場では従業員約300人が2交代制で勤務。各ラインは常時複数人で担当し、従業員が1人になる機会はないという。ある男性従業員は「生産中に、従業員が担当以外のラインに行くことはありえない」と話す。
マラチオンは同工場内に本来、存在せず、従業員はポケットのない作業着を着用していた。女性従業員は「ティッシュさえ持ち込めず、農薬を持ち込むのは困難だ」と話す。県警は農薬の持ち込み方法も調べる。
同工場の契約社員には、不満が根強かったとの指摘もある。アクリフーズなどによると、従業員の約3分の2は阿部容疑者と同じ契約社員。元従業員の女性は「正社員と契約社員の間には溝があり、職場に上下の隔たりがあった。正社員への不満を持っている人は多く、ストレスで辞める人も多い」と話す。
同工場に詳しい関係者も「一緒に働いているのに、正社員は休んで、なぜ自分は土日も働いているのかという人もいた。(契約社員で)不満のない人はいないと思う」と指摘している。