朝日新聞 2014年2月23日
アクリフーズ群馬工場。従業員たちが回収した商品の確認作業などを続けていた=14日、群馬県大泉町吉田(省略)
冷凍食品に農薬が混入された事件で、器物損壊容疑で再逮捕された契約社員阿部利樹容疑者(49)は「会社の待遇に不満があった」と動機を述べているとされる。群馬県大泉町の食品工場で働き、昨年、賞与の減額対象者となっていた。非正規で働く人は今や、雇用者の3人に1人以上。似た境遇で働く工場労働者たちは事件に何を思うのか。
夕暮れ時、大泉町の工場街。広大な食品工場の裏口から、仕事を終えた従業員が次々に出てきた。車に乗り、家路につく。
「この時間に出てくるのはみな非正規。正社員は2割しかいない」。年配の男性が言った。「正社員は監督と管理が仕事。自分たちは作業だけだから」(後略)