産経ニュース 2014.3.27
みんなの党の渡辺喜美代表は27日、国会内で記者団に対し、化粧品販売会社ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長から計8億円借り入れた事実を認めた。その上で「純粋に個人として借りた。違法性の認識はない」と述べ、選挙費用や政治資金に充てていないとし、代表辞任も否定した。ただ、詳細な説明はなく、口座の通帳を党倫理委員会に提出し、調査を委ねる考えを示した。
渡辺氏は、吉田氏から平成22年の参院選前に3億円、24年の衆院選前に5億円をそれぞれ借りたとし、「お騒がせしたことは深くおわびする」と陳謝した。債務残高は約5億5千万円だが、借入金は「手元には残っていない」と明言した。「必ず返済する」とも述べた。
渡辺氏は、みんなの党結成前に吉田氏と知り合った。渡辺氏は、使途をめぐり政治資金規正法や公選法に抵触する可能性が指摘されている点については「会議や交際費、旅費など政治資金を使うのにふさわしくない支出もある。公党の党首はお金がかかる」と説明した。具体例に「酉の市でかなり大きい熊手」を買ったことを挙げた。資産報告書と借入金残高が食い違うことには「事務的ミスで、訂正する」と述べた
また、渡辺氏は27日昼の党会合で、吉田氏から「結いの党の会派離脱を認めてほしい」などのメールが届いたことを明らかにし、「国会運営のこんな突っ込んだ話を知っているのは、結いの江田憲司代表が吹き込んだからだ」と述べ、江田氏への恨み節を漏らした。出席議員から進退論は出なかったが、詳しい説明を求める意見が相次いだ。
これに関し、結いの小野次郎幹事長は記者団に「非常に驚いた。個人で使う額としては理解しがたい。何に使ったか説明責任を果たしてほしい」と語った。
渡辺氏は安倍晋三政権と安全保障政策などで連携する構えをみせている。自民党の高市早苗政調会長は記者会見で「渡辺氏本人が資産報告書の記載に誤りがあったと認めるなら、しっかりと説明責任を果たすことだ」と述べた。渡辺氏との連携については「政党間の距離のとり方は、力を合わせて実現していきたい政策があるかないかになる。他の政党に対しても同じだ」と述べるにとどめた。