SankeiBiz 2014.5.16
今春卒業した大学生の就職率(4月1日現在)は前年同期比0・5ポイント増の94・4%だったことが16日、厚生労働省、文部科学省の調査で分かった。アベノミクスによる景況感の回復を受け3年連続の上昇となったが、平成20年のリーマン・ショック前の水準には届かなかった。なお約2万2千人が内定を得られていないと推計され、ハローワークなどを通じて既卒者の就職支援を続ける。
調査は全国の国公私立大62校、短大20校を抽出し、就職希望者に占める内定者の割合を調べた。その結果、大学生の就職率は男子93・8%(前年同期比0・6ポイント増)、女子95・2%(同0・5ポイント増)で、ともに改善。文系は94・0%、理系は96・4%だった。
地域別では、関東96・4%、中部95・4%、近畿93・8%、中国・四国92・8%、九州90・8%−など。短大生(女子のみ)の就職率は94・2%(同0・5ポイント減)で伸び悩んだ。
東日本大震災の復興需要や景気回復で求人が増える一方、リーマン・ショック前の就職率96・9%(20年3月卒)に届かなかった理由について、厚労省では「大企業を中心に厳選選考の傾向が強かったため」と分析している。
高校生の就職率(3月末現在)は前年同期比0・6ポイント増の98・2%(男子98・6%、女子97・6%)で、4年連続の上昇。リーマン・ショック前を超え、バブル期の就職率98・5%(5年3月卒)に匹敵する水準となった。「復興需要で、建設業の求人が伸びたことなどが影響した」(厚労省)という。