海自艦の乗組員自殺、パワハラ原因か メモで上司名指し

朝日デジタル 2014年9月1日

 海上自衛隊の横須賀基地に配備されている護衛艦の乗組員だった3等海曹の30代男性が今年初めに艦内で自殺し、上司の1等海曹の男性の名前を挙げてパワハラを受けていたことを示唆するメモを残していたことがわかった。

 関係者の話や横須賀地方総監部によると、海自が乗組員から聞き取り調査を実施するなどした結果、昨年秋以降、後藤光一・1曹(42)が3曹に対して、平手やペンライトで頭を殴ったり、「自衛隊を辞めろ」「田舎に帰れ」などと非難し、バケツを持って立たせたりすることがたびたびあったことが判明。また、3曹の携帯電話を隠し、自殺後に発覚を恐れて海に投棄していたという。海自は、いじめとパワハラが自殺の大きな要因と判断した。

 海自内で警察業務を担う横須賀地方警務隊は、後藤1曹を近く暴行などの容疑で書類送検する方針だ。

 同じ横須賀基地配備の護衛艦「たちかぜ」では、乗組員だった男性(当時21)が2004年に先輩のいじめを受けて自殺。遺族が起こした訴訟で、国による文書の隠蔽(いんぺい)や国の責任を認め、賠償を命じる東京高裁判決が今年4月に言い渡され、確定している。(北崎礼子)

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