実質賃金、過去2番目の下げ幅 給与は4年ぶり増

http://www.asahi.com/articles/ASH237794H23ULFA02S.html
朝日新聞デジタル 2015年2月4日
  
 毎月勤労統計調査(速報)によると、2014年に支払われた現金給与総額の月平均は前年比0・8%増の31万6694円だった。景気回復で残業代や賞与が増えて4年ぶりに増加した。物価上昇の伸びを差し引いた実質賃金指数は2・5%減と3年続けて減り、減少幅も過去2番目に大きくなった。

 厚生労働省が4日発表した。現金給与総額は基本給や残業代、賞与などを合わせたもの。景気回復で企業の生産活動が活発になり、残業代は前年より3・1%増加。賞与も3・5%増え、バブルの影響で最大の増加幅だった91年の5・7%に次ぐ伸びとなった。

 基本給は、一般労働者が前年より0・4%増え、短時間勤務のパートも0・2%増えた。春闘による賃上げの動きが広がったことや人手不足を背景にパートの時給が上昇しているためだ。ただ、働く人に占めるパートの割合が増えたため、全体の基本給の月平均は前年より111円高い24万1357円とほぼ横ばいだった。

 しかし、昨年4月の消費増税や円安による輸入物価の上昇で、実質賃金指数は昨年12月まで18カ月続けて減少した。14年の実質賃金指数も2・5%減と、リーマン・ショックの影響で2・6%減と最大の落ち込み幅だった09年と同水準だ。減少幅は昨秋から縮小してはいるが、賃金の伸びが物価上昇のペースに追いつかない状況は続いている。

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