厚生労働省は7日、今国会に提出する働き方改革関連法案の修正案を自民党の厚生労働部会などに示した。中小企業で月60時間を超える残業があった場合の割増賃金の引き上げを、当初予定の2022年4月から1年遅らせることを盛り込んだ。中小は大手よりも割増率が低く、その解消が遅れることに労働組合から反発が出るとみられる。
修正案では、中小企業に対して残業時間の上限規制を20年4月、同一労働同一賃金を21年4月にそれぞれ1年遅らせることも明記。安倍晋三首相が昨年秋に衆院を解散して法案の審議ができなかったため、経済団体が中小企業への適用を遅らせるよう求めていた。
割増賃金は労働基準法に基づくもので、1日8時間、週40時間を超える残業をさせた企業は、25%以上を割り増しして残業代を支払わなければならない。10年施行の改正労基法で月60時間を超える残業に50%以上の割増賃金の支払いが必要になったが、中小企業は引き上げを猶予されている。【古関俊樹】