平成30年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します
令和元年5月17日(金)
労働基準局 安全衛生部 労働衛生課
課長:神ノ田 昌博
主任中央労働衛生専門官:搆 健一
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報道関係者 各位
平成30年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します
〜死亡者数、死傷者数ともに前年の倍に〜
厚生労働省では、平成30年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を取りまとめましたので、公表します(別添1参照)。
平成30年における職場での熱中症*1による死亡者数は28人と、平成29年と比べて2倍となりました。死傷者数(死亡者数と休業4日以上の業務上疾病者数を加えた数)は、1,178人と前年の2倍を超えました。熱中症による年間の死傷者数は、近年400〜500人台でしたが、1,000人を超えたのは、過去10年間で最多となっています。
死亡者数を業種別にみると、建設業が10人と前年同様最も多いのですが、前年死亡者のいなかった製造業で5人、運送業で4人発生しています。特に屋内作業での増加が目立っています。死傷者数では、警備業が前年のほぼ3倍、製造業、運送業が前年のほぼ2倍となっています。
熱中症で死亡した28人の状況をみると、WBGT値*2(暑さ指数)が、基準値を超えて熱中症の発生リスクが高まっていたと推測されます。中でも、作業環境の正確な把握や作業計画の変更を行わなかったと考えられる事例や、重篤な熱中症の兆候が見られた労働者の救急搬送が遅れた事例、日ごろから健康診断や体調把握などの事業場における健康管理を適切に実施していない事例などが見られます。
これから、夏にかけて気温や湿度が上昇し、WBGT値も大きく上昇が見込まれます。それぞれの事業場において、熱中症のリスクを過小評価することなく、WBGT値の測定などにより客観的な指標を用いて作業環境を把握したり、労働者の身体に大きな負担をかけないような作業計画、作業指示を行ってください。
*1 熱中症とは
高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れる。
*2 WBGT値とは気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。
厚生労働省では、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施中です(5月1日から9月30日まで)
別添1 「平成30年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」[PDF形式:513KB]
別添2 令和元年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱[PDF形式:542KB]
参考1 通達「平成21年6月19日付け基発0619001号『職場における熱中症の予防について』」[PDF形式:754KB]
参考2 リーフレット「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」[PDF形式:1.5MB]
参考3 特設サイト