ソニーは19日、一眼カメラの交換レンズや携帯電話を作る美濃加茂工場(岐阜県美濃加茂市)を来年3月末で閉鎖すると発表した。正社員770人は他の工場に転勤させ、一部は早期希望退職制度で退職する。非正規社員1920人は契約を更新せず、3月までに全員が辞め(させられ?)るという。
レンズの生産は愛知県幸田町の工場に、携帯電話の生産は海外工場にそれぞれ移す。美濃加茂は国内唯一の携帯電話工場だったため、ソニーは国内での携帯生産を終えることになる。携帯電話の修理部門は千葉県木更津市の工場に移る。
ソニーはテレビ事業の不振などで2012年3月期決算の純損益が4566億円の赤字に陥った。このため、事業の整理などで来年3月までに従業員約1万人(国内は3千〜4千人)を削減し、画像センサーやゲームなどの中核事業に投資を集中する方針を打ち出していた。すでに化学事業の売却などで約5千人を削減。19日には、来年3月までに早期希望退職者を募ってさらに国内で約2千人を削減すると発表した。
ソニーが国内で工場を閉鎖するのは、リーマン・ショックの影響で業績が悪化した09年12月に小見川(千葉県香取市)、浜松(浜松市)、千厩(せんまや)(岩手県一関市)の3工場を閉めて以来、約3年ぶりとなる。