http://mainichi.jp/select/news/20130704k0000m040037000c.html
毎日新聞 2013年07月03日 19時30分
厚生労働省は3日、外国人技能実習生が働く事業所の約8割で賃金不払いなど労働基準法関連法に違反していたとする2012年度の労働基準監督署の調査結果をまとめた。違法状態が疑われる事業所を対象にした「臨検」と呼ばれる調査で、外国人実習生の現状の一端が浮かび上がった。
監督署は、実習生を受け入れている約2万事業所のうち、2776事業所に臨検。2196事業所(79%)で違法な事態があり、指導した。違反内容(重複あり)は、安全教育をしないなど安全衛生関係が1362件。次いで違法な残業など労働時間関連が894件、残業代不払い499件、賃金不払い335件だった。また、実習生から労基署に法違反の申告があったのは126件(前年度比75件減)で、賃金不払い(118件)、最低賃金違反(31件)など。
労基法違反で送検された悪質なケースは15件。縫製の事業所では、月100時間以上残業させながら、残業代は1時間400円程度しか支払わず、労基署の臨検に虚偽のタイムカードなどを提出していた。別の縫製事業所では、3〜5カ月間、21人の実習生に計2190万円の賃金を支払っていなかった。【東海林智】