毎日新聞 2014年01月24日
海外旅行の添乗員が、労働時間算定が難しい場合に一定時間働いたことにする「みなし労働時間制」の適用は不当として、残業代支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は24日、添乗員側の主張を認め、会社側の上告を棄却した。約31万円の支払いを命じた2審・東京高裁判決が確定した。
訴えていたのは、添乗員派遣会社「阪急トラベルサポート」(大阪市)に登録していた女性添乗員。2007年と08年に仏国などのツアーで添乗員をしていた。小法廷は▽日程や業務内容はあらかじめ具体的に確定している▽携帯電話を持たせてツアー中も報告を求め、終了後に業務日報を提出させている−−ことを重視。「労働基準法が規定した『労働時間を算定しがたいとき』には該当しない」と結論づけた。
「みなし労働時間制」の適用可否について最高裁が判断を示すのは初めて。同社を巡っては他に今回の女性を含む7人が2件の訴訟を起こし上告中だが、同様の結論になる見通し。【和田武士】