大学生の生活費6.7%増 12年度70万円、スマホ代重く

日本経済新聞 2014/2/26

 大学生(昼間部の学部生)の2012年度の年間平均生活費は70万4600円で、10年度の前回調査より6.7%増えたことが26日、独立行政法人「日本学生支援機構」の隔年調査で分かった。増加は00年度以来。スマートフォン(スマホ)の通信費などの増加が目立った半面、食費などは減った。家計の厳しさを背景に、奨学金を受け取る学生の割合は52.5%と過去最高だった。

 今回の調査は12年11月、国公私立の大学生約9万1千人を対象に実施。約4万1千人が回答した。

 生活費の中で特に増えたのが、調査した頃に大学生に急速に普及していたスマホを含む携帯電話の料金や洋服代など「その他日常費」。16万600円と前回調査より56.2%増えた。理髪・美容代や化粧品代、診療費など「保健衛生費」も4万4900円と12.5%増加。飲み会の代金など「娯楽・嗜好費」は13万9400円と0.7%増えた。

 これに対し、食費は16万6900円(2.5%減)、住居・光熱費は19万2800円(7.5%減)といずれも減少。学生がこうした“固定費”を節約しながら、友人との交流や身なりを整えるための出費は惜しまない実態がうかがえる。

 一方、過去の調査で緩やかな増加傾向が続いていた学費(入学金を除く)は今回、117万5500円と0.5%増加。学費と生活費を合わせた総出費は188万100円と2.7%増だった。

 学部生の収入は199万7300円で0.4%増。内訳は、仕送りなど家庭から受け取ったのが過去最低の121万5200円となる一方、奨学金は過去最高の40万8500円だった。奨学金を受給する割合も52.5%(1.8ポイント増)と過去最高を更新した。

 自宅から国立大に通う学部生の年間費用は116万8千円。最もお金がかさむ私立大の下宿生は241万1千円で2倍強の開きがあった。家庭の年間収入は国立大が780万円、公立大が736万円、私立大が823万円だった。

 調査は02年度まで文部科学省が実施し、04年度から同機構に移管した。

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