朝日 DIGITAL 2016年11月25日
http://www.asahi.com/articles/ASJCT53XPJCTULFA01M.html
大手電機メーカー、三菱電機に勤務していた研究職の男性(31)が精神疾患を発症したのは長時間の過重労働が原因だったとして、藤沢労働基準監督署(神奈川県藤沢市)が労災認定した。男性と代理人弁護士らが25日、記者会見して明らかにした。認定は24日付。
男性は2013年4月に三菱電機に入社。情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に配属され、家電などに使うレーザーの研究開発の担当になった。
代理人弁護士などによると、14年1月から論文作成業務などが加わって業務量が増加。同労基署は「それまでの倍以上、月100時間を超える時間外労働があった」と認定。長時間労働による心理的負荷が強まり、入社2年目の同年4月上旬ごろに「適応障害」を発症したと結論づけた。
ログイン前の続き男性によると、労働時間の管理は自己申告制で、労基署に届け出た時間外労働の上限の月40時間以内に抑えて虚偽の申告をするように上司から指示されていたという。発症前の時間外労働は最長で月160時間ほどにのぼったと説明した。
上限ぎりぎりの「39時間」と毎月申告すると虚偽申告が発覚する恐れがあるため、「36時間」「35時間」などと月ごとに違う時間を申告するよう指示されたこともあるという。この上司からは「言われたことしかできないのか。俺が死ねと言ったら死ぬのか」などと注意を受けたこともあったという。
男性は14年6月から休業。就業規則で定める休業期間を超えたため、今年6月に解雇された。男性は労災休業中の解雇は無効だとして、同社に復職を求める方針だ。
三菱電機広報部は「労基署の判断を確認の上、対応を検討する」としている。労働時間を虚偽申告するよう指示されたとする男性の主張については、「指摘を受けて調査したが、そうした事実はなかったと認識している」と回答した。