石綿労災記録の不開示は違法 大阪地裁、元労働者の遺族勝訴
共同通信 2019/6/5 17:08 (JST)
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アスベスト(石綿)被害の救済対象の可能性があるとして国から提訴を促す通知を受けたのに、必要な労災記録の開示を拒まれたとして、元工場労働者の遺族2人が国に不開示処分の取り消しを求めた訴訟の判決で大阪地裁は5日、「開示で行政の適正な運営が阻害される状況にはなかった」として不開示は違法と認め、処分を取り消した。
国側は訴訟の途中の3月、任意で労災記録を開示したが、処分は取り消さず訴訟が続いていた。
三輪方大裁判長は判決理由で、元労働者の多くが既に亡くなり、国の救済枠組みでは遺族も損害賠償請求権を持つことが制度的に予定されていると指摘した。