医師に過労死ライン超え残業 県立病院に労基署が是正
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京都新聞 2019年06月08日 11時30分
〔写真〕滋賀県立総合病院(滋賀県守山市、同病院提供)
滋賀県立総合病院(守山市)が、医師や事務職員に労使協定の上限を超える違法な時間外労働をさせていたなどとして、大津労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが7日、分かった。2016年にも同労基署から是正勧告されており、同病院は「十分に改善できていなかった」としている。
同病院によると、労使協定による残業の上限は月75時間だが、医師7人は18年度、延べ12回超過した。最も多い医師は月104時間と過労死ライン(月80時間)を超え、年間1028時間に達した。事務職員の残業は最長で月114時間、年間789時間だった。過労による健康被害は確認されていないという。
是正勧告は1月7日付。労働基準法と労働安全衛生法の違反が28項目あった。違法残業のほかに、残業をした看護師に割増賃金が支払われていないことや、有機溶剤といった化学物質を取り扱う作業主任者を選任していないことなどが指摘された。
同病院は県立成人病センターの名称だった16年10月にも看護師のサービス残業などを指摘されており、今回の是正勧告を受けて「取り組みが不十分だった。今月末までに労基署に改善策を報告したい」としている。既に医師の負担を軽減するため補助職員を追加採用し、事務職員を補充したという。
【 2019年06月08日 11時30分 】