疲弊する職場の実態訴え/全労連公務部会がフォーラム (6/19)

疲弊する職場の実態訴え/全労連公務部会がフォーラム

連合通信 20190619
 
 全労連公務部会と公務労組連絡会、近畿公務共闘は6月16日、「市民の生活と公務労働を考えるフォーラム」を大阪市内で開き、市民の安全な暮らしに不可欠な公共サービスが危機的な状況にあると訴えた。定員削減によって長時間過重労働がまん延する中、業務委託や非正規化が進み、職場は「崩壊寸前」だという。
 
●労働強化が危険を招く/国土交通労組
 
 自然災害が発生した際、道路や港などの維持・復旧業務を担っているのが国土交通省だ。通行規制時には暴風雨の中、職員が12時間連続で道路に立ち続けることもまれではない。省全体の定員は純増だが、海上保安庁の大幅増員を除けば、他の機関は削減されている。大阪国道事務所では委託労働者が52%を占め、正規職員は3分の1程度で、若手職員の離職も目立つ。国土交通労組近畿地方協議会の西本健二議長は「(在職死亡では)がんの次に自殺者が多い。サービス残業のためか、ほとんどが公務災害に認定されていない」と指摘し、長時間労働によるうつ病発症への具体的な措置を求めた。
 
 公務員にも4月から残業時間の上限規制が始まったが、大規模災害の対処や緊急を要する業務は特例として、規制対象から外されている。「施設管理を担当すれば、全て特例に当てはまる。(残業で)特例以外の業務を4月以降やったことがない。なんでもありの状態だ」と述べ、上限規制の効果がないと訴えた。
 
 同労組関西気象支部の蓬台正信委員長は、定員削減で空港などの観測拠点の廃止や民間委託化が進んだと指摘。今後は各府県にある地方気象台がターゲットになるとし、「気象台を集約して人を減らせば、労働強化になる。警報や防災情報が遅れ、予測の精度が落ちる」と懸念を示した。(つづく)
 
 〈写真〉職場の実態を訴える全厚生近畿社会保険支部の藤江書記長(6月16日、大阪市内)
 
 

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