□正社員と格差、契約社員は手当なし 高裁、不合理と認定
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朝日新聞デジタル 木下広大 2019年7月8日19時08分
正社員と仕事が同じなのに手当や賞与が払われない格差があるのは労働契約法に違反するとして、農業機械大手「井関農機」の子会社2社(松山市)に、元契約社員5人(現在は正社員)が計約1750万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が8日、高松高裁であった。増田隆久裁判長は、2社に手当の支払いを命じた一審・松山地裁判決を支持し、原告と被告の双方の控訴を棄却した。
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原告は井関松山製造所の3人と井関松山ファクトリーの2人。高裁判決は一審判決を踏襲し、5人の業務が正社員と同様だったと認定。正社員がもらえる住宅手当や家族手当を会社が払わないのは「不合理」と判断した。一方、5人が求めた賞与分の支払いについては、正社員と契約社員で職務責任の範囲に差があり、契約社員には賞与に代わる寸志を一律に支給していることなどから、支給しないのは違法ではないとした。(木下広大)
□契約社員の格差 家族手当などは違法 賞与は容認 高松高裁
NHK WEBNEWS 2019年7月8日 20時43分
大手農機具メーカーのグループ会社で働く契約社員が、正社員と同じ仕事をしているのに待遇に格差があるのは不当だと訴えた裁判で、2審の高松高等裁判所は1審に続いて正社員への手当と同じ額を支払うよう会社側に命じた一方、賞与ついては訴えを退けました。
大手農機具メーカー「井関農機」のグループ会社で働く契約社員5人は、正社員と同じ仕事をしているにもかかわらず待遇に格差があるのは労働契約法に違反するとして、正社員と同じように賞与や手当を支払うことなどを求めていました。
1審の松山地方裁判所は家族手当などの手当を契約社員に支払わないのは不合理だとして2社に賠償を命じた一方、賞与の支払いを求める訴えについては退け、双方が控訴していました。
8日の2審の判決で高松高等裁判所の増田高久裁判長は「手当の支給は職務の内容の差に基づくものとは言えない」と指摘し、1審と同じように正社員への手当と同じ額が損害にあたると認め、およそ300万円の賠償を命じました。
一方、賞与については「正社員に対し賞与を手厚くすることで人材の獲得、定着を図るという会社の人事施策上の目的に合理性が認められる」などとして1審に続いて訴えを退けました。
原告「なぜ賞与認めぬ」上告の考え
原告の1人、丹生谷安基さんは「賞与について認められなかったのは残念だ。賞与についても認めるよう最高裁に求めていく」と述べ、上告する考えを示しました。
三輪晃義弁護士は「賞与についても認められてしかるべきなのになぜ認められないのか。最高裁もボーナスについて、真正面からまだ回答を出していない。最高裁で争い、しっかりと問いただしていきたい」と話していました。
井関農機のグループ会社の井関松山製造所は「判決の詳細な内容を確認して今後対応したいと思うので、詳細についてはコメントを控えたい」としています。
また井関松山ファクトリーは「会社に持ち帰り、今後どのように進めていくか考えるため、コメントについては控えたい」としています。