被害男性の労災保険 国が誤って返還要求繰り返す
NHKWebNews 2019年7月15日 20時43分
勤務中のけがで仕事ができなくなり、労災保険などを受け取った男性に対し、国が誤って返還を求めていたことが分かりました。
トラック運転手だった神奈川県の60代の男性は6年前、静岡県で起きた勤務中の交通事故でけがをして仕事ができなくなり、労災保険と事故相手の自賠責保険から合わせて1000万円余りを受け取ることになりました。
ところが、代理人の弁護士によりますと、男性は小田原労働基準監督署から、このうちおよそ130万円を返還するよう繰り返し求められたということです。
労災保険が支払われた場合、労働基準監督署はその分を事故の相手側から回収しますが、このケースでは相手側に支払い能力がなかったため、男性が受け取る事故相手の自賠責保険から回収しようとしていました。
最高裁判所は去年、こうした場合は回収より被害者保護を優先すべきという判断を示していますが、労働基準監督署はことし5月まで繰り返し督促状を送っていたというこです。
NHKの取材に対して労働基準監督署は「個別の事案については答えられない」としていますが、弁護士によりますと、労働基準監督署から「請求は誤りだった」という説明があったということです。
代理人の井田吉則弁護士は「国から請求されれば多くの人は返還する必要があると思ってしまう。同様の誤った請求がほかにも行われているおそれがある」と指摘しています。