東京都労働委員会、青林堂に救済命令
産経新聞 2019.7.23 14:47ライフくらし
団体交渉をしていた相手方の労働組合を批判する本を出版したのは不当労働行為に当たるとして、東京都労働委員会は23日、漫画雑誌「ガロ」を発行していたことで知られる出版社「青林堂」(渋谷区)に、救済命令を出した。
命令書によると、同社は平成28年9月、労働組合「東京管理職ユニオン」加入後に解雇され、その後に和解が成立して復職した男性社員の労働条件について組合と交渉中だったにもかかわらず、「中小企業がユニオンに潰される日」という本を出版。男性の氏名や写真を本に掲載し、著者を同社顧問として交渉の場に出席させた。
都労委は同社の行為について「組合活動に支障や萎縮を招く記述のある書籍を出版したことは、組合運営に対する支配介入に当たる」と判断。再発防止などを記載した文書を組合に交付するよう命じた。
男性は復職後の28年2月、社長らからパワーハラスメントを受けたなどとして適応障害と診断され、休職。29年12月に自主退職している。