吉本の文書なし契約、独禁法上の問題行為誘発も…公取指摘
2019/07/24
公正取引委員会の山田昭典事務総長は24日、定例記者会見で、吉本興業が所属タレントと文書を作らずに契約を結んでいることについて、「独占禁止法上の問題行為を誘発する原因になり得る」と述べた。契約書がないことで、具体的には報酬の支払いが遅れたり、著しく低い対価で労働サービスの提供を求められたりする可能性があると指摘した。
吉本所属のタレントが反社会的勢力と関わった問題を巡っては、金銭のやりとり以外にも、吉本とタレントの契約関係が問題視されている。多くの所属タレントが、低い報酬によって最低限の生活保障がされていないとの指摘がある。
公取委は昨年公表した報告書で、望ましくない契約行為として、「使用者が対価を曖昧な形で提示する慣行」を挙げている。
吉本興業、希望者と書面で契約へ 全員の意向確認も準備
朝日新聞デジタル 定塚遼、黒田健朗 2019年7月25日16時01分
〔写真・図版〕一連の「闇営業」問題で報道陣が集まる吉本興業東京本部=2019年7月23日、東京都新宿区
]
公正取引委員会が「問題がある」と指摘していたタレントとの契約書なしの契約について吉本興業は希望するタレントには書面で契約する方針を固めた。複数の関係者が25日、明らかにした。
吉本興業の契約書なし、「問題がある」 公取委総長発言
吉本興業社長、会見5時間超 質問と回答がかみあわず
反社会勢力の宴会に所属芸人が参加し、金銭を受け取るなどした一連の「闇営業」問題では、吉本がタレントの大半と契約書を交わしていないことも原因の一つになったとされる。24日には公正取引委員会の山田昭典事務総長が定例会見で吉本の契約についての質問に「ただちにそれが独禁法上の問題になるというわけではないが、契約内容が不明確であることを通じて優越的地位の乱用などの独禁法上問題のある行為を誘発する原因になり得る」と述べていた。
吉本関係者によると、全てのタレントに聞き取りをしてそれぞれの意向を確認したうえで、希望する人については改めて書面で契約を結ぶという。
タレントの契約を巡っては、吉…
【関連コメント】